一輪
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
***
本日快晴、絶好のお出かけ日和。
麓の街は週末とあって賑やかで普段よりも若い人たちの姿や家族連れが目立つ。
「へぇ、週末の麓の街って割と賑やかじゃん。週末のオフ久しぶりだから新鮮~」
前のキャンプで買ったバッグからスマホを取り出して街の風景を撮影する。何気ない日常というのはとても大切で誰かに共有したいもの。ユウに送ろうかと思ったけども、またウザがられてしまうのも切ない。
少し前なら何も考えずに送っていたはずなのに、いつの間にかユウに対して遠慮がちになった。
「しつこくして嫌いって言われたら立ち直れねぇ~」
ファッション街。隣には誰もいないのにユウなら何が好きだろうとか、この色は小エビちゃんぽい!と店外からちらりと見えるマネキンの服を眺める。
試着させてもユウは強請ることをしないから勝手に買ってやって、自分の選んだ服を着させて隣でちょこちょことユウは歩く。
「あ~めっちゃいいじゃん。超可愛いし、マジ好き~·····」
「へぇ、フロイドってあんな感じの服の子が好きなんだ。以外~!」
「··········あんた誰?」
「ひっど!!この前一緒にパルクールしたじゃん!その後も仲良しした深ぁい仲でしょ?ふふっ」
「あぁ。そんな事もあったな」
「最近全然遊んでくれなくて寂しかったよ?連絡しても返事ないし。フロイドに会えるかなぁと思ってここに来たの正解だったね!やっぱ何かと相性がいいんだよ!」
「ふぅん。どうでもいいし、興味ねー·····」
「ねぇねぇ、折角だからデートしよ?あんま元気なさそうだし、私と楽しいことして忘れよ!ね?」
許可していないのに腕に絡みつき、思いのほかしっかり掴んでいるようで離せない。
そして久しぶりのメスの感覚にフロイドはくらりとする。あんなに取っかえ引っ変えと遊んでいた日々から今日まで随分経った。
見たい訳でもないのに自然と胸元に目線を飛ばしてしまうのはオスの本能か。
─小エビちゃんはもうオレんとこに戻ってこないのかな。トド先輩と幸せそーだもんね。
「フロイド~行こ?今日、えっちな下着着てきたんだぁ」
─もう、いっか·····久しぶりにメスと遊ぼかな。
「あー、うん。いいけど。行くならさっさとしてよ」
「やったぁ!!」
肩を組むようにフロイドは抱き寄せる。
身長も違う、匂いも違う。
メイクもこんなに濃くなくて、髪の毛だって自然だ。
それなのにオスとして惚れてもいないメスを抱けてしまう。
─小エビちゃんにフラれた原因はコレなのに。こんなとこ小エビちゃんに見られたら完全終わりなのになぁ。
「レオナ先輩!こっちです!この前ここ通った時に見たお店のマネキンが着てる服がすごく好きな感じでして··········って、フロイド先輩?」
─海に神っていねぇんだね。マジ最悪。
「ほぉ、相変わらずお盛んなガキだな。そんなんだからコイツにフラれんだよ。ちったぁ、学べ」
「レ、レオナ先輩!も、もぉ関係ないですから!」
「ち、違うんだって小エビちゃん!オレ、本気で小エビちゃんが好きで·····」
「止めてください!!」
伸ばしてきたフロイドの手をぴしゃりと叩く。フロイドの隣にいた女は可哀想!!とフロイドの手を撫でながらユウを睨みつけた。
「フロイド先輩と私は関係ありませんので、交友関係を楽しんでくださっていいんです。レオナ先輩·····」
「何だ?こいつ今度こそ砂にするか?」
「レオナ先輩の大事な魔力は使いません。レオナ先輩、私と·····ホ、ホテル行きましょ!だ、だ、抱いてください!」
「「は?」」
「ほ、ほらぁ!いつもすごく優しくしてくれるじゃないですか!私、今そんな気分です」
急に何を言いだしたのかとレオナは眉をひそめていると、握ってきた指先は小さく震えていた。
─あぁ、そういう事か。
レオナは握られていた指を絡みつくように握り直し、フロイドに見せつけるようにユウの手の甲にキスをする。
「俺は紳士だからな、いつもこいつを丁寧に可愛がってやってる。あぁ、フロイドはこいつの体を知らねぇんだっけ?そこのあばずれより余っ程いいのに可哀想なこった!」
「··········すんげぇ、気分が悪い。超絶最悪。小エビちゃん、本気でこのトドに抱かれたの?」
悲しみの表情というより怒りに近い睨み。
浮気して怒らせたのはフロイドの方なのに何故か自分が悪者にされているようでユウはふつふつと怒りが湧いてくる。
「えぇ、そうですよ!本能か何だか知りませんが浮気ばかりするフロイド先輩よりレオナ先輩の方がずーっと素敵です!」
「へぇー言うじゃん。オレは浮気してるつもりなかったし、小エビちゃんしかずっと好きじゃないし」
「ほ、他の女の人と交わったら浮気なんです!誰が好き好んで彼氏の浮気を喜ぶんですか!!私がどれだけ我慢して、どれだけ悲しくて、どれだけ·····どれだけフロイド先輩が好きだったかなんて知らないくせに!!!」
馬鹿!!と捨て台詞を残し、ユウはレオナの手を引っ張ってその場を後にする。
週末の賑やかな街が修羅場と一変してしまい、巻き添い食らったのは周りの人々。
「何、あのヒステリックな子ぉ。フロイド~、もう行こうよ」
「·····け」
「え、聞こえないよ?」
「あっち行けっつってんの。お前、邪魔」
完全に邪魔者扱いされた女は文句を言いながらフロイドの目の前からいなくなる。
はぁぁぁぁと長いため息を付きながらフロイドは道の真ん中でしゃがみ頭を抱えた。
本日快晴、絶好のお出かけ日和。
麓の街は週末とあって賑やかで普段よりも若い人たちの姿や家族連れが目立つ。
「へぇ、週末の麓の街って割と賑やかじゃん。週末のオフ久しぶりだから新鮮~」
前のキャンプで買ったバッグからスマホを取り出して街の風景を撮影する。何気ない日常というのはとても大切で誰かに共有したいもの。ユウに送ろうかと思ったけども、またウザがられてしまうのも切ない。
少し前なら何も考えずに送っていたはずなのに、いつの間にかユウに対して遠慮がちになった。
「しつこくして嫌いって言われたら立ち直れねぇ~」
ファッション街。隣には誰もいないのにユウなら何が好きだろうとか、この色は小エビちゃんぽい!と店外からちらりと見えるマネキンの服を眺める。
試着させてもユウは強請ることをしないから勝手に買ってやって、自分の選んだ服を着させて隣でちょこちょことユウは歩く。
「あ~めっちゃいいじゃん。超可愛いし、マジ好き~·····」
「へぇ、フロイドってあんな感じの服の子が好きなんだ。以外~!」
「··········あんた誰?」
「ひっど!!この前一緒にパルクールしたじゃん!その後も仲良しした深ぁい仲でしょ?ふふっ」
「あぁ。そんな事もあったな」
「最近全然遊んでくれなくて寂しかったよ?連絡しても返事ないし。フロイドに会えるかなぁと思ってここに来たの正解だったね!やっぱ何かと相性がいいんだよ!」
「ふぅん。どうでもいいし、興味ねー·····」
「ねぇねぇ、折角だからデートしよ?あんま元気なさそうだし、私と楽しいことして忘れよ!ね?」
許可していないのに腕に絡みつき、思いのほかしっかり掴んでいるようで離せない。
そして久しぶりのメスの感覚にフロイドはくらりとする。あんなに取っかえ引っ変えと遊んでいた日々から今日まで随分経った。
見たい訳でもないのに自然と胸元に目線を飛ばしてしまうのはオスの本能か。
─小エビちゃんはもうオレんとこに戻ってこないのかな。トド先輩と幸せそーだもんね。
「フロイド~行こ?今日、えっちな下着着てきたんだぁ」
─もう、いっか·····久しぶりにメスと遊ぼかな。
「あー、うん。いいけど。行くならさっさとしてよ」
「やったぁ!!」
肩を組むようにフロイドは抱き寄せる。
身長も違う、匂いも違う。
メイクもこんなに濃くなくて、髪の毛だって自然だ。
それなのにオスとして惚れてもいないメスを抱けてしまう。
─小エビちゃんにフラれた原因はコレなのに。こんなとこ小エビちゃんに見られたら完全終わりなのになぁ。
「レオナ先輩!こっちです!この前ここ通った時に見たお店のマネキンが着てる服がすごく好きな感じでして··········って、フロイド先輩?」
─海に神っていねぇんだね。マジ最悪。
「ほぉ、相変わらずお盛んなガキだな。そんなんだからコイツにフラれんだよ。ちったぁ、学べ」
「レ、レオナ先輩!も、もぉ関係ないですから!」
「ち、違うんだって小エビちゃん!オレ、本気で小エビちゃんが好きで·····」
「止めてください!!」
伸ばしてきたフロイドの手をぴしゃりと叩く。フロイドの隣にいた女は可哀想!!とフロイドの手を撫でながらユウを睨みつけた。
「フロイド先輩と私は関係ありませんので、交友関係を楽しんでくださっていいんです。レオナ先輩·····」
「何だ?こいつ今度こそ砂にするか?」
「レオナ先輩の大事な魔力は使いません。レオナ先輩、私と·····ホ、ホテル行きましょ!だ、だ、抱いてください!」
「「は?」」
「ほ、ほらぁ!いつもすごく優しくしてくれるじゃないですか!私、今そんな気分です」
急に何を言いだしたのかとレオナは眉をひそめていると、握ってきた指先は小さく震えていた。
─あぁ、そういう事か。
レオナは握られていた指を絡みつくように握り直し、フロイドに見せつけるようにユウの手の甲にキスをする。
「俺は紳士だからな、いつもこいつを丁寧に可愛がってやってる。あぁ、フロイドはこいつの体を知らねぇんだっけ?そこのあばずれより余っ程いいのに可哀想なこった!」
「··········すんげぇ、気分が悪い。超絶最悪。小エビちゃん、本気でこのトドに抱かれたの?」
悲しみの表情というより怒りに近い睨み。
浮気して怒らせたのはフロイドの方なのに何故か自分が悪者にされているようでユウはふつふつと怒りが湧いてくる。
「えぇ、そうですよ!本能か何だか知りませんが浮気ばかりするフロイド先輩よりレオナ先輩の方がずーっと素敵です!」
「へぇー言うじゃん。オレは浮気してるつもりなかったし、小エビちゃんしかずっと好きじゃないし」
「ほ、他の女の人と交わったら浮気なんです!誰が好き好んで彼氏の浮気を喜ぶんですか!!私がどれだけ我慢して、どれだけ悲しくて、どれだけ·····どれだけフロイド先輩が好きだったかなんて知らないくせに!!!」
馬鹿!!と捨て台詞を残し、ユウはレオナの手を引っ張ってその場を後にする。
週末の賑やかな街が修羅場と一変してしまい、巻き添い食らったのは周りの人々。
「何、あのヒステリックな子ぉ。フロイド~、もう行こうよ」
「·····け」
「え、聞こえないよ?」
「あっち行けっつってんの。お前、邪魔」
完全に邪魔者扱いされた女は文句を言いながらフロイドの目の前からいなくなる。
はぁぁぁぁと長いため息を付きながらフロイドは道の真ん中でしゃがみ頭を抱えた。