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第48話:『破壊神と思い出の言葉』







アンナ:「ああもう!カイトはどこにいるんだ!」
道に迷っていたアンナ。

ひたすら走り、カイトの元へ急ぐ。






少し離れた場所



ディヴィット:「ったく、みんなやられちまったし、誰もいねえし、暇だな」
テイタラファミリー幹部の1人ディヴィットが頭の後ろで手を組んで歩いていた。




1人で歩いていると、目の前に一人の女性が出てきた。


ディヴィット:「ん?」


アンナ:「ん?」







第4OP『Butterfly Core《VALSHE》』







第48話:『破壊神と思い出の言葉』






アンナとディヴィットが接触した。


ディヴィットはアンナの体を見る。


綺麗な肌。かわいい顔。そして、意外と巨乳。

ディヴィット:「おお、こいつはいいや!ねえ、君、俺と付き合わない?ね?いいだろう?」

アンナ:「あ?んだ、てめえ、俺は今急いでいるんだよ!あっちいけっ!」
べたべたと体を触るディヴィットの手を振り払うアンナ。

アンナの口調を聞いたディヴィット。

ディヴィット:「かわいい顔して、男口調かいよ。なんか似合わねえ」

アンナ:「悪かったな!」

ディヴィット:「で、急ぐってどこに?」

アンナ:「王子と戦っている仲間のところにだよ」

ディヴィット:「ってことは、フロンティアの隊員?じゃあ、俺の敵だな」
鉤爪状の器具を両手に填めたディヴィット。


ディヴィット:「一応、これでもテイタラファミリー幹部なんだ。ディヴィットっていうんだ?よろしくな、男女ちゃん」
ディヴィットが言ったセリフに地雷があったのか、アンナからぴしっと男がした。

アンナ:「その男女はやめろ!俺の一番大嫌いな言葉だ!俺にはアンナって名前があるんだ!」
”暴走特急ロケット・アロー”のカードを出し、槍タイプのデュエルギアを出す。

これが、アンナのデュエルギア”ラーゼン・ゲイボルグ”だ。


ディヴィット:「女だからって容赦はしないぜ、男女のアンナちゃん」
また男女と呼ばれ、怒りの尾が切れたアンナ。

アンナ:「だから、その男女だけはやめろって言ってるだろうが!」
アンナが怒鳴ると右手の甲が輝く。

ディヴィット:「ん?」

アンナ:「なんだ!?」
自分の右手の甲を見るアンナ。

そこには、エースのマークが浮かび上がっていた。

No.6のエースのマークの覚醒者であるアンナ。

紋章は赤く輝いていたが、前に輝いた時は、こんな輝き方ではなかった。

それは、アンナが一番はわかっていた。


輝いている紋章を見続けるアンナ。そして、ニヤッと笑う。


ディヴィット:「なんだ?そのマークが光ると力が倍以上に跳ね上がるのか?」

アンナ:「ああ、そうだ!この力があれば、俺は絶対に負けねえ!」

ディヴィット:「なら見せてくれよ!!」
ディヴィットがアンナに接近する。


アンナ:「行くぜ!」
ラーゼン・ゲイボルグの先を前に突き出す。

すると、刃のところから炎が噴射した。

アンナ:「いけえ!ロケットアロー!!」
刃がロケットのように飛び、ディヴィットの方向へ向かう。


ディヴィット:『おもしれえ武器を使うな。当たったら、吹き飛ばされそうだな』
心の中で呟くディヴィットは、飛んできた刃を躱した。

刃は、そのまま背後にあった建物にぶつかり、その衝撃で建物は倒壊した。




ディヴィット:「おいおい、マジか。あんなんで、建物が木端微塵かよ」
倒壊した建物を見て息を飲むディヴィット。


アンナ:「外したか。なら!」
アンナがディヴィットに接近する。

そして、2人の武器はぶつかり合った。


ディヴィット:「女の癖に気の強い奴だな。気にいったぜ」

アンナ:「俺は、お前みたいな奴がだーい嫌いだ!」
エースのマークの輝きが増した。

アンナは、そのままディヴィットを押し出す。


ディヴィット:『女の力じゃねえな』
ディヴィットは踏ん張りながら、アンナの右手の甲を見る。

ディヴィット:『このマークの力か』


アンナ:「うおりゃ!」
アンナはディヴィットを吹き飛ばす。

ディヴィットはうまく着地し、身体へのダメージを減らす。


アンナ:「まだまだこれからだぜ」
さっき放たれた刃が戻ってきた。


ディヴィット:「へへ、そうこなくっちゃな。胸もいい揺れしてたしな」

ピシッ。

アンナ:「この変態男がぁ!」

ディヴィット:「お?さらに怒ったか?男女?」

アンナ:「それ以上、その言葉を言ったら、半殺しにしてやるぞ…」

ディヴィット:「ん?それなら、おっぱい星人とかどうだ?」

アンナ:「……」
怒りが溜まってくるアンナ。

ディヴィット:「んー、何か古臭いからやっぱり男女がいいな」
アンナを指さして、そう言ったディヴィット。


ついに、アンナの怒りが頂点を貫通した。


アンナ:「もう許さねえ」
アンナが鋭い目でディヴィットを見る。

目を大きく開き、少し赤色の目をしていた。


エースのマークの輝きも増す。








小鳥サイド



単独行動を取っている小鳥。


小鳥:「痛っ!」
いきなり右手が痛み出した小鳥。

小鳥のエースのマークが輝いていた。


小鳥:「な、何なの…!?」
輝いているエースのマークを見る小鳥。

再び、エースのマークが輝き、地面に膝をついた。






ゴーシュサイド


ドロワ:「どうした!?ゴーシュ」

ゴーシュ:「わかんねえ、けど、こいつが急に!」
自分の右手の甲を見るゴーシュ。

赤く輝き、紋章から痛みが身体中に流れる。

ドロワ:「まさか、カイトの身に何かあったのか?」

ゴーシュ:「いや、カイトじゃねえ。これは…」








ドルべサイド




ファミリーの部下と戦っている最中に、エースのマークが輝き出し、右手の甲から痛みを感じているドルべ。


ファミリー部下:「今がチャンスだ!」
部下たちはチャンスとばかりにドルべに襲いかかってきた。


だが、どこから援護攻撃が飛んできて、ファミリーの部下たちを蹴散らした。


ベクター:「何してんだよ、ドルべ」

ドルべ:「ベクター…!」
ドルべの前に現れたのは、大鎌を持ったベクターだった。

さっきの攻撃はベクターによるものだとすぐにわかった。


ベクター:「お前、それ…」

ドルべ:「ああ、エースのマークを通じてわかる。これは、神月アンナの怒り…」
右手の甲を押さえて口を開くドルべ。







凌牙サイド


慎也と行動する凌牙

痛みに堪えながら、走っていた。


凌牙:「何やってんだ、あいつは…!」

慎也:『No.6のマーク…恐れていたことが起きたか…』
凌牙の手の甲で光っている紋章を見て呟く慎也。

慎也は少しだけ知っているのだ。エースのマークについての情報を。







遊馬サイド



遊馬:「思い、努力、友情、知性、怒り、癒し、勇気。エースのマークNo.2~No.8はそれぞれに思いが込められている。そして、No.6アンナに込められて言葉は”怒り”。アンナの怒りがエースのマークに力を与えている…」
自分の右手の甲を押さえる遊馬。


遊馬:『だけど、それはコントロールできなければ、周りを見失う。アンナ、怒りに囚われたら最後、自分を見失うぞ』









怒り爆発のアンナ。

その前に立ちふさがるディヴィット。


ディヴィット:「いい目をしているなぁ、お前!」
自分を見つめる鋭い目を見て笑うディヴィット。


アンナ:「お前だけは絶対に!」

ディヴィット:「殺すってか?やってみろよ!」
ディヴィットがアンナに接近し、鉤爪状の武器でアンナに襲いかかる。

しかし、アンナはそれを、ラーゼン・ゲイボルグで受け止めた。


ディヴィット:「!」

アンナ:「うおりゃああ!」
ディヴィットを押すアンナ。

エースのマークの紋章が輝きを増す。

ディヴィット:「おいおい、そのマークの力とは言え、女のパワーじゃねえぞ…!」

アンナ:「俺の前から消えてなくなれえ!」
ラーゼン・ゲイボルグを強く握って振り回す。

その衝撃で、ディヴィットは後ろに吹き飛ばされた。

ディヴィット:「っと」
うまく着地したディヴィット。アンナを見る。


ディヴィット:「怖いね、やっぱ女っていうのは」
ディヴィットは鉤爪状のデュエルギアを振り上げた。

すると、爪先から水が出て、雨のように降り周りの地面が水浸しになる。

勿論、その中にいたアンナも体全体がビショビショになった。

アンナ:「何のつもりだ」
歯を立てながらディヴィットに質問するアンナ。

ディヴィット:「それは、マーカーさ」


アンナ:「マーカー…?」

ディヴィット:「そう、そして、この攻撃は絶対に躱せない」
攻撃を放つような構えのそぶりを見せるディヴィット。

アンナ:「?」

ディヴィット:「行ってこい!フェザーカッタージェット!!」
腕を大きく振って、竜巻を起こす。

アンナ:「そんなもの、当たらなければいいだけだ…!」
アンナは、一旦その場を離れた。

すると、竜巻がアンナが逃げた方へと動いた。

アンナ:「竜巻が…!」

ディヴィット:「逃げても無駄だぜ。その竜巻は、水の匂いに敏感な特別な竜巻だ。さっきの雨で付着した水が、この竜巻を近づけさせているのさ!俺は、水と風属性を巧みに扱えるんだよ!」

アンナ:「水属性、風属性?そのデュエルギアのことか?」

ディヴィット:「いや、こいつは”スクラップ・ビースト”のデュエルギア”クラッシュ・スクラップ”だ。つまり地属性」

アンナ:「水と風、関係ねえじゃねえか」

ディヴィット:「なんだ?お前、属性の波動って知らないのか?デュエルギアを出すために必要なデュエルエナジー、そいつにはデュエルモンスターズと同じで属性が存在することを。それを使いこなせば、俺みたいに地属性のデュエルギアでも、水や風の力を引き出すことができるんだ。まあ、今から倒される奴に行っても無駄か。」

アンナ:「死んでたまるか!」
エースのマークの輝きが更に増す。

ラーゼン・ゲイボルグを構えるアンナ。







その頃…




Ⅳ:「アニキ、本当にこっちか?」

Ⅴ:「ああ、この紋章がそう言っている…」
痛みに堪えながら、走るⅤ。そして、共に行動する弟のⅣ。

2人が走っていると、いきなり突風が襲ってきた。

Ⅳ:「いきなりなんだ!?」
ⅣとⅤは急いで先へ急ぐ。


しばらく走っていると、目の前に竜巻が現れた。


Ⅴ:「これは…!」
竜巻を見て何が起きているのか理解ができないⅤ。

Ⅳが周りをきょろきょろ見ると…。


Ⅳ:「アニキ、あそこをみろ!」
Ⅳが指を指した先には、アンナがいた。

Ⅴ:「神月アンナ!」







アンナ:「もっとだ。もっと力を!!怒りを!!!」
アンナのラーゼン・ゲイボルグの刃先から炎が出てきた。


アンナ:「もっとだ、もっと!!!」
アンナが怒りを力に代えて、ラーゼン・ゲイボルグに込める。

すると、同時に、アンナの周りに”無頼特急バトレイン”、”除雪機関車ハッスル・ラッセル”、”深夜急行騎士ナイト・エクスプレス・ナイト”の3体が現れ、空中に出てきた線路の上に乗って周りを走り出す。


ディヴィット:「ん?」
ディヴィット、そしてⅣやⅤもなぜモンスターが出てきたのか疑問に思ったが、考える時間はなかった。


なぜなら、その3体は、周りの建物を突撃し破壊し出したのだ。


Ⅳ:「うおっ!」

Ⅴ:「なぜ、建物を…!」
崩れてきた瓦礫に潰されそうになった2人。



アンナ:「邪魔なものは消えろ…!!」



Ⅳ:「なんだ?様子がおかしいぞ?」
やっとアンナの様子がおかしいことに気付いたⅣとⅤ。


Ⅴ:「神月アンナ!何をしている!敵は目の前だぞ!」
Ⅴがアンナに声を掛ける。


すると、アンナはⅤの方に視線をやる。

アンナ:「邪魔だ。消えろ」
鋭い目でⅤを見るアンナ。

同時に、別方向から深夜急行騎士ナイト・エクスプレス・ナイトがⅤ目掛けて近づいてきた。





Ⅳ:「アニキ!」
ⅣがⅤに飛びかかり、深夜急行騎士ナイト・エクスプレス・ナイトの突撃からⅤを守った。

Ⅴ:「すまない、Ⅳ」

Ⅳ:「気にするな、それより、あいつどうしたんだ?」

Ⅴ:「わからない。少なくとも、敵味方の識別がついていないのは確かだ。それに…」
Ⅴがずっと抑えている右手の甲を見る。

ここに来たことで、右手の痛みは更に増した。

そして、Ⅴもアンナの右手を見る。同じく紋章が輝いていたが、その輝きの色はどす黒い色に見えた。


Ⅴ:「まさかだとは思うが、紋章の力に囚われているのか」
何となく推測を立てるⅤ。





ディヴィット:「そろそろパワー全開になったか?早く来いよ、男女ちゃんよ」

アンナ:「黙れ!そして、消えろ!!」
ラーゼン・ゲイボルグの刃がロケットのように飛び、竜巻に突貫する。

しかし、刃は竜巻のパワーに敵わず、そのまま跳ね飛ばされた。

アンナ:「まだ、力が足りないなら、もっと持って行け!!」
アンナの身体が輝く。

すると、ラーゼン・ゲイボルグの刃は、そのまま態勢を立て直し、再び竜巻に突撃する。まるで、刃そのものに意志があるようにも見える。



しかし、また竜巻のパワーに負け、吹き飛ばされた刃は、ⅣとⅤがいる場所に落ちてきた。


更に、アンナのモンスター3体が周りを走り続け、建物を壊したことで、その残骸が竜巻に飲み込まれる。



ディヴィット:「あの女の味方も来ちまったみたいだし、あれをやるか」
クラッシュ・スクラップを地面に突き刺す。


ディヴィット:「トルネード・アクア・スクリュー!!!」
ディヴィットがそう叫んだ瞬間、クラッシュ・スクラップを突き刺した場所から水が大量に出てきた。

その水は、竜巻と一つになり、竜巻の周りに水が覆われた。


更に、その水が竜巻の激しい回転の影響で刃のように竜巻に吸い込まれている瓦礫など斬り裂いて行く。


Ⅳ:「水と風のコンボ攻撃か!」
Ⅳが驚いていると、除雪機関車ハッスル・ラッセルがⅣに向かってきた。

いち早く気付いたⅣは急いで躱した。


Ⅳ:「アニキ、こいつはやばいぜ!このままじゃ、いずれ俺たちもお陀仏だぞ」

Ⅴ:「だが、彼女を、放っておくことはできない!」
Ⅴがアンナに呼びかける。


Ⅴ:「目を覚ませ!アンナ!君は、こんな凶暴な力を望んでいるわけではないはずだ!」
Ⅴがアンナに呼びかけた瞬間、無頼特急バトレインがⅤに近づいてきた。


だが、別方向から何者かが無頼特急バトレインに向かって攻撃し、Ⅴを守った。


Ⅳ:「周りの列車たちは俺に任せろ。早くしてくれよ、アニキ!」
黒い大鎌を持つⅣがニヤッと笑って言う。


Ⅴ:「済まない、弟よ」


Ⅳ:「ギミックナイト・イーターでどこまで耐えられるか。やってみるか」
黒い大鎌、ギミックナイト・イーターから斬撃を放ち、アンナのモンスターに当てる。

当たったことでⅣに標的を変えるモンスターたち。

Ⅳ:「自身の身体でモンスターを相手にするときが来るとはな。俺がモンスターになった気持ちだぜ」
Ⅳは躱しながらぶつぶつ呟く。






その頃、Ⅴは…。



Ⅴ:「目を覚ませ!神月アンナ!」
アンナの近くまで来るⅤ。

さっきと違い、Ⅴの方へ視線が行かない。

既に怒りが頂点を達し、自分自身をコントロールできないでいるのだ。


Ⅴ:「くっ」



ディヴィット:「その男女に何言っても無駄だぞ。そいつはもう我を失っている」

Ⅴ:「男女?そうか、彼女はその言葉が嫌いだった。お前が彼女の怒りを…!」

ディヴィット:「正解。けど、簡単に精神が怒りに染まるとは、弱い奴だな」

Ⅴ:「くっ、アンナ!いい加減目を覚ませ!」


アンナ:「俺の、俺の怒りを…。ゆ…う…ま…」

Ⅴ:「はっ!そうだ!遊馬を思い出すんだ!学生時代、君を守ってくれていた遊馬を!!」

アンナ:「遊…馬…」
ボソッと遊馬の名を呼ぶアンナ。







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アンナ 高校生時代




アンナ:「おめえら!先輩だからって言い気になるなよな!」


先輩A:「おお、怖え。やっぱり破壊神の名は伊達じゃねえな」

先輩B:「破壊神アンナか、女につける通り名じゃねえな」

アンナ:「誰が、そんな名前を俺に付けやがったんだ!おめえらの中にいるバカか?」
バカという単語に反応する先輩たち5人。


先輩C:「調子に乗るんじゃねえぞ、男女のアンナちゃんよ」

先輩D:「痛い目にあわせないと気がすまないようだな」

先輩E:「痛い目にあわせた後、一発やらせてくれ」
得物を手に取る男たち。


アンナ:「くっ」

先輩A:「ほら行く…」
男たちが得物を持ってアンナに襲いかかろうとしたとき、男の1人がいきなり地面にこけた。





先輩A:「誰だよ、俺の足を引っかけたのは!!」
地面にこけた男が大きな声で叫ぶ。

自分の足を引っかけたのは…。


先輩A:「お、お前は…!」

アンナ:「遊馬!」
同期である遊馬が、そこに立っていた。


遊馬:「何してんだよ、アンナ。小鳥たちが待っているぞ」

アンナ:「えっ、あ、ああ。ごめん」
この場を後にしようとするアンナ、そして遊馬。


先輩A:「お、おい!どこに行くんだよ!俺たちのこと…」


遊馬:「なんか言ったか?」
遊馬が笑顔で男たちを見る。

しかし、目が笑っていない。

先輩A:「何でもありません」


遊馬の伝説は学校の中でも広まっている。

その影響で、遊馬を恐怖する者たちもかなりいるのだ。



遊馬:「相変わらずの性格だな、アンナは」

アンナ:「別に助けろって言ってねえからな」

遊馬:「はいはい」
2人並んで歩く遊馬とアンナはぶつぶつと話していた。


アンナ:「俺は…」

遊馬:「ん?」

アンナ:「俺は、こんな性格だから、昔から友達が少なかった。男女で嫌われていたんだ」

遊馬:「ああ、知ってる」

アンナ:「やっぱり、俺、性格おかしいのかな」

遊馬:「かもな」
適当に返すような言葉を発するアンナが遊馬をにらみつける。

アンナ:「てめえ、まじめに!」

遊馬:「俺は好きだけどな」

アンナ:「えっ…///」

遊馬:「お前のそういう性格。人間それぞれ個性があるって母ちゃんに聞いたことあるし、今のままがアンナらしくていいんじゃねえか。男女って呼ぶのは、言い過ぎかもしれねえけど」
遊馬がそういうとアンナの頬が更に赤くなる。


小鳥:「遊馬、アンナ、おそーい!!」
小鳥が手を振って待っていた。

遊馬:「お?わりいな!」
遊馬が小鳥の方へ向かう。

遊馬の背中を見てアンナは思った。今の自分が自分らしくていいんだと。





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エースのマークの紋章の輝きが弱まる。


同時に、周りに出ていた3体のモンスターも消える。


Ⅳ:「これは…!?」



Ⅴ:「アンナ?」


アンナ:「そうだったな、遊馬。今の俺が俺らしくていいんだったよな」
アンナはニヤッと笑う。


Ⅴ:「正気に戻ったか」
Ⅴが自分のエースのマークを見る。輝きと痛みが治まった。


ディヴィット:「正気に戻ったところで、この攻撃を止めることはできねえよ」
竜巻は既にアンナのすぐ側まで接近していた。


アンナ:「もう怒りに囚われねえ」
アンナがラーゼン・ゲイボルグを構える。



アンナ:「絶対に、この力を使いこなしてみせるぜ!」
アンナのエースのマークが光るがさっきまでとは輝き方が違う。

更に、ラーゼン・ゲイボルグも輝き、形状を変えた。

Ⅴ:「これは!」

Ⅳ:「セカンドステージ!」



アンナが持つラーゼン・ゲイボルグが形状を変えて、アンナの手に持たれる。


アンナ:「行くぜ!」
アンナが竜巻に向かって突撃する。


アンナ:「レイジング・バスタード!!」
セカンドステージしたラーゼン・ゲイボルグには、ジェット機についているようなノズルがついており、そこから炎が噴射しスピードを上げ、そのまま竜巻に突撃する。

突撃した瞬間、竜巻が消えた。

ディヴィット:「何…!」

アンナ:「これで!」
標的をディヴィットに移し、攻撃を仕掛ける。

ディヴィット:「ま、待て!」

アンナ:「終わりだぜ!」
ディヴィットは鉤爪状のデュエルギア、クラッシュ・スクラップで防御しようとするが、アンナの方が早く、腹を斬られた。

ディヴィット:「ぐおおおお!」
腹を斬られたことで、大声で奇声を上げる。


ディヴィットを切ったアンナを見て、Ⅴは驚き、Ⅳはよしっと笑みを浮かべる。




アンナVSディヴィット


勝者:アンナ!






第3ED『キミモノガタリ《little by little》』






次回予告

ナレーション:ディヴィットに打ち倒したアンナ。

幹部クラスの戦力を失い、追い込まれるテイタラファミリー。

着々と勝利と言う言葉に近づいているSOA特務隊。

残る敵を打ち倒し、勝利を掴むことができるのか!



レミ:次回、遊戯王5DXAL「勝利の女神が味方するのは!」

レミ:「梨香、一緒に行くわよ!」




遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!



アンナ:「俺が使うデュエルギアは”暴走特急ロケット・アロー”の槍タイプのデュエルギア”ラーゼン・ゲイボルグ”だぜ。先端の刃が分離しロケットように単独飛行することできるんだぜ」
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