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第57話:『四大神王者の歯車、遂に動く!遊馬VSバギー』









第4OP『Butterfly Core《VALSHE》』








第57話:『四大神王者の歯車、遂に動く!遊馬VSバギー』







遂に、遂に、四大神王者ロストいや、九十九遊馬が、みんなの前に姿を現した。




誰もが、遊馬がここにいることに驚く。



ラビリット:「お前が…」

バギー:「九十九遊馬…!」
敵であるラビリットとバギーも驚きを隠せない。





未来:「ゆ、遊馬…!」
死んだと思っていた実の息子が目の前に現れたことに涙を流す未来。



凌牙:「本当に…」

カイト:「あいつなのか…!」
遊馬の姿を見て目を丸くする2人。







セイ:「ゆ、遊馬くん…!」
セイが遊馬の名前を呼ぶ。

遊馬はセイの方を見る。

セイ:「あ、ありがとう…!」
安心して涙を流すセイ。

ラビリットに捕まっているサチも涙が止まらない。


小鳥も手で涙を拭くが、全然止まらない。





ラビリット:「くっ!大人しくしろ!こっちには、人質がいる!この女が死にたくなければ、言う通…」
言葉を続けようとするラビリットだが、その瞬間、遊馬がラビリットの腹を思いっきり蹴り飛ばし、宙に浮くほどラビリットが後ろに吹き飛ばされた。

ラビリット:「ぐはっ!」
飛ばされる前にサチの腕から手を離した。

遊馬:「俺は虫の居所が悪いんだ。あんまり怒らせるなよ」
そう言って、遊馬はセイとサチを抱きかかえ、後ろへ下がる。

下がった場所には、小鳥がいた。

小鳥の目の前にセイとサチを下ろす。

小鳥:「セイ!サチ!」
小鳥がセイとサチを抱きしめる。


その姿を見た遊馬は、一安心したような顔をする。



バギー:「遊馬!」
バギーは高く飛び、遊馬に攻撃を仕掛けようとする。


バギー:「消えろ!ピン・ザ・フェザー!!」
両掌が緑色に輝き、手を大きく振って、そこから風の渦でできた無数の針を飛ばした。

無数の針は遊馬達目掛けて飛んできた。


遊馬:「そんなもの…!」
遊馬は息を思いっきり吸った。

すると、次の瞬間、口から炎を吹き出した。

その炎によって、バギーの攻撃を全てかき消した。


バギー:「何…!なら」
地面に着地したバギーは、嵐征竜-テンペストの魂を体内に入れ、限界勢力の力を発揮。


バギー:「ショールガ・ヴァルツァー!!」
人間サイズの竜巻が無数現れた。

さっき慎也たちが受けた攻撃だ。


ラビリット:「王子に指一本触れさせはしない!」
ラビリットもバギーの前に立つ。


バギーは、その間に笛を手元に出す。




葵:「また、あの笛を!」

慎也:「遊馬!」






遊馬:「わかってるぜ!」
遊馬がデュエルギアを手元に出す。

遊馬:「ナディエージダ!」
銃タイプのデュエルギアが遊馬の手に持たれた。


遊馬:「テンペスト・シーセン!!」
遊馬がナディエージダから銃弾を発砲した。

すると、その銃弾は分裂し、人間サイズの竜巻とラビリットを避けて、バギーの元へと向かった。


バギー:「ぐはっ!」
分裂した弾はバギーが持つ人を操る笛に当たり、そのまま破壊された。


バギー:「ビームが曲がった…だと!」


遊馬:「邪魔な奴も落としてやるか」
遊馬はナディエージダの銃口を斜め上に向けて、そのまま発砲した。

弾は空中で分裂し、そのまま竜巻の中心を通り抜け、竜巻の中にいる小さい嵐征竜-テンペストを撃ち抜いた。

同時に竜巻が消える。


ラビリット:「バカな…!一瞬で!」
遊馬の一瞬の行動に驚くラビリット。


遊馬:「四天王ラビリット。悪いが、お前には、ここで退場してもらう」
遊馬が一枚のカードを出す。

”No.30破滅のアシッドゴーレム”。遊馬が持つカードにはそう書かれていた。

No.30破滅のアシッドゴーレムの魂が遊馬と一つになる。



ハルト:「もしかして、あれって!」

色葉:「限界勢力!」
遊馬が取った行動を見て驚くハルトたち。










遊馬はしゃがみ込み、地面に両手拳をぶつける。


遊馬:「まずは、この邪魔なバリアを壊す」
遊馬からとてつもない殺気が放たれた。



同時に地面に亀裂が入る。



バギー:「何をする気だ…!」


遊馬:「アシッド・スプラッシュ・滅!!」
技名を言った瞬間、周りの地面が内部から爆発し、辺りが粉砕する。


同時に、ヴィンディヒ・マオアーも破壊された。



恵美:「きゃあ!」

一星:「これは…!」

ドロワ:「なんて破壊力だ!」
遊馬が放った攻撃の威力に驚くみんな。


ラビリット:「おのれー!遊馬ぁぁ!」
ラビリットは吹き飛んだ地面の下敷きになる。



周りに砂塵が舞う。


しばらくして、砂塵が晴れ、バギーが周りを見る。


バギー:「!」
当たりの地面は崩壊し、ヴィンディヒ・マオアーも消えていた。


目を大きく開けるバギー。



遊馬はゆっくりと立つ。


遊馬:「小鳥」
遊馬が後ろいる小鳥の名を呼ぶ。

遊馬:「2人を連れて下がっててくれ。後は俺の仕事だ」
遊馬が小さな声でいう。


小鳥:「う、うん」
小鳥がセイとサチを連れて下がる。



風のバリア”タイラント・フェザー・バリア”を周りに張り、遊馬の攻撃に耐えたバギーはバリアを解き、遊馬を見る。


バギー:「く、まさかお前が来ていたとはな…」
悔しそうに遊馬の名を呼ぶ。


琴羽:「小鳥!」

小鳥:「お母さん!」
琴羽は娘をぎゅっと抱きしめる。

琴羽:「よかった、本当に」
少しだけ涙を流す琴羽。


色葉:「あなたたちも大丈夫?」

セイ:「はい、怪我はありません」

サチ:「心配しないでください」
小鳥、セイ、サチの無事を確認した。


六十郎:「しかし」
六十郎が前を見る。


春:「遊馬…」

牛尾:「あいつが、死んだと思っていた、あんたらの息子か」

一馬:「あぁ、次元振動が起きる前、あのとき落石事故で死んだと思っていたが…」

未来:「間違いないわ。あれは私たちの息子…!」

明里:「それよりも、本当なの?遊馬が四大神王者って」
明里が慎也に聞く。


慎也:「あぁ、四大神王者No.4ロスト。その正体が、あいつだ。俺も、数年ぶりにあいつを見るよ」

葵:「でも、どうして、この国に…!?」
遊馬を見るみんな。





一方、遊馬はバギーを見つめる。



バギー:「貴様、なぜ、この国にいる?」

遊馬:「お前の化けの皮を剥がしにきたんだよ。お前が知っていることを全て、吐いてもらうぞ」

バギー:「この計画を実行した、この日にまさかお前と会えるとは、驚いたぞ」
少し笑うバギー。


遊馬:「ふーん、けど驚いたのは、俺の方だぜ。お前と狂言って奴が、まさか”バリアン”復活に加担していたとはな」
遊馬の一言に、バギーはおろか、周りのみんなが驚く。

バギー:『こいつ、どこからそれを…!!?』
心の中で驚きを隠せないバギー。




ミザエル:「バリアンだと…!?」

ドルべ:「バカな。バリアンは、もう存在しない世界だ!」

Ⅲ:「元々バリアンだった、神代凌牙、璃緒、ドルべ、ベクター、ミザエル、アリト、ギラグは人間として生まれ変わった」

凌牙:「俺たち以外にもバリアンが存在するというのか!」
遊馬の言葉を聞いて凌牙たちの動揺は隠せなかった。



バギー:「俺は直接は触れていない…!手を出したのは、あの狂言だ!」

遊馬:「あんたがどれだけ言い訳するのは勝手だが、それでも加担したのは事実だろ?狂言が、この国に定期的に訪れていたことは、俺の耳にも入ってきた。だから、俺はアッシュ…いや遊戯さんの許可を得て独自に調査していた。あの島に訪れたのもそのためだ」
あの島。半年前に行ったワックスポワロのことだ。


遊馬:「けど、まさか、あいつに手を出すとは、正直、俺も思わなかったわ。お前もそうなんだろ?」

バギー:「な、何がだ?」

遊馬:「復活したバリアンの新たな野望を知ったお前と狂言は、その野望によって蘇るある奴の力を手にするために、狂言と情報を交換していたんだろ?」

バギー:「…!!そこまで知っているのか…!」

遊馬:「やっぱりか。もう復活しているのか?俺たちがあのとき倒した…”ドン・サウザンド”は?」
ドン・サウザンド…。バリアン世界を生み出した創造神だ。




トロン:「ドン・サウザンド…」

ギラグ:「あいつが復活だと…!?」

小鳥:「そ、そんな…」
ドン・サウザンドのことを知っている者たちの驚きは隠せなかった。



マーサ:「何だい?そのドン・サウザンドって?」


カイト:「人間界とアストラル世界、そして今は存在しない第3の世界バリアン。それを生み出した存在」

フェイカー:「それが、ドン・サウザンド」

ハルト:「けど、ドン・サウザンドは遊馬たちが倒したはず。また、あいつが蘇るっていうの…!」
ドン・サウザンドのことを知らない者たちに説明をし、驚く者たちが増える。




バギー:「お前は生かしておくわけにはいかないようだな。話しを聞いた、後ろの奴らも…!」
バギーが物凄い気迫を剥き出しにする。


その気迫が遊馬を襲うが、遊馬の表情は変わらなかった。


バギー:「俺の力が風だけだと思うな…!」
バギーの右手が赤く光る。


遊馬:「へえ、炎属性も使えるのか?」

バギー:「行くぞ!遊馬!」
赤く光る右手を思いっきり振ると、手から火の球が出て、空に舞う。






イェーガー:「何をなさるつもりなのですか…?」

城之内:「俺たちも手を貸すぞ」
城之内が前に出ようとする。


慎也:「じっとしていてください」
慎也が城之内達を止める。

慎也:「”四大神王者”。世界勢力の中で最も強敵とされている4人のデュエリスト。遊馬は、その中のNo.4。つまり、この世界で4番目に強いと言ってもいいぐらいです。失礼ですが、そんな奴の動きに、あなたたちが追いつけるとは思いません」

御伽:「逆に足手纏いということか」

本田:「一瞬で辺りをこんなにしたやつだからな」
本田が周りを見る。

遊馬が行った攻撃”アシッド・スプラッシュ・滅”で、地面に崩壊した。遊馬はそれほどの力を持っている。

ここにいる、みんながそれを自覚した。

慎也:「今は大人しくしていてください」
慎也の言う通り、ここは遊馬に任せることに、みんなが同意する。




不気味に宙を舞う火の球が、静止する。


バギー:「俺なりの地獄の業火だ。受け取れ!」
火の球が一斉に、遊馬目掛けて降り注ぐ。



ジム:「躱し切れないぞ…!」

オブライエン:「このままでは…!」

小鳥:「遊馬!!」
小鳥が遊馬の名を叫ぶ。


遊馬の右手には銃のデュエルギア”ナディエージダ”が握られている。

しかし、遊馬は右手と同時に左手も挙げる。

遊馬:「”エスペランサ”…!」
そう言い放った瞬間、遊馬に降りかかる火の球が一斉に撃ち落とされた。


バギー:「何…!」
全ての火の球が消えたことに驚くバギー。


遊馬の両手には銃が持たれていた。

ナディエージダともう一丁の銃を。

遊馬:「面白くねえな。そんな常識な攻撃なんてよ」
2丁の銃を構えて口を開く遊馬。


バギー:「それが、お前のデュエルギアか…?」

遊馬:「ああ、希望皇ホープのデュエルギア”ナディエージダ”。そして、希望皇ホープレイの”エスペランサ”。黄色い弾丸の異名には相応しい武器さ」
自分が持つデュエルギアを紹介する遊馬。





天兵:「すごい。一瞬で、あの火の球を落とした…!」

龍亜:「すげえ、命中率だな」
遊馬の一瞬の攻撃に驚く、みんな。



バギー:「銃タイプのデュエルギアか」
バギーがジャマダハルタイプのデュエルギア”ラファール・ジャマダハル”を両手に持つ。

バギー:「銃なら弾が当たらなければ、いいことだ。接近戦に持ち込んでやる」


遊馬:「このデュエルギアは銃タイプだが、銃タイプじゃねえ」

バギー:「どういう意味だ?」

遊馬:「チェンジ」
遊馬がそういうと、ナディエージダとエスペランサが輝き、変形する。

そして、銃からナイフへと変形した。


バギー:「!!」



色葉:「あれは…!」

慎也:「あれが、あの二つのデュエルギアの特性だ。銃から変形して短剣タイプへ変形する機能を持っているデュエルギアだ」

羅夢:「変形機能を持っているデュエルギアを操る人は、相当の腕を持つ人ですからね」
慎也と羅夢が遊馬が持つデュエルギアのことをしゃべる。







遊馬:「行くぜ」
遊馬が前へ走る。

バギー:「くそっ!」
バギーも真っ向勝負を挑む。


2人が持つデュエルギアがぶつかる。



バギーは両手に持つジャマダハルを操り、遊馬を殺そうとするが、遊馬は2本の短剣を自在に操り、バギーの攻撃を受け流す。


バギー:『なぜ当たらない…!俺が奴に押されている…。そんなことがあってたまるか…!』
バギーが構える。


バギー:「インペトゥス・ウェンティィィ!!!」
ジャマダハルの先端を突き出すバギー。


遊馬は一度、後ろへ下がった。


バギー:「逃げても無駄だ!」
突き出したジャマダハルから竜巻が現れ、遊馬に向かう。


バギー:「まだだ!」
更に、ジャマダハルを振り、炎の斬撃を飛ばし、それが竜巻と一体化し、炎の竜巻が完成!

遊馬に襲いかかる。





剣山:「これは、今まで以上に強力な一撃だドン!」

三沢:「あれを喰らったら!」

鮫島:「一溜りもない!」
バギーが繰り出した攻撃を見て驚く鮫島達。



未来:「遊馬…!」
息子の名を呼ぶ未来。





遊馬は息を吸った。

短剣形態だったナディエージダとエスペランサが、銃タイプになる。


遊馬:「伝龍技奥義!」
遊馬が二丁の銃を構える。

二丁の銃が緑色に輝く。

遊馬:「黄竜・迅雷!!!」
二丁の銃から弾丸が発射された。

弾丸は物凄いスピードで飛び、更に二つの弾が一つになり、緑色の龍へとなって炎の竜巻を飲み込んだ。

バギー:「何…!」
バギーは驚いたがもっと驚いたのは、その弾が、そのまま自分のところに向かってきていることだ。

バギー:「ぐわああ!」
バギーは吹き飛ばされた。




羅夢:「伝龍技。久しぶりに見ましたね」

慎也:「あぁ、遊馬が身に付けた奥義。またこうやってみられる時が来るとはな」
遊馬の技を見て懐かしさを覚える慎也と羅夢。

SOA特務隊の隊長ということもあって遊馬の技は随分前に見たことがあった。

それが、今、目の前で見られるとは、2人は思ってもいなかったのだ。


砂塵が舞う中、バギーは立ち上がった。

バギー:「くっ」
バギーは、アボイド・ドラゴンを出し、背中に乗る。


バギー:「一旦、下がるしかない…!」
バギーは、この場を後にしようとする。



ドラガン:「あいつ!」

ジャック:「逃げる気か!」
バギーの行動を見て、そう思ったドラガンとジャック。



遊馬:「逃がすつもりはないぜ。王子様!」
遊馬の足が緑色に光る。

そして、地面を強く蹴り上げる。

高くジャンプする遊馬。


すると、宙に浮いたまま、地面を蹴る素振りを見せる。

だが、更に高く飛びあがり、連続で宙を蹴って、空中を飛び、バギーを追いかける。




徳之助:「えええええええ!」

等々力:「遊馬君が空を飛んでますよ!!」

チャーリー:「地面を蹴っているような動きをしているな」


色葉:「足に風属性の波動を高め、宙を蹴ることで空を飛んでいるのね」
驚く徳之助たちに対し、腕を組み、解説する色葉。




逃げるバギーは後ろを見る。


空を飛んで自分を追いかけてくる遊馬を見て驚く。


遊馬:「逃がさねえぞ!!」
遊馬はバギーを強く蹴る。

腕を使って防御するも、力が強すぎて、アボイド・ドラゴンの背中から落とされ、地面に落下した。


バギー:「くそがっ…!」
眉間にしわを更に寄せるバギー。

遊馬:「お前は、あの狂言の仲間でもある。あいつの代わりにけじめをつけさせてもらうぞ」
遊馬が拳を握る。

遊馬:「ライト…もらうぞ。お前の必殺技!」
右拳が炎で燃え上がる。





バギー:「!!」
遊馬の右拳を見て驚くバギー。一体、何をする気だと思う気持ちが表情に出る。



遊馬は宙に浮いたまま、右拳を構える。更に、炎が燃え上がる。

遊馬の脳裏には、半年前にワックスポワロで、みんなを守って死んだ”矢橋ライト”の顔を思い浮かぶ。

遊馬:『ライト。見ててくれよ!』


遊馬は下に向かって、右拳を突き付け、こう叫んだ。

遊馬:「炎拳!!!」
右拳から炎の拳が出現し、そのまま下の地面に降り注ぐ。

そこに立つバギーは、目を丸くし足が動かなかった。


そして、炎拳は地面に当たり、周りに炎が広がる。


龍可:「きゃあ!」

海馬:「くっ」

氷室:「またなんて攻撃だ!」
遊馬が放った炎拳に驚く氷室たち。


攻撃を放ってからしばらくして、遊馬は地面に着地する。


そんな遊馬を見る、キャットたち。

キャット:「今の攻撃って、ライトの技…」

アンナ:「あぁ、間違いないぜ。あれはライトの炎拳…」
ライトの攻撃をマジかで見たことがある2人がボソッと言う。



慎也:「あいつとライトは、フロンティアに入ってから仲がよかったからな」

一馬:「え…」

羅夢:「ライトは、リーダーではありませんでしたが、孤独の法を受けた遊馬と、時々交流をしていました」

慎也:「そんな友が半年前に戦いで死んだんだ。今の攻撃はライトへの手向けだろ」
慎也が目を閉じて呟く。



遊馬の右拳に灯っている炎が消える。

周りに散った炎も消えていた。

今、バギーの姿は認識できない。

遊馬:『まだか』
遊馬は心の中で呟く。

すると、目の前に先ほどよりも傷だらけのバギーが現れた。

バギー:「世界を動かすために、俺は負けられない……!」
首を後ろへ振り向かせ、王宮を見る。

バギー:「この国から始まるのだ。俺の野望は!」
遊馬の方を振り向き、両手にラファール・ジャマダハルを持つ。


遊馬は、短剣形態のナディエージダを持つ。

遊馬:「セカンドステージ」
遊馬がそう呟くと、短剣形態のナディエージダが長剣へと姿を変えた。

セカンドステージになることで、遊馬のナディエージダは短剣から長剣へとなるのだ。


バギー:「我が野望に跪け!!」
ラファール・ジャマダハルを持つ両手を挙げる。


すると、次の瞬間、ラファール・ジャマダハルを粒子が覆い、そのまま大型のサーベルとなった。




明日香:「そ、そんな…」

万丈目:「デカい…」

アキ:「こんなの止めっこないわ…」
目を丸くする明日香達。



バギー:「これが、俺の野望の始まりの一撃…」

遊馬:「斬」

シュパーン!!

一瞬だった。周りのみんなも何が起きたのか理解できなかった。

それはバギーも同じだった。

しかし、バギーは白目を向いていた。

大型のサーベルは折れ、更に後ろにある王宮も、上半分が少しだけ宙に浮かんでいた。


遊馬:「お前は、世界を動かそうとしたんじゃねえ…」
ボソッと呟く遊馬。


遊馬:「お前は、俺たち四大神王者の歯車を動かしたんだ」
更に話を続ける遊馬。


遊馬:「国家政府が永久に隠そうとする空白の200年、世界に点在する神秘の石版、世界をコントロールするための世界勢力、多元世紀を作った次元振動。だれが、そしてどれが世界を歪ませている」
遊馬の話しに、みんなが耳を傾ける。


遊馬:「多元世紀になって50年。ついに、世界は本格的に混沌へと動き出すのさ。これまで50年は単なる下準備にしか過ぎない」
遊馬の口がニヤッとする。


遊馬:「それを阻止するために、俺たちは動いたのさ。孤独の中からな。これからは手に負えない豪傑共が大勢出る新時代が訪れる。それが、世界をどう動かすのか。フロンティアを含む大組織は、これにどう対応するか。国家政府も黙っちゃいないはずだ。そして、今、ここで一つの柱を消した」
遊馬が鋭い目でニヤッと笑う。


遊馬:「お前の野望、壊させてもらったぞ!」




遊馬の一撃は、世界への宣戦布告となる!!





第3ED『キミモノガタリ《little by little》』




次回予告

ナレーション:バギーを倒した遊馬。

しかし、その直後に現れた新たな敵が、遊馬とぶつかる。

更に、法を破ったことを激怒する宝井も遊馬へ怒りをぶつける!

全てを話した遊馬が、出す答えとは…!

遊馬:次回、遊戯王5DXAL「バリアン再来!そして…」

遊馬:「まだ、俺は戻れないんだ」





遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!


遊馬:「俺が愛用する変形機能を持つ”No.39希望皇ホープ”のデュエルギア”ナディエージダ”。短剣と銃に変形することで様々な状況に応じた戦闘を可能にするぜ。更に、こいつにはまだ隠された力が…!」
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