短編集*ハイキュー
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及川さんはイケメンと言われている。
大半の理由としては顔が良いから。
だけど、それだけじゃないと私は思っている。
バレー部の試合を見た時。
様々な選手に声をかけて、アドバイスをしていた及川さん。
人をよく見ているなぁと思った。
廊下ですれ違った時に聞こえた。
日直の人が仕事を忘れていたのを、代わりにやって軽く注意をしていた及川さん。
さりげない優しさを持ってるなぁと思った。
そんなわけで、及川さんは顔がいいだけじゃなくて、心までイケメンなんじゃないのかと思った。
まぁ、岩泉さんはうんこ野郎とか性格が悪いとか言っているけど。
及川さんファンの女の子にとっては、そう思うわけで。
……彼女の私は嫉妬するワケで。
2年生の私はバレー部のマネージャー…では無く、帰宅部で生徒会役員をしている。
帰る時間は帰宅部とはいえ生徒会の仕事があるため及川さんとほぼ同じぐらい。
だから、一緒に帰る約束をしていた。
待ち合わせしている校門前へと急ぎ足で向かうと、及川さんが校門に持たれて立っていた。
待たせて悪いなと思って足を早く進める。
すると及川さんはこっちに気づいて、ファンの子たちにむけるような、爽やかな笑顔で手を振ってきた。
みんなと同じって言うのはまた悔しい気もするけど、一緒に帰れることは特別なので気持ちを抑える。
「すみません、待たせましたか?」
少し息を整えながら言う。
「俺もさっき来た所だから、大丈夫だよ?まぁでも岩ちゃん先行っちゃったし遅いから、早く帰ろっか。」
そう言って手を差し伸べる及川さん。
付き合って暫くするがこの行為にはまだなれなくて、そっと手をちかづける。
すると、待ちきれないのか及川さんは私の手を引くように握ってきた。
「まだ緊張してるの?手を繋ぐの。
もうそろそろ慣れて欲しいなぁ、なんか俺ばっかりって感じで悲しいんだけどなぁ?」
「うう…もう少し時間をください…」
うつむいてそう言うと、及川さんは、んもう、しょうがないなぁと、よりいっそう強く握り直し、
私の額にキスを落とした。
「…え、っ!?」
私が繋いでいない方の手で額を覆うと、及川さんは顔真っ赤だねと笑って歩き出した。
そして、少しの沈黙の後、口を開いた。
「…最近さ。れえあちゃん不機嫌なの?
移動教室の時とかすれ違う時、俺のこと睨んでない?」
「…え?そんなことないですよ?」
そんなことは無い。及川さんを睨んだりはしない。が。
及川さんの周りにいる女子を少し睨んでいたりはする。
私の及川さんなのになぁ。と。
やっぱりよく見ているんだ及川さんは。
バレー部の部員だけじゃなくて、私も。
「なんかしたっけ?やっぱり、部活ばっかで一緒にいる時間が短いとか不満に思ってる?」
それで、元カノと破局したんだよね。と。
元カノの話を出されるのは少し腹立たしいがそれは置いておいて。
「そんなこと!思わないですよっ!」
私がいつもより声を荒らげるから、少し驚いた表情を見せる。
勢いに任せ口からポロリと本音が出てきてしまいそう。
「ただ…ただ、私は、ちょっとヤキモチ焼いてるだけなんですよ!?」
……出てきてしまった。
「……え、ヤキモチ?」
及川さんはよく見ている。
人のこと、選手のこと、私のこと。
だけど、人の表情には鋭いくせして。
恋愛関係には鈍感らしい。
「~~ッ!
そうだったんだ、ヤキモチ…
もしかして周りにいた子たちとかに?」
「うっ、そうですよ…及川さんかっこいいし優しいし素敵な人だからぁ…」
少し涙声になりながらぼぞぼそと言う。
握ってい手を少し強く握ると、相手の手は力なく落ちていきそうになった。
「れえあちゃ…ッ!
ほんッと可愛いなぁもうっ!」
人道らはが少なくてよかったと思う。
いきなり抱きつかれ私は慌てふためく。
及川さんも心做しか肌を赤く染めていた。
私はその倍以上に赤くなっていたけど。
「バレー優先しても文句なんて言わないし飽きられちゃってるかな、とか思ってた。
けど、そんなことなくて、さらに可愛いこと言うんだもん。俺本当にれえあちゃんが好きだ…」
「え、えぇ!?ま、まって、及川さっ、心臓飛び出そうっ」
及川さんの胸におでこが当たり、ふわりと汗との洗剤の匂いが混ざって甘ったるい気分になる。
心を落ち着かせようと黙ってみれば、及川さんの鼓動が少し早く聞こえる。
後頭部と背中に回された腕にこたえるように、そっと背中に腕を回すと。
さらに強く、大切に抱きしめられた。
「……すき、すき。だいすき。」
「~ッ、わたしも、すきですっ…!」
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