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第68話:『レイドの罠!大いなる力のE・HERO!』







リムジンでセルビアの基地へ向かう、フレシャス財団のボス孫と、刈間九十九という偽名を使って研究者を名乗る遊馬。

2人は向かい合って座り、話しをしていた。


孫:「俺が、デスリングを狙う理由、それは戦争を終わらせるためです」


九十九:「戦争終結ですか…?」

孫:「はい、戦争を終結させるためには誰かが大いなる力を手にしなくてはいけない。所詮、力は力。だが、それを利用すれば戦争を止めることができる。俺はそう思っている」


九十九:「だが、戦争には沢山の血が流れる。それでもいいんですか?」
少し強気で問う遊馬。


孫:「何を言ってるんですか?戦争に血が出るのは当たり前です。大きな犠牲があり、戦いは無くなっていくもの、そうだとは思いませんか?」

九十九:「確かにそうかもしれない。だが、沢山の人が死んで本当の平和はなんて来ませんよ」

孫:「平和なんていうものはまだ先です」

九十九:「?」

孫:「俺の目的は戦争を終わらせることだけ。平和を与えるものは他に任せます」


九十九:『テイタラファミリーのボスバギーと同じで、こいつも戦争を終わらせるために自分の信念を貫いているということか。そのために、血が出るのは仕方がない。気に入らねえぜ』
心の中で呟く遊馬であった。



すると、走行していた車が動きを止めた。


孫:「どうやら着いたようだ。中組織セルビアの基地に」
リムジンの前にある大きな建物。これから同盟を結ぶ中組織セルビアの基地だ。







第5OP『D-tecnoLife《UVERworld》』







第68話:『レイドの罠!大いなる力のE・HERO!』









リムジンから降りた孫と遊馬。



扉の前に、右目に涙ボクロがある男が立っていた。



月荒:「お待ちしておりました。孫殿」

孫:「お招き感謝します、月荒殿」
2人が握手する。


月荒:「立ち話も疲れるでしょう、中へどうぞ。案内します。そちらの方は?」
月荒が孫の後ろにいる遊馬に目を向ける。


孫:「我々と同じでデスリングを興味を持つ研究者ですよ」
孫がそういうと、遊馬は軽く礼をする。


九十九:「刈間九十九といいます。あなたのことは御存知です。セルビアのボス月荒さん」

月荒:「私も有名になった者だ。名前を覚えてもらえるなんて、嬉しいですよ」
遊馬も月荒と握手する。

月荒:「せっかくです、2人には我々が手にした血のデスリングをお見せしましょう」
月荒が二人を中へ誘導する。





廊下の真ん中を歩く月荒、孫、遊馬。

背後には、セルビアのガードマンが2人ついていた。

遊馬は横目で後ろを危険視する。


更に、周りの監視カメラ、更に隠れているセルビアの使者たちを見る。


九十九:『隠れているつもりだろうが、殺気が感じまくるぜ。フレシャス財団の方も孫の命令で基地の周りに隠れて警戒態勢に入っていたしな。互いに目的の物は同じ。表では仲間のつもりだろうが、裏はどうなんだろうな』
遊馬が心の中で呟く。






十数分後…


席に座る月荒と孫、そして遊馬。

セルビアの者が3人の前に置かれているコップに紅茶を入れる。


月荒:「しかし、まさか驚きましたよ。同盟を受け入れるなんて」

孫:「お互いにデスリングを欲している。しかし、そのデスリングを使ってやる目的が同じであれば、敵対する必要はない。そうは思いませんか?」

月荒:「確かに。だが、フロンティアの連中はそうはいかないでしょう」
月荒が紅茶を飲む。


九十九:『セルビアの戦闘部隊隊長ゼツラがポール・キャシディから血のデスリングを回収したとき、近くにフロンティアの隊員がいたって言ってたな。ゼツラは、そいつらを再起不能まで叩きのめしたと言うが…』
遊馬は1年前にダイシャラス王国で再会した仲間たちのことを思い出す。

九十九:『変なことは考えるな。今は…』
遊馬は、今、置かれている立場を考える。

九十九:『二人のことだけ考えろ』
遊馬が孫と月荒を見る。







ドーソン:「総隊長、物を持って参りました」
セルビアの隊員のドーソンがショーケースが乗ったカートを押して部屋に入ってきた。


月荒:「よし、そこに置いて、お前は下がれ」
月荒の言う通りに、カードを指定の場所に置き、部屋を出た。


月荒:「では、お見せしましょう。私が手に入れたデスリングを」
月荒がカートの方に向かって歩く。

それについていく孫と遊馬。


月荒:「見てください。これがデスリングです」
月荒がショーケースの中にある指輪を自慢する。



孫:「これが…」

九十九:「血のデスリング」
ショーケースに入った真っ赤なアームにルビーが埋め込まれたリングを見て一言口にする2人。


それを見て、月荒はフッと笑う。


月荒:「驚きましたか?本物のデスリングですよ」

孫:「ああ、間違いない。血のデスリングだ。私が資料で見た写真を一致する」
孫が目の前にある指輪が血のデスリングだと確信する。


九十九:『血を吸い取り続ける闇の指輪”血のデスリング”。実物を見るのは初めてだな』
遊馬も血のデスリングを生で見るのは初めてのようだ。


月荒:「この世にある8つのデスリング。その一つ血のデスリングは、研究によれば、人間の血を吸い取り所持者の身体を回復させる能力があると聞く。つまりこれを使えば、どんな攻撃にでも耐えられる無敵の身体を手にすることができる」

孫:「これを使えば、無敵になれるということか」
孫がニヤッと笑う。


月荒:「これは私の物です。上げるつもりはありませんよ」
笑ってギラッと孫を見る月荒。



孫:『悪いが、どんな手を使っても手に入れる。こいつをな。そのためには…』


月荒:『取られるつもりはないぞ。中国人め。それと』
月荒が遊馬を見る。


月荒:『危険視はしておいた方がいいな』
遊馬を見て、孫同様に危険視対象に入れた月荒。



九十九:『これからが大変になりそうだな』
遊馬も心の中で呟く。










その頃、孫に雇われたレイドは、1人行動を開始していた。


レイド:「大組織フロンティア、やっぱり人数が半端ないねえ」
電子端末でフロンティアの隊員のメンバーリストを見るレイド。


すると、リストに映る一人の男に目が止めった。


レイド:「天上院剣代。使用デッキはE・HERO。しかも、あの遊城十代の子供…。まさか、あの男に子供がいたのかよ」
レイドはそういうと懐からカードを出す。


レイド:「やっぱり使うときが来たかもね」
手元に出したカードを見て、ニヤッと笑うレイド。


レイドが持つ謎のカード。それに書かれている名前はE・HEROと書かれている。







その頃、哲平をリーダーに中組織セルビアの基地へ向かうツバキたち。


今回の移動手段はキャンピンクカーのような大型の車数台で移動していた。



ツバキは座って、床を見ていた。




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本部を出る直前、ツバキはゼツラに倒された、みんなが寝ている部屋の前に立って、こう伝えてきた。


ツバキ:「皆さんの仇が必ず打ちます。だから、待っていてください」
ゼツラに倒された御伽、リシド、ヴァロン、ジャック、牛尾、ミゾグチ、ブレイブ、ロビンが眠る部屋にそう伝えてきたツバキ。



すると、そこに一人男が現れた。


ジェリド:「お前は…」
御伽達一緒にゼツラに倒されたジェリドだった。頭に包帯を巻き、松葉杖を使って立っていた。


ツバキ:「起きても大丈夫なんですか?」
少し嫌そうな口調でジェリドに言葉をかけるツバキ。


ジェリド:「その部屋に眠っている奴らと違って、俺はキャリアがあるからな」

ツバキ:「そうですか」
ツバキはジェリドの横を通り過ぎる。


ジェリド:「セルビアの基地に向かうみたいだな」

ツバキ:「えぇ、皆さんの仇を撃つために…」

ジェリド:「その中に俺は入っているのか?」

ツバキ:「……」


ジェリド:「俺はお前の父さんに悪口を言った、更にはお前を任務から解任した。そんな俺はその中に入っているのか?」
ジェリドの問いにツバキは応えようとしない。


ジェリド:「フッ、入っているわけないか。忘れてくれ。俺のことは考えるな」
ジェリドが笑って言う。


ツバキ:「もし父が戻ってきたら、謝ってください」

ジェリド:「!」

ツバキ:「仲間の仇を撃ちに行く。それは、御伽さんたちのことじゃない。フロンティアのメンバーのことを言っているんです」

ジェリド:「お前…」

ツバキ:「それじゃあ、これで」
ツバキはそう言って、この場を後にする。


ツバキの後ろ姿を見るジェリドであった。


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ツバキは座ってため息をついた。



剣代:「どうした?」
隣に座る剣代に声を掛けられ、横を振り向くツバキ。


ツバキ:「いや、何でもないよ」

剣代:「一人で抱え込むなよ」

ツバキ:「?」

剣代:「俺たちは仲間なんだからな」
剣代がツバキにそう語り掛ける。


ツバキ:「ありがとう、剣代」
剣代に礼を言うツバキ。






別車両に乗るクロウ。


クロウ:「待っているよ、中組織セルビア。ジャックの仇、必ず打たせてもらうぜ」

ドラガン:「張り切り過ぎるなよ、クロウ」
クロウの前に座るドラガンが腕を組んでクロウに言う。


クロウ:「お前は落ち着いているんだな、ドラガン。ブレイブがやられたって言うのに。何も思わねえのかよ?」

ドラガン:「何も思わないわけないだろ。俺だって怒っているんだ」
ドラガンがギロッとクロウを見る。

少し驚くクロウ。


クロウ:「ふん、お互い頑張ろうぜ」
クロウが拳を突き出す。

ドラガン:「そうだな」
ドラガンも自分の拳をクロウの拳にぶつけた。


すると、そのとき、乗っていた車が急停車した。


クロウ:「な、なんだ!?」

ハラルド:「どうしたんだ?」
同じ車両に乗っていたハラルドが運転手に声を掛ける。


運転手:「分からない。前方で何かあったようだ」
運転手が無線機を取る。

運転手:「一号車どうした?一号車、応答せよ」
一号車の運転手に呼びかける運転手。



その頃、一号車に乗る哲平たちは…。


哲平:「なぜ、いきなり止まった!?」
哲平が運転手に問いかける。


一号車の運転手が黙って指を指す。


指した場所には、一人の男が立っていた。



モクバ:「誰だ、あいつ?」
モクバが窓から顔を出す。


モクバ:「おい!俺たち急いでるんだ!そこをどいてくれ!」
モクバが道を防いでいる男に要求する。


哲平は男の顔をよく見る。


哲平:「あいつ、まさか!」
ミッションウォッチからホログラムを出し何かを調べ出す。

そして、ホログラムに映る資料を見た。


写真付きの資料。


写真には、目の前にいる男が映っていた。

そして、写真の上には指名手配と書かれている。


哲平:「間違いない…FBIに指名手配されている男だ」

海馬:「FBIだと…」

モクバ:「それってマズいんじゃねえのか?」
モクバも哲平の言葉に耳を傾けた。


哲平:「連続殺人で国際指名手配されている男がなぜここに…」
哲平は車から出た。


レイド:「お?素直に出てくれるとはな」

哲平:「FBIに指名手配されている男が目の前にいては、見逃すわけにはいかないんでな。任務とは無関係だが、拘束させてもらうぞ」

レイド:「任務って言うのは、セルビアの基地に行くことか?」

哲平:「!なぜそれを…!」

レイド:「俺、今、フレシャス財団に雇われている身でね」

哲平:「フレシャス財団…。セルビアと手を結んだのか…」

レイド:「旦那の命で、邪魔者は容赦なく叩きのめせって言うんでな。ここを通すわけにはいかないんだ」
レイドが後頭部をボリボリ掻いてしゃべる。

その間に、他の皆も車から降りて、哲平の後ろに立つ。



鮫島:「今回の任務とは無関係と思っていましたが」

クロノス:「フレシャス財団に雇われている以上、」

ナポレオン:「無関係ではないのでアール」
哲平とレイドの話しを聞いていた3人が口を開く。


レイド:「しかし、この人数を相手にするのは俺も少し厳しい。だから、タイマン勝負っていうのはどうだ?」

哲平:「何…?」
レイドの口から言われた言葉に少し驚く哲平。


レイド:「そうだな、相手は、君かな。天上院剣代」
レイドが指名した相手は、剣代だった。


剣代:「俺?」

梨香:「お、お兄ちゃんが…!」
いきなり兄が指名されたことに驚く梨香。



エド:「こちらの情報は既に持っているようだな」


レイド:「持ってなかったら、名前を言って使命なんてしないさ。さあ、どうかな?剣代ちゃん」
ちゃん付で剣代の名前を呼ぶレイド。


トメ:「馴れ馴れしくちゃん付で呼んでるよ」

翔:「なんか、気に食わないッス」
レイドに厳しい視線を向ける2人。



ツバキ:「剣代…」

剣代:「あいつは俺を指名してきた。引くわけにはいかないだろ」

哲平:「やってくれるか?」

剣代:「了解です」
剣代が前に出る。


明日香:「気を付けてね、剣代」

剣代:「安心してくれ、母さん。大丈夫だ」
剣代は堂々とみんなの前に立つ。








剣代:「あんたとのタイマン受けて立つ!」

レイド:「そうこなくっちゃな」
レイドがニヤッと笑う。


哲平:「……」


レイド:「タイマン勝負を邪魔されたくない。場所を変えよう。着いて来い」
レイドはいきなり走り出した。

それについて行く剣代。



オボミ:『あいつ、アブナイ。あいつ、アブナイ』

春:「オボミ?」
春の隣にいたオボミがクルクル回り出す。


舞:「私も、何度も経験している。ああいう男は信用できないね」

哲平:「ああ、やはりついて行った方が…」
哲平が剣代の後を追おうとする。


すると、なぜかイェーガーが哲平を止める。


イェーガー:「あなたは、この任務の責任者です。あなたが欠けては任務続行は困難になるでしょう」

龍亜:「お?珍しくイェーガーがいいこと言った」
龍亜がイェーガーを少し小ばかにする。

イェーガー:「珍しくは余計です!とにかく、ここは私にお任せよ」
イェーガーがそういうと、哲平は「わかった」と返事をする。


哲平:「一人だけでは危ない。あと数名も一緒に行ってほしい」
哲平はそう言った。









その頃、剣代とレイドは、近くの荒野まで来ていた。


辺りは岩に囲まれている。



レイド:「まさか、素直に俺の要求に呑んでくれるとは思わなかったよ、剣代ちゃん」

剣代:「その”ちゃん”はやめろ」

レイド:「そう言わないでさ。俺さぁ、剣代ちゃんには少々興味を持っているんだよね」
レイドがぶらぶらと歩き出す。


剣代:「何が言いたい?」

レイド:「俺が、剣代ちゃんを指名した理由。それは、君のオヤジさんにあるんだ」

剣代:「父さんのこと知っているのか?」

レイド:「いや、知らないさ。沢山の伝説を残した男に興味を持つのはデュエリストとして当たり前でしょう」

剣代:「連続殺人で指名手配されている、あんたにデュエリストを名乗ってほしくないな」

レイド:「言ってくれるねぇ。でも、剣代ちゃんは、俺には勝てない。俺には、最高のお宝を持っているからね」

剣代:「お宝?」

レイド:「フッ、実はね、君のオヤジさん、この世界に沢山のお宝を残して、死んで行ったみたいなんだよね。例えば」
レイドが懐からカードを出す。

レイド:「これとか」
レイドが出した10枚のカードを見た剣代は驚いた。

そのカードには、「E・HERO」と書かれていたからだ。


剣代:「E・HERO…!それって!」

レイド:「そう、君のオヤジさんが使っていたとされる”大いなる力のE・HERO”っていうカードさ。世界精霊大戦の歴史では有名にはなっていないけどね」

剣代:「…」

レイド:「この世界には大戦の歴史には公にされていない、あの男が残したお宝がまだたくさん残っている。知らなかったでしょ?」
レイドの言う通りだ。

父が使っていたカードはすべて、あの大戦の中で父と共に消滅したと思っていた。

あの戦争から60年が経過した、この世界に父の遺産があるなんて思わなかった、それを自覚する剣代。


レイド:「そして、俺はこいつらをこんな風に使える」
レイドは銃の形をしたデュエルディスクを手に持つ。

オブライエンと同じようなタイプのデュエルディスクだ。

レイドは10枚のカードをデュエルディスクにセットする。

レイド:「俺のデュエルディスクは特別性でね。実体化させたモンスターに強力な闇の力を与える。人格を失ってしまうほどにね」
レイドが銃口を目の前に向け、引き金を引く。


すると、10個の魂の光が、レイドの前に現れ、10体のモンスターが地上に立つ。

レイド:「初対面だから紹介するよ」
レイドが10体のモンスターを紹介する。


レイド:「ティラノサウルスの暴君を力にする正義の赤き戦士”ティラノレッド”」
ティラノサウルスの口のようなマスクから目をギラッと光らせる赤い戦士”大いなる力のE・HEROティラノレッド”。

レイド:「龍の如く戦場を駆け巡るプリンス”ドラゴンプリンス”」
龍を模るマスクに緑の身体に金色のラインが流れ、金色のアーマーを付けた戦士”大いなる力のE・HEROドラゴンプリンス”。

レイド:「鷹のように羽ばたき空を舞う”ホークルージュ”」
鷹のマスクを着用した赤い戦士”大いなる力のE・HEROホークルージュ”。

レイド:「黒き疾風と共に空を駆ける”コンドルノワール”」
コンドルのマスクを着用しホークルージュに似た黒い戦士”大いなる力のE・HEROコンドルノワール”。

レイド:「水をも操る白き女戦士”スワンブラン”」
白鳥のような白いマスクとスーツを着る女戦士”大いなる力のE・HEROスワンブラン”。

レイド:「最速のスピードを持つ赤い稲妻”ロートレーサー”」
車のフロントをモチーフにしたマスクを付ける赤い戦士”大いなる力のE・HEROロートレーサー”。

レイド:「輝く白虎の力を秘めた”キバナイト”」
現れた瞬間から剣を手に持つ白虎の戦士”大いなる力のE・HEROキバナイト”。

レイド:「チーターのように地上を走る赤い雷光”エリュトロンチーター”」
チーターのようなマスクに赤いスーツを着用しナイフのような武器を持つ”大いなる力のE・HEROエリュトロンチーター”。

レイド:「猿飛佐助の魂を宿す赤い忍者”クレナイサスケ”」
刀を背負い赤いスーツを着た忍者戦士”大いなる力のE・HEROクレナイサスケ”。

レイド:「クレナイサスケと共に戦場に忍び寄る白きくノ一”ホワイトヒメ”」
純白のスーツを着たくノ一”大いなる力のE・HEROホワイトヒメ”。


10体の大いなる力のE・HEROが剣代の前に立ちはだかる。


そして、クレナイサスケが刀を抜き、斬撃を剣代に向けて飛ばす。

剣代は咄嗟に躱した。


レイド:「実は俺、タイマン勝負って本当は好きじゃないんだよね。だから、せこいって言うのはなし。俺の罠にはまったのは剣代ちゃんの方なんだから」
レイドが剣代をバカにする。


剣代は悔しかった。まんまとレイドの罠にはまったことに。


しかし、剣代の後ろから声がした。


???:「思った通りね」
女性の声だ。

剣代とレイドはそっちを向く。





舞:「やっぱり、こういうことね」

イェーガー:「あなたの思っていたとおりでしたね」

隼人:「剣代、助けに来たんだなぁ」
剣代の後ろにいたのは、舞、レベッカ、翔、隼人、剣山、セイコ、ラリー、タカ、イェーガー、風間、キャッシー、アリト、右京、未来、オボミ計14人+1機だった。


セイコ:「先生たちが行くって言ったけど、大人数だと任務に支障が出るから私が代表してきました」

アリト:「わかりやすい悪党だな」

キャッシー:「まったくね」

レベッカ:「しかも、敵は珍しいカードを持っているじゃない」

翔:「僕たちも見たことがない、アニキが使っていたとされるE・HERO」

剣山:「それを悪に使うなんて許さないザウルス!」


剣代:「皆さん…」

未来:「お母さんからの伝言を伝えに来たわよ。頑張っててね」

オボミ:『ガンバレ、ガンバレ』
オボミがクルクル回る。

右京:「彼を罠に填めさせるつもりはないですよ」

タカ:「ああ」

ラリー:「俺たちも戦うよ」

風間:「この一年でモンスターと戦う訓練もしてきたからな」
風間がデュエルギアを手に取る。


レイド:「仲間思いって奴か」

剣代:「どうやら、俺にも希望が見えてきたみたいだぜ。覚悟しろ、レイド」
剣代が”光燐之太刀”を手に取る。



剣代:「返してもらうぞ!父のカードを!」

レイド:「できるかな」
指パッチンで合図をし、10体の大いなる力のE・HEROに闇のオーラが纏われ、剣代達に接近する。


アリト:「一発お見舞いするぜ!」
アリトたちもデュエルギアを手に取る。


互いの戦力がぶつかり合う。


翔:「ドリル・クラッシャー・ロイド!」
翔が”ドリル・ロイド”のドリルタイプのデュエルギア、”ドリル・クラッシャー・ロイド”を手に取る。

翔:「ええい!」
ドリルの先端についている砲口からビームを放ち、大いなる力のE・HEROホークルージュに物変えようとするが、ホークルージュは咄嗟に剣を出し、その剣でビームを弾く。

ホークルージュは、その後、翔に向かって走ってきた。

翔:「うわわわ」
慌てる翔。

無意識なのか、ドリル・クラッシャー・ロイドのドリルが回転する。

翔:「たあ!」
そのまま、回転したドリルを前に突き出し、ホークルージュの剣を砕いた。

翔:「や、やった…」
目の前で起きたことに喜ぶ翔。




舞:「モンスターだろうと、すぐに蹴りをつけて上げるわ!」
ハーピィレディのカードを手に取る舞。

舞:「ハーピィ・ルガー!」
ハーピィレディの軽量コンパクトピストルタイプのデュエルギア”ハーピィ・ルガー”を手に持つ舞。

大いなる力のE・HEROスワンブランに向けて、発砲し勝負を挑む。


セイコ:「皆さん、頑張ってください!」
セイコが皆を応援する。

すると、背後から、大いなる力のE・HEROホワイトヒメが刀を持ってセイコに斬りかかろうとする。

未来:「危ない!」
未来がセイコの危機に咄嗟に気付くが、自分の足では間に合わない。


すると、


オボミ:『アブナイ、アブナイ!』
オボミがホワイトヒメにタックルを仕掛け、ホワイトヒメをフッ飛ばした。

セイコ:「あ、ありがとうございます」
セイコがオボミに礼を言う。


キャッシー:「キャットネイル!」
キャットガールのクロータイプのデュエルギア”キャットネイル”を右腕につけて、大いなる力のE・HEROドラゴンプリンスの剣を受け止めるキャットちゃん。

しかし、パワー負けされている。

レベッカ:「その子を離しなさいよ!」
レベッカが手に持つ緑色でキラキラ光るブーメランでドラゴンプリンスに攻撃を仕掛け、キャットちゃんを助ける。

キャッシー:「ありがとうございます」

レベッカ:「油断しないで」
ドラゴンプリンスを警戒するレベッカ。

レベッカ:「あの英雄の神とも呼ばれたデュエリストのモンスターだけあって、かなり手強いわ」

キャッシー:「はい、わかってます」
キャットちゃんもドラゴンプリンスに意識を集中する。


レベッカ:「エメラルド・ブーメラン!」
手に持つ緑色でキラキラ光るエメラルド・ドラゴンのデュエルギア”エメラルド・ブーメラン”を投げるレベッカ。

投げた瞬間、ブーメランからエメラルドでできた針が出てきて、キバナイトを襲う。


キャッシー:「キャットビングよ!私!」
キャットちゃんがキャットネイルでドラゴンプリンスに攻撃を仕掛けた。




剣山:「アニキのカードで悪さをするなんて、許さないザウルス!!ティラノ・ダイケン!!」
ブラック・ティラノの鍔がティラノの顔をした大剣のデュエルギア”ティラノ・ダイケン”を握り、大いなる力のE・HEROティラノレッドとぶつかり合う剣山。



隼人:「十代のモンスターだからって、偽りの力に負けるつもりないんだな!」
デスコアラのシールドタイプのデュエルギア”コアーラシールド”で、大いなる力のE・HEROエリュトロンチーターの攻撃を頑張って受け止め続ける隼人。





イェーガー:「負けてはなりません。行きますよ、みなさーん!」
初めに剣代について行くと言ったイェーガー。武器を手に戦って……はおらず、後ろで応援していた。



風間:「さっきまでの威勢は何処に行ったんですか!」

ラリー:「相変わらず!」

タカ:「言葉だけか!」
大いなる力のE・HEROロートレーサーを相手にする風間、ラリー、タカ。

イェーガーに文句を言う。



大いなる力のE・HEROキバナイトは、アリトと戦っていた。


アリト:「一発でKOしてやるよ!」
先ほど手に持っていたデュエルギアを両手に填めて戦うアリト。

アリトのデュエルギアは”BK(バーニングナックラー)拘束蛮兵リードブロー”のボクシンググローブタイプデュエルギア”バーニングブロー”は、手から強烈な炎を出すことができる。

アリト:「うおりゃああ!」
キバナイトの腹に拳をぶつけるアリト。

アリト:「バーニングバーンパンチ!」
腰を低くし踏ん張ってキバナイトを吹き飛ばそうとする。

すると、拳から炎をが吹き出てキバナイトを吹き飛ばす。

アリト:「ライト、そして遊馬が使っていた”炎拳”を真似て作った技だ。当たった相手は業火から逃れられないぜ」
バーニングブローに灯されている炎を上に挙げて言う。


右京:「アリト君、流石ですね」
右京が元生徒でもあったアリトを褒める。





剣代の前に立ちふさがる大いなる力のE・HEROクレナイサスケ。


剣代:「そこ、どいてもらうぞ!」
クレナイサスケに立ち向かう剣代。

お互いの剣がぶつかり合う。


クレナイサスケは見事な剣裁きで攻撃を仕掛けるが、剣代はそれに対抗する。


剣代:「精霊の力は本物のマスターがいてこそ力を発揮する!偽りの力に負ける俺たちじゃない!」
クレナイサスケの攻撃を躱し、光燐之太刀を構える。

剣代:「”N(ネオスペーシアン)・スカイ・ピイカック”!コンタクト融合だ!」
上空に孔雀の姿をした宇宙戦士が現れる。

スカイ・ピイカック:「待っていたぞ!」
スカイ・ピイカックが剣代の持つ光燐之太刀とコンタクト融合し、光燐之太刀の形が変わっていく。

剣代:「”光燐之太刀・疾風”」
光燐之太刀に、スカイ・ピイカックの力が加わった剣、光燐之太刀・疾風。刀身の形状が少し変わり、緑と青が入り混じって美しく輝いている。


剣代:「行くぞ!」
光燐之太刀・疾風を構える剣代。

剣代:「ラス・オブ・ネオル-風流!!」
白の粒子が入り混じった緑色の斬撃を放ち、クレナイサスケを倒す。

クレナイサスケは、そのまま光の塵となりカードに戻った。



風間:「トドメは任せてくれ」
タカ、ラリーと共にロートレーサーを相手にする風間が手に持つ太刀からトドメの一撃を放とうとする。

風間:「カオス・キングブレード、混沌よりその力を解き放て!」
デーモン・カオス・キングの太刀タイプデュエルギア”カオス・キングブレード”の刀身が紫色に輝く。

風間:「エンパイラ・ディス・ソード!」
連続で鋭い突きを放ち、ロートレーサーを倒す。

その瞬間。ロートレーサーはカードに戻る。


翔:「や!」
翔もホークルージュを倒す。勿論、カードに戻った。


オボミ:『ジャマ、ジャマ』
オボミはホワイトヒメにタックルを仕掛け、吹き飛ばし、隙を見て剣山がティラノ・ダイケンで倒した。


レベッカとキャットちゃんが力を合わせて、ドラゴンプリンスを倒す。

そして、他の大いなる力のE・HEROも、次々と倒し、カードに戻す。

10体の大いなる力のE・HEROを倒した剣代達。


剣代は光燐之太刀をレイドに向ける。

剣代:「お前を守るものは無くなった!これで終わりだな」
剣代がレイドに言う。

しかし、レイドは腕を組んで、フッと笑う。

レイド:「油断大敵だよ、剣代ちゃん」

剣代:「何…?」
剣代がそういうと、足元がいきなり爆発した。

剣代:「うわああ!」
剣代は地面に倒れる。


剣代:「なんだ?」


セイコ:「きゃああああ!」

未来:「は、離しなさい!」
セイコと未来の声。

よく見ると、2人の背後に2体のモンスターがいた。


翔:「セイコさん!」
翔が近づこうとするが、前と後ろに別のモンスターが現れ、挟まれてしまう。


そして、他の者たちも別のモンスター軍団に囲まれてしまった。


レイド:「すぐ終わりだろうが、第2ラウンドの始まり、始まり!」
不気味な笑みを見せるレイド。








第4ED『もう一度君に会いたい《下川みくに》』







次回予告

ナレーション:レイドの罠に捕まり、絶望を受けた剣代。

自分を助けに来てくれた仲間たちが連れ去られ責任を感じる剣代の元に、十天老士の一人ヤバが現れる。

そして、遂にセルビアの基地へと潜入するのであった!

哲平:次回、遊戯王5DXAL「罠の先にあるもの」

哲平:「剣代、お前が悪いわけじゃ…」





遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!



剣代:「”大いなる力のE・HERO”は俺の父、遊城十代が使っていたE・HEROだ。世界に散らばってしまった”大いなる力のE・HERO”をレイドが見つけ、それを使って悪道なことをしているみたいだが、絶対にそんなことさせないぞ」
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