HONEY
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「オレ自身のことだからオレが一番分かるから言うけど、絶対オレは小エビちゃんに甘えているし好きな子は甘やかしたいかなー。海みたいに番の為に狩りをするの陸で言うところの買い与えたいってやつでしょ?それ、全部人魚として当たり前過ぎるからそれをするなってのが無理だかんね。それを受け入れられないならオレと別れたら?」
「・・・十七歳のフロイドさん、冷たっ!」
「あはぁ!だって今のオレは小エビちゃんを好きになる前のオレなんでしょ?なら、関係ないしー。まぁ・・・ほぼ別れるの無理だろうけどぉ」
そう言うと飽きたぁとフロイドはオクタヴィネルから出ていこうとするのでユウも追いかける。すらりとした後ろ姿は昔よく見た懐かしい背中でフロイドを意識しだしてから目に焼き付くほど視線を送っていたことを思い出す。あの頃は付き合えるなんて思っていなくて、それだけで良かったのに今では恋人として彼を求めすぎているのだろうかと顔も俯く。
鏡舎とオクタヴィネル寮を繋ぐ道に出るとフロイドを大きく伸びをしながら欠伸をひとつ。
「フロイドさん、一応魔法薬を被っているんですし何かあってはいけないのでアズール先輩の近くにいましょ?」
「平気だって!ねぇ、小エビちゃんは年下のオレに甘えられるのは嬉しい?」
「え?えっと、フロイドさんはフロイドさんですし・・・」
当時の私なら卒倒するだろうなぁと思い更けながら頷く。当時は甘えられているというか、絞めの緩いバージョンといったところだった。しかしそれはユウが勝手に思っていただけで、実際のフロイドは締めているつもりは毛頭なかった。
「じゃぁ、年下のオレを甘えさせてよ。大人の小エビちゃん」
両手を広げてユウから来てくれるのを待つ。甘さを醸し出すとろりとした眼差しに胸がぎゅっと鷲掴みされる。小さく腕を広げてみると、そんな大きさじゃオレを包めないよ?と頭の上からくすぐったい笑いが落ちてきた。年下相手に恥ずかしがるなんて大人の女性としての意地を引っ張り出して思いっきり抱きしめる。普段は包んでもらってばかりで自分から包むのは初めての感覚だった。大人のフロイドよりも少し細身だけれどやっぱりフロイドであり愛しい気持ちはあるので、フロイドと別れることなんて有り得ない。
「フロイドさん、大好きよ」
「ははっ、小エビちゃん可愛いねぇ。あー、小エビちゃんのこと大好きになるの分かるわぁ。この声も匂いも柔らかさも好き過ぎるもん。ってか、好き」
「え⁉」
スリスリと頭を頬ずりされ、顔を赤くしてしまうのは既に大人の余裕ゼロ。
「ねー、小エビちゃんはそのまんま大人のオレに愛されてなぁ。いいじゃん、可愛い服もアクセサリーも勝手に買わせりゃさ。そんでさ、ケッコンして小エビちゃんがサイフ握ったときに勝手にそんなことするなら別れる!って言えばオレ、すぐに謝るから。オレ、好きな子にはチョロいよ?」
「うーん・・・私はずっと甘やかされたまま?」
「そっ!大人のオレの為に甘やかされてよ。年下彼氏からのお願い!」
年下のいう台詞?とユウは可笑しくなってフロイドの腕の中で肩を揺らした。
「ねぇ。小エビちゃん、ちゅーしていい?オレ、大人のフロイドじゃないけど、オレだしいいよね?」
さて、これはどう解釈すればいいのかとユウは目だけ挙動不審になる。フロイドはフロイドである。しかし、フロイドであってフロイドではない。これは浮気になるのかそうではないのかと今まで考えたことがない答えを探していると顎を指で持ち上げられ、よく知っている甘い目がユウを注す。にぃっと白い歯を見せるとユウも思わず同じように歯をぎこちなく見せた。
「ちょーウブな反応じゃん。そんなんじゃオレに甘やかされたくないって言っても説得力ないって。どうせ大人のオレと浮気になるかとか考えてんでしょ?」
「うっ・・・そうです」
「ダイジョーブ、ダイジョーブ!大人のオレはそんな器小さくねぇって。はい、目ぇ瞑って~。まぁ、瞑んなくてもいいけどぉ」
「あ、ちょっと・・ま、待って!」
「待ちませーん!」
黒い一房が揺れてユウの頬を柔らかく掠め、逃がさないとばかりに持ち上げられている顎は落ちてこようとするフロイドを受け止めようとしている。この日の為に赤く染められた唇は一層熱を帯びて艶色で色っぽく主張していた。
「小エビちゃん、大人オレにも今のオレにもめいっぱい甘やかされてよ」
ひんやりとしたフロイドの体温なのに唇はいつも熱くて、いつものフロイドの唇と同じそれだったのでユウは受け入れる。啄む唇にじれったさを感じながらもフロイドのシャツを掴み吐息と一緒にフロイドの名を呼ぶ。
「フロイドさん」
「はぁい、オレはここにいるよー」
チュッチュと慈しむようにフロイドはユウの額にも唇を落とす。
「・・・ん?も、もしかしてフロイドさん戻ってます⁉」
「えー、今頃?ちゅーする前にオレ戻ったよぉ。なんとなくしか覚えてねぇけど、小エビちゃんさぁ、昔のオレとちゅーしようとしてたでしょ?それさぁ、今のオレじゃねぇなら浮気だかんね。あいつどうせテキトーなこと言ったんだろうけどさぁ」
「ふぁっ⁉え、わ、私のせい⁉や、だって十七歳のフロイドさん、大人のフロイドさんなら器大きいからとか・・・う、すみません」
抱きしめられたまま顔を俯き、ユウの額はかさりとフロイドのシャツを掠る。
ユウはどうりでいつものフロイドの唇だと思ったのだ。すっと受け入れられたのも今のフロイドだからだろうと自分で納得する。フロイドはそうとは知らずに何やら文句を言っていて見た目は少し変わっても根本的に中身はあまり変わってないのだとクスクスと笑う。
「こらぁ、人が怒ってる時に笑うなんていい度胸してんね?もしかしてあの十七のオレに惚れたんじゃないよな?」
「ふふっ、私はいつでもフロイドさんを愛していますよ」
「だから、その答えは狡いんだってば!今夜は覚えとけよ・・・」
すっげー甘やかすから・・・。
と、フロイドは白い歯を見せてもう一度甘く口付けた。
Fin
「・・・十七歳のフロイドさん、冷たっ!」
「あはぁ!だって今のオレは小エビちゃんを好きになる前のオレなんでしょ?なら、関係ないしー。まぁ・・・ほぼ別れるの無理だろうけどぉ」
そう言うと飽きたぁとフロイドはオクタヴィネルから出ていこうとするのでユウも追いかける。すらりとした後ろ姿は昔よく見た懐かしい背中でフロイドを意識しだしてから目に焼き付くほど視線を送っていたことを思い出す。あの頃は付き合えるなんて思っていなくて、それだけで良かったのに今では恋人として彼を求めすぎているのだろうかと顔も俯く。
鏡舎とオクタヴィネル寮を繋ぐ道に出るとフロイドを大きく伸びをしながら欠伸をひとつ。
「フロイドさん、一応魔法薬を被っているんですし何かあってはいけないのでアズール先輩の近くにいましょ?」
「平気だって!ねぇ、小エビちゃんは年下のオレに甘えられるのは嬉しい?」
「え?えっと、フロイドさんはフロイドさんですし・・・」
当時の私なら卒倒するだろうなぁと思い更けながら頷く。当時は甘えられているというか、絞めの緩いバージョンといったところだった。しかしそれはユウが勝手に思っていただけで、実際のフロイドは締めているつもりは毛頭なかった。
「じゃぁ、年下のオレを甘えさせてよ。大人の小エビちゃん」
両手を広げてユウから来てくれるのを待つ。甘さを醸し出すとろりとした眼差しに胸がぎゅっと鷲掴みされる。小さく腕を広げてみると、そんな大きさじゃオレを包めないよ?と頭の上からくすぐったい笑いが落ちてきた。年下相手に恥ずかしがるなんて大人の女性としての意地を引っ張り出して思いっきり抱きしめる。普段は包んでもらってばかりで自分から包むのは初めての感覚だった。大人のフロイドよりも少し細身だけれどやっぱりフロイドであり愛しい気持ちはあるので、フロイドと別れることなんて有り得ない。
「フロイドさん、大好きよ」
「ははっ、小エビちゃん可愛いねぇ。あー、小エビちゃんのこと大好きになるの分かるわぁ。この声も匂いも柔らかさも好き過ぎるもん。ってか、好き」
「え⁉」
スリスリと頭を頬ずりされ、顔を赤くしてしまうのは既に大人の余裕ゼロ。
「ねー、小エビちゃんはそのまんま大人のオレに愛されてなぁ。いいじゃん、可愛い服もアクセサリーも勝手に買わせりゃさ。そんでさ、ケッコンして小エビちゃんがサイフ握ったときに勝手にそんなことするなら別れる!って言えばオレ、すぐに謝るから。オレ、好きな子にはチョロいよ?」
「うーん・・・私はずっと甘やかされたまま?」
「そっ!大人のオレの為に甘やかされてよ。年下彼氏からのお願い!」
年下のいう台詞?とユウは可笑しくなってフロイドの腕の中で肩を揺らした。
「ねぇ。小エビちゃん、ちゅーしていい?オレ、大人のフロイドじゃないけど、オレだしいいよね?」
さて、これはどう解釈すればいいのかとユウは目だけ挙動不審になる。フロイドはフロイドである。しかし、フロイドであってフロイドではない。これは浮気になるのかそうではないのかと今まで考えたことがない答えを探していると顎を指で持ち上げられ、よく知っている甘い目がユウを注す。にぃっと白い歯を見せるとユウも思わず同じように歯をぎこちなく見せた。
「ちょーウブな反応じゃん。そんなんじゃオレに甘やかされたくないって言っても説得力ないって。どうせ大人のオレと浮気になるかとか考えてんでしょ?」
「うっ・・・そうです」
「ダイジョーブ、ダイジョーブ!大人のオレはそんな器小さくねぇって。はい、目ぇ瞑って~。まぁ、瞑んなくてもいいけどぉ」
「あ、ちょっと・・ま、待って!」
「待ちませーん!」
黒い一房が揺れてユウの頬を柔らかく掠め、逃がさないとばかりに持ち上げられている顎は落ちてこようとするフロイドを受け止めようとしている。この日の為に赤く染められた唇は一層熱を帯びて艶色で色っぽく主張していた。
「小エビちゃん、大人オレにも今のオレにもめいっぱい甘やかされてよ」
ひんやりとしたフロイドの体温なのに唇はいつも熱くて、いつものフロイドの唇と同じそれだったのでユウは受け入れる。啄む唇にじれったさを感じながらもフロイドのシャツを掴み吐息と一緒にフロイドの名を呼ぶ。
「フロイドさん」
「はぁい、オレはここにいるよー」
チュッチュと慈しむようにフロイドはユウの額にも唇を落とす。
「・・・ん?も、もしかしてフロイドさん戻ってます⁉」
「えー、今頃?ちゅーする前にオレ戻ったよぉ。なんとなくしか覚えてねぇけど、小エビちゃんさぁ、昔のオレとちゅーしようとしてたでしょ?それさぁ、今のオレじゃねぇなら浮気だかんね。あいつどうせテキトーなこと言ったんだろうけどさぁ」
「ふぁっ⁉え、わ、私のせい⁉や、だって十七歳のフロイドさん、大人のフロイドさんなら器大きいからとか・・・う、すみません」
抱きしめられたまま顔を俯き、ユウの額はかさりとフロイドのシャツを掠る。
ユウはどうりでいつものフロイドの唇だと思ったのだ。すっと受け入れられたのも今のフロイドだからだろうと自分で納得する。フロイドはそうとは知らずに何やら文句を言っていて見た目は少し変わっても根本的に中身はあまり変わってないのだとクスクスと笑う。
「こらぁ、人が怒ってる時に笑うなんていい度胸してんね?もしかしてあの十七のオレに惚れたんじゃないよな?」
「ふふっ、私はいつでもフロイドさんを愛していますよ」
「だから、その答えは狡いんだってば!今夜は覚えとけよ・・・」
すっげー甘やかすから・・・。
と、フロイドは白い歯を見せてもう一度甘く口付けた。
Fin
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