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第58話:『バリアン再来!そして…』






遊馬:「お前は、世界を動かそうとしたんじゃねえ…」
ボソッと呟く遊馬。


遊馬:「お前は、俺たち四大神王者の歯車を動かしたんだ」
更に話を続ける遊馬。


遊馬:「国家政府が永久に隠そうとする空白の200年、世界に点在する神秘の石版、世界をコントロールするための世界勢力、多元世紀を作った次元振動。だれが、そしてどれが世界を歪ませている」
遊馬の話しに、みんなが耳を傾ける。


遊馬:「多元世紀になって50年。ついに、世界は本格的に混沌へと動き出すのさ。これまで50年は単なる下準備にしか過ぎない」
遊馬の口がニヤッとする。


遊馬:「それを阻止するために、俺たちは動いたのさ。孤独の中からな。これからは手に負えない豪傑共が大勢出る新時代が訪れる。それが、世界をどう動かすのか。フロンティアを含む大組織は、これにどう対応するか。国家政府も黙っちゃいないはずだ。そして、今、ここで一つの柱を消した」
遊馬が鋭い目でニヤッと笑う。


遊馬:「お前の野望、壊させてもらったぞ!」







第4OP『Butterfly Core《VALSHE》』







第58話:『バリアン再来!そして…』








バギーがその場に倒れる。


更に、上半分が宙に浮かんでいる王宮が下に落ち、周りが揺れる。



皆は、目の前の光景があまりにも信じられず、棒のように突っ立っていた。


宝井:「あいつ…、勝手なことを…!」
孤独の法にかけられているのにも関わらず、目の前に出てきた遊馬を見て、腹が立ってきた宝井。


マルタン:「ね、ねえ?」

レイ:「な、なに、マルッち?」

マルタン:「これ、終わったんだよね?王子を倒したから、これで終わったんだよね?」

レイ:「そ、そうだね」
動揺しているのか、口を少し震わせながら話すレイとマルタン。


クロノス:「あの王子を相手に圧勝のなノーね…」

ナポレオン:「でアール…」
クロノスやナポレオンも目の前の光景が信じられず、口が震えていた。


鉄男:「か、勝ったんだよ。俺たち!!」

徳之助:「俺たちが勝ったウラーー!!」
現実を改めて再認識し、自分たちが勝利したことを自覚するフロンティアのみんな。


みんなは大喜びだった。

ジュンコ:「これで終わりなのね!」

ももえ:「やりましたわ!」

翔:「剣山くーん!」

剣山:「丸藤せんぱーい!」
翔と剣山が抱きしめ合う。


アンナ:「小鳥もよくやったな」

小鳥:「え?私、何も…」

ゴーシュ:「何言ってんだ。あの爺さんの代わりに、司令の役割をやり遂げたじゃねえか」

小鳥:「いや、でも私、全然…」

慎也:「司令という初めての立場の中、あれだけ頑張ったんだ。今回は素直に喜べ」
慎也が小鳥を褒める。


セイ:「小鳥!」
セイとサチが小鳥に飛び掛かる。

小鳥:「セイ…!サチ!」

サチ:「今日はありがとう!小鳥のおかげで助かったよ」

セイ:「小鳥って強いんだね!」
サチとセイが小鳥に礼を言う。

小鳥:「友達なんだから、当然のことしたまでよ。それより、2人とも…苦しい…」
小鳥がそういうと、2人はとっさに離れて笑いながら「ごめん」と謝る。


小鳥たちの様子を見て、琴羽と未来が笑う。





そして…。


遊馬:「……」
遊馬も、離れた場所から、みんなが喜んでいる顔を見て、口が少しにやけた。


手元に持つデュエルギアを収め、地面に倒れるバギーを見る。

完全に意識を失っている。もう戦える気力はないだろう。

遊馬は少しずつ前へ進む。


そして、倒れているバギーの目の前に立つ。






遊馬:「洗いざらい吐いてもらうぞ。バリアンのこと」
遊馬がバギーの身体に触れようとした、そのとき!


ピカーン!

遊馬:「!!!」

バギーの身体が突然、怪しい光に包まれた。


遊馬は、咄嗟に後ろへ下がった。



羅夢:「何だ…!?」

レミ:「バギーの身体が…!」
突然の出来事に驚く羅夢とレミ。


???:「その男に触れないでもらおうか?九十九遊馬」
どこからか聞こえる人の声。

そして、バギーの身体が宙に浮いた。



ドロワ:「何が起きている…!」

葵:「今の声は何…!?」


遊馬:「お出ましか」
遊馬がボソッと呟く。



???:「この男は、まだ利用価値がある。遊馬、お前に渡すわけにはいかない」


遊馬:「まさか、そっちから出て来てくれるとは探す手間が省けたぜ。バリアン!」
遊馬が倒壊した王宮の上を見て言う。



倒壊した王宮の上に立つ8人の人影。

その姿は人間ではなかった。



ベクター:「あいつらは…!」

ミザエル:「まさか…」
元々同じ存在だったベクターやミザエル、そして凌牙たちは目を疑った。



???:「こちらも同じことを述べよう。遊馬、まさか君からバギーの前に現れてくれるとは思いもしなかった」
8人の集団の中で中心に立つ奴が遊馬に視線を向ける。



小鳥:「あれって、もしかして…!」

アリト:「遊馬とバギーが言っていたことは本当だったのかよ…!」

ドルべ:「バリアン…!」

凌牙:「バリアン世界はまだ存在していたのか…!」

璃緒:「ですが、どうしてここに!!」
突如現れた8人の姿を見て驚く凌牙たち。

その姿はバリアンに住む者たちの姿だった。





エド:「あれが…」

亮:「バリアンか」
エドや亮、他にもバリアンを初めて見た者たちが、王宮の上に立つ8人のバリアンを目に焼き付ける。


トロン:「また、あの悲劇が始まるのか」

一馬:「あの時の繰り返しになるとはな」
トロンと一馬がボソッと口にする。




ウェスカー:「挨拶が遅れたな。我が名はウェスカー。このバリアン8人衆のリーダーだ」
8人の中心に立つバリアン、ウェスカーが自己紹介する。


ピアーズ:「ああ?ウェスカー、てめえいつの間にリーダーになったんだよ?」
隣にいた別のバリアンがウェスカーに茶々を入れる。

シンディ:「そんなこと、どうでもいいでしょ?あの人達の目の前で見っともないことしないで」
8人の中でただ一人女性らしき姿をしたバリアンが口を開く。

ピアーズ:「んだ?シンディ、てめえ、いつ俺の保護者になったんだよ?」

シンディ:「何、やる気?」
2人の喧嘩が始まった。


ウェスカー:「2人とも、それ以上続けるなら他所でやれ。カッコ悪いぞ」
ウェスカーの言葉に2人がおとなしくする。



ペイトン:「ウェスカーをあまり怒らさてはいけませんよ。2人とも」


スペンサー:「こいつが怒ったら、誰も止められないぞ」

コルダ:「確かに」

サリバン:「それより、早くやる事やっちまおうぜ」

ブラナー:「バギーを捕獲した時点でやることはやったけどね」
別のバリアンたちが口を開く。




遊馬:「お前たちが、ここに来たのは、バギーを連れ帰ることか?」

ウェスカー:「無論だ。先ほども言ったが、こいつにはまだ利用する価値がある。お前に渡すわけにはいかない」

遊馬:「そいつは、お前たちを騙そうとして、ドン・サウザンドの力を奪おうとした男だぞ」


ウェスカー:「そんなこと、ドン・サウザンド様は承知の上だ」

遊馬:『様か。よほど忠誠を誓っているようだな』
心の中で呟く遊馬。


ウェスカー:「完全な姿ではないドン・サウザンド様でも、このような男に負けるようなお方じゃない」

遊馬:「確かに。俺も、こいつがあいつの力を奪うことなんてできねえって、戦いの中でわかったよ。正直、力がなさすぎだからな」

ピアーズ:「よほどの自身だな。遊馬」

遊馬:「一応、世界勢力の看板を背負っているからな」
ピアーズの言葉にニヤッとして応える遊馬。





遊馬:「それより、今、完全な姿ではないドン・サウザンド様ではないと言ったな」

ウェスカー:「……」

遊馬:「つまり、ドン・サウザンドは復活している。そういうことか」

ウェスカー:「だったら、どうした?我々を倒して、ドン・サウザンド様を撃ちに行くか?」

遊馬:「いや、今は分が悪い。それに、ドン・サウザンドが完全に復活するまで数年はかかるんだろ?なら、倒せる機会はまだある」
笑って話す遊馬。

シンディ:「彼なりに、情報は集めているということね」

ピアーズ:「そんなことより、俺は今、あいつと戦いたくてワクワクしてんだ」
ピアーズが前に出る。


スペンサー:「妙な真似はするなよ、ピアーズ」

ピアーズ:「俺に指図するなよ。もうウズウズして仕方ねえんだ」

コルダ:「九十九遊馬、遅かれ早かれ消すべき存在。ここで消すのも悪くない」

サリバン:「おいおい、バギーを連れて帰ることが今回の目的だろ」

ブラナー:「やる気満々だね、みんな」


ペイトン:「挨拶をするのも悪くないですね」
バリアンたちが遊馬に殺気をぶつける。


ピアーズ:「ってことで、容赦はしねえぞ!」
ピアーズが右掌を前に突き出し、そこから衝撃波を出した。

衝撃波は遊馬が立っているところに当たり、周りに砂ぼこりが舞う。


未来:「遊馬!」

明里:「大丈夫だよ、母さん」
明里が指を指す。

指した場所には、遊馬がいた。

遊馬は高くジャンプして衝撃波を躱していたのだ。


遊馬は、バリアンが立つ王宮の隣に建っている建物の屋根に着地する。


遊馬:「随分、手荒な挨拶だな」
遊馬の右手の甲が光る。


遊馬:「こいつは」
更に遊馬の背後に2人の生命体が現れた。

そして、遊馬の右手の甲に紋章が浮かび上がる。


遊馬:「こいつは、お前たちからの宣戦布告ととらえてもいいんだよな?ウェスカー」
遊馬が右手に浮かびあがった紋章。それは、No.1のエースのマークの紋章だった。


そして、遊馬の背後に現れた2人の生命体。



アストラル:『バリアン8人衆。まさか、こうも早く私たちの前に現れるとはな』

エリファス:『だが、こちらにとっては好都合かもしれない』
アストラル世界の使者、”アストラル”とアストラル世界の神とも言われた存在エリファス。

遊馬も背後に現れ、バリアンを鋭い視線で見る。



小鳥:「あ、アストラル…!?」

一馬:「それに、あれはエリファス…なのか…!」


ハルト:「それよりも、遊馬の右手…!」
ハルトの言う通り、遊馬の右手を見て、すぐにあれが何なのかすぐに分かった。

エースのマークを所持している小鳥、凌牙、カイト、Ⅴ、ドルべ、アンナ、ゴーシュの紋章も輝き出す。

カイト:「間違いない」

凌牙:「エースのマークNo.1…。遊馬が持っていたのか…!」
自分の輝いている紋章を見て、No.1のエースのマークが遊馬だと認識する凌牙たち。



ウェスカー:「アストラルにエリファス、やはり遊馬と一緒にいたか」


ピアーズ:「なんて桁外れの殺気だ」

スペンサー:「早いとこ、去った方がいいかもな」

ウェスカー:「素晴らしい気迫だ。だが、遊馬忘れるな。お前は、俺たちと同類の存在。いずれ貴様も-」

遊馬:「それ以上、何も言うなよ、ウェスカー。そして、ドン・サウザンドに伝えておけ!」
遊馬が腰を低くし、誰かを殴るような態勢に入る。

遊馬:「首洗った待っとけってな!!」
遊馬が右拳を突き出し、突き出した拳から巨大な光線が炸裂し、バリアンたちを襲う。


ウェスカー:「我々はいずれ、お前を向かいに行く。お前の方こそ待っていろ!」
ウェスカー率いるバリアンは、遊馬が放った攻撃の中、光の輝きに包まれ、その場から消えた。


遊馬の攻撃は、近くの建物数軒を一瞬で吹き飛ばした。




アンナ:「ただの、パンチにしかみえねえのに…」

右京:「建物が崩れた…」
目を丸くするアンナと右京。



レミ:「それよりバリアンは…!」
レミがそういうと、みんなが周りを見る。


色葉:「どうやら逃げたようね」

斎王:「新たな敵、登場というわけか」

美寿知:「また、忙しくなりそうですね」


バリアンと名乗る新たな敵が現れたことを認識するフロンティアのメンバー。





アストラル:『再び、バリアンと戦う日が来るとはな』

エリファス:『そして、その先には…』

遊馬:「ドン・サウザンド」
アストラル、エリファス、遊馬もバリアンの存在を再認識する。


遊馬:「この国でのようは済んだ。行くか」
遊馬は立っている建物の上からジャンプして下に降りる。


遊馬はゆっくりと前を歩く。


その先には、慎也が立っており、更に後ろには小鳥たちがいた。



遊馬は慎也の横をスルーして、そのまま前を歩くが…。

慎也:「どこに行く気だ?」

遊馬:「孤独の法をかせられた俺が、いつまでもここにいるわけにはいかないだろう。やるべきことはやった。早いとこ、この国からいなくなるんだよ。じゃないと、首を突っ込んで来る人が…」


宝井:「九十九遊馬!!いや、ロスト!」
宝井が遊馬の前に現れた。


遊馬は心の中で、「あ、遅かった」と呟く。



宝井:「貴様、自分が何をしているのかわかっているんだろうな?ええ?孤独の法により、無許可での仲間、親族との接触は禁じられている!」
宝井が言った言葉に、遊馬の眉毛がピクッと動く。


宝井は更に、遊馬に対し言葉をぶつけるが、遊馬は聞かず、心の中で呟いていた。

遊馬:『孤独の法だ。接触は禁じられているだ。やっぱりこれかよ…』


宝井:「法を破った罪は重い!ここで私の手で処刑してくれる!」
宝井は懐から銃を出し、銃口を遊馬に向ける。



羅夢:「宝井司令…!」

宝井:「九十九遊馬、孤独の法を破った罪により、お前を…」
宝井が引き金を引こうとした、そのとき、遊馬は鋭い目で宝井を見つめる。



遊馬:「その法を俺たちに懸けたのは、アンタらが勝手にした事だろうが…!」
遊馬が放たれる鋭い気迫に、宝井はおろか周りのみんながゾッとした。


遊馬は、一歩ずつ前へ進み、宝井に近づく。


宝井:『身体が…動かない…』
宝井は引き金を引きたくても引けなかった。

そして、遊馬は宝井の前に立つ。


遊馬:「アンタら、十天老士が俺たちを嫌うのは勝手だが、それでも、俺たちは好きなようにやらせてもらおう。それに文句があるんなら」
遊馬は手に銃形態のナディエージダを出し、銃口を宝井の顎に当てる。

遊馬:「ここで息の根を止めさせてもらうぜ。俺があんたを殺すなんて簡単だからな」
遊馬は怖い目で宝井を睨み、その目を見た宝井は動くこともできず、目を閉じることもできなかった。

そして、周りで遊馬を見ていた、みんなも怖い気持ちが溢れる。


遊馬が引き金を引こうとしたとき、誰かが遊馬の肩を掴む。


慎也:「よせ、遊馬。久しぶりにあった、みんなの前で人殺しするつもりか?」
慎也が遊馬に言葉をかけ、遊馬は「はぁ」とため息をつき、宝井が持っていた銃を奪って、カートリッジを抜き、銃本体をポイっと捨てる。

宝井は、地面に腰を落とした。

遊馬の殺気に解放されたことで、腰が抜けたのだ。


ペガサス:「す、すごいのデース…」

アーサー:「今までかつてない殺気…」

双六:「これが、世界勢力の看板を背負うデュエリストの気迫…」
遊馬の気迫を改めて実感したペガサスたちが口にする。

小鳥は遊馬を見て思った。

小鳥:『遊馬…、あなたに一体、何があったの?』



慎也:「遊馬、一ついいか?」

遊馬:「?」

慎也:「お前は、バリアンについての調査のため、バギーを追ってこの国に来たと言っていたが、なら半年前に俺たちが捕まえた狂言でもいいんじゃなかったか?あいつは、プリズンに捕まって裁判にかけられた後、一般の牢獄に入ったと聞いた。お前にも、それぐらいの情報は持っているだろ」

遊馬:「あぁ、確かに、俺も最初はそっちに行くつもりだったさ。けど、それはできねえのさ」

慎也:「なぜ?」

遊馬:「数週間前、狂言は牢獄の中で血まみれになって発見されたそうだ」
遊馬が言った言葉に、皆が戦慄しそうになった。

葵:「あの狂言が死んだ」

色葉:「まさか、自殺…?」

遊馬:「いや、凶器が周りになかったことから、奴は何者かに殺害されたと周りは睨んでいる。俺もそう思うしな。狂言がいた牢獄は一般牢獄ではあったが、監視は上級クラスの場所だった。そんな場所に出入りできるとなると…」
遊馬が、この後、言おうとすることが、大体わかった。


さっき現れた、バリアンはどういう仕組みかは知らないが突如現れ、突如消えた。

まるでワープするかのように。


一馬:「バリアン…」
一馬がボソッと呟く。


遊馬:「国家政府はバリアンの存在を知っている。狂言殺害がバリアンだと推測し、俺に連絡を入れてきたんだ」

羅夢:「国家政府が、四大神王者に…!」


宝井:「まさか、貴様、フロンティアのメンツにバリアンと戦えと言うつもりではないだろうな?」

遊馬:「…」

宝井:「そんな勝手なこと、上層部の一人である私が認めると思っているのか!」
宝井が反論する。





遊馬:「わかってるよ。フロンティアのみんなに手を借りるつもりはない。それに、今回の件について、国家政府は俺に全てを擦り付けたしな」
遊馬が慎也を見る。


遊馬:「慎也。バリアンの件について、フロンティアは一切手を出すな」

慎也:「なっ!」
慎也だけでなく、凌牙やカイトたちも驚いた。


慎也:「いいのか?お前のことだ。バリアンに対抗するために、エースのマーク7人の覚醒を待っていたんじゃなかったのか?」
慎也がそういうと、小鳥たちエースのマーク覚醒者たちが自分の右手の甲を見る。

遊馬と同じ紋章を自分たちは持っている。

つまり、バリアンと戦うための戦力と言っても過言じゃない。

遊馬:「バリアンと戦うための物だけじゃないさ。そいつは別の道で使ってくれ」
遊馬が、前を歩く。


羅夢:「遊馬、もう一つだけ聞かせてくれ。テイタラファミリーが国を覆ったバリアの制御装置。あれを破壊したのは、君か?」

遊馬:「ん?ああ、あれな。いや、俺じゃねえよ」

慎也:「じゃあ、誰が?」
慎也がそう聞くと、遊馬は首をひねり、慎也たちを見る。


遊馬:「俺のボスの”アッシュ”だよ」
アッシュ。その言葉を聞いただけで、みんなの身体が固まる。


羅夢:「そ、それってまさか…」

慎也:「遊戯隊長…。遊戯隊長が、この国にいるのか!!?」
慎也は物凄く驚く。


結衣:「ええー!パパ、ここにいるの!」

ツバキ:「あのバリアの制御装置を破壊したのが父さんだったなんて…!!」



遊馬:「元々、俺一人で来る予定だったんだが、独自で調べたいことがあるって言って、テイタラファミリーが動く数時間前に、この国に入っていたんだ」
遊馬がそういうと、城之内が近づき、遊馬の両肩を掴む。


城之内:「おい!遊戯は、遊戯はどこにいるんだ!!」

遊馬:「会いに行く気ですか?残念ですが、今、あの人が、この国のどこにいるかは俺も知らないですよ。それに、友達や家族とはいえ、あの人の居場所をベラベラ話すわけにはいかなんで」
遊馬がそういうと、諦めたような感じで遊馬の両肩から手を離す。


遊馬:「さて、俺、そろそろ行くわ。嫌なお客さんが、ここに来てるみたいだし」

哲平:「嫌なお客さん?」

遊馬:「ICPO。”インターポール”さ」
ICPO。正式名称「国際刑事警察機構」。


慎也:「国際刑事警察機構が、この国に来ているのか」

遊馬:「今回の騒動で、この島に来ているんだろうが、俺はICPOと少しもめごとしちまったからな。会いたくねえんだ」
遊馬が頬をボリボリと掻く。

そして、遊馬は前を歩く。


慎也:「家族や恋人とは言葉を交わさないのか?」
自分の隣に来た遊馬に小さい声で問う。

遊馬:「あぁ、俺の所為で父ちゃんたちを危険にはさらしたくねえ」

慎也:「できれば、お前には、ここにいる、みんなを鍛えてほしいんだが…」
慎也がそういうと、遊馬は間をあけてこう言った。


遊馬:「まだ、俺は戻れないんだ」

慎也:「遊馬…」

遊馬:「いずれ、みんなと過ごせることを願っているさ。それまで、みんなをよろしく頼む」
遊馬の真剣な視線に慎也は断れなかった。

いや、もとい断るつもりはない。

慎也:「分かった」

遊馬:「頼んだぜ」
遊馬は前を歩き、この場を後にする。




遊馬の後ろにアストラルが出てくる。


アストラル:『よかったのか?小鳥とも本当は話かったんじゃなかったのか?』

遊馬:「いいんだ。それに、また会えるさ。必ずな」



遊馬が去る。


その後ろ姿を見る小鳥は、心配そうな顔で遊馬を見る。


小鳥:『また会えるよね。遊馬…』




遊馬、旅立つ!再会の日まで!




テイタラファミリー沈黙!


フロンティア SOA特務隊の勝利!







第3ED『キミモノガタリ《little by little》』







次回予告

ナレーション:テイタラファミリーが落ちたことで、テイタラファミリーと関わりのある、組織たちが次々と、指名手配、捕獲される。

その頃、国家政府の上層部に、百々原元帥が訪れ、戦慄した空気に…!

そして、大組織”サイファー”には、奴らが収集される!!

百々原:次回、遊戯王5DXAL「国家政府の真意」


百々原:「あなたたちは勝手過ぎる…!」


遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!


遊馬:「”CNo.39 希望皇ホープレイ”のデュエルギア”エスペランサ”。ポルトガル語で希望を意味するぜ。ナディエージダと同じで変形機能を持っており、銃と短剣の二つに変形して戦うことが可能だ!」
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