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第64話:『デスリングと呼ばれる代物』








とある探検家の一室



ポール:「ついに、ついに見つけたぞ…!」
探検家のポール・キャシディ。

彼が手に持つ一つの指輪。

真っ赤なアームにルビーが埋め込まれていた。

しかし、その赤色は不気味な色をしていた。

まるで、真っ赤な血のような色…。


ポール:「これが、世界に8つあると言われている闇のリングの一つ。血のデスリング…!この数年、私はこれを見つけ出すために全ての時間を、こいつを探し当てるために費やした」
ポールがリングを電球の光に当てる。


赤いルビーがピカッと輝く。

ポール:「うっ!」
ポールの目がルビーの光に照らされる。


絶望、悪夢、苦しみ、このデスリングはそれらを秘めている…。

物語は、このリングから始まったのだった。








第5OP『D-tecnoLife《UVERworld》』







第64話:『デスリングと呼ばれる代物』






ダイシャラス王国で起きた戦いから1年。

みんなはいつも修行の日々を過ごし、力をつけていた。

ダイシャラス王国で再会した遊馬とは、あれ以来、接触はない。当然だ。孤独の法をかけられている人が、そう簡単に会えるとは思えない。





ネオコーポレーションシティ

大組織フロンティア本部


杏子:「え?ペガサスが?」

レベッカ:「ええ、何でも大きな会議があるからってしばらくここを留守にするみたいよ」

獏良:「そうなんだ」

杏子:「ペガサスも災難よね。インダストリアルイリュージョン社の会長だって言うのに、フロンティアに入れられちゃって、しかも戦わされちゃってさ」
ジュースを飲み杏子。


獏良:「ここに来て、もう1年か…」

レベッカ:「1年か。全然1年経った気がしないわ。これも年を取ってないからかしら」

獏良:「はは、かもね」
苦笑する獏良。

その隣にいた結衣が自分が飲むジュースを飲み切る。


結衣:「それじゃあ、私行ってきます」

杏子:「そういえば、結衣はこれから修行の時間だったかしら?」

結衣:「うん、城之内さん、舞さんと一緒にね」
結衣がそういうと、「結衣ちゃーん」と手を振って呼ぶ女性がいた。

静香:「兄さんも舞さんも待ってるよ」

結衣:「はーい、今行きまーす。それじゃあ行ってくる」
結衣は自分が飲んでいたコップを持ち、それを食洗器に入れて、静香の元へ行く。


レベッカ:「張り切ってるわね、あの子」

杏子:「そうね」

獏良:「心配じゃないの?娘のこと?息子もそうだけど、あの年で、戦わせられているのに」
獏良の問いに杏子はすぐに答えた。

杏子:「そうね。でも、私がダメだって言っても、あの子たちは聞かないわ」

レベッカ:「?」

杏子:「あの子たちが遊戯が生きているって知ってから気合入れちゃってね。パパの帰る場所を守らなきゃってずっと言ってるのよ」

獏良:「へえ」

レベッカ:「いい娘たちじゃない。あーあ、私がダーリンと結婚してたら、私も杏子みたいな子供たちが生まれていたのにな」
レベッカが言うダーリン。それは、杏子のダーリンである遊戯のことだ。


杏子:「レベッカ、遊戯はもう私のダーリンなんだから、その言い方やめてよね」

レベッカ:「私にとって遊戯は永遠のダーリンよ」
レベッカが杏子にウインクする。

杏子:「なっ!あ、あなたね」
杏子がすごい目で杏子を睨みつける。


獏良:「まあま、杏子。落ち着いて。レベッカもあまりいい歳して杏子を揶揄わないで」
一緒にいる獏良が二人の言い合いを止める。








ネオコーポレーションシティ

国会堂



大統領室


そこに大統領の明智とネオコーポレーションシティ市長にして、フロンティア元帥の百々原がいた。


明智:「この男を知っているか?」
明智が一枚の写真を百々原に見せる。

百々原:「この男は確か、探検家の…」

明智:「ポール・キャシディ。様々な未知の領域を発見すれば、すかさず調査に向かって、様々な研究材料を発掘するまさに、人生の半分を探検につぎ込んでいる男」
写真に乗る男を説明した明智。

百々原:「この男が、どうかしたんですか?」
写真を机に置き、明智に聞く。


明智:「実は、数日前から行方を暗ましているようなんだ」

百々原:「行方を?一体なぜ?」

明智:「うむ」
席に座っていた明智が立ち上がり、窓の外を見る。


明智:「ホント、世界というのは、謎が多い」

百々原:「は?」

明智:「ポールは数年前から、ある物を見つけるために、空いている時間を全てそれに注いだそうだ。何も知らない者が、あれに触れるのは危ないというのに」

百々原:「ポール・キャシディは、一体、何を探していたんですか?」
百々原が明智に問う。


明智:「デスリングだ」

百々原:「!!」
デスリング。その言葉を聞いただけで百々原は驚いた。

百々原:「デスリング。この世に8つある闇のリング」

明智:「あぁ、それを数日前に見つけたそうだ。8つのうちの1つ、”血のデスリング”をな」

百々原:「血のデスリング…。ポールは、なぜそんなものを」

明智:「不明だ。だからこそ、彼を発見し、それを聞く。最悪の場合、デスリングは、こちらが回収しなければいけない」

百々原:「何も知らない者がデスリングに触れるのは危ないですからね。下手に使えば、デスリングに命を喰われる場合がある」
明智も百々原もデスリングの恐ろしさを知っていた。


明智:「フロンティアの新たな任務だ。少人数でチームを編成し、ポール・キャシディを探索に入れ」

百々原:「了解しました」

明智:「チームは、元帥、君に任せる」

百々原:「承知しました。すぐに準備を行います」
百々原は部屋を出た。


明智は椅子に座る。


明智:『デスリング。呪われた闇のリング。小さいものだが、その力は大きなものだ。そんなものを放置するわけにはいかない』
明智は心の中で言う。









数日後





元帥室

ツバキ:「その男を探すのが僕たちの任務ですか」
ツバキが、椅子に座る百々原に聞く。


百々原:「そうだ。そして、ポールからデスリングの情報を聞き出し、所持していた場合、最悪回収しろ」
百々原が部屋にいる者たちに話す。

この部屋にいるのはツバキ以外に、御伽、リシド、ヴァロン、ジャック、牛尾、ミゾグチ、ブレイブ、ロビン(風也)がいた。


ジャック:「ふん、久しぶりに任務が来たかと思えば人探しとは、くだらん」
ジャックが任務の内容を聞いて、くだらないとさっきから一点張りだ。


ロビン:「あの、”デスリング”って、何なんですか?」
ロビンがデスリングについて問う。

百々原:「この世界に存在している8種類ある闇の指輪だ。闇の指輪を使ったものは、闇の力を膨大に引き出すことができ、人間とは思えない異常な力を手にすることができると言われている。しかし、使い方を1つ間違えれば指輪に精神を、最悪命を喰われてしまう危険な代物だ」
百々原がデスリングについて話す。


御伽:「そのポールって人は、その内の一つを手に入れたと?」

百々原:「ああ、血のデスリングをな」

牛尾:「危険なリングだっていうのはわかりました。ですが、だからって俺たちフロンティアが動く理由はあるんですか?」

百々原:「これは大統領からもらった情報だ」


ヴァロン:「なるほど、それじゃあフロンティアが動かなきゃいけねえな」


百々原:「ポールが行方を暗ます前は、日本にいた。調べてみたが、ポールが日本を出た形跡はない」

ブレイブ:「つまり、まだ日本にいるってことか」
ブレイブが手を後頭部に回して言う。


百々原:「明日の早朝に出発してくれ。それと、他にも同行するものが2人いる。入れ!」
百々原がそういうと2人の男性が入ってきた。







百々原:「今回、みんなと共に行動する仲間だ。SOA隊2係リーダーのジェリド・レビと、SOA隊5係リーダーのモンド・グランドだ」
紫色の髪で右目に傷があるジェリド、黒髪で背が周りの男性に比べてみれば少し小さいモンド。

2人が、今回の任務で同行してくれる仲間だった。


ミゾグチ:『SOA隊…。特務隊ではないのか』
心の中でそう呟いたミゾグチであった。



百々原:「さっきも言ったが出発は、明日の早朝だ。皆、急いで準備にかかってくれ」
百々原が皆にそういう。



ツバキ:『何事もなければいいけど…』
本音を心の中で呟くツバキ。











とある組織の基地




???:「ポール・キャシディに先を越されたか」

部下:「はい、そしてポールは数日前から行方を暗ましています」

???:「なんとしても見つけ出せ。その男が手にしたデスリングが秘めている闇の力を必ず私は手にしなければいけないのだ」

部下:「ご安心ください、月荒総隊長」
部下は目の前にいる男性に安心させようと笑って名前を呼ぶ。


月荒元一。中組織”セルビア”の総隊長である。


部下:「既に奴の居場所は割り出しています。見つかるのも時間の問題かと」

月荒:「流石だな」

部下:「あなたが作ったセルビア、国家政府も認めた中組織の一つ。その情報網を搔い潜るものはそう相違ないです」

月荒:「フッ、そうだな。ポール・キャシディの件は、お前に任せるぞ、ゼツラ・ジ・クリス」
月荒の背後に、ノースリーブで、右腕全体に入墨が彫られている男性が立っていた。


ゼツラ・ジ・クリス。中組織”セルビア”の戦闘部隊隊長だ。


ゼツラ:「邪魔する奴は、殺しても問題ないのか?」

月荒:「ああ、どんな手段を使ってもいい。奴が持っている”血のデスリング”を必ず奪ってこい。これは命令だ」

ゼツラ:「命令であるならば、それに従うまでだ」
ゼツラは部屋を後にする。





月荒:「血のデスリング。そのリングには、科学では信じがたい超再生能力があると聞く。その力を使えば、不死身の身体を手にできる。この1年でセルビアも戦争で多くの同胞を失った。今や1000人ほどしか残っていない」
月荒が色々と何かを呟いている。

そして、近くに置いてあった1枚の写真を手に取る。

それに映っていたのは、血のデスリングだった。



月荒:「だが、これさえあれば私自身、リングの力を引き出して前線に出られる。そして、戦い続け、頂点を取る」
手に取った写真を再びテーブルに置く。




すると、部下が口を開いた。


部下:「総隊長。すいません、もう一つお伝えすることが…」

月荒:「ん?なんだ?」


部下:「はい、実はとある財団が、血のデスリングを巡って動き出したみたいで」

月荒:「ほお、確かな情報か?」

部下:「はい、こちらの情報チームが掴んだものです。間違いないです」

月荒:「で、その財団とは?」
月荒がそう聞くと、部下は月荒に近寄り資料を渡す。


部下:「”フレシャス財団”。中国を拠点に活動しているグループです。三日前にボスの孫・九垓(ソン・クガイ)が部下を引き連れて日本に入国しています」

月荒:「なぜ、奴らもデスリングを狙う?」


部下:「そこは、まだ調査中です。しかし、このまま野放しにすれば、奴らが先にデスリングを手にする可能性があります」

月荒:「フレシャス財団、中国を拠点にしている財団か」

部下:「総隊長…?」


月荒:「いいこと思い出したぞ」

部下:「といいますと?」


月荒:「こいつらを利用するのさ。血のデスリングは力を引き出すために、人間の血を求める特性があると聞く。本当かどうかは知らないがな」

部下:「もしそれが、本当だったときのことを考えて…」


月荒:「あぁ、急いで、フレシャス財団がいる場所を洗い出せ。そののちに、奴らのボスと接触する」

部下:「はっ」
部下は、部屋を出て急いで行動する。










その頃、財団組織、”フレシャス財団”は…。



部下:「ボース!ボース!大変あるよ!」
部下1人が慌ててボスがいる部屋に入る。


孫:「なんだ!騒々しいな!」
フレシャス財団のボス、孫・九垓(ソン・クガイ)。白いスーツを着こなし、チョビ髭をいじる。


因みに、フレシャス財団は中国を拠点に動いている財団であるため、組織の人ほとんどが中国人だ。


部下:「それが!セルビアも動いているのでアールよ!」

孫:「動いているのでアールよ!その意味が分からない!落ち着け」
孫が一発喝を入れるために、部下の背中を思いっきり叩いた。


部下は深呼吸し落ち着く。


部下:「ボスが1年前から調査しているデスリングなんですが」

孫:「ああ、その一つをポールって探検家が見つけて、それ以来行方を暗ましているから捜せって、部下たちに命令したはずだだが」

部下:「そのデスリングを探すために、中組織の一つ”セルビア”が動いているみたいなのである」
そのことを聞いた孫が再び部下の背中を叩く。


孫:「それを早くいえバカ!」

部下:「ゴメンなさいである!」

孫:「確か、その組織は日本、つまりこの日本にいるってことだよな」

部下:「ハイである。セルビアは、情報網がすごいである。もうポールの居場所も見つけ出しているのかもしれないのでアル」

孫:「チッ、先を越されたかもしれないということか」

部下:「どうするある?」
部下が孫に聞く。


孫:「……」
孫は目を瞑って考える。


孫:「セルビアのボスと接触する」

部下:「そうであるな!接触して、リングをって、えええええ!?接触するあるか!?」

孫:「あぁ、これはいい機会かもしれないからな」
孫に不気味な笑みが浮かぶ。


部下:「ボス?」

孫:『血のデスリングの本当の恐怖を知らない奴に、渡すわけにはいかないから』
心の中で呟く孫。

孫:「セルビアには勝手に動かせておけ。デスリングを最初に向こうが取ろうと、こっちが動くのはもう少し後だ」

部下:「はあ…」

孫:「とりあえず、準備だ。急げ」
孫がチョビ髭を触る。









ツバキたちが出発する前日の夜




結衣:「それじゃあ、ツバキは、その捜索隊の一員に入ったってわけね」

ツバキ:「うん、でも、わからないことが一つあるんだよね」

イシズ:「デスリングのことですね」

ツバキ:「はい」

ここは、フロンティア本部にある広場。


そこにツバキたちは集まっていた。



アメルダ:「そんなに危険なものなのか?」


双六:「元帥や大統領が、そこまで言うってことはそういうことじゃろうな」


御伽:「僕も捜索隊として、話しの中にはいたけど、闇の力を膨大に引き出すことができる指輪。けど、使い方1つ間違えれば指輪に精神を、最悪命を喰われてしまう危険な代物だって」

レベッカ:「指輪って、指につけるものでしょう?そんな小さなものがね」
レベッカの言う通りだ。

そんな小さなものがとても危険な代物だとは思えない。


そして、今、この中にいるメンバーの中で唯一、指輪をつけている女性が、自分の左手薬指につけている指輪を触る。


杏子:「……」
遊戯と結婚している杏子は結婚指輪を、ずっと左手薬指につけている。


城之内:「こんなものがね」
城之内は、杏子の左手を自分の画面の目の前に持ってきて指輪を見る。


杏子:「ちょ…!ちょっと!何すんのよ!」
城之内の手を振り払う杏子。


舞:「城之内、あんたってたまに最低なことするわね」

城之内:「なんだよ!手を掴んだだけだろ!」

舞:「それが最低なんだよ」
ボソッと呟く舞。


御伽:「ともかく、この中にいるメンバーでは、僕とツバキ君、それにリシドとヴァロンは明日から、少し留守にするからよろしくね」

本田:「ああ、気を付けろよ、2人とも」

ツバキ:「はい」

結衣:「気を付けるのよ、ツバキ」

ツバキ:「分かってるよ、姉さん」
自分のことを心配してくれる姉、結衣の言葉に応えるツバキであった。


ラフェール:「お前も気を付けろよ」
ラフェールがヴァロンに声を掛ける。

ヴァロン:「あんたに心配されるとはな。ま、今回はゆっくり休んでてくれ」
ヴァロンがラフェールの肩を叩き、この場を後にする。


マリク:「リシドもな」

リシド:「ご安心ください。無茶はしないです」
リシドもマリクに頭を下げて言う。









みんなが楽しそうに話す姿を、物陰から見ている男。

明日からの任務でツバキたちと共に行動するジェリド・レビだ。


ジェリド:「特務隊。お前たちの力なんざいらねえんだよ」
ジェリドがボソッと文句を言い、その場を後にする。








フロンティア本部

廊下


とある階の廊下をシェリーとミゾグチ、そして、クロウが歩いていた。

シェリー:「タイミングが悪かったわね。慎也は、別の任務で、しばらく帰って来ないみたいよ」

クロウ:「葵たちもな」
そう慎也、葵、そして、色葉の3人は別の任務で、既にこのフロンティア本部から離れていた。


因みに哲平だが、哲平は本部にいるものの手が外せない仕事があり、明日からの任務に同行することができないでいた。


ミゾグチ:「いい機会だと思います。いつまでも、慎也たちに頼ってはいけませんから」

シェリー:「それも、そうね」


クロウ:「しかし、いいのか?ミゾグチ。明日からなんだから、もう休んだ方がいいんじゃねえか?ブレイブと牛尾、ジャックはとっくに寝ちまったぜ」
クロウは先ほど3人に会っていた。


牛尾と、ブレイブに関しては、「明日から任務なんだ。今日は寝る!」と言って、自分の前から消えた。

ジャックは、明日のためにも一人になりたいと言って、部屋に戻った。

緊張しているのかもしれない。


ミゾグチ:「私は、身体を動かしている方が、安心する」

シェリー:「相変わらずね、あなたは」

クロウ:「牛尾やブレイブとは真逆だな」


ミゾグチ:「ですが、今回は今までと違って、少人数です。私も、今回は少し早めに寝ます」


シェリー:「そう、お休み、ミゾグチ」

ミゾグチ:「おやすみなさい、お嬢様」
そう言って、ミゾグチは部屋に戻る。



クロウ:「なんか、俺も眠くなってきたな」

シェリー:「あなたは別に、任務なんてないでしょう?」

クロウ:「うっ。そういうお前こそ、任務ねえじゃねえか」

シェリー:「お褒めの言葉として受け取っておくわ」

クロウ:「褒めてねえよ」
クロウとシェリーは2人で廊下を歩く。







1人、部屋にいたエスパー・ロビンこと奥平風也。


誰かと電話していた。


風也:「そんなに心配しなくても大丈夫だよ、母さん。僕は元気だから」
相手は実の母親のようだ。

仮面を外し、穏やかな表情で話す風也。

風也:「うん、それじゃあ、おやすみ」
風也は通話を切った。

電話をテーブルに置く風也。

その隣には、いつもつけている仮面が置いてあった。


風也:「まったく母さんが心配性だな」
ニコッと笑って口を開く風也。

そのままベットに横たわる。


風也:『…』
風也は考えていた。


1年前、ダイシャラス王国で友である遊馬と再会した。

それからというもの、彼は、自分たちの前には現れていない。

元帥や慎也に話しを聞いても、四大神王者のいる場所を調べるのは困難らしい。


風也:「遊馬、君は一体、この世界の何を知っているんだい…」
天井を見ながら言う風也。

そして、風也も、明日の朝から、ポールの捜索隊の一員として出発する一人だ。







翌日の朝



フロンティア本部

入り口正門



ジェリド:「全員、揃ったな」
SOA隊2係リーダーのジェリドが全員揃っていることを確認する。



ジャック:「あんたが、今回のリーダーか」

ジェリド:「そうだ。俺のいうことには絶対に聞いてもらうぞ。もし敵が現れて、囮になれと言ってもしたがってもらう」

ジャック:「何?」
ちょっと怒った感じで聞くジャック。


ジェリド:「お前らの代わりなどいくらでもいる。必要なのは力を持つデュエリストだけだ。行くぞ」
ジェリドは、そういって後ろを振り向き歩き出す。

その後ろを、SOA隊5係リーダーのモンドがついて行く。


ヴァロン:「なんか、嫌な奴だな」

ブレイブ:「ああ、痛い目にあわせた方がいいんじゃねえのか?」

御伽:「君たちの気持ちはわかるけど、ここで仲間割れするのはよくないよ」
御伽の言う通りだった。

これから任務開始なのだ。

そんなことに時間を使っていられなかった。



ツバキ:「行きましょう。あの人達に置いて行かれます」
ツバキはそう言って、歩き出す。


御伽、リシド、ヴァロン、ジャック、牛尾、ミゾグチ、ブレイブ、ロビン、ツバキ、そしてジェリド、モンド。

計11人のデュエリストたちの任務が開始する。










第4ED『もう一度君に会いたい《下川みくに》』








次回予告

ナレーション:ポール・キャシディ捜査開始のため、ネオコーポレーションシティを後にしたツバキたち。

しかし、開始早々、仲間同士で波乱の渦が蠢く。

その頃、あの男も再び動こうとしていた。

デスリングを巡って、戦火は広まる!

ツバキ:次回、遊戯王5DXAL「亀裂と暗殺」

ツバキ:「父さんのこと、何もわかっていないくせに!」
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