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第66話:『新たな黒魔術師!シュヴァルツ・マジシャン』





ツバキの前に現れた小太りの男。



???:「まさか、こんなところで出会えるとはな。武藤遊戯の息子」


ツバキ:「!」


???:「既に死んでいる男に復習しても意味がない。武藤遊戯への恨み、あいつに代わってお前にぶつける」
不気味な笑みを浮かべる男性の目つきが、ツバキの瞳に向かう。


ツバキ:『この人、一体…!』
男の視線を感じ取ったツバキはゾッとする。









第5OP『D-tecnoLife《UVERworld》』









第66話:『新たな黒魔術師!シュヴァルツ・マジシャン』











ジェリドや御伽達の前に現れた一人の男性。





ゼツラ:「遠吠えをする犬が、何匹かいるな。処分するしかないようだな」
ゼツラの殺気がジェリドたちを襲う。


ノースリーブで、右腕全体に入墨が彫られている男性の目つきを見たジェリドが、「こいつただものじゃねえ」と心の中で呟く。


更に、ジェリドは目の前の男に殺されたポールの死体をチラッと見る。


ジェリド:『保護できなかった。しかも、デスリングは奴に奪われた。最悪の状態だ。本部に報告する言葉が見つからない』
心の中でボソボソと呟くジェリドに対し、ジャックが前に出る。


ジャック:「貴様!何者だ!」
目の前に現れた男に名を聞くジャック。


その行動を見たモンドが前に出る。

モンド:「ジャック・アトラス!貴様、勝手に動くな!」


ジャック:「貴様の指図は受けん!」

モンド:「何だと…!」
モンドがジャックの胸倉を掴む。

モンド:「勝手な行動はするな。武藤ツバキみたいになりたいのか!」

牛尾:「こんな状況で何してんだ!」

ミゾグチ:「やめてください!」
牛尾やミゾグチが止める。



ゼツラ:「仲間割れか?随分、変わった部隊だな」
モンドたちの行動を見てバカにするゼツラ。


ジェリド:「俺たちは大組織”フロンティア”の使者だ。デスリングの回収とポールの保護を受けてここに来た。だが、ポールは貴様の行いで死亡。そして、デスリングはそちらの手にある。よって、俺たちは、お前を見過ごすことはできない。ここで、確保させたもらうぞ」
ジェリドが、矛タイプのデュエルギアを手に持つ。



ゼツラ:「大組織。俺がいる中組織の一つランクが上の組織か」

モンド:「貴様、中組織のものか?」


ゼツラ:「俺はゼツラ。中組織”セルビア”の戦闘部隊隊長をやっている」
ゼツラが自分の名を名乗る。


ジェリド:「セルビアと言えば、日本の北部に本部を持つ組織。そこの戦闘部隊隊長…。そうか、貴様が”ゼツラ・ジ・クリス”か!」


リシド:「知っているのですか?」


ジェリド:「セルビアの戦闘部隊隊長。裏賞金首の額は、軽く100万は超えている。風属性のスペシャリストで、今まで奴の目の前に現れた敵は、奴の操る風の力に太刀打ちできずに死んでいると言われている」
ジェリドが自分が知っているゼツラの情報のことを話す。



風也:「その中組織の隊長がどうして、ここに!」

ヴァロン:「奴も、デスリングが目当てか!」


ゼツラ:「こいつに興味を持っているのは、俺じゃなく、俺のボスだがな」

モンド:「セルビアのボス。名前は確か、月荒元一と言ったか」


ゼツラ:「ホントは、このリングを見つけたポールを殺して、リングを奪って終わるつもりだったが、飛んだ客が入ったからな。証拠隠滅のためにも、ここで死んでもらおう」
ゼツラが鋭い目つきで、みんなを見つめる。





ブレイブ:『このピリピリした気迫…!』

御伽:『なんて殺気だ…!』
ゼツラの気迫に驚くみんな。


ジェリド:『こいつの殺気は、常人ではねえ!』









その頃、ツバキの前に現れた一人の男性。


ツバキ:「あなた一体誰ですか?父のことを知っているようですけど」


???:「ああ、前世紀の時から知っている。俺は奴に一度敗北しているからな」


ツバキ:「?」


呉島:「自己紹介がまだだったな。俺は、呉島薫。中組織”セルビア”の使いだ」
呉島が名を名乗った。

ツバキ:「中組織?僕たちがいる大組織の」

呉島:「ああ、一階級下になる」

ツバキ:「その中組織の使いの方が僕に何の用ですか?」

呉島:「お前自身に用はない。俺は、戦闘部隊隊長の付き添いで、ポール・キャシディが手にした”デスリング”を奪いにきただけだ」

ツバキ:『デスリング…。じゃあ、この人もポールを…。それに、戦闘部隊隊長の付き添いってことは、仲間がもう一人いるってこと。周りを見る限り、その戦闘部隊隊長がいる気配はない』

呉島:「ここにいるのは、俺一人だ。戦闘部隊隊長のゼツラは、既にポールの元へと向かっている」

ツバキ:「それじゃあ、御伽さんやリシドさんたちが…」
ツバキが自分が来た方向を見る。


呉島:「デスリングを奪って、おさらばするつもりだった…が、武藤遊戯の息子に出会えたんなら話は別だ。ここで、父に代わって、お前に怒りをぶつける。俺の怒りと、妹の怒りを!」
呉島がデュエルディスクを展開し、デュエルアイも左目につける。


ツバキ:「どう意味か知らないけど、父があなたに何をしたって言うんですか?」

呉島:「息子とはいえ、死んだ男の昔の話をするつもりはない!構えろ!武藤遊戯の息子!」
呉島がデュエルディスクを付けろ!という感じで要求する。


ツバキ:『この人、父さんが生きていることを知らない。それに俺と妹の怒りって…?』

呉島:「初代キング・オブ・デュエリスト武藤遊戯の息子。お前の実力がどれほどのものか、見せてみろ!」

ツバキ:「デュエルを挑まないと話は終わらないみたいですね」
ツバキがミッションウォッチを操作し、粒子化でミッションウォッチに収納していたデュエルディスクを出し、左手につける。

そして、デュエルアイを左手につけてデッキを装填する。

デュエルリンクスソリッドビジョンシステムが起動し、デュエリストの周りにホログラムの画像がいくつか出る。



ツバキ、呉島:「「デュエル!!!!」」
2人の掛け声とともにデュエルが開始した。




両者
LP4000


1ターン


ツバキ:「先行は僕がもらう!僕のターン!ドロー!」
ツバキが先行を取り、手札が6枚になる。


ツバキ:「僕は”エルフの双剣士”を攻撃表示で召喚!!」
ツバキの場に緑とシルバーの鎧を身に纏い、青いマントを付けて、2本の剣を持つ戦士が現れる。


エルフの双剣士
LV4 攻撃力1800


ツバキ:「カードを1枚セットし、ターンエンド」
ツバキは手札から1枚カードを場に伏せて、ターンを終えた。



2ターン
両者
LP4000


呉島:「俺のターン!カードドロー!」
呉島のターンになり、手札が6枚になる。


呉島:「エルフの双剣士。”エルフの剣士”の、兄弟モンスターか。流石は武藤遊戯の息子。父のデッキとコンセプトは同じというわけか」

ツバキ:「偉大な父が残してカードだ。あなたのような人に負けるつもりはない!」

呉島:「ふん、その威勢がどこまで続くかな?俺はマジックカード”悪夢の声”を発動!手札にある悪魔族・通常モンスター2体を特殊召喚する!」
カードが発動した瞬間、場に出たカードから女性の声が鳴り響く。


その声は、悲しみの声、そして苦しみを感じさせる声だった。

呉島:「これにより”ダーク・キメラ”と”闇魔界の覇王”を特殊召喚する!」
呉島の場に2体の悪魔族モンスターが現れた。


ダーク・キメラ
LV5 攻撃力1610


闇魔界の覇王
LV5 攻撃力2000


ツバキ:「悪魔族デッキ…」

呉島:「更に、装備魔法”デーモンの斧”を発動し、ダーク・キメラに装備。攻撃力1000ポイントアップ!」
不気味な斧が場に現れ、ダーク・キメラが、その斧を持つ。


ダーク・キメラ
攻撃力1610→2610


ツバキ:「攻撃力2610…

呉島:「ダーク・キメラでエルフの双剣士を攻撃!」
ダーク・キメラが攻撃を仕掛けてきた。


ツバキ:「させないよ!永続トラップ発動!”六芒星の呪縛”!!」
ツバキが発動したトラップカードから結界が現れ、その結界がダーク・キメラを拘束する。

ツバキ:「これでダーク・キメラは攻撃もできず、表示形式も変更できない!」


呉島:「だが、闇魔界の覇王の攻撃が残っている!」
闇魔界の覇王が攻撃を仕掛け、エルフの双剣士を粉砕した。


ツバキ:「くっ」


ツバキ
LP4000 → 3800


ツバキ:「この瞬間、エルフの双剣士の効果発動。戦闘で破壊されたとき、デッキから1枚ドローし、それが戦士族モンスターだった場合、特殊召喚する!」
ツバキがデッキから1枚ドローする。


ツバキ:「ドローカードは”暗黒騎士ガイアレイ”。よって、フィールドに特殊召喚する!」
ツバキが引いたカードはモンスターだったため、そのカードを場に出す。

フィールドに2本のスピアを手に持ち、楯を背中に背負った状態で馬に乗る戦士が現れた。


暗黒騎士ガイアレイ
LV4 攻撃力1600


呉島:「今度は”暗黒騎士ガイア”か。まあ、その攻撃力では何もできないな。カードを1枚セットし、ターンエンド」
呉島のターンが終了した。





ツバキ:「確かに、ガイアレイの攻撃力じゃ、あなたのモンスターに太刀打ちできない。けど、ガイアレイは、仲間を呼び出すための絆の一部だよ!」
ツバキがそういうと、ガイアレイの身体が光る。





3ターン
ツバキ
LP3800
呉島
LP4000


ツバキ:「僕のターン!」
ツバキがカードをドローする。


ツバキ:「暗黒騎士ガイアレイの効果発動!ガイアレイは、「暗黒騎士ガイア」モンスターをアドバンス召喚する時、1体で2体分のリリースにすることができる!」
ガイアレイの効果を解説したツバキがガイアレイをリリースした。


ツバキ:「”暗黒騎士ガイアバスター”をアドバンス召喚!」
ツバキの場に、日本神話に出てくるような身体の長い龍の背中に乗るスピアを2本持った戦士が現れる。


暗黒騎士ガイアバスター
LV7 攻撃力2300


呉島:「チッ、新たなガイアモンスターを出してきたか」

ツバキ:「装備魔法”ガイアツインセイバー”をガイアバスターに装備し、攻撃力1000ポイントアップ!」
ガイアが持つスピアが輝き、攻撃力が上がる。


暗黒騎士ガイアバスター
攻撃力2300 → 3300


ツバキ:「暗黒騎士ガイアバスターで闇魔界の覇王を攻撃!スパイラルバスター!!」
竜が口から破壊光線を放ち、ガイアは2本のスピアを交差させ、その中心から電磁波を放ち、二つの攻撃が闇魔界の覇王を粉砕した。


呉島:「ぐっ!」


呉島
LP4000 → 2700


ツバキ:「まだだよ!暗黒騎士ガイアバスターの効果は、戦闘でモンスターを破壊したとき、相手フィールドに存在するモンスター1体を破壊し、破壊したモンスターのレベル×300ポイントのダメージを相手ライフに与える!」
ガイアが龍の背中から飛び降り、2本のスピアでダーク・キメラを貫いた。

そして、ダーク・キメラのレベルは5。よって1500ポイントのダメージが呉島を襲う。


呉島:「ぐわあああ!」


呉島
2700 → 1200


ツバキ:「カードを1枚セットし、ターンエンド」
ツバキのターンが終了する。




呉島:「……」
攻撃を受けた呉島はピクリとも動かない。

ツバキ:「?」

呉島:「あのときもそうだった」

ツバキ:「え?」

呉島:「あのときも、俺が確実にリードしていたが、今のようにたった1ターンで形勢が逆転され、そしてデュエルは長引いた。その所為で、俺の妹は…」
拳を握る呉島。


ツバキ:「さっきから妹って言っているけど、父とあなたの妹、何か関係があるの?」

呉島:「直接関係はないさ。お互い、会ったことがないんだからな」

ツバキ:「じゃあ、さっき言っていた妹の怒りって?」

呉島:「俺には、妹がいた。妹は初代キングの武藤遊戯の憧れで、あの男のデュエルがテレビに流れていると無我夢中なるほどにな。だが、妹は生まれつき身体が弱く、病院で生活しているのがやっとだった。デュエルができないほど身体が弱かったんだ。だから、妹の代わりに俺が武藤遊戯にデュエルを挑んで、その映像を妹に見せようと思ったんだ」
昔話をする呉島。それを黙って聞くツバキ。


呉島:「最初は、俺が有利だったが、今みたいにたった1ターンで形勢が逆転され、その後、俺は逆転することなく負けた。だが、悔いはなかった。妹に見せられるビデオが取れればそれでよかったんだ。だが…」
呉島は過去の悲劇を思い出す。


デュエルを終えた後、呉島が妹の元に戻った時には…。

悲鳴を上げるしかなかった。


呉島:「妹は、返らぬ人となった。病院の先生が言っていたそうだ。最後の最後まで、俺に会いたいと、お兄ちゃんに会いたいってな。妹が死んだ時間を聞いた俺は、驚愕したよ。その時間は、俺が武藤遊戯に形勢逆転され、必死に逆転しようとしていたときだって」
呉島はあのときのことを決して忘れていない。


撮ったビデオを地面に叩き付けたことも覚えている。


呉島:「あのとき、遊戯が逆転しなければ、俺は妹に会えたんだ。あいつが俺と妹の間を断ち切ったんだ!」
呉島が語ることを聞いたツバキは、口を開く。


ツバキ:「ちょ、それじゃあ、父さんが悪いってこと!逆恨みだ!」


呉島:「何が逆恨みだ!事実、あいつの所為で、俺が妹の元へ行けなかったのは事実のことだろ!」

ツバキ:「けど、デュエルを挑んだのは、そっちでしょ!なら、父は何も悪くない!」

呉島:「やはり、父の味方をするか!もし、俺にもう一人妹がいたら、お前は、武藤遊戯の二の舞を演じていたかもな!」

ツバキ:「何、勝手なこと!」
ツバキが言葉を続けようとするが…。




呉島:「黙れ!奴は、俺からすべてを奪った!それを返してもらうために、あいつに会いに行こうと思った!だが、奴は飛行機事故に遭い、そのまま死んだ!俺から奪ったものをそのまま返さず、奴は死んだんだ!」

ツバキ:「父さんは死んでなんか…!」

呉島:「武藤ツバキ!お前に勝ち、遊戯に取られてものを返してもらおうぞ!」

ツバキ:『どいつもこいつも、父さんのこと知らないくせに、勝手なことを!!』
心の中で怒りを覚えるツバキ。


ジェリドのことを思い出してしまい、更に怒りが爆発しそうだった。



呉島:「デュエルを続行する!」




4ターン
ツバキ
LP3800
呉島
LP1200


呉島:「俺のターン!ドローー!!」
呉島がカードをドローし、手札が2枚になる。


呉島:「リバースカードオープン!トラップカード”リビングデッドの呼び声”!墓地より、ダーク・キメラを復活させる!!」
呉島の場にダーク・キメラが復活した。


ダーク・キメラ
攻撃力1610


呉島:「あのときと同じ結果にはならん!今回は逆転させてもらおう!天国で見ていろ!武藤遊戯!!」
空を見上げて叫ぶ呉島。


呉島:「俺は、ダーク・キメラをリリースし!」
呉島のダーク・キメラが黒い渦に引きずり込まれる。

呉島:「”混沌を司るダーク・キメラ”をアドバンス召喚!!」
ダーク・キメラが飲み込まれた渦の中から巨大な悪魔モンスターが現れる。


混沌を司るダーク・キメラ
LV7 攻撃力2700


ツバキ:「混沌を司る…ダーク・キメラ…!」

呉島:「進化するのは、武藤遊戯のモンスターだけではないということだ!」

ツバキ:「だが、攻撃力はガイアバスターの方が上!それじゃあ勝てない!」
ツバキのガイアバスターは、装備魔法の効果で攻撃力が3300まで上昇している。

混沌を司るダーク・キメラの攻撃力を上回っていた。

呉島:「甘い!混沌を司るダーク・キメラは召喚に成功したとき、自分の手札にあるカード1枚につき、相手フィールド上に存在するカード1枚を破壊することができる!!」
呉島の手札にはカードが1枚存在していた。

ツバキ:「つまり…」

呉島:「そうだ!ガイアバスターを破壊する!!」
暗黒騎士ガイアバスターが奈落の渦に飲み込まれ破壊された。


呉島:「これで、貴様を守る盾はない!地獄に堕ちろ!混沌を司るダーク・キメラでダイレクトアタック!!」
鋭い爪を持つ混沌を司るダーク・キメラが、その巨大な爪でツバキを指す。

ツバキ:「ぐわああああ!」


ツバキ
LP3800 → 1100


大ダメージを喰らうツバキ。

呉島:「混沌を司るダーク・キメラが相手ライフにダメージを与えたとき、相手は手札を全て墓地へ送る!」
胸を押さえながらツバキは、自分の手札を一度確認し、その確認したカードを全て墓地へ捨てた。


呉島:「これで俺はターンエンド!どうだ?この状況から反撃できるか?」

ツバキ:「くっ」

呉島:「ライフが1100。手札は0。おまけにモンスターは尽き、俺のフィールドには攻撃力2700のダーク・キメラが存在する!もうお前に勝ち目はない!」
笑いながら今の状況を語る呉島。


呉島:「やった。やったぞ。これで、妹に報告できる。俺が勝ったことを!これで、俺は…。」

ツバキ:「あなたの…」
ツバキが口を開く。

ツバキ:「あなたの妹のことは残念だと思うよ。けど、それを父の所為にするのは間違っている!」

呉島:「お前に俺の何がわかる!妹を失った俺に!」

ツバキ:「確かに、あなたの気持ちはわからない。それでも、父を悪いように言うあなたを僕は許せない!」

呉島:「お前がどう言おうと、俺の怒りは変わらない!武藤遊戯の所為で俺は妹の元へ行けなかった。それは事実だ!」

ツバキ:「父さんだって、あのとき負けるかもしれないという気持ちはあったはずだ。けどデュエルはやっている中、いろんな出来事がある。奇跡だってあり得る。父さんは、あなたとデュエルをやっていたとき奇跡を起こして逆転したんだ」

呉島:「なら、お前も起こして見ろ!奇跡ってやつを、今ここで!」

ツバキ:「望むところ!」
ツバキがデッキの上に指を置く。


ツバキ:『答えて!僕のデッキ!』
ツバキがデッキに自分の思いをぶつけた。








5ターン
ツバキ
LP1100
呉島
LP1200


ツバキ:「僕の、ターン!」
ツバキがデッキから1枚ドローする。

そのカードを確認する。

ツバキ:『きた!』
ツバキは引いたカードを場に出す。

ツバキ:「マジックカード”死者蘇生”!墓地よりモンスター1体を復活させる!」

呉島:「フッ、お前の墓地にいるモンスターで最高の攻撃力を持っているのは暗黒騎士ガイアバスター。だが、そんなモンスターを今更だしたところで!」

ツバキ:「だれが、ガイアバスターを出すって言った?」

呉島:「何?」

ツバキ:「あなたは一つ間違い犯した。あなたは知らない内に、僕のエースモンスターを墓地へ送っていたんだ」

呉島:「お前のエースモンスターを…。は!」
呉島は少し前のことを思い出す。

混沌を司るダーク・キメラの効果で、ツバキの手札を0にしたあのときのことを。

呉島:「まさか、あのとき!」

ツバキ:「そう、あのとき、あなたは僕の黒魔術師を墓地に送っていたのさ。今ここに、父、武藤遊戯のエースモンスター”ブラックマジシャン”の2番弟子が姿を現す!現れろ!”シュヴァルツ・マジシャン”!!」
ツバキの場に黒い服に身を包んだ赤い眼の黒魔術師が君臨した。


シュヴァルツ・マジシャン
LV6 攻撃力2400


ツバキ:「これが僕の最強にして最高の魔術師だ!」
ツバキの前にシュヴァルツ・マジシャンが着地する。

呉島:「だが、攻撃力は2400。混沌を司るダーク・キメラの方が攻撃力は上だ!」


ツバキ:「今はね」

呉島:「!」

ツバキ:「トラップ発動!”黒魔術の誓いと宣言”!」
ツバキが伏せていたカードを発動する。


ツバキ:「シュヴァルツ・マジシャンが場に存在するとき、エンドフェイズまで攻撃力を1000ポイントアップする!」
シュヴァルツ・マジシャンの背後に幻影が現れた。

その姿はブラックマジシャンの姿をしていた。


シュヴァルツ・マジシャン
攻撃力2400→3400


呉島:「攻撃力3400だと!」

ツバキ:「シュヴァルツ・マジシャンで混沌を司るダーク・キメラを攻撃!シュヴァルツ・ウィザード!」
手に持つ杖から魔力を放ち、混沌を司るダーク・キメラを葬った。


呉島:「ぐわあ!」


呉島
LP1200 → 500


ツバキ:「この瞬間、黒魔術の誓いと宣言の効果により、シュヴァルツ・マジシャンがモンスターを破壊したとき、自分の墓地に存在するモンスター1体につき、200ポイントのダメージ与える!僕の墓地にはモンスターが3体存在する!」
エルフの双剣士、暗黒騎士ガイアレイ、暗黒騎士ガイアバスターの3体がツバキの墓地には存在していた。


ツバキ:「よって600ポイントのダメージをあなたに与える!」
シュヴァルツ・マジシャンは掌から黒い魔力の球を放ち、呉島に当てる。

呉島:「うわああ!」


呉島
LP500 → 0


勝者、ツバキ!


ソリッドビジョンが消える。


呉島はその場に膝をつく。

呉島に近寄るツバキ。


ツバキ:「拘束させてもらうよ。あなたがいるセルビアについてのこと聞きたいしね」

呉島:「フッ、フフフ、俺に構っている暇があるのか?」

ツバキ:「?」

呉島:「言ったろ。俺は、戦闘部隊隊長と一緒にここに来たって。今頃、ゼツラは、お前が一緒に来た仲間を皆殺しにしているはずだ」

ツバキ:「ま、まさか…!」

呉島:「あの男は強い。セルビアの中で一番強い男だからな」
笑いながら語る呉島。







その頃…。





ゼツラ:「弱い、弱すぎる。殺す価値もない」
高いところから下を見下ろすゼツラ。


ゼツラが見下ろす下には、御伽、リシド、ヴァロン、ジャック、牛尾、ミゾグチ、ブレイブ、風也、そしてジェリド、モンドの10人が傷だらけで倒れていた。


全員に意識はない。








第4ED『もう一度君に会いたい《下川みくに》』






次回予告

ナレーション:ゼツラに敗れ、重傷を負ったジェリドたち。

ゼツラに敗れた者たちの安否を心配するツバキが、セルビアの基地を乗り込むことを決意する。

一方で、同じくデスリングの情報を探るべく遊馬がフレシャス財団のボス孫と接触する。

更に、孫につく謎の男が動きを開始する。

戦いの幕を開けようとする者たちが次々と現れるのであった!!


ツバキ:次回、遊戯王5DXAL「仲間のために!」

ツバキ:「仲間のために僕は行く!」







遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!


ツバキ:「僕のエースモンスター”シュヴァルツ・マジシャン”は、父のブラック・マジシャンの2番弟子になる最高の黒魔術師だ。シュヴァルツ・ウィザードでどんな敵をも粉砕する」
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