夢の続きを、二人で。
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「ななし。
顔を見せて欲しいのだ」
下を向いている私に、
より一層優しい声が届く。
ゆっくり顔を上げると
お面を外した井宿と目が合った。
それだけで、
心臓がまた煩くなる。
「その夢と言うのは……
オイラが何人もいる、とかなのだ?」
その言葉に固まってしまった。
「ははっ、
なんで知ってるのって顔をしているのだ」
そう言って井宿は笑う。
だって、だって。なんで知ってるの?
私の夢の話だよ?
「夢かもしれない、とは
確かにオイラも言ったのだ」
「……え?」
「でも、夢じゃないのだ」
どういうこと?
井宿は、何を言っているの?
「昨夜、翼宿と柳宿が飲んでいた物を
一緒に飲んだだろう?」
「……うん」
「実は酒だったらしいのだ。
それで君は酔っ払ったのだよ」
「お酒!?」
あれお酒だったの!?
「翼宿も柳宿も、知らなかったのだ。
君達にはお酒を飲める年齢があることを」
まぁオイラもだけど、と
自身の頬を人差し指で掻きながら言う。
「君が夢だと思っているなら、
その方が良いかもしれないと思って。
オイラこそ、
嘘ついてごめんなさいなのだ」
「え、井宿が謝る必要ないよ……!
嘘ついたなんて
私を思ってのこと、なんでしょう?」
お酒を飲んじゃったことを
私が知らずに済むように。
私が悩まずに済むように。
「うん。今はこの世界に居るのだから
関係ないと言ったとしても、
君は絶対気にすると思ったのだ」
井宿の手が伸びてきて
私の頭を撫でた。
大きくて優しいこの手が、すき。
「ところで……
昨日のことは全部、覚えてるのだ?」
井宿が気まずそうな表情で口を開く。
「え……っと……」
ようやく落ち着いてきた顔に
思い出して再び熱が集まってくる。
「全部、覚えてるのだね……」
私の様子を見て察した井宿は
小さなため息を漏らした。
「オイラは、夢だから言った訳じゃない。
ななし、君と一緒に居たいし
もっとたくさん触れたいと思っているのだ」
頭を撫でていた手が
私の頬を包む。
「現実でも、引かないでくれるのだ?」
真っ直ぐな瞳から
目を逸らしたくなるのに、逸らせない。
私はこくりと頷いた。
それを見た井宿が
嬉しそうに優しく笑った。
「良かった……」
抱き寄せられて
井宿の声が耳元で聞こえる。
これ以上ないという程
顔が熱くなった。
「ななし、大好き、なのだ」
そんな甘い言葉の後に
甘い甘いキスが降ってきた。
両手で頬を包まれ
何度も、何度も。
「私も、大好き」
そう伝えると
「……知ってるのだ」
という言葉と
再び甘いキスが返ってきた。
甘い夢の続きは、
あなたと二人で見よう。
これからも
ずっと、ずっと。
→あとがき
顔を見せて欲しいのだ」
下を向いている私に、
より一層優しい声が届く。
ゆっくり顔を上げると
お面を外した井宿と目が合った。
それだけで、
心臓がまた煩くなる。
「その夢と言うのは……
オイラが何人もいる、とかなのだ?」
その言葉に固まってしまった。
「ははっ、
なんで知ってるのって顔をしているのだ」
そう言って井宿は笑う。
だって、だって。なんで知ってるの?
私の夢の話だよ?
「夢かもしれない、とは
確かにオイラも言ったのだ」
「……え?」
「でも、夢じゃないのだ」
どういうこと?
井宿は、何を言っているの?
「昨夜、翼宿と柳宿が飲んでいた物を
一緒に飲んだだろう?」
「……うん」
「実は酒だったらしいのだ。
それで君は酔っ払ったのだよ」
「お酒!?」
あれお酒だったの!?
「翼宿も柳宿も、知らなかったのだ。
君達にはお酒を飲める年齢があることを」
まぁオイラもだけど、と
自身の頬を人差し指で掻きながら言う。
「君が夢だと思っているなら、
その方が良いかもしれないと思って。
オイラこそ、
嘘ついてごめんなさいなのだ」
「え、井宿が謝る必要ないよ……!
嘘ついたなんて
私を思ってのこと、なんでしょう?」
お酒を飲んじゃったことを
私が知らずに済むように。
私が悩まずに済むように。
「うん。今はこの世界に居るのだから
関係ないと言ったとしても、
君は絶対気にすると思ったのだ」
井宿の手が伸びてきて
私の頭を撫でた。
大きくて優しいこの手が、すき。
「ところで……
昨日のことは全部、覚えてるのだ?」
井宿が気まずそうな表情で口を開く。
「え……っと……」
ようやく落ち着いてきた顔に
思い出して再び熱が集まってくる。
「全部、覚えてるのだね……」
私の様子を見て察した井宿は
小さなため息を漏らした。
「オイラは、夢だから言った訳じゃない。
ななし、君と一緒に居たいし
もっとたくさん触れたいと思っているのだ」
頭を撫でていた手が
私の頬を包む。
「現実でも、引かないでくれるのだ?」
真っ直ぐな瞳から
目を逸らしたくなるのに、逸らせない。
私はこくりと頷いた。
それを見た井宿が
嬉しそうに優しく笑った。
「良かった……」
抱き寄せられて
井宿の声が耳元で聞こえる。
これ以上ないという程
顔が熱くなった。
「ななし、大好き、なのだ」
そんな甘い言葉の後に
甘い甘いキスが降ってきた。
両手で頬を包まれ
何度も、何度も。
「私も、大好き」
そう伝えると
「……知ってるのだ」
という言葉と
再び甘いキスが返ってきた。
甘い夢の続きは、
あなたと二人で見よう。
これからも
ずっと、ずっと。
→あとがき