第70話:『結衣VSゼツラ 鷲の強風』
遂に、デスリングを巡っての戦いが始まった。
セルビアの基地へ潜入するフロンティアの隊員たち。
それを出迎えるのはセルビアの隊員たちと、セルビアと手を組んだ、フレシャス財団の使者たちだ。
徳山:「はあ!」
徳山が剣タイプのデュエルギアで敵を斬る。
フレシャス財団の部下:「くそがっ!」
斬られた肩を押さえる男性。
そこに徳山が近づく。
徳山:「デスリングの場所を教えろ」
徳山が剣を男性に向けて聞く。
フレシャス財団の部下:「誰が教えるか!」
男性は立ち上がろうとするが、その前に徳山が斬り倒した。
徳山:「素直に吐けばいいものを」
徳山はそう言って、セルビアの基地へと潜入する。
その頃、刈間九十九と言う名でセルビアの基地へ潜入していた遊馬は…。
九十九:『きたか』
遊馬はリモコンを握り、チャンネルを変えた。
さっきまで独房の映像が映っていたモニターは、外の映像を映した。
九十九:『小鳥、やっぱりお前も来ていたんだな』
小鳥が来ていることを確認した遊馬。
そして、既に中へ潜入している徳山を見た遊馬は、すぐに隠密剣士部隊だと分かった。
九十九:『隠密剣士部隊。SOA特務隊と一緒に行動しているってことは、そうそうない。司令に十天老士の爺さんがついているな』
そう思った遊馬は、再びモニターに独房の映像を映した。
リモコンを置き、ミッションウォッチを見る。
九十九:『ゆっくりはしていられないか』
遊馬は後ろにいる見張り3人を見る。
第5OP『D-tecnoLife《UVERworld》』
第70話:『結衣VSゼツラ 鷲の強風』
セルビアの基地に突入を開始したフロンティアの隊員たち。
セルビア部下A:「侵入者を急いで見つけ出すんだ!決してボスたちの元へは行かせるな!!」
セルビアの部下の一人が、一緒にいる仲間たちに指示を出す。
セルビアの部下たちが動いていたその頃、セルビアと同盟を結んだフレシャス財団の部下たちも行動を開始していた。
フレシャス財団部下A:「我々も行動を開始する。ただし、孫さまの合図があるまでは、無理にフロンティアとは戦うな。あくまで我々はフレシャス財団として動く。いいな」
フレシャス財団の部下一人がそういうと、皆が頷く。
その頃、セルビア基地のとある研究室…。
マーガレット:「外が騒がしいな。敵襲か?」
白衣を着た茶髪の男性が、外の騒がしさに気付いた。
マーガレット:「これでは、剣九に集中できないではないか」
マーガレット・ジムラ。セルビアに所属する研究員である。
ゼツラ:「フロンティアの虫共が攻めてきたようだ」
扉が開き、入ってきたのはセルビアの戦闘部隊隊長のゼツラだった。
マーガレット:「フロンティア?もう来たのか?」
ゼツラ:「あぁ、フレシャス財団が雇ったレイドって男が、こちらに向かっていたフロンティアの人間数人を、人質としてここに連れてきたらしい。仲間思いのフロンティアだ。行動が早い」
マーガレット:「お前だって、奴らの仲間を半殺しにしたんだろ?奴らを怒らせたのは、お前にも責任があるだろう」
ゼツラ:「邪魔が入らなければ殺していた」
マーガレット:「あー、わかったよ、いいわけなんか聞きたくない。それで、お前がここに来るってことは、俺に話したいことがあったんじゃないのか?」
ゼツラ:「あぁ、実はだな…」
ゼツラが話したいことをマーガレットに話す。
その頃、ツバキ、結衣、本田、ジムの4人は共に行動しており、先ほどセルビアの基地へ潜入した。
セルビア部下A:「いたぞ!始末しろ!」
セルビアの部下がツバキたちを発見した。
ジム:「もう見つかったか」
本田:「一気に始末してやるよ!」
本田が、コマンダーのランチャータイプのデュエルギア”コマンド・ランチャー”を出す。
ツバキ:「待ってください、本田さん。あなたの武器は、こんな狭いところで使うものじゃないです」
ツバキが本田の腕を掴む。
本田:「うっ、確かに俺、火力の制御とかできねえんだ」
本田がツバキの言葉に納得していると、敵が自分たちに向かって銃を撃ってきた。
4人は、急いで近くの壁に隠れる。
結衣:「敵は何人いるの?」
結衣がそう言って、ジムが敵の数を確認する。
ジム:「1、2、3、…6人だ」
ジムが敵の数を言う。
本田:「やっぱり、俺のデュエルギアで掃除した方が早いんじゃねえか?」
ツバキ:「それで、相手を殺したらどうするんですか?できれば、殺すのも殺されるのも、僕は御免です」
本田:「じゃあ、どうすんだ?相手は、俺たちを殺すつもりだぞ」
何も考えずに、言葉をツバキにぶつける本田。
結衣:「ここは私が出るわ」
結衣が自分が出ると名乗り出る。
ツバキ:「姉さん…」
結衣:「相手は6人なんでしょ。なら行ける自信があるわ」
結衣が立ち上がる。
本田:「おいおい、本気か。あいつらプロだぞ」
結衣:「本田さん、私たちだってフロンティアに入って1年以上経つわよ。新人じゃないわ」
結衣がデッキケースから1枚のカードを手に取る。
結衣:「私は後から追うわ。だから、早く」
ジム:「ガール一人を置いて行くわけにはいかない」
結衣:「大丈夫だって。すぐ行くから」
結衣が笑顔で言う。
ツバキ:「わかったよ、姉さん」
本田:「いいのかよ!」
ツバキに突っ込みを入れるような口調で本田が言う、
ツバキ:「姉さんがやるって言ってるんです。本田さんは知ってるでしょう?姉さんがやるっていったら、絶対にやるって」
本田:「あ、ああ、父母譲りの折れない気持ちの持ち主だからな」
ツバキ:「ここは、姉さんに任せましょう。待ってるから、姉さん」
結衣:「ええ、すぐに追いかけるわ」
ツバキ:「行きますよ」
ツバキが、この場を後にする、
本田:「お、おい、ツバキ待ってくれよ!」
ジム:「キングガール、必ず戻ることを祈っている」
本田とジムが後をツバキの後を追いかける。
この場に一人残った結衣。
結衣:「さて、行くわよ。”フェンリル・マジシャン・ガール”」
結衣が手に持つカードが輝き、魔法使いが使う短い杖が結衣の手に現れる。
結衣は敵の前に堂々と出てきた。
セルビアの部下A:「女だからって油断するな!撃てぇぇ!!」
セルビアの部下たちは結衣に向かって銃タイプのデュエルギアを発砲した。
うち一人はクロスボウの矢を撃ってきた。
結衣:「オプスキュリテ・ステッキは、攻撃も防御もできるのよ」
オプスキュリテ・ステッキ。それが、結衣が手に持っているデュエルギアの名前だ。
結衣:「フレキ・ムーロ!」
結衣の前に黒いオーラでできた狼の顔が現れ、それが防壁となり、結衣を攻撃から守る。
セルビア部下B:「ええい!ふざけたバリアを!」
結衣:「ふざけてないわよ。次は私から行くわ」
結衣がオプスキュリテ・ステッキの先を前に突き出す。
結衣:「ゲリ・バースト!」
さっきとは違った黒いオーラでできた狼の顔が現れ、敵に向かって、それを飛ばす。
周りのガラスが砕け、更に廊下を照らす蛍光灯も次々と壊れていく。
セルビア部下たち:「「「ぐわあああ!」」」
セルビア部下A:「たかが小娘の攻撃などに!」
結衣:「キングの娘を嘗めないでよね」
真剣な表情で結衣が言葉を発する。
その頃、とある研究室にいたゼツラとマーガレットはというと。
マーガレット:「なぜ、そんな話を俺にする?」
ゼツラ:「お前とは、大学時代の付き合いだ」
マーガレット:「腐れ縁は捨てられないってか?」
ゼツラ:「向こうも強制ではないと言っていた」
マーガレット:「だが、断れば、どうなるかわからないんだろ?」
ゼツラ:「敵対するなら殺すだけだ」
ゼツラは部屋を出ようとする。
マーガレット:「ここにも」
マーガレットが口を開き、その場で足が止まるゼツラ。
マーガレット:「ここにも、そろそろ飽きた頃だ。その話し、前向きに考えてやるよ」
ゼツラ:「そうか」
ゼツラは部屋を出る。
それを見送ったマーガレットがため息をついた。
研究室を出たゼツラの元に通信が来た。
ゼツラ:「どうした?」
セルビア部下:『隊長!応援をお願いします!敵はかなりの手練れです!』
ゼツラ:「どんな敵だ?」
セルビア部下:『小娘一人ですが、中々の力の持ち主です!』
通信の向こうで慌てていることがすぐに分かったゼツラ。
通信を切り、先へ進む。
ゼツラ:「小娘一人に何を手こずっている」
ボソッと口にするゼツラ。
ヤバがいるトレーラーに通信が入ってきた。
相手はツバキで、双六が対応していた。
双六:「何、結衣が…!」
ツバキ:『うん、1人でやるって言ったから、残してきたんだけど、やっぱり心配なんだ。曽爺ちゃん、そっちで何とか姉さんのところに増援送れない?』
双六:「わかった。何とかしてみよう。いや、何とかして見せる」
双六はそういうと、ヤバを見る。
ヤバ:「隙に知ろ。ただし、任務に支障出るぐらいの増援が送るな」
双六:「…」
ムスッとした顔で双六がレベッカの横に立つ。
双六:「聞いての通りだ。結衣の近くにいる、皆に連絡を取ってくれ」
レベッカ:「もうやってるわ」
レベッカがパソコンのキーを叩いて言う。
その頃、結衣は…。
結衣:「ゲリ・バースト!!」
オプスキュリテ・ステッキから黒いオーラでできた狼の顔の形をした波動を目の前に現れた敵にぶつける。
セルビアの部下たち:「「「うわあああ!」」」
セルビアの敵たちが吹き飛ばされ、全員が床に倒れる。
結衣:「物騒な人達ね」
結衣が、この場を離れようとした、そのとき!
???:「女にしては、随分派手にやってくれてな」
結衣の目の前に現れた一人の男。
ゼツラ:「女一人に何を手こずっているんだ、カスが」
ゼツラは倒れている部下1人を蹴る。
結衣:『この人…』
目の前に現れた男はノースリーブで、右腕全体に入墨が彫られている。
作戦が始まる前に、哲平やツバキから話しは受けていたが…。
結衣:「まさか、セルビアの戦闘部隊隊長のゼツラ?」
ゼツラ:「ほお、俺のことを知っているのか?」
結衣:「ええ、御伽さんたちを苦しめた最低な男って、私が持っている情報にはそう入っているわ」
ゼツラ:「殺す奴らの名前などに興味はないが、あのとき殺し損ねた奴らの仲間ということか」
結衣:「御伽さんたちの仇、撃たせてもらうわ!!」
オプスキュリテ・ステッキを構える結衣。
すると、ゼツラはデュエルディスクを手に持った。
結衣:「どういうつもり?」
ゼツラ:「流石に、女を殴り殺しする趣味は俺にはないんでな。デュエルで痛みつけてやる」
ゼツラはデュエルディスクを腕につける。
結衣:「いいわ。私も最近、ご無沙汰だったから。それに、こっちの勝負の方が私は好きだし」
結衣はミッションウォッチから粒子化していたデュエルディスクを手に取り、左腕につける。
更にデュエルアイも左目につける。
ゼツラ:「すぐ地獄につき落としてやる」
結衣:「いくわよ!」
「「デュエル!!!」」
2人の掛け声とともにデュエルがスタートした。
両者
LP4000
1ターン
結衣:「先行は私がもらうわ。私のターン、ドロー!」
結衣がカードをドローし、手札が6枚になる。
結衣:「私は”スフィンクス・バード”を攻撃表示で召喚!!」
大きな羽がついたスフィンクスが結衣の場に現れる。
スフィンクス・バード
LV4 攻撃力200
結衣:「このカードが召喚に成功したとき、自動的に守備表示になるわ」
攻撃表示で召喚したスフィンクス・バードだが、効果によって守備表示になる。
スフィンクス・バード
守備力2000
結衣:『セルビアの部隊をまとめるほどならデュエルも相当な腕を持つはず。焦ってはダメ』
結衣は心の中で呟く。
結衣:「カードを1枚伏せて、ターンエンド」
結衣のターンが終了した。
ゼツラ:「そういえば、名前聞いていなかったな」
結衣:「武藤結衣よ」
結衣は自分の名を名乗った。
ゼツラ:「武藤?なるほど、キング・オブ・デュエリストの娘ってわけか。なら、尚更、地獄につき落とす甲斐があるってもんだ!」
ゼツラの殺気が結衣を襲う。
結衣:『この人の殺気、半端じゃない。ツバキの言ってた通りだわ』
2ターン
両者
LP4000
ゼツラ:「俺のターン!ドロー!」
ゼツラがカードをドローし、手札が6枚になる。
ゼツラ:「俺は”アギラ・マウンテン”を召喚!」
ゼツラの場に鋭い爪を持つ茶色い毛を持つ鷲が現れた。
アギラ・マウンテン
LV3 攻撃力400
ゼツラ:「更に、アギラ・マウンテンをリリースし、”アクイラ・ライジングサン”を特殊召喚する!」
アギラ・マウンテンが場から消え、新たに黄色い身体を持ち所々が機械化している鷲が現れる。
アクイラ・ライジングサン
LV6 攻撃力2300
結衣:「アギラにアクイラ。日本語読みは鷲」
ゼツラ:「これが、俺のデッキ。”イーグル・デスデッキ”だ。そして、今、召喚したアクイラ・ライジングサン…。朝日の鷲の効果を発動する!」
アクイラ・ライジングサンが太陽のように輝く。
ゼツラ:「アクイラ・ライジングサンの効果により、手札を1枚捨てることで、相手モンスター1体の表示形式を変更する!」
ゼツラは手札から1枚カードを墓地に捨てた。
スフィンクス・バード
守備力2000 → 攻撃力200
結衣:「表示形式を強制的に変更する効果を持っていたとはね」
ゼツラ:「アクイラ・ライジングサンで、スフィンクス・バードに攻撃!ライジング・デス・スパイラル!!」
アクイラ・ライジングサンが突風を起こし、その突風でスフィンクス・バードを破壊した。
結衣:「きゃああ!」
結衣
LP4000 → 1900
結衣:「くっ、スフィンクス・バードの効果発動!戦闘で破壊されたとき、デッキから魔法使い族モンスター1体を手札に加えるわ」
結衣がデッキから1枚カードを手札に加えた。
ゼツラ:「俺はこれでターンエンド」
ゼツラのターンが終了した。
3ターン
結衣
LP1900
ゼツラ
LP4000
結衣:「私のターン!!」
結衣がカードをドローする。
結衣:「私は”スフィンクス・エンジェル”を召喚!」
結衣の場に天使の羽が付いた小さいスフィンクスが現れる。
スフィンクス・エンジェル
LV3 攻撃力900
結衣:「マジックカード”速攻サモン”を発動!手札からレベル5以上の効果モンスター1体を特殊召喚する!」
ゼツラ:「”速攻召喚”の強化版みたいなものか」
結衣:「そうよ。そして、私が召喚するのは、さっきスフィンクス・バードで手札に加えた魔法使い族!」
結衣の場に魔法陣が現れる。
結衣:「現れて!”フェンリル・マジシャン・ガール”!!」
結衣の場にブラック・マジシャン・ガールのようにコスプレした闇属性の女性魔法使いが現れた。
フェンリル・マジシャン・ガール
レベル7 攻撃力2300
ゼツラ:「見たことのないカード。黒魔術に関わるカードか」
ゼツラが小さい声でいう。
結衣:「フェンリル・マジシャン・ガールの効果発動。自分フィールド上に存在するモンスター1体をリリースすることで、相手モンスター1体を破壊する!!私はスフィンクス・エンジェルをリリースし、アクイラ・ライジングサンを破壊するわ!」
スフィンクス・エンジェルを犠牲に、アクイラ・ライジングサンの破壊に成功する。
これでゼツラの場にモンスターはいない。
結衣:「この瞬間、スフィンクス・エンジェルの効果を発動するわ。効果によって墓地へ送られたとき、私はデッキから1枚ドローする」
結衣はデッキから1枚ドローする。
結衣:「覚悟しなさい!フェンリル・マジシャン・ガールでダイレクトアタック!!フローズヴィトニル!!」
狼の形した黒い波動を放ち、ゼツラを襲う。
白煙が舞い、ゼツラの姿が見えなくなった。
結衣:「…!」
白煙が晴れて、結衣は驚いた。
ゼツラ
LP4000
ゼツラのライフが減っていなかったからだ。
結衣:「どうして…!」
ゼツラ:「アクイラ・ライジングサンの効果だ。このカードが破壊されたターン、プレイヤーが受ける戦闘ダメージを全て0になる。つまり、ダイレクトアタックで受けたダメージも0になったということだ」
アクイラ・ライジングサンの効果がゼツラを守ったのだ。
結衣:「くっ、ターンエンドよ」
結衣のターンが終了した。
4ターン
LP1900
ゼツラ
LP4000
ゼツラ:「俺のターンだ」
ゼツラがカードをドローする。
ゼツラ:「自分の墓地にアクイラ・ライジングサンが存在するとき、”イーグル・スプラッシュ”は守備表示で特殊召喚できる」
ゼツラは手札にあるモンスター1体を特殊召喚した。
イーグル・スプラッシュ
LV3 守備力100
ゼツラ:「このカードは風属性または鳥獣族モンスターをアドバンス召喚するとき、1体で2体分のリリースができる」
イーグル・スプラッシュが竜巻の中へ消えた。
結衣:『また上級モンスターが来る…!』
結衣は出てくるモンスターを警戒する。
ゼツラ:「アドバンス召喚!来い!!”アギャーラ・プルーマ”!!」
ゼツラの場に新たな上級モンスターが竜巻の中より現れる。
アギャーラ・プルーマ
LV8 攻撃力2800
結衣:「攻撃力2800…!」
ゼツラ:「アギャーラ・プルーマ効果発動!このカードがバトルする時、攻撃対象のモンスターの攻撃力を1000ポイント下げる!!」
アギャーラ・プルーマの呪いがフェンリル・マジシャン・ガールを襲う。
フェンリル・マジシャン・ガール
攻撃力2300 → 1300
ゼツラ:「行け!アギャーラ・プルーマ
!テンペスト・アギュラ・インフェルノ!!」
闇の炎に包まれたアギャーラ・プルーマがフェンリル・マジシャン・ガールに突撃し破壊する。
結衣:「きゃあああ!」
結衣
LP1900 → 400
ゼツラ:「カード1枚セットし、ターンエンド」
ゼツラのターンが終了した。
ゼツラ:『キング・オブ・デュエリストの娘だと思って楽しみにしていたが、所詮はこの程度、父には及ばないか』
本音を心の中で呟いたゼツラ。
ゼツラ:「お前のライフはわずか400。次のターンで勝負は決まったな」
自分の勝利を宣言するゼツラ。
結衣:「そうかしら?」
ゼツラ:「?」
結衣:「言っておくけど、私、ママと同じで諦めが悪い女なの。まだ、勝負は決まっていないわ」
ゼツラ:「なるほど、心はそう簡単に折れないということか」
ゼツラは結衣の性格を改めて認識した。
ゼツラ:『俺の嫌いなタイプだな』
心の中で呟くゼツラ。
結衣は自分のデッキを見る。
結衣:『ここで逆転できるカードを引かないと、私は負けるわ』
結衣はデッキの上に指を置く。
結衣:『私は信じる。自分のデッキを最後まで』
5ターン
結衣
LP400
ゼツラ
LP4000
結衣:「私のターン!ドロー!」
結衣は引いたカードを確認し、そのカードを一旦手札に加える。
結衣:「トラップ発動!”魔術師の転生”!墓地から魔法使い族モンスター1体を復活させるわ!ただし、復活させたモンスターは攻撃できず、エンドフェイズに破壊される!」
結衣の場にフェンリル・マジシャン・ガールが現れる。
フェンリル・マジシャン・ガール
守備力1000
ゼツラ:「狙いは、アドバンス召喚か」
結衣:「ちょっと違うわ!でも、あなたを懲らしめるための準備ではあるわ」
ゼツラ:「?」
結衣:「私は、儀式魔法”カオスの聖なる儀式”を発動!フィールド上のフェンリル・マジシャン・ガールと、手札の”プチテンシ”を儀式の生贄に捧げ、儀式召喚する!」
2体のモンスターが儀式の生け贄となった。
結衣:「光と闇交差するとき、疾風如く伝説の騎士が舞い上がる!儀式召喚!降臨せよ!”カオス・ソルジャー-スタラ”!!」
結衣の場に伝説の最強剣士の異名を持つ新たなモンスターが現れた。星のように美しいその姿は、女性の戦士だった。
カオス・ソルジャー-スタラ
LV8 攻撃力3000
ゼツラ:「女カオス・ソルジャー…!」
結衣:「少しは驚いたみたいね。行くわよ!カオス・ソルジャー-スタラで、アギャーラ・プルーマに攻撃!カオス・シュテルン・ブレード
!!」
カオス・ソルジャー-スタラは、その手に持つ剣から斬撃を放ち、アギャーラ・プルーマを木端微塵にした。
ゼツラ:「っ!」
ゼツラ
LP4000 → 3800
結衣:「この瞬間、カオス・ソルジャー-スタラの効果発動!戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送ったとき、そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与えるわ!!」
カオス・ソルジャー-スタラはゼツラに接近し、剣でゼツラを斬った。
ゼツラ:「ぐはっ!」
大ダメージを受けたゼツラ。
ゼツラ
LP3800 → 1000
結衣:「私はこれでターンエンドよ」
結衣のターンが終了した。
デュエルモンスターズ界の中でも、有名なカオス・ソルジャーを出した結衣には、自分の勝利が見えてきたと思っていた。
結衣:「形勢逆転ね。カオス・ソルジャーは、そう簡単に倒せないわよ!」
結衣はゼツラに指を指して言う。
6ターン
結衣
LP400
ゼツラ
LP1000
ゼツラは黙って、一枚カードをドローする。
結衣:「あなたも、そう簡単に諦めない性格を持っているみたいね」
ゼツラ:「諦める?何を言っている」
結衣:「え?」
ゼツラ:「この勝負、初めから俺の勝ちだ」
結衣:「何を言って…」
ゼツラ:「墓地に存在するアギャーラ・プルーマと、アクイラ・ライジングサンを除外して、俺は新たなモンスターを召喚する!」
2体のモンスターが次元の穴に吸い込まれる。
ゼツラ:「深き闇より翼を広げ、その姿を見せろ!!”アードラー・オールロッヒ”!!!」
ゼツラの場に今まで出てきた鷲モンスターよりもさらに巨大な”アードラー・オールロッヒ”が特殊召喚された。
アードラー・オールロッヒ
LV8 攻撃力3200
結衣:「!!」
ゼツラ:「戦争の鷲と名付けられたこいつには、カオス・ソルジャーでも手も足も出まい。行け!アードラー・オールロッヒ!!伝説の最強剣士を火の海へと誘え!ヴァイナー・テンペスト・デストロイ!!」
無数の竜巻がフィールドに出現し、カオス・ソルジャー-スタラに襲いかかる。
周りの壁や天井にヒビが入り、ゼツラの後ろに倒れていたセルビアの部下たちが竜巻に吹き飛ばされる。
結衣:「まだよ!カオス・ソルジャー-スタラの効果発動!1ターンに1度、デッキからトラップカード1枚を発動することができる!」
ゼツラ:「無駄だ。アードラー・オールロッヒの効果発動!手札を1枚捨てることで、相手フィールド上に存在するモンスター1体の効果をエンドフェイズまで無効にする!!」
これにより、カオス・ソルジャー-スタラの効果が無効になった。
結衣:「そんな…!」
アードラー・オールロッヒは攻撃を続行した。
そして、カオス・ソルジャー-スタラがアードラー・オールロッヒの攻撃によって粉砕した。
結衣:「きゃあ!」
結衣
LP400 → 200
ゼツラ:「アードラー・オールロッヒの効果により、戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送ったとき、そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える!!地獄に落ちてもらおうぞ!武藤結衣!!」
アードラー・オールロッヒの竜巻が結衣を襲う。
結衣:「きゃあああああああ!」
結衣
LP200 → 0
アードラー・オールロッヒの攻撃により、結衣が吹き飛ばされた。
第4ED『もう一度君に会いたい《下川みくに》』
次回予告
ナレーション:苦しめられた友のため、ドラガンが戦いに挑む。
相手のパワーに押しつぶされそうになった時、トールの怒りの雷がドラガンを救う!
”北欧の死神”と呼ばれた男の力が、敵を驚かせる!
ドラガン:次回、遊戯王5DXAL「魂の雷!ビルスキルニル・パイル!!」
ドラガン:「トールよ、今こそ、お前の真の力を!」
遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!
結衣:「私の使った”フェンリル・マジシャン・ガール”は、黒魔術師の一人、つまりブラックマジシャンの弟子になるわ。北欧神話に登場する狼の力を宿しているわよ」