第44話:『悪道な炎 首跳ねの鎌鼬』
宝井元司令を見張る一馬たち。
クロノス:「外は一体、どうなっているノーね?」
フェイカー:「敵は倒しているようだが…」
外で戦う者たちを心配するクロノスやフェイカー。
一馬:「我々も、そろそろ動いた方がいいようだな」
トロン:「一馬に同意だ。ここに長くいても、事態の解決にはならないからな」
2人の意見に、皆が賛成する。
しかし、ごく一部の2人は…。
羽蛾:「ええ、外は危険がいっぱいなんだぞ!」
竜崎:「ここにいた方が、マシやで!!」
マーサ、シュミットに手当てをしてもらう2人が、いきなり立ち上がる。
マーサ:「ほら、おとなしくしなさい!」
マーサも立ち上がり、2人を無理に座らせる。
鮫島:「ですが、どうします?このまま、皆さんが向かっている王宮まで、我々も向かいますか?」
トロン:「となると、距離があるな。敵に接触しなければいいのだが」
六十郎:「なーに、もし敵とぶつかったらワシが成敗してくれるわ」
六十郎がケラケラと高笑いする。
宝井:「…」
その様子をジーと見る宝井。
すると、シャッターが上がる音がした。
太陽の光が、倉庫の中を照らす。
そして、一人の男が立っていた。
???:「フッ」
宝井:「お、お前は…」
宝井が目の前に立つ男を見て、静かに驚く。
バギーの側近、ラットリー。ついに立つ。
第4OP『Butterfly Core《VALSHE》』
第44話:『悪道な炎 首跳ねの鎌鼬』
ラットリー:「フッ」
宝井:「お前は、あのときいたガードマン」
宝井は一度、ラットリーと接触していた。
そう、慎也たちと共に、会談のため王宮へ訪れた時、最初に出向いてくれたのか、今、目の前にいる男、ラットリーだった。
トロン:「知っているのか?」
宝井:「先日、慎也たちと共に王宮へ向かったときに出向いて男だ」
矢薙:「ということはファミリーの一員ってことか…!」
セイコ:「けど、どうしてここが…!」
自分たちが、ここにいるのは、仲間たちしか知らないはず。なぜ、ラットリーは、ここの居場所を察知したのか。皆、それが不思議でならなかったが、ラットリーはとある者たちを指さして口を開く。
ラットリー:「そこの2人が逃げるところを、私の部下が見つけてくれてね。だから、ここの場所がわかったのさ」
ラットリーが指を指す2人。
羽蛾と竜崎だった。
2人は、自分を指さし、「え?」と口にする。
双六:「お前さんたち…!」
ナポレオン:「尾行されたのでアール!」
驚くみんな。春に至ってはため息をついた。
ラットリー:「しかし、私の部下も馬鹿なことをした。そこで待機していろと言ったにも関わらず、私が遅いからと言い訳を言って、その場を離れて、私を捜しに来るとは…。もし、ここに隠れている者たちが逃げたら、どうしていたのか?その問いに答えもしなかったら…」
ラットリーは、何かを、一馬たちの方に投げた。
それを見て、みんなが怯える。
セイコは悲鳴を上げてしまった。
フェイカー:「人の…首…!?」
アーサー:「まさか、自分の部下の首を跳ねたのか……!」
驚きと、恐怖を隠し切れないみんな。
ラットリー:「この”首跳ねの鎌鼬”のいうことを聞かないからこうなる」
宝井:「首跳ねの鎌鼬…。はっ、お前が、首跳ねの鎌鼬のラットリーか!?」
一馬:「どういう意味だ?」
宝井:「この多元世紀、始まってすぐのことだった。とある国のマフィアに気に食わないことがあれば、使い慣れたナイフで人の首を簡単に跳ねるという男がいた。それが、”首跳ねの鎌鼬”だ」
鮫島:「気に食わないことがあったら、すぐに首を跳ねるって…!」
宝井:「しかし、首跳ねの鎌鼬の伝説は2年半で終わり、それ以降、奴の詳細は不明だったんだが、まさか、あいつがそうだったとはな」
ラットリー:「大昔の話しです。あの時は私もやんちゃでしたから。勝手に世界を変えられ、それを受け止めることができず、むしゃくしゃしていた時期ですよ」
ラットリーが昔話をし終えて、一歩前に出る。
ラットリー:「王宮には行かせませんよ」
一馬:「話しを聞かれていたか」
ラットリー:「それと、国を覆っていたバリアを消したことについても聞きましょう。バリアが消えたことで、おそらく王子は気分が悪いでしょうから」
手元にナイフを出すラットリー。
ポケットなどから出したのではなく、ラットリーの近くに出てきた光の球がナイフになったので、おそらくデュエルギアだろう。
トロン:「やはり、バリアを消したのは、我々の仲間たちなのか?」
フェイカー:「しかし、仲間からの連絡は入っていないぞ」
宝井:「あのバリアを消したのが、我々の仲間とは限らないぞ」
ボソッと呟く宝井。
ラットリー:「ですが、確率的に考えれば、あなたたちの仲間が一番高い」
セイコ:「ですが、私たちは本当に何も…!」
ラットリー:「あなた方が本当に知らないのであれば、あなたたちをここで始末して、別のお仲間のところへ行くだけです」
使い慣れているのか、右手を使いナイフをペン回しのように回す。
トメ:「話は聞いてくれそうにないねぇ」
鮫島:「何、のんきなことを言っているんですかトメさん!首跳ねられますよ」
みんなの恐怖心が高まる中、一人の老人だけが前に出る。
六十郎:「ここは、ワシに任せい!」
前に出たのは、六十郎だった。
一馬:「六十郎さん…」
六十郎:「出口はあそこしかない。あの男を倒さなければ、ここを出るのは不可能だ。それに、若い者たちばかりに任せっぱなしじゃ、ワシの身体がなまっちまうんじゃ」
六十郎からとてつもない覇気が放たれる。
六十郎:「はああああ…」
ラットリー:「どんな人がかかってこようと…」
ナイフを少し高く放り投げる。
そして、キャッチしてすぐに前に出た。
ラットリー:「私の勝利は変わらない!”サイキック・ブロッカー”!エネルギー全開!」
ナイフが突如、緑色に輝く。
”サイキック・ブロッカー”。サイキック族モンスターに、そのような名前のモンスターがいた。
つまり、ラットリーが持っているナイフはサイキック・ブロッカーのデュエルギアということだ。
六十郎:「ふん!」
覇気を頂点まで高めた途端、六十郎の背後に戦士が現れた。
六十郎:「”カオス・ソルジャー”よ!いざ、出陣じゃ!」
カオスソルジャーが刀となって六十郎の手に握られる。
六十郎:「汝、”伝説剣”!!」
鍔の部分がその剣のオリジナルデザインをしていた。
これが、六十郎のデュエルギア、カオス・ソルジャーの”伝説剣”だ。
ラットリー:「!」
ラットリーがナイフを前に出す。
そして、六十郎は、そのナイフを伝説剣で受け止めた。
ラットリー:「ほお、どうやら、本当にあなたは、私と遊びたいようですね」
六十郎:「若者には負けられないのでな。お手柔らかに頼むぞ」
ニヒッと笑う六十郎。
ナポレオン:「伝説の最強剣士と言われたカオスソルジャーをデュエルギアにするとは…」
クロノス:「あのご老人、結構やるノーね!」
春:「昔っから、若い者には負けんと口癖のように言っておったからのお」
六十郎の戦いを見て、感心する春たち。
宝井:『カオス・ソルジャーのデュエルギア。四大神王者リーダー、アッシュもカオス・ソルジャーのデュエルギアは時々使っていたが、あいつのデュエルギアと、この老人のデュエルギアでは細部の形状が異なる』
宝井が呟く名、四大神王者リーダー、アッシュ。本名、武藤遊戯。彼も、カオス・ソルジャーのデュエルギアを扱うことができるが、どうやら、六十郎が使うデュエルギアと形が違うようだ。
ラットリー:「私を倒せますか、あなたに?」
六十郎:「さっきも言ったはずじゃ、若者には負けないとな!」
ラットリーを蹴り飛ばす六十郎。
よくそんな短い脚で敵を蹴ったもんだ。
それに、もういい歳。腰が少し心配だ。
ラットリー:「なるほど、これは首を跳ねる価値はあるようだ」
六十郎とラットリーの戦いが始まった。
そんな中、先ほど、ダイシャラス王国に来日したSOA特務隊6係リーダー:実野塚羅夢とSOA特務隊8係副リーダー:原森哲平の2名は王宮へと向かっていた。
ここに来る途中、ファミリーの部下たちに、何度も遭遇し殺されかけた。
哲平:「結構、走ったが敵に遭うだけで、住民は姿は全然ないな」
羅夢:「これだけ荒れているんです。住民たちは急いで逃げたのでしょう」
敬語を使って丁寧に話す羅夢。
階級は羅夢の方が上だが、都市は哲平の方が年上。
そういうマナーは羅夢はきちんと理解している。
羅夢&哲平:「!」
何かに気付いた2人。
哲平:「羅夢…」
羅夢:「ええ、誰か来ます」
2人が周りを警戒する。
風の吹く音以外は何も聞こえない。
だが、2人にはわかるようだ。
殺気というものが…。
すると、突然、近くの建物が崩壊。
そして、崩壊した建物の中から、炎が吹き出た。
羅夢:「ウォーター・フェアタイディグング!!」
右手を地面につけて、目の前に巨大な水の壁を作り、襲ってきた炎から身を守った。
羅夢が水の属性波動を利用した防御技だ。
炎を消し飛ばしたことを確認し、水の防壁を消した。
哲平:「助かったぞ、羅夢」
羅夢:「いえ、しかし、一体…」
崩れた建物を見る羅夢と哲平。
すると、中から男が現れた。
バックス:「俺の炎を消せる奴は、そうはいない。お前か、桐潟慎也ってやつは。この国に侵入しているSOA特務隊で一番強いってやつは」
顔中入れ墨で、目つきが悪い男が羅夢を睨みつける。
羅夢:「さっきの方はお前の仕業か?」
バックス:「すげえだろ?この炎の力のおかげで、俺はファミリーの四天王に選ばれたのさ」
哲平:「テイタラファミリーの四天王。確か、2人は倒して、1人は追跡中」
羅夢:「ということは、こいつが最後の四天王…」
バックス:「バックスだ。一応、自分ではファミリーの中で一番強いと思っている。王子を抜いてだがな。会えて光栄だぜ、慎也さんよ」
バックスが羅夢に向かって慎也と呼ぶ。
羅夢:「俺は実野塚羅夢だ。慎也さんじゃない」
自分が慎也ではないと否定する羅夢。
バックス:「何?チッ、人違いか。なら、慎也はどこにいる?俺はあいつと戦いたくてうずうずしてんだ」
羅夢:「素直に答えると思っているのか?」
バックス:「なら、お前が俺を楽しませてくれるのか?慎也はSOA特務隊のリーダーっていうじゃねえか」
羅夢:「ああ、8係のな。哲平さんは、そこの副リーダーだ」
バックス:「お前は?」
羅夢:「こう見えて、6係リーダーだ」
バックス:「なるほど、同じリーダークラスか。だったら、俺が、お前ら二人をここで殺してやる!」
バックスの目の前に、3体の”フレムベル・ヘルドッグ”が現れ、2人に襲いかかってきた。
哲平:「同時に行くぞ!」
羅夢:「了解です!」
2人が前に出る。
哲平:「”聖刻龍-ウシルドラゴン”!我が刃となれ!」
ウシルドラゴンがデュエルギアとなる。
羅夢:「”ナチュル・バルキオン”!その姿で、敵を突き刺せ!」
ナチュル・バルキオンもまたデュエルギアとなる。
哲平:「ウシルバスター!!」
羅夢:「バルキオン・ランスロット!!」
哲平は緑色の刃をした大剣、羅夢は緑色をしたスピアランスを手に取って、3体のフレムベル・ヘルドッグに立ち向かう。
哲平:「はああ!」
羅夢:「はっ!!」
哲平も羅夢も怯えることなく3体のフレムベル・ヘルドッグを倒した。
シュ!
羅夢:「!」
羅夢がバルキオン・ランスロットを突き出す。
なぜなら、突然、バックスが襲いかかってきたからだ。
バックス:「”フレムベル・デビル”!お前の力を見せてやってくれよ!」
バックスが巨大な斧を振り下げる。
2人の武器がぶつかり合う。
バックス:「やるな。”フレムベルデビル・アックス”を受け止めるなんてよ!」
フレムベル・デビルのデュエルギア、フレムベルデビルアックス。その力で羅夢を押すバックス。
羅夢:『なんて力だ。これはこのデュエルギアだけの力じゃない。この男の力も…!』
押し負けそうになる羅夢。しかし、簡単には負けないと、羅夢は踏ん張る。
バックス:「これは躱せるか?」
フレムベルデビル・アックスが紫色に輝く。
羅夢:「!!」
バックス:「消えろ、業火の炎に!」
フレムベルデビル・アックスから紫色の炎が放出され、そのまま羅夢が立っている場所を襲う。
哲平:「羅夢!」
その姿を見た哲平が叫ぶ。
バックス:「呆気ないな。これで終わりか」
紫色の炎が燃え盛るのを見て呟くバックス。
これで勝負は……決まらなかった。
炎の中から水が突如出てきて、炎を消した。
そして、中から羅夢が現れた。
一度、距離を取る羅夢。右手に怪我を負ったようだ。
哲平:「大丈夫か!羅夢」
羅夢:「大丈夫です。心配ありません」
哲平に心配をかけないように答える羅夢。
だが、目線はバックスに向いている。
羅夢:「この男の炎は、悪の染まっている!」
哲平:「何…?」
バックス:「よくわかったな。俺の炎を受けたからか?俺は、この炎の力で、今まで数えきれないほどの人間を殺した。俺は、この炎の力で所為で、自分を抑えきれないのさ!」
ぎゃはははと高笑い。
羅夢と哲平は、「頭がイかれている」と思った。
バックス:「お前らの身体を骨まで焼き尽くしてやるよ!」
フレムベルデビル・アックスを地面に突き刺すと、火柱が地面から出現し、次々と縦一直線で、哲平達に向かってきた。
哲平:「この凄まじい炎、当たれば一たまりもない!」
羅夢:「ウォーター・フェアタイディグング!!」
先ほどと同じで、片手を地面につき、巨大な水の壁で攻撃を止めようとする。
炎と水。愛称で言えば、羅夢の方が上だ。
2人の攻撃がぶつかる。
羅夢:「この炎は水でも消えることがない。地獄へとつながる火の柱だ!」
羅夢の水の壁を貫通し、再び縦一直線に火柱が襲いかかってくる。
羅夢&哲平:「!!」
2人はそのまま火柱に飲み込まれる。
バックス:「燃えろ!カスらしく!」
しばらくして、火柱が消えた。
そして、火柱から出てきた羅夢と哲平の身体。
2人は傷つき倒れていた。ピクリともしない。
バックス:「フッ……」
勝利を隠したのだろう。バックスは笑う。
しかし、突然二人の身体は消えてしまった。
バックス:『こいつは、影分身ってやつか…!』
心の中で呟くバックス。
そして、羅夢と哲平がバックスの目の前に姿を現す。
羅夢:「危ないところだった…」
哲平:「影分身で入れ替わってて正解だったな」
バックス:「影分身。本当に上級者のようだな。影分身にはいろいろ種類がある。限界勢力のように、モンスターの力を借りて、影分身を作ったり、属性の波動によって作る影分身。どれも、高等技だ」
バックスが二人を見る。
バックス:『体内からモンスターの力の気配はなし。ということは、属性の波動で作った影分身か。リーダーの方は、水の影分身。副リーダーの方は、消える直後に、ピカッとなったし光属性の分身だな』
哲平:「流石に影分身を使うと、少し身体が疲れる」
羅夢:「ですが、休んでいる暇はないようですよ」
羅夢の言う通りだ。既にバックスは次の攻撃体勢に入っていた。
バックス:「この攻撃はどうする!」
バックスが巨大な斧を持ったままジャンプした。
哲平:「これは少しやばいな」
羅夢:「離れましょう!」
2人は、バックスから距離を取る。
バックス:「逃がすか!」
バックスがそういうと、2人が逃げる先にモンスターが現れた。
”フレムベル・パウン”だ。
フレムベル・パウンは、ここから先は通さないぞと言わんばかりに、こちらを睨みつける。
羅夢:「はっ」
羅夢は上を見る。
バックス:「辺り一面、火の海にしてくれる!」
斧を振り下げて、地面に強くぶつける。
地割れが発生し、地割れの部分から火の壁が辺り一面に出現した。
2人の逃げ道は失われた。
哲平:「くそっ!」
羅夢:「くっ」
自分らが不利だとわかったのか、悔しい顔をする二人。
この2人に勝つ手段があるのか…!
レミという新たな友達ができた梨香。
明日香、珠里と共に、王宮へと目指す。
レミ:「こっちよ」
レミが先頭に立ち、3人を誘導する。
梨香:「レミ、こっちだと少し王宮から離れるわよ」
レミ:「ファミリーの部下たちを避けているのよ。ファミリーの部下たちが、どこに配備されているのかは大体把握してるわ」
梨香:「流石、レミ!」
はしゃぐ梨香。
珠里:「お姉ちゃん、はしゃぎすぎ。レミさんがせっかく敵に見つからないように、進んでくれてるんだから、うるさくしたら逆に敵を呼び寄せちゃうでしょ」
梨香:「あ、ゴメン」
テヘッみたいな顔で謝る梨香。
珠里がため息をついて、「本当に反省しているのかな」と呟く。
そんな、梨香を見る明日香。
明日香:『梨香、やっぱりあなたは3人兄妹の中で一番パパに似てるわ』
梨香に亡き十代を重ね合わせる明日香。
性格を含め、やはり梨香は十代に似ているようだ。
レミ:「次の角を右に曲がるわよ!」
レミの言う通り、次の角を右に曲がった。
だが…!
ファミリーの部下:「ん?」
レミ:「こんなところに…!」
角を曲がったすぐ目の前にいたのは、ファミリーの部下だった。少し身体がごつく、タチの悪そうな顔をしている。
その男は、股間から男のあれを出して立ち小便、通称”立ちしょん”をしていた。
ファミリーの部下:「ケリロット様、その後ろにいるのは民間人ですか?なぜ、一緒に行動を…!」
レミ:「私はファミリーを抜けるわ」
珠里:「いや、まずは、それしまってよ!」
珠里が頬を赤くして、男のあれに指を指さす。
ファミリーの部下:「ファミリーを抜ける…?それが、何を意味するのかわかっているのか?」
いきなり言葉使いが変わった男。股間のチャックを閉める。
レミ:「テイタラファミリー、いやバギー王子がやっていることは世界を壊すだけの間違った行動。私は、その下についていけないわ」
ファミリーの部下:「世界をまず壊し、作り直す。それが王子の目的。それを理解できないものは死あるのみだ!」
銃タイプのデュエルギアを出したファミリーの部下。
銃口をレミたちに向ける。
ファミリーの部下:「ここで全員始末してくれるわ!」
引き金を引こうとする男。
レミも油断してしまった。今更、前に出てももう遅い。
このままじゃやられる。
???:「裏斬り!」
突如響いた襲いかかってくる男ではない別の男の声。
剣代:「光燐断!!」
ファミリーの部下:「ぐはっ!」
ファミリーの部下は背中を斬られ、そのまま倒れた。
梨香:「お兄ちゃん!」
自分たちを助けてくれた兄、剣代を見て笑顔になる梨香。
剣代:「浅く切ったつもりなんだがな…」
光燐之太刀を鞘に納める剣代。
明日香:「よかった、剣代。無事だったのね」
剣代:「母さんたちこそ、ここで…ん?」
レミを見る剣代。
剣代に見つめられ、少し動揺するレミ。
梨香:「私の友達のレミだよ。お兄ちゃん、少し前に話した。ファミリーの幹部だったんだけど、抜けたの」
梨香がレミを紹介する。
剣代:「そうか。母さんや妹たちを守ってくれたのか?ありがとう」
剣代がレミに握手を求めた。
レミ:「いえ、その…梨香からあなた方の父の話しを聞いて、自分がやっていることが正しくないと思って…」
レミが握手をしながら話す。梨香に言われたこと。自分の考えを。
剣代:「父さんのことを理解してくれているのか。それは嬉しいな。それで、母さんたちは、どうしてここに?」
明日香:「彼女が王宮へ行く道を誘導してくれていたのよ。そしたら、たまたま、その男に遭っちゃったの」
倒れた男を見る明日香と剣代。
剣代:「なるほどな。なら、俺も一緒に行くよ」
珠里:「やった!お兄ちゃんがいれば、心強いよ」
梨香:「それじゃあ、王宮までレッツゴー!」
梨香が走り出す。
レミ:「梨香!ちょっと」
珠里:「お姉ちゃん、またうるさくして!」
5人は王宮まで走って向かった。
その頃、羅夢と哲平と共にダイシャラス王国に入った葵と色葉は…。
葵:「この辺よね?さっき悲鳴が聞こえたのは」
色葉:「ええ、間違いないわ」
悲鳴を聞いて、急いでここに来たようだ。
すると!
女性たち:「「きゃああああ!」」
2人の女性の悲鳴の声。
葵:「あっちよ!!!」
葵と色葉は悲鳴が聞こえた方へと急いで走る。
第3ED『キミモノガタリ《little by little》』
次回予告
ナレーション:セイとサチを助けるべく、葵と色葉が敵に立ち向かう!
その頃、マリク、リシドに一度は追いつめられたポッパー・ケイが怪しい行動を見せる。
そして、バックスと戦う羅夢の真の力が、悪の炎を吹き飛ばす!!
羅夢:次回、遊戯王5DXAL「自然の底力!果樹嵐!!」
羅夢:「大地に水を与えれば、俺の力は進化する!!」
遊戯王5DXAL豆知識コーナー!!
哲平:「俺が使うデッキは”聖刻デッキ”、つまり、光属性ドラゴン族モンスターが軸のデッキだ。聖刻龍のモンスター名は”エジプト九柱の神々”から由来されているぞ。」