このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

第63話:『サイバー・エンジェル-帝釈天!!』




明日香とガレスのデュエル。現在は4ターン目。



ガレス:「俺の反撃だ!ラファーガの騎士-リバイブでサイバー・プリマに攻撃!タイラント・フェザー!!」
槍と剣を使って攻撃を仕掛けるラファーガの騎士-リバイブはサイバー・プリマを破壊した。

明日香:「うっ」


明日香
LP2600 → 2100


ガレス:「ラファーガの騎士-リバイブの効果発動!相手モンスターを破壊したとき、破壊したモンスターのレベル×200ポイントのダメージを相手に与え、自分はその分ライフを回復する!!」
ラファーガの騎士-リバイブは明日香に蹴りをお見舞いする。


明日香:「きゃあ!」


サイバー・プリマのレベルは6だ。よって、1200ポイントのダメージを受ける。


明日香
LP2100 → 900


そして、ガレスは明日香が受けたダメージ分回復する。


ガレス
LP200 → 1400


ガレス:「俺はこれでターンエンドだ」
ガレスのターンが終了した。


ガレス:「形勢逆転だな」

明日香:『この人、以外と強い…!』
本音を心の中で呟いた明日香。







第4OP『Butterfly Core《VALSHE》』







第63話:『サイバー・エンジェル-帝釈天!!』






ガレスの騎士デッキに恐ろしさを少し理解した明日香。

明日香はガレスの騎士デッキに打ち勝つことができるのか。

5ターン目、明日香のターンだ。




5ターン

明日香
LP900
ガレス
LP1400


明日香:「私のターン。ドロー!」
明日香がカードをドローし、手札が4枚になる。


明日香:『出せるモンスターが…』
明日香の手札に、召喚できるモンスターはいなかった。

明日香:「カードを伏せて、ターンエンド」
明日香は、このターンドローしたカードを場に伏せて、ターンを終えた。


ガレス:「ウハハハ、打つ手なしか?どうやら、勝負は付いたも同様だな!」
ガレスの高笑いに釣られたのか、後ろにいる部下たちも笑う。

明日香:「くっ」
悔しい思いしかない明日香。





6ターン
明日香
LP900
ガレス
LP1400


ガレス:「俺のターン!」
ガレスがカードをドローする。

ガレス:「ラファーガの騎士-リバイブの効果により、手札が5枚以上存在する場合、相手の手札を確認し、1枚を墓地へ送る!」
ガレスの手札は6枚あるので、発動条件を満たしている。

明日香は手札をガレスに公開する。


ガレス:「俺の勝ちは決まったも同然だが、念には念を入れておくか。”機械天使の儀式”を墓地へ送れ!」
ガレスは明日香の手札にあった儀式魔法のカードを指さした。

明日香のデュエルアイに、機械天使の儀式のカードが表示され、×印がつく。

表示通り、明日香は機械天使の儀式のカードを墓地へと送る。

ガレス:「”砂塵の騎士”を召喚!」
ガレスの場に2体目の騎士が現れる。


砂塵の騎士
LV4 攻撃力1400


明日香:「新たな騎士…」

ガレス:「これだけじゃねえぞ。マジックカード”騎士の砂上”!!!」

明日香:「!!」

ガレス:「騎士と名の付いたモンスターがフィールド上に存在する場合、そのモンスター1体を選択して発動。選択したモンスターを墓地へ送り、デッキから”サブルムの騎士-ムーシャ”を特殊召喚する!!」
砂塵の騎士が砂の渦の中で輝き、茶髪で銃と剣を持つ騎士が現れる。


サブルムの騎士-ムーシャ
LV8 攻撃力2800


ガレス:「サブルムの騎士-ムーシャが召喚に成功したとき、デッキから1枚ドローする」
ガレスがデッキから1枚ドローし、手札が5枚になる。

ガレス:「リバイブでトドメを指すのもよかったが、こっちの方が少しは痛みを味わえるぞ」


明日香:「?」

ガレス:「サブルムの騎士-ムーシャでダイレクトアタック!」
サブルムの騎士-ムーシャが明日香に接近する。



明日香:「リバースカード発動!”エンジェルエルフバリアー”!!手札を1枚捨て、このカードを発動したターン、相手から受ける戦闘ダメージを0にする!」
明日香は手札を1枚犠牲にすることで、ムーシャの攻撃を跳ね返した。

ガレス:「やはり、トラップカードだったか。だが、俺の戦略に抜かりはない!サブルムの騎士-ムーシャの効果発動!相手がトラップカードを発動したとき、相手プレイヤーに300ポイントのダメージを与える!」
サブルムの騎士-ムーシャが手に持つ銃から弾丸を発砲し、明日香に当たる。

明日香:「うっ!」
胸辺りにクリーンヒットした。


明日香
LP900 → 600


ガレス:「俺はこれでターンエンドだ」
ガレスのターンが終了した。







7ターン
明日香
LP600
ガレス
LP1400


明日香:「私のターン!」
明日香がカードをドローする。

引いたカードはマジックカード”スケープゴート”だった。

羊トークンを4体出せるカードだが、反撃はできない。また守るしかできない明日香だった。

元々手札にあった1枚のカードを見る明日香。

そのカードを見て、明日香は…。

明日香:『まだ、希望はある』
そう思った。

明日香:「マジックカード”スケープ・ゴート”!!”羊トークン”を4体守備表示で特殊召喚!」
明日香の場に4体の羊トークンが現れた。


羊トークン ×4
LV1 守備力0


明日香:「ターンエンドよ」
明日香のターンが終了した。




海賊3:「へへへ、あの女、何もできねえみたいだぜ!」

海賊4:「おもしれえ!始まる時は、あんなに強気だったのによ!」

海賊1:「船長!早く、あの女とっ捕まえましょうぜ!」


ガレス:「捕まえてどうすんだ?」

海賊1:「そりゃあもちろん、俺が先に御馳走するぜ!あの女を!」
舌を出して、明日香を見る男。


その目つきに、ゾクッとした明日香。

海賊2:「俺が先だぜ!最初、てめえは見物だ」

海賊1:「んだと!」


ガレス:「おい、てめえら!船長を差し置いて、先にやろうなんて許さねえぞ!!」
ガレスが部下たちに怒鳴る。


シュンとする部下たち。


ガレス:「あいつを抱くのは、俺が先だ。てめえらは、俺が満足した後だ」

海賊4:「ええ!それじゃあ、いつになるかわからないじゃないですか!」

ガレス:「なんか言ったか?」

海賊4:「いえ、何でもないです」
ガレスの目つきにやられ、引っ込む海賊隊員の1人。


明日香:「あなた、私に勝ったら抱こうとしているの?」

ガレス:「ウハハハ、そりゃあもちろんだ。日本人で、ここまでスタイルは滅多にいない。レア中のレアだ。そんな奴を抱かないなんてありえねえだろ」

明日香:「女を何だと思っているのよ。あなたが私を抱こうなんて、100年いえ!1000年早いわ!」

ガレス:「そんなこと言って、初体験がしたくてたまらないんじゃないのか!」

明日香:「ばっ!そんなわけないでしょう!私は、もう3人の息子と娘がいる母親よ!」

ガレス:「なんだ?お前、結婚済か。お前みたいな女を抱けた夫は羨ましいだろうな?まさか、あの万丈目が夫か?」
そう聞くガレスに明日香は。

明日香:「違うわ。万丈目くんは友達よ」

ガレス:「じゃあ、別の男がいるってことか?」

明日香:「ふざけないで!デュエル中よ!」

ガレス:「気の強い女だな。本当に。まあ、そんな女だからこそ、デュエルでは潰し害があるってもんだ」


明日香:「あなたのターンよ!来なさい!」


ガレス:「へっ!羊4匹を出して守備を固めたつもりだろうが、そんなもの、俺の騎士デッキには何の意味もない!いや、海賊騎士の俺には、何の意味もない!」
ガレスが笑う。


海賊1:「よ!船長!」

海賊2:「大統領!」

海賊3:「旦那ーー!」

海賊4:「親分!どこでもついて行くぜ!」
ガレスの笑いに釣られているのか興奮する部下共。


それを見た明日香が、ついて行けないと言わんばかりに汗を流す。


ガレス:「俺のターンだったな。そろそろ決着をつける!」
ガレスがデュエル再開の口振りを見せる。






8ターン
明日香
LP600
ガレス
LP1400

ガレス:「俺のターン!」
ガレスがデッキからドローする。


ガレス:「ラファーガの騎士-リバイブの効果により、自分の手札が5枚以上あるとき、相手の手札を確認し、1枚を墓地へ送る!」
ガレスの手札は6枚存在している。

そして、明日香の手札は…。

ガレス:「確認するほどでもねえな。お前の手札は残り1枚。そのカードを墓地へ送ってもらおうか」
ガレスは明日香に要求する。

明日香は、手札にあるラスト1枚のカードを墓地へ捨てた。

ガレス:「瀬戸際に立たされちまったな?明日香。俺の勝利はもうすぐそこだ!マジックカード”騎士の極限精神”を発動!自分フィールド上に存在する騎士モンスターは、このターン2回攻撃を行うことができる」
ガレスの場にある2体の騎士の身体が輝く。

ガレス:「行くぞ!ラファーガの騎士-リバイブで、まずは羊トークン2体を破壊!!」
ラファーガの騎士-リバイブが手に持つ剣で、羊トークン2体を粉砕した。

ガレス:「ラファーガの騎士-リバイブの効果により、破壊したモンスターのレベル×200ポイントのダメージを相手に与え、自分はその分ライフを回復する!」
羊トークンのレベルは1。それが2体なので、400ポイントのダメージを受ける明日香。そして、逆にガレスはその数値分ライフを回復する。

明日香:「くっ」


明日香
LP600 → 200

ガレス
LP1400 → 1800


ガレス:「サブルムの騎士-ムーシャで残った羊トークン2体を破壊!!」
サブルムの騎士-ムーシャが残りの羊トークンを粉砕した。

これで明日香のフィールドにモンスターも伏せカードも存在せず、手札もない状況になってしまった。

最悪の立場だ。


ガレス:「邪魔者は消した。次のターンでトドメを指す!リバースカード1枚セットし、ターンを終了する」
ガレスのターンが終了した。


ガレス:「念には念を入れておいたが、どうだ?明日香。サレンダーする気はないか?」

明日香:「!」

ガレス:「フィールド尽き、手札尽き、ライフはたったの200。もう勝ち目はない。今、サレンダーすれば、優しく抱いてやるぞ」
舌を出すガレス。

明日香はゾクッとした。

明日香:「誰がサレンダーなんかするものですか!」

ガレス:「つまり、お前は激しい方が好きだということだな!」

明日香:「負けるつもりないって言ってるのよ!」

ガレス:「この状況で、そんな口を開くとはな!だったら、やってみろよ!まあ、無理だろうがな!ハハハハハ!」
ガレスと共に後ろにいた部下たちも笑う。



明日香:『あんな奴に抱かれるなってゴメンよ!私には、十代って言う人が…』
十代…。けど、そいつは、もういない。

デュエル中にも関わらず、十代のことを思い出してしまった明日香。

明日香:『十代、私、勝てるかな…』


???:「デッキを信じていれば、カードは必ず答えてくれる」
明日香の頭に過った懐かしい声。


明日香:「!」
明日香は自分のデッキを見る。


???:『最後まで諦めなければ、奇跡は起きるぜ』
あいつがよく言っていた。

そして、何度も奇跡を起こしてきた。


明日香:『そうよね。まだ、終わりじゃないわよね』
口がにやける明日香。

明日香:「例え、フィールドががら空きでも、手札がなくても、まだデッキがある!最後まで諦めない!私を見てて、十代…!」
明日香がカードをドローする。



9ターン
明日香
LP200
ガレス
LP1800


明日香:「私のターン!」
明日香がカードをドローする。

と次の瞬間。

???:『明日香!』
明日香の頭に聞こえた女性の声。

引いたカードは”サイバー・チュチュ”だった。


明日香:『サイバー・チュチュ…!来てくれたのね』


サイバー・チュチュ:『一緒に頑張ろう!私は、明日香の相棒なんだから!』
カードに描かれているサイバー・チュチュのイラストの右目がパチッとウインクする。

明日香:『流石、私の相棒よ』
明日香の表情が変わったことに気付いたガレス。





明日香:「私は今引いた、サイバー・チュチュのカードをを墓地へ送って」
サイバー・チュチュのカードを墓地に送った明日香。

明日香:「エンジェルエルフバリアーの効果で墓地へ送ったトラップカード”機械天使の煌めき”の効果を発動!このカードを除外することで、デッキからサイバー・エンジェルと名の付いたモンスターと、機械天使の儀式のカード1枚ずつを手札に加えるわ!」
明日香はデッキから2枚のカードを選択し手札に加える。


ガレス:「だが、儀式モンスターを出すには生け贄が必要。お前のフィールドと手札に、それができるモンスターはいない。無意味だ」

明日香:「安心しなさい。モンスターならいるわ」

ガレス:「何…!」

明日香:「私は、前のターンにラファーガの騎士-リバイブの効果で墓地へ送られたトラップカード”エンジェル・ソウト”の効果を発動!」
明日香の場にトラップカードが現れた。

ガレス:「エンジェル・ソウト…?」


明日香:「自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、このカードを除外し、墓地から天使族モンスター1体を効果を無効にし、守備表示で特殊召喚する!”サイバー・エンジェル-荼吉尼”を守備表示で墓地より復活させるわ!」
腕が四本ある機械天使が現れた。


サイバー・エンジェル-荼吉尼
LV8 守備力2400


ガレス:「チッ、モンスターを出したか」

明日香:「”機械天使の儀式”を発動!サイバー・エンジェル-荼吉尼をリリースし、儀式召喚を行うわ!!」
サイバー・エンジェル-荼吉尼が、フィールドから消え、新たなモンスターが天より舞い降りてきた。


明日香:「東方を守りし光の天使よ。今ここに光の道を作りて、大地を震わせ!降臨せよ!!”サイバー・エンジェル-帝釈天(タイシャクテン)”!!」
鋭い刃を持つ矛を手に持ち、オレンジ色の長髪の機械天使が明日香の場に舞い降りる。


サイバー・エンジェル-帝釈天(タイシャクテン)
LV8 攻撃力2900



ガレス:「攻撃力2900…!ここで、強力な儀式モンスターを出して来るとはな」

明日香:「これが私の切札よ!サイバー・エンジェル-帝釈天の効果発動!自分フィールド上に存在するモンスターが、このモンスターのみの場合、サイバー・エンジェル-帝釈天の攻撃力は1000ポイントアップする!」
サイバー・エンジェル-帝釈天の攻撃力が上がる。


サイバー・エンジェル-帝釈天
攻撃力2900 → 3900


ガレス:「こ、攻撃力3900だと…!」

明日香:「サイバー・エンジェル-帝釈天でサブルムの騎士-ムーシャに攻撃!エターナル・イルミネイト!!」
サイバー・エンジェル-帝釈天が攻撃を仕掛ける。

ガレス:「トラップ発動!”騎士の守り神”!相手モンスターの攻撃を無効にし、攻撃した相手モンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える!これで、お前のライフは0!俺の勝ちだ!」

明日香:「無駄よ!サイバー・エンジェル-帝釈天の効果には、バトル中、相手が発動したトラップカードを無効にし破壊する効果を持っているわ!」
サイバー・エンジェル-帝釈天の効果により、騎士の守り神は消え去った。


ガレス:「くそっ!」

明日香:「攻撃続行よ!サブルムの騎士-ムーシャを破壊しなさい!帝釈天!!」
サイバー・エンジェル-帝釈天が、サブルムの騎士-ムーシャを葬った。


ガレス:「ば、バカな…!」


ガレス
LP1800 → 700


明日香:「安心するのは早いわよ!サイバー・エンジェル-帝釈天の効果。このカードが戦闘でモンスターを破壊したとき、破壊したモンスターの攻撃力が2000以上の場合、このカードはもう一度バトルすることができる!」

ガレス:「なっ!」

明日香:「これでサヨナラよ!エターナル・イルミネイト!!」
サイバー・エンジェル-帝釈天が眩しい光の輝きをフィールドに照らし、ラファーガの騎士-リバイブを破壊した。

ガレス:「うわあああ!」


ガレス
LP700 → 0



ガレスのライフ0。

勝者、明日香!!



海賊たち:「「「「船長!!」」」」
海賊たちがガレスの周りに集まる。


ガレス:「何してる!明日香を捕えろ!絶対に逃がすな!」

明日香:「!」

ガレス:「もう勝ち負けなんてどうでもいい!とっとと宝とあいつを連れて引き上げるぞ!」
ガレスがそういうと…。


???:「そう簡単にはいかないぞ」
聞き覚えのある男性の声。

ガレスたちが声が聞こえた方を振り向くと…。


万丈目:「この船の乗客は、解放した。大人しく投降しろ」
万丈目、そして後ろには、この船の乗客たちがいた。

乗客たちは、自分たちを見張っていた海賊たちを取り押さえていた。



ガレス:「ええぇぇぇ!!」
驚きを隠せないガレス。つい鼻水を垂らしてしまった。


明日香:「万丈目くん!やってくれたのね」

万丈目:「キミも、無事に勝ったみたいだね」
お互いにやるべきことを果たしたことを伝える。


ガレス:「お、おのれぇ!覚えてろ!!」
ガレスが、この場から逃げる。

海賊1:「待ってくれよ!船長!」
盗んだものを持っていた海賊たちが、持っていたものをその場に置きガレスを追いかける。



万丈目:「ま、待て!」
万丈目が追いかけようとするが、後ろから「うわっ」と声がしたので後ろを振り向くと、捕まえていた海賊たちも、その場から無理矢理逃げ出し、ガレスが向かった海賊船の方へ走る。


海賊5:「待ってくれ!船長!!」
乗客たちに捕まっていた海賊たちが急いで海賊船に乗る。


そして、海賊船は動き出し、豪華客船から離れていく。


万丈目:「くそっ!取り逃がした!」
万丈目が取り逃がしたことに悔しがる。

その姿を見る明日香。




豪華客船から引き上げたガレス達が乗る海賊船。

ガレスは機首にいた。


ガレス:「次会ったときはリベンジしてやるぞ!明日香!」
ガレスが離れる豪華客船を見てそう言う。


ガレス:『しかし、サイバー・エンジェルに、天上院明日香という名前…。誰かから聞いたような…。んん~。いつ誰に聞いたんだっけ?』
思い出そうとするガレス。

しかし、全然思い出せなかった。








昼過ぎ



ヒーロー・アイランド




翔:「あ、万丈目くん。こっちだよ!」
翔が手を挙げて、自分たちがいるところを教える。


剣山:「万丈目先輩、遅いザウルス!」

万丈目:「何も知らなかった奴が、大口を叩くな」

ヨハン:「大口叩いてたか?」
剣山の言葉が大口を叩いているようには思えなかったヨハン。


トメ:「それより、万丈目ちゃん。明日香ちゃんは?」

万丈目:「もうすぐ来ると思いますよ」
トメの質問に万丈目が答える。







その頃、明日香は港にいた。


綺麗な海を眺める明日香。



島を出て、ボートに乗っていたときに万丈目から言われた言葉を思い出す明日香。


万丈目:『あいつのこと、忘れたらどうだ?』
十代のことを忘れる。それは、自分にとって辛いことだ。


万丈目:『戻って来ない奴のことをずっと胸に締まっていても、苦しむのは君自身だ』
けど、十代のことを胸の中に締まっていても、あいつはもういない。自分自身が辛いのは永遠に続く。



明日香は十代からもらったネックレスを首から外し、右手で思いっきり握る。


そして、それを海に投げようとする。



これさえなくなれば、十代のことを忘れられる。

明日香はそう思った。

しかし、投げようとした直後に、十代の背中が見えた。

明日香:「!」
これを投げれば、十代のことを忘れることができる。

でも…。


明日香は、その場に膝をついた。

そして、左手でネックレスを持つ右手を掴んだ。


明日香:「やっぱり…」
明日香の涙が地面に落ちる。

明日香:「やっぱり、できないわ。私には、あいつを忘れる事なんて…」
その場で泣く明日香。

永遠に続く苦しみかもしれない。それでも明日香の気持ちは永遠に変わらないものだった。







数十分後、明日香はみんなと合流する。



ジュンコ:「明日香さーん」

梨香:「ママ、遅ーい!みんなご飯食べちゃったよ」
梨香が頬を膨らませて言う。

明日香:「ごめんなさい。遅くなっちゃって」


美寿知:「何かあったの?」
明日香の顔を覗いてそう問う美寿知。

少しの間が空いたが明日香は何事もなかったかのように…。

明日香:「何でもないですよ。大丈夫です」
そう答えた。

セイコ:「悩み事があったら言ってくださいね」

明日香:「ありがとうございます。セイコさん」

梨香:「ママ、私、パフェ食べたーい!」

レミ:「梨香、さっきご飯食べたばっかりでしょ」

明日香:「3時になったらね」



明日香にとって辛いことは続くかもしれない。

だが、家族や仲間たち、みんなのおかげで楽しく過ごせている。


人間は沢山笑って、泣いて、怒って生きている。

辛いことだけが人生じゃない。


明日香は十代のことを絶対に忘れない。そう誓うのであった。









第3ED『キミモノガタリ《little by little》』






次回予告

ナレーション:ダイシャラス王国で起きた戦いから1年。

新たな災いが起きようとしていた!

謎に包まれた一つのリング。それを巡る新たな戦いが幕を開けようとする!

新章突入の時!

ツバキ:次回、遊戯王5DXAL「デスリングと呼ばれる代物」

ツバキ:「その男を探すのが僕たちの任務ですか」





遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!


明日香:「機械天使の儀式は状況に応じて様々なサイバー・エンジェルを儀式召喚できるわ。私が、今回召喚した”サイバー・エンジェル-帝釈天(タイシャクテン)”は、ピンチだからこそ活躍してくれる最強のモンスターよ」
1/1ページ
スキ