泡沫の色
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監督生の手から転がった泡沫のサファイアがプールに落ちそうになり、フロイドが慌ててキャッチした。
フロイドの言葉に目を丸くしている監督生からハットを回収すると、フロイドは泡沫のサファイアをギュッと握り、マジカルペンを翳した後そっと手を開く。
泡沫のサファイアはティアドロップ型のネックレスになっていた。
『はい、付けてあげるねぇ』
『どうして・・・私が帰るって知って・・・』
監督生に腕を回し、抱きしめるようにネックレスを首元に飾る。いつかされたようにフロイドはさり気なく監督生の髪に口付け、すぐに離れた。
『うん!よく似合ってる!あー・・・うん・・・こんなに小エビちゃんが泣くの初めてじゃん?だから、そうかなってピンときた。当たって欲しくなかったけど・・・当たっちゃったねぇ』
眉を下げ目を細めて笑うフロイドこそ儚げで、迷惑だと分かっていても監督生は声を上げて泣いた。
『俺も小エビちゃんが好き・・・』
ふざけ合ってたくさん笑い、紡ぎあった思い出。
抱きしめて貰えた温もり、この声や香りもいつかは忘れてしまうかもしれない。
声にならない想いを監督生は背中に回す腕に込めた。
『忘れないで欲しいんだけど・・・泡沫のサファイアの泡は消えても何回も何回も生まれるんだって。小エビちゃんがそのサファイアを見る度に俺を思い出してくれたら、すげぇ嬉しい』
『フロイド先輩を忘れるわけがないです!私は先輩しか好きになれない』
『もう、小エビちゃん可愛い過ぎだかんね!ほんとはギュッと締めて繋いで閉じ込めたいの分かってる?』
両手で監督生の頬を挟み顔を近づけ、絶えず零れる涙を親指で拭う。言っている台詞は物騒なのに仕草は優しくて監督生はクスッと笑ってしまう。
『じゃぁ、海の底に連れて行っちゃいますか?』
『小エビちゃんがそうして欲しいなら、すぐにでもアズールとジェイドんとこ連れて行くけど・・・・・・本当は違うでしょ?』
ごめんなさい・・・とまた涙が出てきて、フロイドはもぉ~と言いながら眉を下げて笑い、何度も拭ってあげる。
二人重なる手は重ねてきた日々を心に刻み、想い焦がれ過ぎて、失ったあとが怖い。
本当は同じ世界で生きていたい。
監督生とフロイドはこの祈りが届くなら何度でも言う。
『フロイド先輩っっ・・・愛してます』
『小エビちゃん、俺、ずーっとずーっと・・・愛してるからね!!!』
静かな夜に似つかわしくない声で、とびっきりの笑顔で愛を伝える。
永遠の約束の立会人は月と星だけ。
言葉にする想いは魔法よりも強く、水面に映る二つの影はひとつになった。
──また、きっと会おうね。
泡沫のサファイアの泡が静かに弾けた。
*****
『こうして、監督生の小エビちゃんは元の世界に帰りましたとさ・・・。おしまいっ!』
本を閉じるようにユウはパチンと手を合わせた。
『小エビちゃん、帰っちゃったの?もうフロイドとは会えないのかな・・・・・・お姉さん、泣いてる?』
少女がユウを見上げると目が潤んでいて泣いているように見える。大丈夫よ、とゆっくり首を横に振ると少女はチャリッと揺れるユウの首元に揺れるネックレスに気がついた。
『・・・お話の宝石に似てるね!泡がキラキラして綺麗!』
身を乗り出している少女は興味津々で、ユウは近くでネックレスを見せてあげた。深海のような深い青色の中にぷくぷくと泡が出ている。眺めていると気持ちが落ち着いて穏やかになり、深い愛情が込み上げ、少女はどうしてだろうと不思議そうな顔をしていた。
『パパとママに会いたい・・・』
『大丈夫。きっともうすぐ会えるよ』
『・・・え?』
ユウが少女の手を握る。
『─────!!!』
遠くの砂浜から声が聞こえる。
『ママ!!パパ!!』
『良かった・・・お迎えが来たね。・・・あのね、この話には実は続きがあるんだよ』
『そうなの?!・・・でも、残念。私遠いところに引っ越すの。だからもうお姉さんのお話聞けない』
『そっか。残念だけど仕方ない・・・さぁ、ママ達のところへ。日も暮れてきたし、寒いでしょ?そのカーディガンあげるね』
カーディガンを掛け直してあげると少女の砂を払う。ポンッと背中を押して促すと少女はお礼を言うと砂浜に足を取られながら走って行く。少女が無事に両親の元へたどり着くとユウは振っていた手を下ろした。
『・・・夕方の海は少し寒いかな・・・くしゅん!』
『あ~ぁ、カーディガンをあの子にあげちゃうからでしょ?風邪引くじゃん、小エビちゃん』
フロイドの言葉に目を丸くしている監督生からハットを回収すると、フロイドは泡沫のサファイアをギュッと握り、マジカルペンを翳した後そっと手を開く。
泡沫のサファイアはティアドロップ型のネックレスになっていた。
『はい、付けてあげるねぇ』
『どうして・・・私が帰るって知って・・・』
監督生に腕を回し、抱きしめるようにネックレスを首元に飾る。いつかされたようにフロイドはさり気なく監督生の髪に口付け、すぐに離れた。
『うん!よく似合ってる!あー・・・うん・・・こんなに小エビちゃんが泣くの初めてじゃん?だから、そうかなってピンときた。当たって欲しくなかったけど・・・当たっちゃったねぇ』
眉を下げ目を細めて笑うフロイドこそ儚げで、迷惑だと分かっていても監督生は声を上げて泣いた。
『俺も小エビちゃんが好き・・・』
ふざけ合ってたくさん笑い、紡ぎあった思い出。
抱きしめて貰えた温もり、この声や香りもいつかは忘れてしまうかもしれない。
声にならない想いを監督生は背中に回す腕に込めた。
『忘れないで欲しいんだけど・・・泡沫のサファイアの泡は消えても何回も何回も生まれるんだって。小エビちゃんがそのサファイアを見る度に俺を思い出してくれたら、すげぇ嬉しい』
『フロイド先輩を忘れるわけがないです!私は先輩しか好きになれない』
『もう、小エビちゃん可愛い過ぎだかんね!ほんとはギュッと締めて繋いで閉じ込めたいの分かってる?』
両手で監督生の頬を挟み顔を近づけ、絶えず零れる涙を親指で拭う。言っている台詞は物騒なのに仕草は優しくて監督生はクスッと笑ってしまう。
『じゃぁ、海の底に連れて行っちゃいますか?』
『小エビちゃんがそうして欲しいなら、すぐにでもアズールとジェイドんとこ連れて行くけど・・・・・・本当は違うでしょ?』
ごめんなさい・・・とまた涙が出てきて、フロイドはもぉ~と言いながら眉を下げて笑い、何度も拭ってあげる。
二人重なる手は重ねてきた日々を心に刻み、想い焦がれ過ぎて、失ったあとが怖い。
本当は同じ世界で生きていたい。
監督生とフロイドはこの祈りが届くなら何度でも言う。
『フロイド先輩っっ・・・愛してます』
『小エビちゃん、俺、ずーっとずーっと・・・愛してるからね!!!』
静かな夜に似つかわしくない声で、とびっきりの笑顔で愛を伝える。
永遠の約束の立会人は月と星だけ。
言葉にする想いは魔法よりも強く、水面に映る二つの影はひとつになった。
──また、きっと会おうね。
泡沫のサファイアの泡が静かに弾けた。
*****
『こうして、監督生の小エビちゃんは元の世界に帰りましたとさ・・・。おしまいっ!』
本を閉じるようにユウはパチンと手を合わせた。
『小エビちゃん、帰っちゃったの?もうフロイドとは会えないのかな・・・・・・お姉さん、泣いてる?』
少女がユウを見上げると目が潤んでいて泣いているように見える。大丈夫よ、とゆっくり首を横に振ると少女はチャリッと揺れるユウの首元に揺れるネックレスに気がついた。
『・・・お話の宝石に似てるね!泡がキラキラして綺麗!』
身を乗り出している少女は興味津々で、ユウは近くでネックレスを見せてあげた。深海のような深い青色の中にぷくぷくと泡が出ている。眺めていると気持ちが落ち着いて穏やかになり、深い愛情が込み上げ、少女はどうしてだろうと不思議そうな顔をしていた。
『パパとママに会いたい・・・』
『大丈夫。きっともうすぐ会えるよ』
『・・・え?』
ユウが少女の手を握る。
『─────!!!』
遠くの砂浜から声が聞こえる。
『ママ!!パパ!!』
『良かった・・・お迎えが来たね。・・・あのね、この話には実は続きがあるんだよ』
『そうなの?!・・・でも、残念。私遠いところに引っ越すの。だからもうお姉さんのお話聞けない』
『そっか。残念だけど仕方ない・・・さぁ、ママ達のところへ。日も暮れてきたし、寒いでしょ?そのカーディガンあげるね』
カーディガンを掛け直してあげると少女の砂を払う。ポンッと背中を押して促すと少女はお礼を言うと砂浜に足を取られながら走って行く。少女が無事に両親の元へたどり着くとユウは振っていた手を下ろした。
『・・・夕方の海は少し寒いかな・・・くしゅん!』
『あ~ぁ、カーディガンをあの子にあげちゃうからでしょ?風邪引くじゃん、小エビちゃん』