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第53話:『王国最強の男!バギーの恐怖!』








バギーの目の前で、膝を地面につけるツバキ、カイト、闇川。


バギー:「フッ」
バギーは片方に持つジャマダハルを足元に落とし、首にぶら下げている笛を持つ。


カイト:「マズい!」

ツバキ:「みんな、二人を押さえるんだ!」
ツバキの言葉に、ナーヴや藤原が海馬と万丈目を押さえる。

2人は、どの範囲にいても笛の音を聞くだけで体の自由が奪われる。

ハルト、藤原は万丈目を、モクバ、ラリー、ナーヴは海馬を押さえる。


そして、バギーは笛を吹いた。


海馬:「くっ…」

万丈目:「体が勝手に…!」
拘束された身体を無理に脱しようとする海馬と万丈目。しかし、これは、本人たちの意志ではない。



カイト:「ハルト、耐えてくれ」

ツバキ:「避けて!カイト!」
ツバキの言葉に前を見るカイト。


剣を振り下ろす影が目の前に映る。


カイトは咄嗟に躱し、後ろへ下がる。


闇川:「済まない、どうやら、俺も操られてしまったようだ」
カイトを襲ったのは闇川だった。

しかし、これは闇川の意志ではなく、バギーの笛の力によるものだ。

考えたら、藤原と闇川が来てから、バギーは一度もあの笛を吹いてはいない。


ツバキ:「くっ」








第4OP『Butterfly Core《VALSHE》』







第53話:『王国最強の男!バギーの恐怖!』







闇川もバギーの笛の力によって身体が操られてしまった。




闇川:「何をするつもりだ…」
無理に首を回し、バギーを見る闇川。


ツバキ:「待ってて、すぐに助けるよ」
ツバキが杖タイプのデュエルギアを構える。


バギー:『そんな暇を与えるつもりはない』
笛を吹きながら、心の中で呟くバギーは、フッと笑う。


笛のテンポが変わり、闇川が動く。


闇川:「体が勝手に…!それに、これは!」

カイト:「来るぞ!」
カイトがギャラクシー・サーベルを持って、接近する。

闇川:「こちらに来るな!バギーの狙いは!」
身体が操られている闇川はジャンプする。


カイト&ツバキ:「「!!」」


闇川:「カイト、君の弟だ!」
ハルトの背後に着地する闇川。


ハルトに刃を向ける。


藤原:「マズい!」
藤原は動きたくても動けなかった。動いたら最後、自分が拘束している万丈目の動き、襲ってくるからだ。


カイト:「ハルト!!」
弟の名を叫ぶカイト。


ハルトに闇川の刃が迫った、そのとき…!


何者かが、闇川の刃を刀で受け止めた。



ゴーシュ:「おっと、あぶねぇあぶねぇ」
ゴーシュ。仲間のゴーシュがハルトを守ったのだ。


カイト:「ゴーシュ…!」


ドロワ:「ハルト、無事か?」
ゴーシュと共に来たドロワがハルトの隣に来る。

ハルト:「うん、大丈夫。っと」
一瞬、腕が緩んだことで取り押さえている万丈目に脱出されそうになるが、ハルトはすぐに体制を立て直し万丈目を拘束する。


ゴーシュ:「おい、これは、どういう状況だ?説明してくれ」
ゴーシュが周りの状態を見て、状況が理解できないため、周りのみんなに聞く。


ラリー:「実は、あの王子が吹いている笛の能力で、みんな苦戦されているんだ」

ドロワ:「笛だと?」

ナーヴ:「あの笛の音を聞くと、身体の自由が奪われ、操られてしまうんだ。操られる範囲は、個人差があるみたいなんだが」

モクバ:「兄様や、そこの万丈目、闇川は、どうやらどこにいても操られるみたいなんだ」
万丈目と海馬を拘束するラリー、ナーヴ、モクバが説明する。

ハルト:「最初はオービタルが頑張っていたんだけど、気を許したときにバギーの攻撃にやられて」

ゴーシュ:「それで、けが人も多いということか」
ペガサスや隼人を見て、そう思ったゴーシュ。



更に、そこに。


アメルダ:「みんな、無事か?」
アメルダ、ヴァロン、レイ、マルタンが来た。

ラフェール:「アメルダ…ヴァロン…」
血を流して倒れるラフェール。


ヴァロン:「ラフェール、お前程の男が…!」
ヴァロンがラフェールの側に来る。







増援に来たアメルダたちを見て、バギーは笛を思いっきり吹いた。



レイ:「え…」
レイはいつの間にかマルタンの首を絞めていた。


マルタン:「レ、レイちゃん、何して…」

レイ:「ち、違うよ!?マルッち!身体が勝手に…!」
バギーの笛の力でレイも体の自由が効かなくなった。


隼人:「ま、マズいん…だな」
藤原に手当てをしてもらった隼人が少し起き上がりながら、レイたちを見る。



ドロワ:「私が止める!」
ドロワがレイの方へ向かい、後ろから取り押さえ、マルタンから離す。

咳き込むマルタン。

ドロワ:「こういうことか」
レイを押さえながら、話すドロワ。


レイ:「私、どうして…」

ドロワ:「あの笛の能力によって、操られているようだ」
レイがバギーの笛を吹く姿を見る。



ヴァロン:「あれが、みんなの身体を操っているのか…?」

ラフェール:「気を付けろ、笛の効果は個人差がある。今は大丈夫でも、奴に近づけば操られるぞ」


ヴァロン:「なら、遠距離で攻撃を仕掛けて、笛が止まったところを俺のアーマーで倒してやる!」
ヴァロンが立ち上がる。


ヴァロン:「サイキック・アーマー・ヘッド!!」
ヴァロンの前に、ヘルメットが出てきた。

そして、ヘルメットが放電し、他のアーマーモンスターを呼び出す。


ヴァロン:「”アクティブ・ガード・アーマー”!”バーニング・ナックル・アーマー”!!”ジェットガンドレット・アーマー”!!!”オーバー・ブースト・アーマー”!!!!」
青い鎧アーマー、左腕アーマー、右腕アーマー、両足アーマーが出てきた。


アメルダ:「ヴァロンの奴、やる気か」


ヴァロン:「アーマード・グラビテーション!!!」
5つのアーマーモンスターがヴァロンの身体に装備され、うおおおと叫びポーズを決める。



バギー:『プレイヤーに装備して力を発揮するアーマーモンスター。珍しいモンスターを扱うな』
笛を吹きながら、ヴァロンの姿を見て呟くバギー。



ヴァロン:「ツバキ!援護は頼むぞ!」
攻撃体勢に入るヴァロン。


ツバキ:「了解です!」
ツバキは杖を構える。


ツバキ:「マジカルスペル・バーン!!」
黒い波動を飛ばすツバキ。


バギーは笛を吹きながらツバキの攻撃を躱す。


ツバキ:「これで終わりじゃないよ!」
ツバキはバギーの真上を取り、そこから黒い波動を5発ほど連続でぶつけてきた。


バギー:「ハエのように動き回るな」
つい口から笛を外すバギー。


ヴァロン:「トドメを指してやるよ!」

バギー:「!!!」
バギーは背後を見ると、走ってこちらに接近するヴァロンの姿を確認した。


ヴァロン:「右拳を受けてみろ!ジェットガンドレット!!」
ジェットガンドレット・アーマーが装備されている右腕をバギーに突き出す。



マルタン:「やった!これが当たれば!」


アメルダ:「奴を---!」
みんながヴァロンの勝利を期待する。

ヴァロン本人も、自分の勝ちが見えていたのか、ニヤッと笑う。


しかし、バギーは笛を持っていない右手のみでヴァロンのパンチを受け止めた。


ヴァロン:「何…!!」

カイト&ツバキ:「!」

ドロワ:「あのパンチを片手で…!」
ヴァロンを含め、みんながバギーに驚く。

バギー:「その鎧、ひっぺかしてやる」
バギーの右手が緑色に光る。

バギー:「消えろ!」
バギーがヴァロンの腹にパンチを喰らわせた。

ヴァロン:「ぐはっ!」
アーマーは凹み、ヴァロンは吹き飛ばされる。

アメルダ:「うわっ!」
ヴァロンの身体はアメルダに衝突し、2人は倒れてしまう。


ヴァロン:「く、くそっ…」

アメルダ:「だ、大丈夫か?ヴァロン」
アメルダは起きあがり、ヴァロンの様子を伺う。




バギー:「自慢のアーマーもこれまでだな。雑魚は消えてろ」
バギーはヴァロンとアメルダの方へ向かって走る。

そして、途中、地面に落ちていたジャマダハルを拾った。

周りの、みんなは察しが付いた。そのジャマダハルを使って、ヴァロンとアメルダを殺そうとしているのだ。


ラフェール:「ヴァロン…!アメルダ!」
身体の痛みの所為で立ち上がることができないラフェールは叫ぶことしかできなかった。



バギーは確実に2人に近づいている。


そして、バギーがジャマダハルで2人を斬り倒そうとした、そのとき!


凌牙:「殺させはしない」
黒い槍”ブラックランサー”でバギーのジャマダハルを受け止めた男。

神代凌牙が推参した。


カイト:「凌牙…!」

バギー:「凌牙…!そうか、お前がが神代凌牙か」
凌牙の名前を口にするバギーは不気味な笑みで凌牙を見る。


凌牙:「なぜ、俺の名を…」

慎也:「凌牙、無駄話は、そこまでにしろ!」
凌牙の背後から聞こえる声。みんなが一番お世話になった仲間、慎也がサンダーマグナムを構えて言う。

銃口が赤く光っていた。


凌牙は、急いで、そこを退いた。

慎也:「喰らえ!フルパワーのファイア・マグナ・ショット!!」
炎属性の波動を大量にサンダーマグナムに込めて撃ったことで特大の火球の弾がバギーを襲う。


バギー:「チッ、慎也か」
バギーはジャマダハルを盾に慎也の攻撃を受け止めようとするが、慎也の攻撃の方が一回り上だった。

ジャマダハルを手放し、一度下がるバギー。

火球の弾に飲み込まれたジャマダハル1本は、そのまま焼け焦げた。


躱したものの、右手に火傷を軽く負ったバギー。

バギー:『また、こいつで操るか…!』
バギーは笛を口元に当てようとする。

すると、どこからか矢が飛んできて、バギーは笛を口に付けず、矢を躱し、地面に着地と共に、その辺に投げ捨てたもう一本のジャマダハルを拾って、手に持つ。


小鳥:「悪いけど、あなたの笛の能力は、通信で全部聞かせてもらったわ」
フェアリー・アーチャリーを手に持つ小鳥が、ドルべ、ベクターと共に現れた。

さっきの攻撃は、小鳥が放った光の矢だったのだ。



小鳥:「ドルべ、あなたの力で、みんなの回復をお願い」

ドルべ:「了解した」
今回、司令となった小鳥のいうことを聞くドルべ。



バギー:「また増援か。賑やかになってきたな」
周りを見るバギー。


同時に、息を荒くしていた。


ツバキ:『流石に体力使い過ぎた。けど、最後に一発…!』
ツバキがバギーに突貫する。


慎也:「ツバキ!」
慎也は止めようとするそぶりを見せるが、もう遅かった。


バギー:「前から堂々と突っ込んで来るとはな、面白い奴だ!」
バギーがジャマダハルを構える。

バギー:「アボイド・ドラゴン!お前の力を、このラファール・ジャマダハルに注げ!」
遂に、ジャマダハルの本当の名を口にしたバギー。

ジャマダハルが緑色に輝き、構える。

バギー:「インペトゥス・ウェンティー!!!」
先端を突き出し、そこから突風のように回転する竜巻攻撃を繰り出すバギー。

ツバキ:「行けぇ!」
ツバキも波動を放つ。

2人の攻撃がぶつかる。

バギー:「くっ」
バギーは少し押される。

ツバキ:「うわああああ!」
ツバキは、身体が宙に浮かぶほど飛ばされた。


しかし、誰かがツバキを後ろから受け止めてくれた。


???:「あなたは、ここでおしまい」
自分を受け止めてくれた人が口にする。


ツバキ:「お母さん…!」

杏子:「少し休んでなさい」
ツバキの母、杏子がツバキを受け止めてくれたのだ。

横には、姉の結衣がいた。

結衣:「大丈夫?ツバキ」

ツバキ:「大丈夫。心配しないでよ、姉さん」
心配させまいと笑顔で答えるツバキ。





バギー:「流石に数が多いな」
バギーがラファール・ジャマダハルを上に挙げる。


バギー:「風の壁よ!我が、フィールドとなれ!」
バギーが持つジャマダハルから風が吹き出る。

ゴーシュ:「何をする気だ」
ジャマダハルから吹き出る風を見て、口にするゴーシュ。


そして、しばらくして、風は周りを取り込む。風の壁によって遮断され、中に入っているのは、風の壁を作ったバギー本人と、小鳥、慎也、凌牙、カイトの4人だった。





小鳥:「これは…」
自分たちを囲う風の壁を見て、ボソッと口を開いた小鳥。



藤原:「なんだ!これは!?」
目の前に現れた風の壁を見て驚く藤原。


すると、そこに…。



城之内:「おーい、みんなー!」
城之内を初め、静香、舞、吹雪、恵美、亜美、鉄男、徳之助が到着した。



ジャック:「みんな、無事か!」
ジャックを初め、クロウ、アキ、一星、愛、カーリー、深影、雑賀、牛尾、龍亜、龍可、天兵体も到着した。



龍亜:「なんだよ、これ!」

クロウ:「見るからに、バリアだよな」
風の壁を見て、そう思ったクロウ。


城之内:「なら、ぶち壊すまでだ!」
炎の剣士のデュエルギア”炎の大剣”を手に持つ城之内。


ジャック:「こんなもの!」
ジャックも、レッド・デーモンズ・ドラゴンのデュエルギア、”レッド・デーモンズ・バスター”を握る。

ジャック:「我がレッド・デーモンズ・バスターで砕いてくれる!」

城之内:「うおおおお!」
2人が、自分が持っているデュエルギアを、目の前にある風の壁にぶつける。





バギー:「バカめ、返り討ちにしてくれる」
バギーがニヤッと笑う。




そして、デュエルギアをぶつけた城之内とジャックがいきなり吹き飛ばされた。


ジャック&城之内:「「ぐわああああああ!」」


静香:「兄さん!」

舞:「城之内!」

深影:「アトラス様!」

徳之助:「何が起きたウラ!」
何が起きたのか状況が理解できない徳之助。

他のみんなもそうだった。



ジャック:「な、なんだ、今のは…!」
カーリーの手助けされながら起き上がるジャック。






バギー:「ふははははははは!」
高笑いするバギー。


バギー:「何も知らないから、そうなる。そいつは、俺の身体を流れる風属性の波動を極限まで引き出し、作った風の壁”ヴィンディヒ・マオアー”だ」

慎也:「ヴィンディヒ・マオアーだと…」

バギー:「これを発動すれば、どれほど敵がいようが、俺が負けることはない。例えば…」
バギーが右人差し指を出し、何かを合図するようなそぶりを見せる。


慎也:「……!」
バギーの指を見ていた慎也。

突然、右肩に痛みが走った。

そして、出血もしている。


慎也:「ぐっ!」
慎也は右肩を押さえ、地面に跪く。


凌牙:「お、おい!」
凌牙が慎也の元へ行こうとする。

しかし、いきなり凌牙の足元に、何かが振り、銃弾が当たったような跡が、地面についた。


バギー:「ヴィンディヒ・マオアーの中に入った時点で、貴様らは俺のフィールド内にいる」

カイト:「くっ」




鉄男:「なんて、卑怯な手を使うんだ…!」
バギーが使う力に怒りを覚える鉄男。





バギー:「これも、戦略の一つだ。それに、外にいるお前らも、その辺にいたら、俺のフィールド内だぞ」


龍可:「え?」



バギー:「さっきも見ただろ?そのにいる馬鹿どもが攻撃したことでヴィンディヒ・マオアーが、攻撃を返したところを。つまり、こいつは外にも攻撃できるということだ」
ニヤッと笑うバギー。


それを見て、慎也が察したのか、みんなに向かって叫んだ。


慎也:「ヴィンディヒ・マオアーから離れろー!」


バギー:「遅い!」
バギーが右人差し指で何かを合図したと同時に、ヴィンディヒ・マオアーの外部から無数の弾がのようなものが連射され、近くにいた、みんなを襲う。


クロウ:「こ、こいつは!ぐわっ!」
クロウが左手を負傷する。


牛尾:「クロウ!ぐわっ!」
続いて牛尾までもけがを負う。


雑賀:「むやみに動くな!」

ゴーシュ:「そんなこと言われたって、こいつは!」
クサナギブレードで攻撃を受け止めるゴーシュ。

闇川:「助太刀する!」
先ほどまで、バギーの笛の力で、身体の自由を奪われていた闇川もセカンドステージ状態の黒刀・霧雨で攻撃を弾き飛ばす。






モクバ:「兄様!」

海馬:「己、小癪なことを!」
ブルーアイズソードを使って、モクバを守る海馬。


ベクターは大鎌タイプのデュエルギアでドルべを守っていた。


ドルべ:「ベクター、お前!」

ベクター:「お前がやられたら、みんなの怪我を治せる奴がいなくなるだろうが!」
ドルべのエースのマークの力には、治癒能力がある。ベクターはそれを理解した上で、ドルべを守っているのだ。


一星:「くぅ!」
槍タイプのデュエルギアを使って、攻撃を弾き飛ばす一星。

背後には、アキと愛がいる。


一星:「こんなもので!」


ジャックや万丈目たちなどもデュエルギア使って、攻撃を受け止める。




バギー:「意外と粘るな」
ヴィンディヒ・マオアーの外部にいる、奴らを見てボソッと言うバギー。


慎也:「お前ってやつは!」

小鳥:「あなたを野放しにはできないわ…!」
小鳥がフェアリー・アーチャリーを構える。

小鳥:「フェアリー・ダンス・アロー!」
小鳥の右手が輝き、エースのマークが浮かび上がる。

小鳥は矢を放った。


バギー:『ただの矢…?』
バギーが放たれた矢を見る。

しかし、見つめていると矢はいきなり分散した。

バギー:『いや、ただの矢ではない』

小鳥:「ハイリヒ」
ハイリヒ。ドイツ語で”聖なる 神聖な”を意味する。

そして、分散した矢はバギーを襲撃する。


同時に、ヴィンディヒ・マオアーの周りにいる、みんなへの攻撃も収まった。


モクバ:「みんな、無事か?」
モクバが周りを見て聞く。


ラフェール:「大丈夫か?ヴァロン」
膝を地面につくラフェールが目の前にいるヴァロンに問う。

ヴァロンが身につけているアーマーはボロボロだった。


万丈目:「くそっ、当たったか」
万丈目が右手を押さえる。よく見ると出血していた。


吹雪:「君たち、大丈夫だったかい?」
徳之助と娘の亜美を見て問う吹雪。

徳之助:「だ、大丈夫ウラ」

亜美:「パパは?」
恐る恐る聞く亜美。なぜなら、吹雪の身体は、自分たち以上にボロボロだったからだ。

吹雪:「心配ないさ」
ニコッと笑う吹雪だったが、少し辛そうだった。

恵美:「すぐに治療するわ!」
恵美が隣にきて、ミッションウォッチから救急箱を出した。




杏子:「こっちの戦力は、大幅に削られたわね」

結衣:「ママ!ツバキが!」

杏子:「ツバキ!」
ツバキに近寄る杏子。よく見るとツバキも腕から出血していた。

杏子:「すぐ手当てしてあげるわ!」
杏子も救急箱を出して、ツバキの応急処置をする。








小鳥:「みんな…」
ヴィンディヒ・マオアーの外にいる、みんなを見る小鳥。


慎也:「いつの間に、さっきのような技を?」
さっきの技。フェアリー・ダンス・アロー-ハイリヒのことだろうと思った小鳥。

小鳥:「どうしてだがわからないけど、この紋章が、私に力を貸してくれるの」

慎也:「No.2のエースのマーク…」

カイト:「俺たちの中では、小鳥が一番エースのマークの力を使いこなしているようだな」
No.4のエースのマークを持つカイトが言う。


慎也:『急激な成長。エースのマークのおかげだけだとは思えないが。やはり、あいつと一番関わるからか』
慎也がいう”あいつ”。そう、四大神王者ロスト。いや、九十九遊馬の影が慎也の中に漂った。




みんなが色々と話していると、白煙が吹き荒れ、中からバギーが現れた。


バギー:「小娘が、やってくれるな」

慎也:「あれだけじゃ、やられるわけないか」
慎也が立つ。

凌牙:「けがは大丈夫なのか?」

慎也:「問題ない。それより、ここからは俺たち4人で戦うぞ」

カイト:「分かっている」

小鳥:「……」
黙っている小鳥。


慎也:「下がってもいいぞ」
慎也が小鳥を見て口を開く。

慎也は気付いているのだ。小鳥が今、怖がっているのが。例え、素晴らしい攻撃を持っていても、戦いは戦い。殺し合いだ。


小鳥はブンブンと首を振る。

小鳥:「大丈夫です。私も戦います」
小鳥がガッツポーズする。

慎也:「よし、行くぞ」




王国最強の男バギーとの決戦は、小鳥、カイト、凌牙、そして慎也に託された。


バギーを倒し、国を救うことはできるのか!?








第3ED『キミモノガタリ《little by little》』







次回予告

ナレーション:ダイシャラス王国の運命をかけて、小鳥、カイト、凌牙、慎也がバギーに挑む!

バギーの極悪な攻撃に、苦戦する小鳥たちだが、力を合わせて、バギーに猛攻する!

だが、待ち望んでいない情報がバギーに届いた時、更なる逆襲が始まる!!

慎也:次回、遊戯王5DXAL「ダイシャラス王国最終決戦!!」

慎也:「俺たちが相手だ!バギー!」
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