このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

第38話:『炸裂!ワータラブラックスピア!』








目に入った人を殺し続けるテイタラファミリーの四天王の1人バックス。

彼は、ダイシャラス王国に入ったフロンティアSOA特務隊の中で一番強い、慎也を探し当てるため、1人国中を走り回っていた。


バックス:「くそぉぉ、慎也ってやつはどこにいやがるんだよぉぉぉ!!」
叫ぶバックス。


バックスが探している慎也本人は、今頃、凌牙と共に、J・Jと交戦していた。








第3OP『BRAVING!《KANAN》』






第38話:『炸裂!ワータラブラックスピア!』






凌牙と慎也は、邪属性という力を持つテイタラファミリーの四天王の1人、J・Jに苦戦を強いられていた。


しかし、凌牙が持つエースのマークの力が反応し、勝負はまだまだ続くのであった。




3人は見つめ合う。


慎也:「行けるか?凌牙」

凌牙:「わかんねえ。俺も、この紋章については、わからないことだらけだ」

慎也:「半年前にワックスポワロで輝きを見せて以来、何もなかったからな」

凌牙:「あぁ、ホントこいつには苦労する」
自分の右手にあるマークを見る凌牙。

慎也:『あいつがいれば、色々聞けるんだがな』
慎也が心の中で呟く。


J・J:「どんな力かは知らんが、邪属性の敵じゃない」
暗黒色のオーラがJ・Jを包む。



J・J:「行くぞ!」
J・Jが構える。


J・J:「蛇竜烈破!!」
先ほどと同じで、シャムシールと鉄パイプを交差し、その中心から、暗黒色の蛇の形状をした波動が放たれる。


慎也:「そう何度も同じものを喰らうつもりはない!セカンドステージ!!」
慎也が持つサンダーマグナムが輝き、進化を果たす。

砲身が少し伸び、カラーリングも大幅に変わったサンダーマグナムが慎也の手に握られる。

慎也:「こいつで弾き飛ばす!サンダー・バースト!」
セカンドステージを果たしたサンダーマグナムの銃口から巨大な電撃の塊が放たれ、J・Jの技とぶつかる。


慎也:「ぐっ!」

J・J:「くっ!」
2人の攻撃の影響で砂塵が舞う。


すると、砂塵の中から凌牙が現れ、J・Jに接近する。

凌牙:「うおおおお!」

J・J:「ちっ!」
鉄パイプを投げ、凌牙のブラックランサーに直撃。動きが鈍った。


その一瞬をつき、J・Jが凌牙に接近する。

シャムシールで凌牙の首を跳ねようと、J・Jが右手を振り上げる。


しかし、サンダーマグナム(セカンドステージ)を使って、慎也が援護し、一旦後ろに下がったJ・J。


凌牙も一度下がる。


慎也:「大丈夫か?」


凌牙:「あぁ、もう少しで首が無くなるところだった」
少し怯えたような口調でしゃべる凌牙。



J・J:『俺の動きに慣れてきているな。どちらとも、やればすぐ身体に身に着くタイプか』
2人を見つめるJ・J。


J・J:『あまり戦闘を長引させるわけにはいかないな。デュエルで決着を着けるか。…いや、今更デュエルに変えたところで、勝敗はどうあれ、こいつらとの戦いが長引くだけ、他の邪魔者を消すためにも、1秒でも早くこいつらを倒さないとな』
J・Jが動く。





標的は慎也だった。


J・J:「手っ取り早く邪属性の力で決める!」
J・Jの持つシャムシールの刀身が暗黒色に染まる。


慎也:「邪属性の力を、武器に蓄えているのか…!凌牙!」

凌牙:「一々言われなくても分かっている!」
凌牙がランスを構える。


J・J:「そんな構えで、こいつを止められると思うな!」
シャムシールを大きく振り上げる。

J・J:「邪斬!」
邪属性の力を使って暗黒色の斬撃が、凌牙に向かって飛んでくる。


凌牙:『大きい…!』
斬撃の横幅が広いのを見て、思わず驚く凌牙。

それを、ブラックランサーで受け止める。

凌牙:「ぐっ!」

慎也:「凌牙!くそっ!」
慎也がセカンドステージ状態のサンダーマグナムの銃口をJ・Jに向ける。

J・J:「甘い」
J・Jの右足が暗黒色に染まり、その右足で足元に落ちているバイクのヘルメットを蹴り飛ばす。


蹴ろ飛ばしたヘルメットも暗黒色に染まり、そのまま慎也の腹に命中する。


慎也:「ぐわっ!」
ヘルメットが当たっただけにも関わらず、強烈な痛みが慎也を襲う。

慎也は、そのまま、地面に倒れ込む。

あまりの痛みに立ち上がれない慎也。

視界が少しぼやけているが、目の前にあるのが何なのかすぐに分かった。

ライダースーツ姿の男性が頭から血を流して倒れていた。

J・Jが蹴り飛ばしたヘルメットはおそらく、この人の者だろうと慎也は思った。



慎也:「か、関係ない、人たちを殺して…甘えたちは、ただの悪魔だ」
痛みが少し和らげた慎也が口を開く。


J・J:「お前たち、フロンティアも勝利のために、多くの人間を危めているはずだ。そうだろ?」

J・Jの言う通りだった。慎也も、それは理解している。

勝利のためだけではない。

助けたくても助けられず、死んだ仲間たちだっている。

それも、結局は見捨てたのも同じ、人殺しに過ぎなかった。


J・J:「さて、こっちはどうだ?」
J・Jが凌牙の方を向く。


凌牙は暗黒色の斬撃に耐えていた。

J・J:「以外にやるな」

凌牙:「ぐっ!」
凌牙は地面を思いっきり踏ん張る。


その間にJ・Jはさっきと同じ構えをする。

同じ斬撃を飛ばす気だ。


凌牙:「!!」

J・J:「邪斬!二の段!」
同じ斬撃を放ち、凌牙に向かう。


慎也:「凌牙!」

凌牙:「俺は、ここで終わるつもりは…」
凌牙がボソッと言葉を発する。

同時に、エースのマークが輝く。

凌牙:「ない!」
その瞬間、エースのマークが凌牙を守るようにバリアを張り、二つの斬撃を消し飛ばす。


J・J:「斬撃を…」

慎也:「吹き飛ばした…!」
斬撃を吹き飛ばした凌牙を見て驚く2人。


J・J:『あの右手の紋章の力か。一体なんだ?あのマークは』
心の中で呟くJ・J。

J・Jはエースのマークのことを知らない。

知っているのはごくわずかだ。


凌牙:「こいつが守ってくれたのか」
凌牙が輝くエースのマークを見て言う。











その頃、凌牙の双子の妹、璃緒は…。



璃緒:「ここに隠れていてください」
璃緒は発見した民間人を誘導し、ビルの中へ入らせているところだった。


女性:「あなたは、どうするの?」


璃緒:「私は、仲間と合流します」

女性:「でも、一人で…」
璃緒を心配する女性は璃緒の袖を掴む。


璃緒:「私のことは気にせず、さあ早く」
璃緒は女性を無理矢理ビルの中へ入れる。


そして、扉を閉じ、璃緒は外を走る。



璃緒:『凌牙…、あなた今、どこにいるの?』
道を走っていると、目の前にファミリーの部下たちが現れた。

数は4人で、全員が獣のような目で璃緒を見る。


璃緒:「零鳥獣シルフィーネ!」
”零鳥獣シルフィーネ”が璃緒の背後に現れ、そのまま光の球となってデュエルギアへと姿を変える。

璃緒が使うデュエルギアは零鳥獣シルフィーネの大鎌タイプの武器、”シルフィーネイーター”だ。


璃緒:「女だからって、嘗めないで!」
両手でシルフィーネイーターを持ちポーズを取って戦闘態勢に入る璃緒。


4人の敵は、一斉に璃緒に攻撃を仕掛ける。


4人の敵に勝てるのか…。







その頃、凌牙は…。


凌牙:「こいつの使い方が、少しずつわかってきた気がするぜ」
エースのマークを輝かせている凌牙。


慎也:『凌牙の雰囲気が変わった…!』
凌牙を見てすぐにわかった。

今、目の前にいる凌牙は、1分前の凌牙とは全然違うことに。



J・J:『あの紋章の所為なのか?あの男の殺気が変わった…』
凌牙の変わり具合はJ・Jにも伝わっているようだ。


凌牙:「ブラックレイ・ランサー。お前は、まだまだ進化するはずだ。俺の叫びに応えろ!」
エースのマークの輝きに導かれるかのように、凌牙が持つブラックランサーも輝き出す。



慎也:「この輝きは、まさかセカンドステージ…!」
凌牙のブラックランサーの輝きを見て口を開く慎也。



そして、凌牙の手には細部の形状が異なった黒い槍が持たれていた。

ブラックランサーがセカンドステージに突入したのだ。



J・J:「ここへ来て、セカンドステージしたのか…!」


慎也:『ピンチになるほど、彼らは強くなる。百々原元帥、あなたはいつもそう言っていたが、その意味が今になってわかってきました』
百々原が言っていた言葉を思い出しながら、笑みを浮かべる慎也。


慎也:「凌牙、俺が隙を作る。お前はタイミングを見計らって攻撃しろ」
慎也の言葉に凌牙は頷いた。



慎也は真正面からJ・Jに向かった。

J・J:「貴様が、銃を使った中距離攻撃しかできない!お前の手など読め…!」
J・Jは何かに気付いた。

こちらに向かっている慎也の手にデュエルギアが握られていなかった。


J・J:「この俺に生身で戦うつもりか!そんなに早死にしたいのならお望みどおりにしてやる!」
シャムシールの刀身が暗黒色に染まる。



慎也:「俺が使うデュエルギアが銃だけだと思うな!」
慎也の背後に、エースモンスター”ブリザード・クルスナイト”が現れ、光の球となり、デュエルギアへと姿を変える。


J・J:「!!」
慎也が手に持つものを持って驚くJ・J。


凌牙:「銃だけじゃなかったのか」
凌牙も少し驚いていた。

凌牙本人も初めて見るものだったからだ。





慎也:「ブリザードエクスカリバー!」
慎也のブリザード・クルスナイトがデュエルギアとなった姿”ブリザードエクスカリバー”。

刀身が氷でできている。


慎也:「エイスフィールド!」
慎也はブリザードエクスカリバーでJ・Jを攻撃するのではなく、J・Jの足元から約10センチほど手前の地面に剣を突き刺した。


J・J:「どういうつもりだ。怖くなって攻撃を外したか」
慎也をバカにするような口調で言うJ・J。


慎也:「んなわけないだろ」

J・J:「!」
J・Jは自分の足元を見る。

いつの間にか自分が立っている地面が凍り付いており、足が氷で侵食されていた。

J・J:「こ、これは!」

慎也:「エイスフィールドは攻撃技じゃない。敵の行動を封じ込める技だ」

J・J:「チッ、こんなもの、俺の邪属性の力で、消し飛ばして…!」
J・Jは身体を動かそうとするが全然動かなかった。

恐る恐る自分の体を見る。


J・Jは目を丸くした。よく見ると、自分の体の約7割が氷によって凍らされていた。



J・J:「バカな…!」

慎也:「頼むぞ、凌牙」
慎也が下がる。


凌牙:「テイタラファミリーの四天王の1人、ここで撃つ!」
凌牙がセカンドステージ中ブラックランサーを構える。

凌牙:「水の突き、受けてみろ」
セカンドステージ中のブラックランサーの先端が水に覆われ、巨大な矢を作る。


J・J:「俺が、こんな奴に負けるはずがない!」
J・Jは無理矢理氷を壊し、逃げようと試みるが。

慎也:「無駄だ、その氷を砕くことはできない」
慎也が少し笑って言う。


凌牙:「J・J、貴様はこれで終わりだ!」
凌牙がブラックランサーを突き出す。


凌牙:「ワータラブラックスピア!!」
ブラックランサーの先から水の矢が突き出て、J・Jに向かう。


J・J:「おのれえ!」
J・Jの身体に水の矢が突き刺さる。

J・J:「ぐはっ!」
J・Jは、そのまま後ろへ飛ばされる。


同時に真後ろにある式典で使われていた壇上が木端微塵になった。


慎也:「エースのマークの力も加わった突き攻撃。なんて威力だ。これが、エースのマーク…」
凌牙の攻撃を見て驚く慎也。


技を放った本人は少し息切れをしていた。

どうやら、技を放ったことで、それなり体力を使ったようだ。



破壊された壇上周辺に砂塵が舞う。


すると、その中から血だらけの、J・Jが立ったまま現れた。


2人は驚いたが、様子が変だった。

右手には何か持っている。


J・J:「…王子の、計画のため…お前たち…を…取り逃がすわけには…いかん」
J・Jが右手に持っているのは、さっきJ・J本人が言っていたバリアを解除ができるリモコンだった。

それを強く握る。右手が暗黒色に染まる。


慎也:「まさか!」

J・J:「ふんぬ!」
リモコンを思いっきり握り、木端微塵に砕けた。

凌牙:「あいつ…!」

J・J:「これで、お前たちは、完全に鳥かごの…中だ。逃げることなど…でき、は、しな、い」
J・Jがどさっと倒れる。


慎也がJ・Jに近づき、意識の確認をする。


慎也:「気絶しただけのようだが、こいつからバリアの制御装置を聞き出すのは無理のようだな」

凌牙:「くっ、これからどうする?バリアの制御装置を探すか?」

慎也:「いや、制御装置を探している間に、被害は徐々に広がる。そうならないためにも、今すぐ王宮にいるバギーを撃って、この戦いを終わらせる」

凌牙:「傷は大丈夫なのか?」

慎也:「お前こそ、大丈夫なのか?」

凌牙:「フッ、当たり前だ」

慎也:「なら急いで王宮に向かうぞ」
慎也と凌牙は2人で王宮を目指す。




凌牙&慎也VSJ・J

勝者、凌牙&慎也!



テイタラファミリーの四天王の1人を撃ち、残る四天王は3人。





王宮



一番高い屋根の上に、四天王の1人、ラビリットが目を閉じ、静かに立っていた。



ラビリット:「…これは」
ラビリットが目を開く。


ラビリット:「そうか…J・Jがやられたようだな」
ラビリットは屋根からジャンプし、地面に着地する。


ラビリット:『侮れない敵がいるということか…』
ラビリットが、携帯端末を使って、どこかへ連絡する。


ラビリット:「王子のためにも、この計画を水の泡にされるわけにはいかないのでな」
ラビリットが王宮の門より外に出た。









プルルル


ディヴィット:「おっと、ラビリットからか」
テイタラファミリー幹部の1人、ディヴィットが持っている携帯電話にラビリットからメールが届いた。


ディヴィット:「おいおい、まさか、J・Jがやられたのか。けど、バリアが消えていないとなると、リモコンを操作される前に、破壊したってことか」
ディヴィットが独り言をベラベラと話す。

ディヴィット:「まあそんなことどうでもいいや。あの人が俺にメールしてきたってことは、遂に動くってことだ。”撃ち抜きの亡霊”がな」
ディヴィットが口にする言葉、”撃ち抜きの亡霊”。それが、ラビリットについたあだ名だ。






その頃、四大神王者ロストは…。


ロスト:「やったな、シャーク。エースのマークを少しはモノにしたようだな」
凌牙の力を察知したロストが言葉を口にする。


ロスト:「だが、それでもまだ4割程度の力だ。エースのマークを最大限まで引き出すにはもう少し修業しないといけないぜ」
満足したかのような顔をするロスト。サングラスをしているので目がどんな風になっているのかは見えないが、口がそうなら目も満足したかのような目をしているだろう。








ダイシャラス王国上空



葵、色葉、哲平、羅夢が乗っているヘリは依然、上空をさまよっていた。



葵:「まだバリアの制御装置を発見することはできないの?」
少し強気で言う葵。

哲平:「無茶言うなよ。あのバリアの影響で、電波が乱れている状態で、装置を探してるんだ。簡単に見つかるわけないだろ!」
パソコンをいじりながら少しキレ気味な口調でいう哲平。

色葉:「だけど、このままじゃ、マズいわよ」

羅夢:「ともかく、急いでくれ。でないと、中にいるみんなの命が危ない」
羅夢も少し慌てているような口調で言う。








ダイシャラス王国


先ほど、ロストが見つけた巨大装置があった地下施設の入り口付近


そこに、1人の男が立っていた。


男の足は、施設の入り口へと向かう。



この男は一体…。






第2ED『空とキミのメッセージ《choucho》』






次回予告

ナレーション:テイタラファミリーの四天王の1人、J・Jを撃った凌牙。

しかし、その頃、J・Jがやられたことでテイタラファミリー四天王リーダー、ラビリットが戦場に立ち上がった。

ラビリットの標的は偶然遭遇してしまった小鳥。

戦いの経験値の差が大きすぎる中、小鳥はどうやって対抗するのか!?

小鳥:次回、遊戯王5DXAL「四天王リーダー!撃ち抜きの亡霊」


小鳥:「鉄男君!徳之助君!逃げて!」
1/1ページ
スキ