第71話【真実】
今にも雨が降りそうな雲行きの中、1台のヘリコプターがデュエルアカデミアの島にあるヘリポートに着いた。
そして、ヘリコプターの中から、人が2人降りてきた。
「雨が降りそうだな…」
「早く校長先生のところに行きましょ」
そして、2人は、歩き出す。
第2OP Precious Time,Glory Days(サイキックラバー)
GX‐71【真実】
『フフフ…ハハハ!十代、お前は真実から目を背くことはできない!貴様の存在がいるからこそ、俺たちは、ここにいるんだ!その存在を自覚するんだな!』
十代は目を開ける。
どうやら、ソファーで寝ていたみたいだ。
昨日、プラネから言われた真実。
十代は、真実の話しが頭から離れられなかった。
十代は外を見る。
外はいつの間にか雨が降っていた。
十代は、なんとなくバックの中から、クローン・エンパイラが残したデッキを全て出し、テーブルに並べる。
そして、並べたデッキを見つめ、戦った奴の顔を思い出す。
F・HEROのフレス
I・HEROのプレート
K・HEROのラドム
S・HEROのライカとブレス
J・HEROのディンとブラー
O・HEROのサルト
B・HEROのクネとクリネ
T・HEROの飛来と刀来
W・HEROのルイ
P・HEROのフラン
H・HEROのクエルボ
A・HEROのティンス
Q・HEROのティラとライリー
D・HEROのガドリア
C・HEROのアルイ
R・HEROのクロイ
L・HEROのシロイ
N・HEROのクロック
V・HEROの劉
Y・HEROのストラトス
G・HEROのカリア
そして、昨日、戦ったU・HEROのプラネ
どれも強敵ばかりだった。
だが、そいつらが使っていたデッキが、自分の実の親だとは知らなかった。
「……………」
十代はM・HEROデッキを取り出す。
「じいちゃん…あんたは知ってたのか?」
十代がデッキを握って言う。
そして、次は自分の愛用デッキを取る。
「お前らも、俺の実の両親に使われたとはな」
十代が言う。
すると、部屋のドアが開く。
「十代?」
明日香が入ってきた。
「明日香…?」
「みんながデュエルしようって…」
明日香が言う。
が、今は、そんな気分ではなかった。
「悪いな、俺はパス。しばらく一人になりてぇんだ」
十代が言う。
「……………」
明日香は心配そうに部屋を出た。
そして、明日香はエントランスに行った。
エントランスには、翔、剣山、万丈目、レイ、ヨハン、ジム、オブライエン、亮、エド、吹雪、藤原がいた。
「兄貴、どうだった?明日香さん」
翔が聞く。
明日香は首を振る。
「デュエルもやる調子もないみたい」
明日香が言う。
「昨日は、あんなこと言ってたけど、やっぱりショックですよね」
「大丈夫だといいドン」
レイと剣山が言う。
「ふん!情けない!あんなの嘘に決まってるだろ」
万丈目が言う。
「だが、嘘を言ってる感じじゃなかったよな?」
「ああ」
ヨハンと、オブライエンが言う。
「十代はしばらく、気持ちが落ち着くまで、一人にさせよう。その方が、楽になってくるだろ」
「そうだな」
亮と、エドが言う。
「僕たち、十代くんと一緒にいる日が多かったのに、彼のこと、全然知らないんだね」
「ああ、なんか情けなくなってきたな」
「うん」
吹雪と、ジム、藤原が言う。
すると、そこに
「あ!みんな、ここにいたノーネ」
クロノス教頭がきた。
「クロノス教頭!」
万丈目が言う。
「どうしたんですか?」
レイが聞く。
「全員、私と一緒に校長室に行くノーネ」
クロノス教頭が言う。
そして、クロノス教頭を初め、明日香たち、みんなが校長室に来た。
「失礼するノーネ。みんなを連れてきましたノーネ」
クロノス教頭が言う。
すると、校長室は机に座っているのではなく、テレビ前にあるソファーの近くにいた。
更に、みんなが知らない人も30代ぐらいの男性一人と女性一人が来ていた。
2人はソファーから立ち上がり、女性の方は一礼をする。
「ありがとうございます。クロノス教頭先生」
鮫島校長が言う。
そして、みんなは鮫島校長たちのいる方に近づく。
「鮫島校長、こちらの2人は……?」
明日香が聞く。
「十代くんの、育て親です」
鮫島校長が言う。
みんなが驚く。
「はじめまして。十代がいつも世話になっている、義父の遊城健介です」
「義母の遊城実穂です」
2人が挨拶する。
「は、はじめまして。十代と一緒の部屋に暮らす天上院明日香です」
明日香が礼をする。
「鮫島校長、これって…」
翔が言う。
「とりあえず、何個か椅子を用意したから座りたまえ」
鮫島校長が言う。
椅子には明日香、レイ、ヨハン、吹雪が座り、椅子の後ろに残った人が立つ。
「今日は、皆さんに、全てを伝えに来ました」
健介が言う。
「それって」
ヨハンが言う。
「はい、十代と、そして、実のご両親の話しです」
実穂が言う。
「では、十代を連れて来た方が…」
オブライエンが聞く。
「いえ、十代とは、あとで私たち3人と向き合って話します」
実穂が言う。
「では教えて下さい。十代くんの真実を…」
鮫島校長が言う。
「わかりました。私たちの知ることを全て教えます。事の始まりは、兄、健三と、妻の美優さんが結婚してからすぐのことでした。実は、私、兄の研究を少しですが手伝った時期がありまして、美優さんの頭の中に伝達していた記憶の話しも全て知っています」
健介が言う。
「プラネが言っていた、十代の前世の記憶ですね?」
亮が聞く。
「はい、十代の前世は、どこかの国の大国の王子。そして、その子孫に当たるのが美優さん」
「そして、兄は隠し持っていましたが、生まれつき予知能力を持っているんです」
健介が言う。
「予知能力?」
ジムが言う。
「はい、実は、私と兄の父、遊城信三も予知能力を持っていました。しかし、兄が産まれたことで、その予知能力が消え、数ヶ月後には小説家に…」
健介が言う。
「なるほど、だから、十代の実の親は、十代に覇王の力が宿るとわかったわけか」
ヨハンが言う。
「そして、そのことがわかってすぐに取り組んだのが、26のHEROデッキを作ること」
実穂が言う。
「美優さんは妊娠中にも関わらず、カードをデザインし、カード化した」
健介が言う。
「しかし、なぜ、HEROなんです?別に、HEROじゃなくても…」
レイが聞く。
「おそらく、それは、美優さんの同期だった同じカードデザイナー、フェニックス氏と話しあった結果でしょう」
健介が言う。
「ん!?」
「フェニックス氏って…」
「もしかして、父さん!?」
クロノス教頭と、藤原、エドが言う。
「フェニックス氏は美優さんの小学校からの同期と聞きました」
健介が言う。
「知らなかった。まさか、十代の実の母と僕の父さんが同期だったとは」
エドが言う。
「そして、数枚のHEROカードは完成し、残るはネオスや、ネオスペーシアンを作れば、完璧のはずだった。だが、兄がもし十代が覇王に取り込まれたらと、もしものことを考えて、作ったものが暴走。2人は、この世を去りました」
健介が言う。
「その作ったものとは何ザウルス?」
剣山が聞く。
「わかりません。あれを知っているのは、健三さんと、美優さんだけです」
実穂が言う。
「じゃあ、一番、難問のことを聞きます。なぜ、24のHEROデッキが、クローン・エンパイラにあるんですか?」
翔が聞く。
「………それは私たちにもわかりません。しかし、その事故が起きたあと、私の父、遊城信三は、その場所を訪れました。そして、美優さんが作り上げたカードがありました。しかし、あったのはE・HEROと、M・HEROの2種類だけ」
健介が言う。
「じゃあ、そのときには、もうデッキは…」
吹雪が言う。
「そして、父は2つのデッキを回収しましたが、E・HEROのデータだけは、外部に漏れ、量産されたんです」
健介が言う。
「じゃあ、いつ、M・HEROは十代くんの手に?十代くんは旅の中で手に入れたって」
藤原が言う。
すると、
「遊城信三さんが亡くなったときですか?」
明日香が聞く。
「キミ…」
健介が明日香を見る。
「十代から聞いたんです。数年前に、じいちゃんが亡くなったって…。そのときの形見がじいちゃんが最後に書いた小説だって」
「そうか…十代が…」
「あの小説は、亡くなる直前、M・HEROと一緒に渡した小説でしたからね」
健介と実穂が言う。
「あのー」
翔が言う。
健介と実穂が翔を見る。
「不躾な質問ですが、兄貴…十代くんの前世の記憶の話しなんですが、それ、あてになるんですか?」
翔が言う。
「そうザウルス!もしかしら、ただの空想かも知れないドン」
剣山が言う。
「確かに、空想かもしれません。ですが、十代の前世が本当に実在したという証拠があります」
実穂が言う。
「それは本当なんですか?」
鮫島校長が聞く。
「はい、すいません、校長先生。少しテレビをお借りしていいですか?」
健介が聞く。
「え、えぇ、どうぞ」
鮫島校長が許可する。
そして、実穂はバックの中から1枚のディスクを取る。
そして、テレビにディスクを入れ、テレビの横に健介が立つ。
「今からお見せするのは、ここ5年で発掘された石盤です」
そして、テレビに石盤が映る。
最初はよくわからなかった。
だが、拡大していくと、石盤に彫られているものが何かわかってきた。
「これは…」
「うん、そっくりだよ、あのI・HEROに…」
万丈目と吹雪が言う。
「まだまだあります」
画面に映る石盤が変わる。
「これは、S・HERO!」
亮が言う。
その後、他にも石盤を見せられた。
みんなは、石盤を見ながら、今までクローン・エンパイラが出したHEROと比較する。
「そして、次の石盤が最後です。次、お見せするのは、一番新しく発掘されたもので、一番大きい石盤です」
そして、最後の石盤がテレビに映る。
「これって……」
「ああ、E・HEROだ…」
明日香と、ジムが言う。
「いや、E・HEROもそうだが…」
ヨハンが言う。
すると、みんなはあるものに気づいた。
「ネオス!」
「汚れや傷跡のせいでわからないけど、あれはネオス」
「じゃあ、周りにいるのはネオスペーシアンと、コンタクト融合したネオスの姿…」
翔、吹雪、レイが言う。
そして、映像は、ちょっと下の方を映す。
「これは、ユベル!?」
「ユベルまで…」
明日香と鮫島校長が言う。
「驚くのは、次です」
実穂が言う。
そして、映像は、更に下を映す。
みんなは驚く。
そこには、人の姿が彫られていた。
しかも、その彫られていたのは十代そっくりだった。
「十代にそっくり…」
「うん」
明日香と翔が言う。
「そして、この26枚の石盤は一つになるのです」
テレビにCGが現れ、26枚の石盤が合わさる。
「これが、十代の前世の仲間たちです」
健介が言う。
「これが証拠です」
実穂が言う。
「もう、ここまで証拠が出てると信じるしかないノーネ」
「まさか、実在するとは…」
クロノス教頭と、亮が言う。
「ですが、この石盤には、まだ秘密があるんです」
健介が言う。
「秘密…?」
明日香が言う。
「はい…ですが、その前に」
実穂が言う。
部屋の中で、一人ソファーで寝っ転がる十代。
「…………」
すると、ドアがノックされ、ドアが開く。
「十代…話した人が来てるから入れるわよ」
来たのは明日香だった。
そして、
「十代」
「!?」
十代がソファーから起き上がる。
そこには、育て親の義父、健介と、義母、実穂がいた。
「なんで……」
十代が言う。
「最後に会ったのは、お爺ちゃんの葬式だったかしら?」
実穂が言う。
「……………」
十代は黙っていた。
「すまない、十代…」
健介が謝る。
「!?」
「私は、あなたを今まで騙してたわ。本当にごめんなさい」
「私たちは全て知っていた。HEROカードのこと、お前の前世のこと……全て…」
「だけど、私たちは教えなかった。あなたを苦しめたくなかった…」
「本当に、すまなかった」
健介が頭を下げる。
「なんで謝るんだよ?」
十代が聞く。
「!?」
「別に俺は怒ってないぜ。例え、俺を騙していったとしても、俺を育てていってくれたのは、2人だろ。だから、俺は2人に感謝している。俺を、育ててくれて、サンキューな」
十代が笑って言う。
「十代…」
実穂が泣きそうになる。
「んで、2人が、アカデミアに来たのは、謝りに来たわけじゃないだろ?」
十代が言う。
「ああ、お前の実の両親の話しをな…」
そして、健三と実穂は十代に真実を伝えた。
十代は黙って聞く。
「そして、みんなにもお願いした…」
健介が言う。
「来るのか?ここに石盤が」
「ああ、港の倉庫に来る」
「そうか…なら、久しぶりに、父さんたちの手伝いをするか」
十代が窓を見て言う。
第2ED Endless Dream(きただにひろし)
予告
十代:これが、俺の前世の記憶が眠っている石盤…
健介:ああ、ここからは、お前が行くことはできない。仲間たちに任せるしかないんだ
十代:わかった。じゃあ、俺は見守る側につくぜ
健介:次回【十代】
十代:明日香……お前…