花とワルツ
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職員室に意を決して入った千花だったが、五条はその時間まだ職員室に来ていなかった。
まぁ、そこのソファにでも座っててと家入という美人な白衣を着た保険医っぽい女性に言われて職員室の片隅にあるソファでまつこと30分。
始業時間5分遅れで五条はやって来た。見た目がおっかない学長に「責めるほどでもないその遅刻癖本当にどうにかしろ」と咎められていたが、五条はヘラヘラ笑っていて、駄目な大人の見本だなこの人と千花は学長からダメ出しを食らう五条の背中を見ながらそんなことを思った。
「喜べ!男共!可愛い女の子の編入生だよ!」
ちょっと待っててね、と五条に言われ教室の廊下で待っているとついさっきまでなんともなかったのに急に極度の緊張感がせり上がってきた千花は顔を真っ青にさせて言った。
「うぅ…緊張し過ぎて吐きそう…」
「千花、戻すんやったらあの五条とかいう呪術師に向かってやるんやで」
「そんなことになったら第一印象最悪どころの話じゃないよ…」
「千花〜入って来てー!」
「…もうどうとにでもなれ…」
訳のわからない事を言い出すいろはに辛うじて反論した千花だが、いつもの元気はない。相手にするだけ無駄…とムシを決め込んでいると教室からお呼びの声。
あ。何を言うか決めてないわ…とここに来て痛恨のミスを思い出すも時既に遅し。体調悪くなるわなんやらでもう針が振り切った千花は、ガラッと戸を開けて五条の隣に立つと頭を下げる。
「えーと、八城千花です。色々あって呪術高専に通うことになりました。半端な時期からですけどよろしくお願いします」
パッ、と頭を上げるとまず、目に入ったのは真希だ。机に肘をついてらしいと言えばらしい態度だ。
そして、次に目についたのがパンダである。
「(パンダ…え、何で??)」
大きなパンダがちょこんと椅子に座っている。
パンダ、というと一般的にはジャイアントパンダが思い浮かぶ。それだけジャイアントパンダは有名だし、愛くるしく可愛いのだ。
そんなパンダが何故か教室のクラスメイト枠にいた。
呪術高専は動物の調教を教える学校だったのだろうか。
目を疑うような事象に思わずパンダを凝視する。もしかしなくても真希がクラスメイトについて濁していたのはあれが原因か。
なるほど。これは濁すしかない。百聞は一見に如かずと言うし、千花も多分聞いただけではパンダがクラスメイトだなんて信じなかった。
「千花は狐憑きだから、悪意を持って千花に攻撃すると狐が反撃してくるから気を付けてね」
「何で祓わないんだ?」
「狐…いろはが力の強い九尾の特級呪霊で簡単に祓えないっていうのが一つ。
もう一つは千花のご先祖様がいろはと厄介な契約をしてて祓えば最悪千花諸共死ぬからっていうのが理由かな」
パンダがわざわざ祓わない根本的な理由を聞けば五条が大まかな理由を語る。
「ま、好戦的な呪霊ではないしご主人様の千花以外眼中にないリア充狐だからこっちから仕掛けない限り何もして来ないよ。ね?」
「…」
「いーちゃん、お願いね」
「しょうがないなー!もう!」
「…」
「ね?」
「確かに」
五条の呼び掛けには何も反応しなかったのに、五条曰くご主人様がちょっとお願いすれば影からハートを飛ばした狐の半面被った狐耳の巫女服な女が現れる。
同じ寮から来たという真希が既に見飽きたとばかりにその光景に白けた目をしていたところを見るとあれが日常茶飯事なのだろうか。
キツイ、とパンダが溢せば「しゃけ」と隣の棘が肯定した。
「さて、次はクラスメイトの紹介ね。
寮から一緒に来てたからもう知ってると思うけど禪院真希。呪具っていう特殊な武器を使う呪具使い。
狗巻棘。言葉に強制力を持たせる呪言師。
で、パンダ」
「(…それだけ!?)」
一番欲しい説明が無かった。
「これから長い付き合いになる仲間同士仲良くね」
「よろしくお願いします」
「こっちこそ」
「しゃけ」
「よろしくな」
気を取り直して再度千花が頭を下げると真希達が笑っていて。
ここでなら、焦がれていた普通になれるかもしれないと千花はまだ見ぬ四年間の長く短い学生生活に胸をふくらませるのだった。
まぁ、そこのソファにでも座っててと家入という美人な白衣を着た保険医っぽい女性に言われて職員室の片隅にあるソファでまつこと30分。
始業時間5分遅れで五条はやって来た。見た目がおっかない学長に「責めるほどでもないその遅刻癖本当にどうにかしろ」と咎められていたが、五条はヘラヘラ笑っていて、駄目な大人の見本だなこの人と千花は学長からダメ出しを食らう五条の背中を見ながらそんなことを思った。
「喜べ!男共!可愛い女の子の編入生だよ!」
ちょっと待っててね、と五条に言われ教室の廊下で待っているとついさっきまでなんともなかったのに急に極度の緊張感がせり上がってきた千花は顔を真っ青にさせて言った。
「うぅ…緊張し過ぎて吐きそう…」
「千花、戻すんやったらあの五条とかいう呪術師に向かってやるんやで」
「そんなことになったら第一印象最悪どころの話じゃないよ…」
「千花〜入って来てー!」
「…もうどうとにでもなれ…」
訳のわからない事を言い出すいろはに辛うじて反論した千花だが、いつもの元気はない。相手にするだけ無駄…とムシを決め込んでいると教室からお呼びの声。
あ。何を言うか決めてないわ…とここに来て痛恨のミスを思い出すも時既に遅し。体調悪くなるわなんやらでもう針が振り切った千花は、ガラッと戸を開けて五条の隣に立つと頭を下げる。
「えーと、八城千花です。色々あって呪術高専に通うことになりました。半端な時期からですけどよろしくお願いします」
パッ、と頭を上げるとまず、目に入ったのは真希だ。机に肘をついてらしいと言えばらしい態度だ。
そして、次に目についたのがパンダである。
「(パンダ…え、何で??)」
大きなパンダがちょこんと椅子に座っている。
パンダ、というと一般的にはジャイアントパンダが思い浮かぶ。それだけジャイアントパンダは有名だし、愛くるしく可愛いのだ。
そんなパンダが何故か教室のクラスメイト枠にいた。
呪術高専は動物の調教を教える学校だったのだろうか。
目を疑うような事象に思わずパンダを凝視する。もしかしなくても真希がクラスメイトについて濁していたのはあれが原因か。
なるほど。これは濁すしかない。百聞は一見に如かずと言うし、千花も多分聞いただけではパンダがクラスメイトだなんて信じなかった。
「千花は狐憑きだから、悪意を持って千花に攻撃すると狐が反撃してくるから気を付けてね」
「何で祓わないんだ?」
「狐…いろはが力の強い九尾の特級呪霊で簡単に祓えないっていうのが一つ。
もう一つは千花のご先祖様がいろはと厄介な契約をしてて祓えば最悪千花諸共死ぬからっていうのが理由かな」
パンダがわざわざ祓わない根本的な理由を聞けば五条が大まかな理由を語る。
「ま、好戦的な呪霊ではないしご主人様の千花以外眼中にないリア充狐だからこっちから仕掛けない限り何もして来ないよ。ね?」
「…」
「いーちゃん、お願いね」
「しょうがないなー!もう!」
「…」
「ね?」
「確かに」
五条の呼び掛けには何も反応しなかったのに、五条曰くご主人様がちょっとお願いすれば影からハートを飛ばした狐の半面被った狐耳の巫女服な女が現れる。
同じ寮から来たという真希が既に見飽きたとばかりにその光景に白けた目をしていたところを見るとあれが日常茶飯事なのだろうか。
キツイ、とパンダが溢せば「しゃけ」と隣の棘が肯定した。
「さて、次はクラスメイトの紹介ね。
寮から一緒に来てたからもう知ってると思うけど禪院真希。呪具っていう特殊な武器を使う呪具使い。
狗巻棘。言葉に強制力を持たせる呪言師。
で、パンダ」
「(…それだけ!?)」
一番欲しい説明が無かった。
「これから長い付き合いになる仲間同士仲良くね」
「よろしくお願いします」
「こっちこそ」
「しゃけ」
「よろしくな」
気を取り直して再度千花が頭を下げると真希達が笑っていて。
ここでなら、焦がれていた普通になれるかもしれないと千花はまだ見ぬ四年間の長く短い学生生活に胸をふくらませるのだった。