第77話【クローン・エンパイラのボス】
アルクムンとのデュエルが終わった瞬間、デュエルアカデミアの回線に何者かが割り込み、デュエル場にある画面を通して通信する。
画面に映っていたのは、仮面をつけ、黒い髪の毛をした男性だった。
「どうやって、デュエルアカデミアの回線に……?」
鮫島校長が言う。
「誰だ?お前は」
亮が聞く。
『俺の名はゼロ。最後のHEROデッキを持ち、クローン・エンパイラの指揮官…』
ゼロが言う。
「お前がクローン・エンパイラのボスってわけか?」
十代が聞く。
『ああ、そうだ。こうやって会うのは初めてだな、遊城十代』
ゼロが言う。
「……お前は、」
十代が言う。
第2OP Precious Time,Glory Days(サイキックラバー)
GX‐77【クローン・エンパイラのボス】
十代は画面に映っているゼロを見る。
「お前は、一体…」
十代が呟く。
すると、
『十代…決着をつけよう』
ゼロが言う。
「なに………?」
『俺たちクローン・エンパイラの力と、貴様の力、どちらが上かをな』
「…………」
『一つ忠告しておく。十代、お前は俺に負けて……死ぬ』
「!!」
十代が驚く。
そして、みんなも…
「シニョール十代が、死ぬ……?」
「どういう意味だ?もう十代の負けが確定しているのか?」
クロノス教頭と、ヨハンが言う。
『そうだ。なぜなら、俺は、お前のために作らたのだからな』
ゼロが言う。
「十代くんのために…?」
「答えになってないぞ」
吹雪とエドが言う。
『ふん、だろうな。だが、これは事実だ』
「……………」
『十代、決戦場は、俺たちクローン・エンパイラの本拠地にする。2日後、深夜0時、アカデミアの島の浜辺に来い。もちろん、一人でな。他の仲間は、この回線を通して、ここからデュエルを見られるようにはする。だが、もし、浜辺に人を連れてこれば、その場でデュエルは中止だ』
ゼロが言う。
「おい!ちょっと待て!」
万丈目が言う。
が、通信が切れた。
「ついに、指揮官との決戦…」
「十代くん…」
オブライエンと鮫島校長が言う。
十代は下を向いていた。
「十代、でっち上げだ。お前が死ぬはずがない」
「そうだよ。きみは今まで、クローン・エンパイラを全員倒した。だから、絶対勝つよ」
ジムと藤原が言う。
「あぁ、そうだな」
十代が言う。
「十代…」
「十代様…」
明日香とレイが言う。
「悪い…しばらく一人になる」
十代が言う。
そして、十代はデュエル場から出る。
「兄貴……」
「俺たちも一緒に行きたいザウルス!」
「だが、今回ばかりは、俺たちが十代と一緒に行くことはできない」
「ああ…」
翔、剣山、ヨハン、亮が言う。
「十代…」
明日香が胸に手を当てて言う。
その頃、十代はお気に入りの屋上で寝込んでいた。
外は既に夕方。
十代は空を見ていた。
すると、
《どうするんだい?》
ユベルが出てきた。
「ユベル…」
《まさか、あんなこと言われるなんてね》
《クリクリィ》
ハネクリボーも出てきた。
「俺は死ぬのかな…?」
十代が言う。
すると、
《死んだら、みんなが悲しむ》
ネオスが出てきた。
「ネオス…」
十代が言う。
《ネオスの言う通りだニャ》
すると、そこに大徳寺先生と、ファラオがきた。
「大徳寺先生!?」
《話しは、みんなに聞いたニャ》
「そうか…」
《で、どうするんだニャ?やっぱり行くのかニャ?》
大徳寺先生が聞く。
すると、十代がデッキをケースから取り出す。
「……………」
十代はカードを1枚1枚見る。
すると、1枚のカードが十代の手を止めた。
それは、祖父の形見である小説に挟まっていた真っ白いカードだった。
《それは?》
大徳寺先生が聞く。
「じいちゃんの形見の本に挟まっていたカードだ。意味不明のカードなのに、なんかデッキに組み込んでるんだ」
《十代くん……》
「よし!」
十代が立ち上がる。
「俺は行くぜ!クローン・エンパイラとの決着にな!」
《十代くん、その調子だニャ!》
大徳寺先生が言う。
「縁起が悪いが、みんなに言ってくるぜ」
十代が言う。
そして、十代は下に降りる。
《十代くん…キミは死んじゃダメニャ。みんなが悲しむニャ。特に明日香さんが…》
大徳寺先生が言う。
十代は鮫島校長とクロノス教頭がいる校長室に、まずは行った。
「本当に行くだね?」
「はい、クローン・エンパイラを叩きにいきます」
「キミが、そう言うなら、私は止めない。クロノス先生は?」
鮫島校長が聞く。
「……………」
クロノス教頭は十代を見る。
「シニョール十代。一つ約束してほしいノーネ」
「なんですか?」
「絶対に無事に、ここに戻って来るって約束してほしいノーネ」
クロノス教頭が涙目になって言う。
「クロノス先生………。当たり前だぜ。俺は必ず、ここに戻ってきます!絶対に」
十代が言う。
クロノス教頭が笑う。
「では、これで」
十代が部屋を出る。
同時に夕日が沈んだ。
「人と言うのは変わっていくものですね?クロノス先生」
「そうなノーネ」
鮫島校長とクロノス教頭が言う。
そして、十代は次にエントランスで、ヨハン、オブライエン、ジムと会った。
「行くんだな?」
オブライエンが聞く。
「ああ、クローン・エンパイラと決着にな」
「一人で行くのか?」
ジムが聞く。
「ああ、そうじゃないと、デュエルできないからな」
「必ず、ここに戻って来い。みんなが待つ、このデュエルアカデミアに…」
ヨハンが言う。
「ああ」
十代が言う。
数分後、十代は購買にきていた。
「あら?十代ちゃん」
「何か購入するものでもあるんですか?」
購買にいたトメさんと、セイコが言う。
「いや、ちょっとドローパンを一個…」
十代が言う。
そして、十代はかごの中にある何百個のドローパンから一つだけ取り出す。
「………」
十代は袋を開ける。
すると、
「!」
金色の卵が入った当たりのパンだった。
「凄いね。一発で当てるなんて」
トメさんが言う。
「最後かもしれないってときに当たりを当てちまったか」
「え?最後」
セイコが聞く。
「いや、なんでもないですよ」
十代はドローパンを食って購買から出る。
十代は夜の島を歩いた。
そして、港に亮がいたのを見つけた。
「カイザー」
十代が呼びかける。
「十代…」
亮が言う。
そして、十代がカイザーの横に立つ。
「行くんだってな」
「ああ、そうしないと事件は解決しないからな」
「みんなに挨拶しているのか?」
「ああ、縁起が悪いけどな」
「絶対、帰ってこい、十代」
「ああ」
十代と亮が握手する。
次に十代が行った場所は、港に止まっている船のところに行った。
「エドー」
十代が呼ぶ。
すると、船の中からエドが現れた。
「なんだ?こんな時間に?」
「俺、絶対に帰ってくるからな!」
十代が言う。
「当たり前だ。お前との決着は、まだついてないからな」
エドが笑って言う。
十代も笑う。
そして、十代は一旦、校舎に向かった。
「十代くん?」
すると、校舎の玄関前に藤原がいた。
「藤原?」
「聞いたよ、校長から行くって。こっちから来たってことはエドくんたちのところに行ってたのかい?」
「ああ」
「ありがとう十代くん」
「ん?」
「まだ、お礼を言っていなかったからね。ダークネスから、僕を解放してくれたお礼…」
「今さらか…だが、嬉しいぜ。俺も、お前に助けられた。あのアルイとのデュエルのときにな」
「うん…あ!そういえば、鮎川先生がキミのこと呼んでたよ」
「鮎川先生が?」
そして、十代は保健室に行き、鮎川先生のところに来た。
鮎川先生は机のところにいた。
「来たわね、十代くん」
「なんかようでもあるんですか?」
「校長から聞いたわよ」
「そうですか」
「明日香さんには話したの?私、あなたたちの関係も知ってるのよ」
「いつから知ってたんですか!?」
「そうね。前にキミのご両親が来たときの夜かしら。部屋の前を歩いたら、中から切ない声が聞こえてね」
「そ、そうですか…」
「その様子だと、まだのようね」
「明日香のところには最後に行くつもりです」
「そう。気をつけて行くのよ」
「はい」
そして、十代は保健室を出る。
すると、後ろから
「遊城十代!」
ジュンコ、そして、ももえが来た。
「なんだよ?2人して」
「本当にお一人で行くんですか?」
ももえが聞く。
「お前たちの耳にも入ってるのか」
十代が言う。
「で、行くの?」
ジュンコが聞く。
「ああ、決着をつけに行く」
「本当にいいんですか?」
「?」
「明日香さんのことよ。明日香は、あなたが好き。そして、あなたも明日香さんが好き。もしかしたら…」
「言っておくが、俺は死ぬつもりなんかないぜ」
十代が言う。
2人は十代を見る。
「その目は嘘の目じゃないですね」
「明日香さんを悲しませたら、タダじゃ置かないわよ」
「フッ…ああ」
十代が言う。
十代は廊下を歩いていた。
すると、前から万丈目が来た。
「万丈目…」
「…………」
万丈目は知らん振りして十代の横を通る。
そして、少し前に進んだところで止まる。
「絶対に勝ってこい」
「!」
「お前を倒すのは、この俺だ」
万丈目が歩き出す。
「フッ…ああ」
十代も前に歩き出す。
そして、十代はデュエル場で翔と剣山に会った。
「やっぱり行くだね?」
「ああ、心配かけるが、そうすることに決めた」
「兄貴、死ぬが怖くないのかドン?」
「怖いさ…だけど、命を賭けなきゃ守れない、そして、できないこともあるんだ」
「僕は兄貴を信じるよ。画面越しだけど、兄貴を見守る…」
「俺もザウルス」
「お前ら……ありがとうな」
「絶対に帰ってきてくれドン」
「待ってるから」
「ああ」
十代はデュエル場を後にする。
そして、角を曲がる。
すると、後ろから
「あれ?僕には挨拶なしかい?」
吹雪が声をかける。
「吹雪さん!すいません、気づかなくて」
「別にいいさ。けど、妹を泣かせたら、容赦しないよ」
「あなたにはお見通しってことですか。わかってます。俺は必ず帰ってきますよ」
十代が歩く。
吹雪は十代の背中を見る。
「たくましい後ろ姿になったね」
吹雪が言う。
そして、十代が次に来た場所は、レイの部屋に来た。
「レイ、いるか?」
十代がドアを開ける。
レイはすぐそばで立っていた。
「十代様…」
「レイ…」
十代は部屋に入り、扉の中に入る。
「行くって聞きました」
「そうか。実はだな、ここには、その報告と、もう一つ…」
「言わないで…」
「?」
「もう知ってる。もう知ってるから」
レイが涙を流す。
「レイ…」
十代はレイを抱く。
「例え、どんな形の気持ちでも、俺はレイが好きだ」
十代がレイの頬にキスをする。
「十代様…」
レイも十代を抱く。
「絶対…絶対に帰ってきてください」
「ああ…」
そして、2人は離れ、十代は部屋を出る。
そして、十代は最後に明日香と一緒に泊まっている部屋に来た。
「明日香?」
ドアを開けたが、明日香の姿はなかった。
「……………!」
十代はテーブルの上にあるHEROデッキを見た。
「…………」
そして、十代は、その24のデッキを持って教室へと向かった。
すると、そこには、
「明日香…」
明日香が教卓に座っていた。
「十代…」
明日香も十代がいることに気づいた。
十代は明日香のいる教卓にきた。
十代は明日香の目を見る。
少し涙が出ていた。
だが、十代は、あまりそこを察しなかった。
「この教卓、使っていいか?」
「え?」
「俺とゼロのデュエル…こいつらにも見せたくてよ」
十代はデッキを見せる。
「え、えぇ。私も手伝うわ」
明日香が言う。
そして、十代と明日香は24つのHEROデッキを教卓の上に並べた。
2人で仲良く。
だが、話しはしなかった。
いや、できなかった。
もしかしたら、最後になるかもしれない人と話すのは、とても悲しいからだ。
だが、十代はデッキを並べた後、言葉を言う。
「部屋に戻ろうぜ?」
十代が言うと、無言で頷く。
そして、数分後、2人は部屋に戻ってきた。
十代が部屋の電気をつける。
明日香は真っ先にベットに座った。
「明日香……」
十代が言うが、明日香は反応しなかった。
すると、十代が明日香の前に立ち、膝を曲げ、明日香の顔を覗く。
「明日香……俺は必ず帰って来る。絶対に…だから、泣かないでくれ」
明日香は泣いていた。
「十代…」
明日香は目を閉じる。
涙がベットのシーツに落ちる。
「明日香…」
十代が言うと、明日香は目を開ける。
「キス…して」
明日香が言う。
「ああ…」
2人はキスをする。
そして、明日香は後ろに倒れる。
数分後、2人はベットに倒れていた。
「明日香…」
「何?」
「お前、本当は行かせたくないんだろ?」
「当たり前でしょ」
明日香が十代にくっ付く。
十代は明日香の手首を持つ。
「けど、俺を信じてくれるんだよな?」
「ええ、私、あなたを信じる。必ず帰ってきて…」
明日香は起き上がり、十代にキスをする。
「俺たちって、1日どれぐらいキスしてるんだ?」
「10回以上はしてるんじゃない」
「じゃあ、2日後、帰ってきたときは30回以上してもらおうかな?キス」
「OK…いいわよ」
明日香が再び十代にキスをする。
そして、2日後
午後11時55分、十代は浜辺にいた。
そして、明日香、翔、剣山、万丈目、レイ、吹雪、亮、エド、ヨハン、オブライエン、ジム、藤原、鮫島校長、クロノス教頭はデュエルアカデミアの教室にいた。
教卓には24つのHEROデッキが置いてあった。
そして、浜辺にいた十代。
もうそろで、0時になる。
どういう風に現れるか気になっていた十代。
そして、ついに0時になった。
すると、海が光り出す。
十代は目をつぶる。
「!?」
そして、目を開けたときは、びっくりした。
さっきまで何もなかった海に城のようなものが浮いていたからだ。
「あれが、クローン・エンパイラの本拠地…」
十代が言う。
すると、そのとき、城の入り口から橋のようなものが浜辺まで伸びてきた。
「………」
十代は、それに足を踏み入れる。
とくに、問題はないみたいだ。
十代は、それを使って、城まで行く。
そして、十代は城の中に入る。
城の扉はすでに全て開いてあった。
十代は、普通にくぐる。
そして、しばらく前に進んだところに、大きな部屋、いや広場のようなところに出た。
そして
「待っていたぞ」
十代の前に仮面を付けたゼロが現れる。
「お前が、ここに来た。デュエルアカデミアに映像を流すぞ?」
「その前に聞きたいことがある」
「なんだ?」
「お前の目的はなんだ?最初は、幻のE・HEROだけを狙っていたが、途中から、俺のデッキ、最終的には俺を、ここに呼ぼうとした」
「…………」
「お前たちは何がしたい?」
十代が聞く。
「俺の目的は、26のHEROを集め、最強の力を手に入れることだ」
「最強の力?」
「その力は26のHEROに選ばれたものしか、使うことができない。だから、俺は、その力を手に入れ、お前たち人間に復讐する」
「人間?…お前は人間じゃないのか?」
「俺は人間であって、人間じゃない。いわば、影だ」
「影?わけのわからない戯れ言だな」
「だが、お前はいずれ、俺の正体も知るになる!」
ゼロがデュエルディスクを起動させた。
その頃、デュエルアカデミアの画面に2人の姿が映し出された。
「映った!」
「兄貴!」
「十代……」
亮と、翔、明日香が言う。
「お前の正体を知って何になる!」
十代もデュエルディスクを起動させた。
「このデュエルに負けたものは生命が尽きる。いわば、闇のデュエルに近い…」
「…クローン・エンパイラの指揮官が闇のデュエルをするのかよ」
「怯えたか?」
「いや…むしろ楽しくなってきたぜ」
「来い!遊城十代」
「このデュエルで、クローン・エンパイラとの因縁を断ち切る!」
「「デュエル!」」
2人のかけ声でデュエルがスタートした。
ついに、十代と、クローン・エンパイラの指揮官ゼロとのデュエルが始まる。
第2ED Endless Dream(きただにひろし)
十代:お前のHERO、俺のE・HEROでねじ伏せてやる!
どんな困難が来ても、俺は負けない!
次回【最後のHERO】
仮面が壊れていく……!