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第55話:『小鳥VSバギー 語られる存在』







慎也:「ぐわあああああ!」
竜巻に襲われる慎也。




小鳥:「慎也さん!」



バギー:「ターゲットは外れたが、戦えないなら消えろ!」
ヴィンディヒ・マオアーに再び穴が開き、そこから傷だらけの慎也が追い出された。



羅夢:「慎也さん!」
羅夢が放り出された慎也をキャッチした。


氷室:「ひ、ひでえ」
慎也の姿を見てつい口を開いてしまう氷室。



哲平:「大丈夫か!?慎也」
慎也に呼びかける哲平。


慎也は少しだけ咳き込み、口を開いた。


慎也:「あ、ああ、大丈夫だ。伊達に修羅場をくぐってきただけではないから」
慎也の声を聞いて羅夢たちが一安心する。


Ⅲ:「けど、これであと任せられるのは…」


Ⅴ:「彼女だけだ」
ⅢとⅤが小鳥を見る。


小鳥は真剣な目でバギーを見る。









第4OP『Butterfly Core《VALSHE》』






第55話:『小鳥VSバギー 語られる存在』







バギーに敗れ、ヴィンディヒ・マオアーの外に放り出されたカイト、凌牙、そして慎也。


中にいるのは小鳥のみ。

今、バギーと戦えるのは小鳥だけだ。



宝井:「あんな女一人に何ができる。もうおしまいだ」
宝井は目を瞑る。


キャッシー:「あなたって人は…!」

龍可:「よくも、そんなことを軽く口にできますね」
キャッシー、龍可が宝井に怒る。

レベッカ:「やめなさい、2人とも」

龍可:「でも…!」

レベッカ:「気持ちはわかるわ。でも、今は」
レベッカが目の前を見る。

目の前に映るのは、ただ一人バギーの前に立つ女性小鳥だった。



すると、そこに。



色葉:「みんな、お待たせ」
葵、色葉、セイ、サチが到着した。



慎也:「葵か」

葵:「し、慎也!?どうしたの!」
葵がボロボロの慎也の元へ近づいた。

葵:「大丈夫なの?」

慎也:「少し休めばな。それより、今は」
慎也が少し起き上がる。

そして、前を見る。

それに釣られ、葵や色葉たちも前を見る。


色葉:「小鳥ちゃん…!」

セイ:「小鳥!」

サチ:「小鳥!」
セイとサチが前へ走る。


鉄男:「待て、お前ら」
鉄男が前に出て、2人を止める。


セイ:「鉄男君!」

サチ:「でも、小鳥が!」

鉄男:「分かってる。けど、この壁に触れれべ、軽傷じゃすまないんだ」
鉄男が必死に説明する。



一馬:「今は、彼女に任せるしか」

トロン:「あぁ」

宝井:「貴様ら、本気か!あんな小娘1人に任せとはどうかしているぞ」
その言葉を聞いて、一馬がキレた。


一馬:「なら、あんたがなんとかしたらどうだ!マイナス思考しか考えず、すぐに諦めて!それに、外にいる我々は悔しい気持ちが沢山あるんだ!うだうだ文句あるなら、後ろに下がっていろ!」
宝井の胸倉を掴み、一馬は大声で怒鳴る。

フェイカー:「その辺にしておけ、一馬。お前が、怒鳴る気持ちもわかる」
フェイカーが一馬の腕を優しく掴む。

フェイカーの言葉を聞いて、一馬は胸倉から手を離す。




慎也:「小鳥!」
慎也が小鳥を呼ぶ。



小鳥は慎也の方を向こうとしたが、そちらを向いた瞬間、竜巻に襲われるかもしれない前を向き、前を向いたまま耳だけ慎也の声を聞こうと意識を集中する。


慎也:『それでいい』
慎也も小鳥の行動に満足したようだ。






慎也:「いいか、竜巻の中を狙え」



小鳥:『中?』




慎也:「当たってわかったが、竜巻の中には鳥サイズの嵐征竜-テンペストが竜巻を作っていた。おそらく中にいる本体を倒せば、竜巻は消えるはずだ」
慎也は見逃していなかったのだ。竜巻に襲われたとき、中に嵐征竜-テンペストが竜巻を作っていたことを。





バギー:「あの一瞬で嵐征竜-テンペストを目視するとはな」


小鳥:『竜巻の中を狙う。そうなると、竜巻に消されない強力な一撃を放つか、もしくは上から目標に向かって放つか。でも、私飛べないし…』


バギー:「最後の円舞曲だ!」
竜巻が小鳥に向かってきた。



セイ:「小鳥!」

徳之助:「来るウラ!」
みんなが小鳥に攻撃が来たことを教える。



小鳥:「答えは前者の方しか」
小鳥が右手に浮かぶエースのマークを見る。


小鳥:「私に力を貸して」
エースのマークが輝く。



結衣:「また、さっきと同じバリアを…!」

杏子:「けど、それはさっき破られて…」

ツバキ:「いや、あれは防御じゃない、攻撃だ」




小鳥のエースのマークは、フェアリー・アーチャリーに力を与える。



小鳥:「セカンドステージ」
フェアリー・アーチャリーが姿を変える。

少しサイズが大きくなり、両手共にグローブのようなものが付けられていた。



愛:「あれは…!」

剣代:「セカンドステージ!」

哲平:「取得していたのか?」
小鳥のセカンドステージを見て驚くみんな。




葵:「慎也、あのセカンドステージ」

慎也:「あぁ、最初の形状から明らかに進化しているが、進化し過ぎだ。それに、両手に填められたグローブ。あれも、セカンドステージによるものとなると、小鳥のセカンドステージは上級クラスのものだ」
小鳥のセカンドステージを見て、葵と慎也もその姿に驚かされた。







バギー:「セカンドステージしたところで」





小鳥:「まずは、1つ!」
小鳥が光の矢を放つ。


すると、矢はいきなりスピードを上げ、高速移動した。


そして、矢は一つの竜巻の中にいた嵐征竜-テンペストを撃ち抜いた。


同時に竜巻が1個消えた。



バギー:「!」
バギーも少し驚いたようだ。







ヴィンディヒ・マオアーの外にいる、みんなも驚いた。



すると、そこに…!



未来:「一馬!」
未来と明里、琴羽、右京、風間、ボマーが到着した。


一馬:「未来、明里」

春:「おお、無事だったか」

明里:「おばあちゃんも無事でよかった」

琴羽:「小鳥は?」
娘を探す琴羽。


アンナ:「あそこだ」
アンナが指を指す。

弓を構える小鳥が琴羽の目に映った。


琴羽:「小鳥…」


サチ:「小鳥、今、1人で戦っているみたいです…」
琴羽の側に来たサチが言う。


琴羽:「え?」

右京:「助けには…!」

本田:「見てわかるだろ。この邪魔なバリアが外部の干渉を防いでいる所為で、簡単に中にはいけないんだ」

イェーガー:「今は、彼女に…」

ドルべ:「任せるしかないんです」
みんなが悔しそうに言う。


その気持ちは琴羽にも伝わった。

みんなも小鳥を助けたいんだと。


琴羽:「小鳥…」
琴羽も小鳥を信じる。勝利と共に。





セカンドステージしたフェアリー・アーチェリーを構える小鳥。

小鳥は深呼吸する。


小鳥:「一気に決めるわ」
セカンドステージしたフェアリー・アーチェリーから矢を放つ。

すると、その矢は分裂し散開した。

散開した矢はスピードを上げ、一斉にすべての竜巻の中にいる嵐征竜-テンペストを撃ち抜いた。



バギー:「まさか…!」







明里:「小鳥ちゃん、すごい」

ボマー:「これほどの成長…!彼女には素質があるのか」
小鳥の攻撃に驚くみんな。






小鳥:「最後は、あなたよ!」
光の矢がセカンドステージしたフェアリー・アーチェリーに装填されるが、その矢は今までと違い赤色の矢だった。



バギー:『これは、マズい…!』
懐から何かを取ろうとするバギー。

小鳥は、何を取ろうとしているのかすぐにわかった。

バギーはさっき、その中に例の人を操る笛を中に入れていた。


小鳥:「させないわ!」
矢に力が込められる。



鉄男:「行け!小鳥!」

璃緒:「小鳥!」

カーリー:「行っちゃえー!」

慎也:「これが最後の一撃だ」

凌牙:「決めろ!」

琴羽:「小鳥!」

みんなが小鳥を応援する。




小鳥:「みんなの思いを力に!」
みんなの思いが小鳥が放とうとする矢に込められる。エースのマークが輝く。

小鳥:「エターナル・クロイツ・アロー!」
赤色の矢を放った小鳥。

矢は、猛スピードでバギーに接近する。

その途中、矢は十字架へと形状を変え、攻撃範囲を広めた。



バギー:「くそが…!」
バギーは躱す暇もなく、小鳥が放った矢はバギーに直撃した。


物凄い爆風が周りを襲い、更に矢は少し真上に飛び、ヴィンディヒ・マオアーに直撃。当たった部分に穴が開いた。



小鳥も自分が放った攻撃による爆風に耐える。


周りに砂塵や白煙が舞う。




万丈目:「なんて威力のある攻撃だ」

色葉:「王子は、やったの?」
砂塵や白煙の所為で、バギーの状態が確認できない。


葵:「いえ、まだよ」
葵がボソッと言う。




すると、バギーがみんなの前に姿を現す。



隼人:「あいつ、まだ」
アキに治療してもらい、少しは立てるようになった隼人が言う。


しかし、ダメージは与えられた。

身体に傷や痣ができ、服もボロボロになっている。

そして、何より、バギーは辛そうな顔で立っていた。


バギー:「まさか、お前みたいな女に、やられそうになるとはな」
息切れをしながら、バギーは言った。



すると、そこに…。




???:「いえ、あなたの負けよ」
聞き覚えのある声。バギーはそう思った。

なぜなら、その声の主は、元は自分の部下だったからだ。



レミ:「王子。いえ、バギー・グ・テイタラ」
レミや梨香、明日香が到着したのだ。


剣代:「母さん、梨香」
剣代は先ほどまで明日香達と行動していたが、ここに来る途中に分かれてしまった。

そのとき、いたメンバーは明日香、梨香、珠里、翔、レミ、そして途中分かれてしまった自分と万丈目だった。

だが、今、合流したメンバーの中には、ヨハンや斎王、チャーリー、等々力たちもいた。

おそらく、ここに来る途中に合流したのだろう。



宝井:「これで…」

慎也:「この国に入ったフロンティアのメンバーは全員集合したか」
そう、今来たメンバーで、この国に入ったSOA特務隊のメンバーは、全員、ここに来たことになる。





バギー:「ケリロット、やはり、お前はそっちについたのか」

レミ:「私は、その名を捨てたわ。私は、この世界になって、初めてできた友達と一緒に生きる上原レミとして」

バギー:「誰が、お前を育てたと思っているんだ?家族を失い、孤独だったお前を…!」

レミ:「感謝はしているわ。でも、私が今まで生きていたのも、あなたの策略のため、道具としてここまで生きていたのなら、私は私ではいられなくなってしまう」

バギー:「くっ」

レミ:「投降しなさい、バギー。この国で犯した罪。今回の計画の件、そして…あなたの父、レーベン・ジ・テイタラを毒殺の件もね」
その話しに、みんなが驚く。




珠里:「実の父を毒殺…」

宝井:「レーベン・ジ・テイタラといえば、この国の第1王子。王子の死に色々と不審点は上がってはいたが、まさか奴が…」





レミ:「第1王子は、本当に平和を望んでいたお方だったわ。日中は街に出て、市民と触れ合い、何か問題があれば、すぐに迅速に解決策を導こうとしていた」
レミは過去の記憶を思い出した。

レーベン王子が街の人と楽しく触れ合っていたときのこと、真剣に会議に出て解決策を探そうとする姿。

レミにとってはいい人だったのだ。


レミ:「けど、ある日、戦争のことでレーベン王子とバギーは口論になってね。人と人が触れ合うことで、平和を望むレーベン、人と人が戦って勝ち取り頂点に達した者が平和を手にすることを望むバギー。そして、2人の望む平和の考えが、あの事件を生み出してしまった」
レミは過去にあったことを思い出す。




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時は、過去へと遡る。






バギー:「父上!なぜ、戦わない!戦ってこそ、本当の平和を手にできるのだ!」
バン!とテーブルを叩くバギー。

その前には、父レーベンが落ち着いた表情で座っている。


レーベン:「それでは、決められた人々しか平和は訪れない。私の平和は、皆が平等に平和な暮らしができることだ。多元世紀で今も続いている戦争に手を出さず、静かにしておくことの何が悪い」


バギー:「それでは、この国は弱いと思われるばかり!俺は、力が全てだと思っている!」

レーベン:「お前はいつもいつも力だ!力だ!と言って、国を戦争に巻き込むつもりか!力など不要!」
立ち上がるレーベン。

バギー:「なっ!」

レーベン:「バギー、お前には私の後を継ぐ第2王子に相応しくないようだ」
レーベンは大人しく座る。



レーベン:「バギー、お前には失望したよ」
後ろを振り向くレーベン。

その後ろでバギーは、鋭く怖い目でレーベンを睨む。








その日の晩、レーベンとバギーは夕食を取っていた。


口を開かず、静かに食事をする2人。


すると…!


レーベン:「うっ!」
レーベンが椅子から倒れてしまい、苦しみだす。

レーベン:「な、なんだ、これは…!」
苦しみながら床をジタバタするレーベン。


そこに、バギーがゆっくりと歩いてきた。


レーベン:「バギー…!」
レーベンがバギーの名を出す。

バギー:「これ、すごく効き目がいいんだ」
バギーは瓶を出し、それをレーベンの目の前に置く。

バギー:「猛毒の麻薬。飲めば、息ができなくなるほど、苦しみ死ぬ。父上。あなたに、この国を任せることはできない」

レーベン:「お前、こんな…ことして、ただで済むと…」
レーベンがそういうと、バギーの背後から数人の者たちが現れた。


バギー:「テイタラファミリー、俺が率いるファミリーだ。あんたがいなくても俺は生きていける。そして、あなたは国のために死んだ。国の人たちは、それで満足する」

レーベン:「お、おま…」
レーベン…死亡。

静かに息を引き取った。



この姿を、目の前で見たいた上原レミは、悲しい目で、倒れるレーベンを見ていた。


レミ:『国のために、どうしてここまで…!』
少し涙を流すレミ。






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慎也:「そんなことが…」

ミスティ:「平和のためとはいえ、実の父を殺すなんて…!」

エマリー:「あんな人、人間じゃないわ!」
バギーに対して文句を言うみんな。





小鳥:「あなたって人は…!」

バギー:「平和のために犠牲は付き物だ。小さなものを失うことで、大きなものを手にすることはできる。人間は、それを理解していない」

小鳥:「あなたって人は…!」
小鳥がセカンドステージしたフェアリー・アーチェリーを構えようとする。





???:「動くな!」
小鳥の耳に響く聞き覚えのある声。



セイ:「きゃああ!」

サチ:「いや、離して!」
セイとサチが誰かに捕まった。


右京:「何…!」

葵:「しまった!」


1人の男がセイとサチを人質に取って、一歩ずつ下がる。



小鳥:「あなたは…!」
ヴィンディヒ・マオアーの外にいる、みんなの方を見て驚く。



バギー:「無事だったか」
バギーがニヒッと笑う。


小鳥:「ラビリット・メイ…!」
そう、みんなの前に現れたのは、小鳥が倒したはずのテイタラファミリー四天王リーダー、ラビリットだった。


ボロボロの身体だが、その状態で、ここまで来たのだ。


慎也:「くそっ…!」

宝井:「人質に取られたか」
落ち着いた表情で口を開く宝井。



バギー:「ラビリット、こっちに来い」


ラビリット:「御意」
ラビリットはヴィンディヒ・マオアーの周りをセイとサチを抱えて走る。

そして、先ほど小鳥の攻撃によって開いた穴に向かって高くジャンプする。


よく見ると、穴は見る見る回復はしていた。

今の穴のサイズは、最初に空いた時の穴の半分ぐらいだ。

穴を潜り、ヴィンディヒ・マオアー内部へと入ったラビリット。

すると、突然右腕に激痛が走り、右腕で拘束していたセイを落としてしまった。

セイ:「きゃああ!」
セイは、そのまま地面に落ちた。


小鳥:「セイ!」
小鳥がセイの元へと走ろうとする。


バギー:「動くな!」
バギーが大きな声で叫ぶ。


バギーの隣にサチを拘束するラビリットが着地した。

ラビリット:「申し訳ございません」

バギー:「気にするな。これで、面白いショーが見られる」
バギーが小さな声でラビリットに言う。




バギー:「外にいる奴らも下手な真似をするなよ。この女の命がどうなっても知らないぞ」


サチが人質に取られたことで、SOA特務隊は動けなくなってしまった。

ラビリットは、サチの両手首を掴み、前に出す。


サチ:「離して!」

ラビリット:「貴様も下手な動きを見せれば、すぐに命はないぞ」
ラビリットが怖い目でサチを睨みつけ、その目に覚えサチは、黙り込んだ。




ヴィンディヒ・マオアー内部にいる小鳥も下手に動けない。


ラビリットから運よく解放されたセイも、怖いのか足ががくがく震えていた。




バギー:「見たか?所詮、人って言うのは、こう呆気なく捕まる者だ。この女の命も、あと何分持つかな」

小鳥:「っ!」






色葉:「あいつ…」

哲平:「今は動くな」
小さな声でしゃべる2人。



バギー:「小さなものを失うことで、大きなものを手にすることはできる。俺はさっきそう言った」

小鳥:「?」

バギー:「だがな、中にはこんな奴もいる。自分を犠牲にすることで、他人の平和を望むもの。そう、お前たちの身近にな」

小鳥:「え?」

バギー:「四大神王者。世界勢力の中で最も強いとも言われている四人の戦士。しかし、その圧倒的な力ゆえに、大組織フロンティアを追放された。だが、奴らはその裏でこの世界の平和のために動いていると聞く。リーダーのアッシュを中心にな。そういえば狂言からの話しでは初代キング・オブ・デュエリスト武藤遊戯がアッシュらしいな」
遊戯の名が出た瞬間、杏子がつらそうな顔をする。




杏子:『遊戯…』

結衣:「パパ…」
ボソッと口にする2人。





バギー:「自分たちの平和を犠牲に、他人の平和を望む。それが奴らだ。その中で最近、最も活動を開始したのが、四大神王者No.4ロストだ。奴は、俺の前にも現れた」



宝井:「何…!」


バギー:「狂言が、お前たちに倒された半年前、俺は狂言が拠点としていたワックスポワロへと足を運んだ。その島で、奴は俺の前に現れた。何をしに来たのかは知らんが、奴は俺の邪魔をしたのさ」



葵:「まさか、四大神王者があの島に…」


バギー:「サングラスなんかつけて、素顔を隠していたがな」


一馬:「なぜ、ロストは、あの島に来たのだ?そのロストも狂言について何か知っているのか」


バギー:『なるほど、やはり四大神王者に関する情報は奴らに届いていないというのか』
一馬の言葉を聞いて心の中で囁くバギー。


バギー:「あいつが、何をしに来たかは知らん。だが、俺と狂言、そして四大神王者ロストには共通点がある」

色葉:「共通点?」

バギー:「ある集団についてだ」


ドルべ:「ある集団だと?」

バギー:「ああ、ちなみに、元々そこに所属していた奴らが今この中にいる」
バギーがみんなを指さす。


ベクター:「何…」

アリト:「どういうことだ?」

凌牙:「一体、誰のことだ?」




バギー:「お前たちのことだ。元バリアンども!」
バギーがそういうと、凌牙、ドルべ、璃緒、ベクター、ミザエル、アリト、ギラグの7人がピクッと反応した。

カイト:「バリアンだと…!」

一馬:「確かに、彼らはバリアンだった。だが、それとお前、それに狂言とロストに何の関わりがあるのだ…!」


慎也:「まさか、お前…!」
慎也が立ち上がる。



バギー:「お前の予想通りだ、慎也。俺は、ロストの正体を知っている」

未来:「四大神王者ロストの正体…」


バギー:「奴は、”DTW”の時代で活躍した男だ。DTW…つまり、ARビジョン、拡張現実が発達し、Dr.フェイカー、あんたの目論見で”デュエル大会ワールド・デュエル・カーニバル”が開催された時代だ。そして、その時代では最も激しい戦いが繰り広げていた」

小鳥:「はっ!バリアン…」
小鳥が咄嗟に気付いた。

バギー:「そうだ。そして、いたよな?そのバリアンに挑むデュエリストが?」

明里:「ま、まさか…」

春:「そんなことが…」
ほとんどの者たちが導いたようだ。ある男のことを。


バギー:「生きているのさ。四大神王者ロストとして、今も世界のどこかで戦っている。アストラル世界の使者に選ばれ、ナンバーズと言った特別エクシーズモンスターを操るデュエリスト…九十九遊馬がな!」
バギーの言葉から放たれた人物名。


それは、小鳥たちの心を動かした。









第3ED『キミモノガタリ《little by little》』








次回予告

ナレーション:サチを人質に取られ、手出しができない小鳥。

そんな中、死んだと思っていたはずの男の名前がバギーの口から告げられた。

バギーと狂言、そしてその間に出てくるバリアンと言う言葉。謎が謎を呼ぶ。

そして、バギーの話しが終盤に差し掛かったそのとき、黄色い稲妻が走る。

小鳥:次回、遊戯王5DXAL「黄色い弾丸の武勇伝」

小鳥:「やめて!その二人に手を出さないで!」






遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!


小鳥:「私たちがいた時代”DTW”では、拡張現実とも言われるARビジョンの発達化により、デュエルが進化した時代でもあるわ。そんな中、その時代ではバリアン世界から来たバリアンと名乗る敵との戦いが繰り広げていたわ」
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