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第39話:『四天王リーダー!撃ち抜きの亡霊』






混乱が続くダイシャラス王国。


その中を走り続ける住民たち。


だが、逆にこの混乱に紛れて、下らない事をやっている者たちもいた。


宝石泥棒A:「おい、そっちはどうだ?」

宝石泥棒B:「たんまりだぜ、アニキ」

宝石泥棒C:「街の奴らは混乱状態」

宝石泥棒D:「それを逆手にとって、宝石を盗み取るなんて、やることがせこいぜ、アニキ」
4人の宝石泥棒共が、宝石店にある宝石を盗み取る。

宝石泥棒A:「要は、王宮の奴らに見つかれなければいいんだろ?長い間、この商売をやってんだ。楽勝だぜ」

宝石泥棒C:「アニキ、こっちは全部盗ったぜ」

宝石泥棒D:「こっちもだ」

宝石泥棒A:「よし、次だ。行くぞ」
大きい袋を担ぎながら、外に出た4人の宝石泥棒たち。


宝石泥棒B:「よし、次は…」
宝石泥棒Bが地図を出そうとバックに手を入れる。


ビュゥゥゥ!



宝石泥棒A:「おい、どうした?早く地図を出せ!」
後ろを振り向く宝石泥棒A。

後ろには、バックから地図を出そうとする宝石泥棒Bの姿が。

しかし、様子がおかしい。

宝石泥棒C:「おい、どうした?」
宝石泥棒Cが片足を一歩前に出す。

と次の瞬間、宝石泥棒Bが突然、血を吐き出し、前に倒れた。

地面はすぐさま赤く染まった。


宝石泥棒D:「お、おい!どうした!!?」
宝石泥棒Dが倒れた同類に近づこうとした、そのとき!


グサッ!

宝石泥棒Dの心臓に矢が刺さり、そのまま倒れた。


宝石泥棒A:「お、おい!」

宝石泥棒C:「た、助けてくれ!!」
怖くなって宝石泥棒Cが、この場を逃げる。


しかし、宝石泥棒Cの背中に矢が、降って来て、そのまま心臓を貫通し、前に倒れた。


宝石泥棒A:「な、なんだよ!これ!!?た、助けて…」

グサッ


宝石泥棒Aの声は誰にも届かなかった。





マンションの一室。


そこに立つ、灰色のオールバックの髪をした男。


ラビリット:「お前たちのような人間は世界にいらない存在だ」
クロスボウを持ったテイタラファミリーの四天王リーダー、ラビリット・メイ。

別名、撃ち抜きの亡霊。







第3OP『BRAVING!《KANAN》』







第39話:『四天王リーダー!撃ち抜きの亡霊』







テイタラファミリー幹部の1人、フェイトロン。

執事の姿をした彼は、目の前にいる男性の首を絞めていた。

男性:「が、あああ」
苦しみに耐える男性。

フェイトロン:「いけませんね、我慢をしては。さあ、身体を楽にして。そうすれば、苦しみは和らぎます」
更に絞める力を強くするフェイトロン。

数秒後、男性は息絶えた。

首から手を離し、死体をその場に捨てるフェイトロン。


フェイトロン:「全く、白い手袋が台無しだ」
手に付けている白い手袋を脱ぎ捨て、ポケットから別の白い手袋を出し、身につけるフェイトロン。

すると、そういえばと言い、行動を開始する。


フェイトロン:「一応、バリアの制御装置がある機密地下へ行くとしましょうか」
ゆっくりと歩くフェイトロン。

向かう先は、国を覆ったバリアの制御装置がある機密地下だ。








レイ、マルタンサイド

レイとマルタンは協力して、住民を避難させていた。


街の人たちは2人がフロンティアのSOA特務隊と知って、少しホッとしているようだ。

更に、2人に協力している警察の人たちも、誘導している。


レイ:「さあ、早く、中に入って!」

マルタン:「こっちです!」



警官A:「お年寄りの方はこちらへ!」

警官B:「歩けない人がいれば、声をかけてください!」
少人数で大勢の避難民を誘導するレイ、マルタン、そして警官たち。


いち、どこから敵が襲ってきてもおかしくない状況でもあるので、緊張が走る。



すると、そこに、レイとマルタンが知っている人達が来た。


ヴァロン:「この婆さんたちも頼む!」

アメルダ:「よし、着いたぞ」
ヴァロンとアメルダ。2人は救助した老婆を、ここに送り届けてきたのだ。


老婆:「おお、兄さんたち、ありがとさん」
老婆は2人にお礼を言う。



マルタン:「ヴァロンさん、アメルダさん」
2人を見たマルタンが声をかける。


ヴァロン:「おお、お前ら、無事だったか」

レイ:「お二人も無事でよかったです」

アメルダ:「ここにいるSOA特務隊は、君たち二人だけか?」

マルタン:「はい、この国の警察の人たちと協力して、街の人たちを何とか誘導はしていますが」

レイ:「敵にいつ見つかってもおかしくない状態です」
4人の心には沢山の不安があった。


ヴァロン:「見つかる前に、敵を倒すしかないな」

アメルダ:「あぁ、特務隊のみんなは王宮を目指して動き出している。ここは、国の警察に任して、俺たちも向かうべきだな」
アメルダの言葉に3人が頷いた。


4人は王宮を目指し行動することを決意する。










その頃、小鳥、鉄男、徳之助の3人が共に行動していた。



鉄男:「おらあ!」
剣を振り回し、襲ってきたファミリーの部下を倒す鉄男。


徳之助:「鉄男、すごいウラ」
鉄男の凄さに見とれる徳之助。


鉄男:「徳之助、お前も手伝えよ」
何もしない徳之助を見て、少し怒った口調で言う鉄男。



徳之助:「よーし、”チュウボーン”!」
徳之助の隣に、チュウボーンが現れる。

徳之助:「チュウボーン、デュエルギアになるウラ!」
徳之助がそういうと、チュウボーンが輝き、デュエルギアとなった。


しかし、そのデュエルギアの形は、犬が口に銜えるような骨の棒だった(少し長い)。

それを見て、目が点になる鉄男と小鳥。


小鳥:「徳之助くん、それは?」

徳之助:「手裏剣ウラ!」

鉄男:「手裏剣?」

徳之助:「ひょっひょっひょ、見た目は剣に見えるウラが、これは中距離の攻撃ウラよ!」
右手に持つ骨を上に挙げる徳之助。

2人は心の中で、こう思った。

剣にも見えないけど…。


小鳥:「それと、徳之助くん、その笑い方やめた方がいいよ。あの人と同じだから」
小鳥の頭の中に浮かびあがった1人の男性。

イン〇クター〇蛾

彼と笑い方が同じだったことに小鳥はすぐに気づいた。





ファミリーの部下:「見つけたぞ!」
1人のファミリーの部下が、こちらのことに気付き襲ってくる。


徳之助:「くらえ!骨骨アタック!」
徳之助が骨の形をしたデュエルギアを投げ飛ばす。

ファミリーの部下:「ああ?」
ファミリーの部下は飛んできた骨を素手で弾き飛ばす。


徳之助:「ウラア、なんてことウラ!」


鉄男:「何もできてねえじゃねえか!」
徳之助に怒る鉄男、がっかりする徳之助。

その隙に襲いかかってくるファミリーの部下。


小鳥:「フェアリー・チア・ガール!」
フェアリー・チア・ガールを呼び出す小鳥。


余談だが、多元世紀になったことで、デュエルモンスターズの精霊は実体化することができる。

その影響で、それを戦争の力にする者たちも後を絶たない。


小鳥:「フェアリー・スター!」
フェアリー・チア・ガールが両手を振って、星の手裏剣を放ち、ファミリーの部下を襲う。


ファミリーの部下:「うわあああああ!」
部下は吹き飛ばされた。


その姿を、高いところから一人の男性が見ていた。


ラビリット:「SOA特務隊か」
無表情で呟くラビリットだが、その目は人を狩るような目をしていた。




鉄男:「助かったぜ、小鳥」

徳之助:「小鳥のフェアリー・チア・ガールは相変わらず強いウラ」

小鳥:「ありがとう、フェアリー・チア・ガール」
小鳥がフェアリー・チア・ガールにお礼を言うと、本人は笑顔のまま、その場から消えた。


鉄男:「デュエルモンスターズの実体化には、デュエリストによって個人差があるって慎也さんから聞いていたが、小鳥の場合は1分ほどが限界なのか?」

小鳥:「ええ、次出す場合は1分のインターバルがあるわ」

鉄男:「この世界じゃデュエルモンスターズの実体化も可能だからな。デュエリストの意志に関係なく精霊そのものが実体化を望んだりして、それを利用して戦争を繰り返す奴らもいるって慎也さんが言ってたけど」

徳之助:「世界は変わったウラ」
徳之助がため息をつける。




カチャ


遠くから3人を見ているラビリットがクロスボウを構える。



小鳥:『何…?この気配。誰かが、こっちを見ているような気が…』
心の中でぶつぶつと呟く小鳥。



鉄男:「ん?小鳥、どうした?」
鉄男が呼びかけるが小鳥は返事をしない。

徳之助:「小鳥?」
徳之助が小鳥に近づこうとする。





ラビリット:「まずは、一人だ」
ラビリットが引き金を引く。




小鳥:「!!!!」
小鳥が徳之助に向かって走る。


そして、小鳥はそのまま徳之助を抱きしめ、押し倒す。

その瞬間、2人の上を矢が通過し地面に刺さる。


鉄男:「なんだ!!?」
驚く鉄男。






ラビリット:「!」
少しだけ目を大きくし驚くラビリット。




小鳥:「鉄男君!徳之助君!逃げて!」
小鳥が起きあがり、2人に指示を出す。

そして、小鳥はとあるところに視線を向ける。




ラビリット:「俺に気付いたのか」
小鳥の視線は確実に自分の方を向いていると、確信したラビリット。


ラビリット:「面白い女だ」
ラビリットは、この場から移動を開始する。




その間に、小鳥たち3人は、とある工場の中に入る。




鉄男:「どういうことだ!さっきの矢は」

徳之助:「小鳥が助けてくれなかったら、俺、死んでたウラ」

小鳥:「油断しないで。敵は、すぐにここに来るわよ」
小鳥が物陰から顔を少し出す。






鉄男:「小鳥、お前、敵に気付いたのか?」

小鳥:「私にもよくわからない。嫌な感じがして、気が付けば徳之助くんに飛びついてた」
小鳥が再び物陰に隠れる。


小鳥:「でも、確実なのは、あの矢は、あの緑色の15階建てのビルの屋上から撃たれたもの」

徳之助:「15階建ての緑色のビルって、あんな遠くから撃ってきたウラか!それに、小鳥!それに気づいたって、どういう---」
徳之助が言葉を続けようとした、そのとき、工場の表のシャッターが開いた音がした。


3人は即座に黙る。



ラビリット:「………」
工場の中に入ってきたのは、当然ラビリットだった。


鉄男は物陰からソーっと顔を出し、工場の中に入ってきた人の顔を確認する。


見覚えのない顔だ。

だが手に持っている武器、クロスボウを見て、さっき自分たちに矢を向けてきたのはあいつだとすぐわかった。



小鳥:「逃げましょう」

鉄男:「いや、ここは打って出る」

徳之助:「ウラ。あいつを野放しにすれば、死人を増やすだけウラ」
鉄男と徳之助はデュエルギアを手に取る。

小鳥:「ちょっと二人とも!」
小鳥の言葉を聞かず、2人は物陰から出て、ラビリットの前に出た。


徳之助:「やいやい!」

鉄男:「あんた、王子の手先か?なら、俺たちと戦え!」

徳之助:「そうウラ!」
2人がラビリットに向かってやいやいと言葉を発する。


ラビリット:「消えろ」
ラビリットが、即座にクロスボウを2人に向けて放つ。


小鳥:「え…」
一瞬、何が起きたのか分からなかった。









その頃、未来、明里、琴羽の3人は----。




未来:「小鳥ちゃんと連絡が取れないってどういうことなの…!」
未来はミッションウォッチで夫である一馬と通信していた。




クロノスや六十郎たちと共に、十天老師の1人で、今回のミッションの元司令だった宝井を見張る一馬。


一馬:「俺に怒るな。だが、5分ほど前から、小鳥ちゃんたちと連絡が取れないんだ」
一馬も小鳥たちと連絡が取れなくなったことで、少し動揺しているようだ。





明里:「まさか、小鳥ちゃんたちに何かあったんじゃ!」

琴羽:「そ、そんな…!」

明里:「あ…」

未来:「明里、心配させるような言葉は言うわないの」

明里:「ご、ごめんなさい」
未来に怒られた明里が謝る。

未来:「大丈夫よ、琴羽。小鳥ちゃんなら、どこかに隠れているんだわ。それに鉄男君もいるだし、きっと大丈夫よ」

琴羽:「え、えぇ、そうね」
少し笑顔を見せる琴羽。でも目は笑っていなかった。








小鳥サイド




小鳥:「鉄男くん!!」
小鳥が大声で叫ぶ。


ラビリットが放った矢は、鉄男の肩を突き刺した。


苦しみのあまり、鉄男はその場に倒れていた。


徳之助:「あ…ああ」
あまりの怖さに徳之助はその場に尻餅をついた。


ラビリット:「次は外さない」
”撃ち抜きの亡霊”と呼ばれた男の殺気が3人を襲う。


小鳥:「鉄男くん、徳之助くん立って!逃げるよ!」
小鳥が二人の側に来る。


ラビリット:『この女、さっき俺の居場所に気付いていた…』
心の中で呟くラビリット。ラビリットは、小鳥の少し興味を持っているようだ。


ラビリット:「女、お前、さっき俺の居場所に気付いていたな?エスパーか何か特別な力を持っているのか?」

小鳥:「私、エスパーでも何でもないわ!お願い、2人を見逃して」
涙目をラビリットに見せる小鳥。


ラビリット:『ならさっきのは俺の勘違い。矢を躱したのは単なる偶然なのか。いや、とても偶然とは思えないな』
ラビリットが小鳥に矢を向ける。


小鳥:「!」

ラビリット:「俺は、テイタラファミリー四天王リーダー”ラビリット・メイ”。貴様らはフロンティアの連中だな」

小鳥:『四天王って、慎也さんが言ってたファミリーの最高幹部!』

ラビリット:「外で俺の矢を躱し、俺の場所を特定した行動、偶然とは考えられない。女、貴様、何者だ?」
ラビリットが聞く。


小鳥:「私が誰かって、何で、あなたに言わなきゃいけないのよ」
涙を拭く小鳥。





ラビリット:「これは強要だ。質問に答えないというなら」
ラビリットはクロスボウの矢を放った。

放った矢は、尻餅をついている徳之助の足に刺さる。

徳之助:「ウラアアアアアアアア!!」
あまりの痛みに叫ぶ徳之助。


小鳥:「徳之助くん!」

徳之助:「ウラウラ!!」
もがく徳之助。


小鳥:「やめて!なんでもいうこと聞くから!」
つい言ってはいけない言葉を言ってしまった。


鉄男:「よせ、小鳥。逃げろ」
小鳥の腕を掴む鉄男。

だが、その掴み具合に手応えはない。

小鳥はその手を振り払う。

小鳥:「ごめんなさい」
小鳥が立ち上がり、前へ進む。


徳之助:「こ、小鳥…!」


ラビリット:「……」


小鳥:「私はあなたのいうことを聞くわ。だから、2人を助けて」

ラビリット:「なら、お前の力を見せてみろ。お前はさっき、俺のことに確実に気付いていた。だから、こいつの矢も躱せた。そうだろ?」
ラビリットがクロスボウを小鳥に向ける。


小鳥:「わ、私、あなたが思っているような特別な力なんてないわ!普通よ。普通の女よ」
自分に力がないと訴える小鳥。


ラビリット:「なら、さっきの状況を、どう示す?」

小鳥:「そ、それは…」

ラビリット:「さあ、吐け。お前は何者だ?」

小鳥:「私は観月小鳥。それ以外、何にもないわ!」

ラビリット:「誰が名前を言えと言った。俺の質問に素直に答えないというなら、やはり」
ラビリットのクロスボウは鉄男を向いた。


ラビリット:「仲間が死ぬことになるぞ」

鉄男、徳之助:「「!!」」
ラビリットの標的が再び鉄男へと向いた。



小鳥:「お願い!それだけはやめて!」
小鳥が言葉で止めようとするが、ラビリットhが少しずつ引き金を引く。

あと5㎜ぐらい引けば、矢は放たれるだろう。


小鳥:「やめてぇぇ!」
小鳥が大声で叫ぶ。


ラビリット:「!!」
ラビリットがビクッと驚き、クロスボウをその場に落としてしまった。

だが、ただ驚いたのではなかった。



ラビリット:『なんだ?今の殺気は…!』
小鳥を見るラビリット。

小鳥:「フェアリー・チア・ガール!」
小鳥の背後にフェアリー・チア・ガールが現れ、光の球となって小鳥の手にデュエルギアとなって姿を現す。

小鳥が持っているデュエルギアの形は弓タイプだった。



小鳥:「鉄男君と徳之助くんは私が守るわ!」
真剣な眼差しでラビリットを見る小鳥。



ラビリット:『なんだ?突然、雰囲気が変わった』
ラビリットは落としたクロスボウを手に取る。


ラビリット:「俺と戦うというなら、容赦はしないぞ。女!」
ラビリットの背後に黒い霧が現れ、中から”馬頭鬼(めずき)”が現れた。


小鳥:「友達を傷つける人は絶対に許さないわ」
弓を構える小鳥。

小鳥:『どうしてだろう。力が湧いてくる。あいつが私に力を貸してくれているのかな…。遊馬』









ダイシャラス王国の道を一人で走る四大神王者ロスト。

ロストは走りながらニコッと笑う。






第2ED『空とキミのメッセージ《choucho》』





次回予告

ナレーション:激突する小鳥とラビリット。

しかし、小鳥の攻撃はラビリットに通用せず、苦戦を強いる。

ピンチが続く中、小鳥の頭に、あの男の声が響き、奇跡を起こす!

小鳥:次回、遊戯王5DXAL「奇跡のNo.2!小鳥の真の力」


小鳥:「遊馬、あなたが私を…」
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