聖なる夜に、口付けを。~彼ver.~
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言葉が返ってくることがないまま
しんとした時間が流れた。
オイラには言いたくないのかもしれない。
しつこいと思われるかもしれない。
そう頭を過っても
ここを離れることは出来なかった。
「悲しいことがあったのだ?
それともどこか痛いのだ?
……誰かに何かされたのだ?」
涙の理由を尋ねてみる。
あの場所で何かが起きたのか、
美朱ちゃんの部屋の前だからといって
彼女が何かしただなんて
思ってもいないのだけれど。
そこまで聞けば
優しい君は、何か返してくれるだろうと。
オイラは狡いな。
「井宿……ありがとう。
でも、私は大丈夫だから」
きっと最大限の明るい声なのだろう。
いつものような、君の声。
「側に居たい人のところへ行って?」
続けられた言葉に
少しだけ期待してしまう。
「ななしちゃん」
それはつまり、
側に居たいのは自分じゃないのだから
そう思う人のところへ行けと。
わざわざそんなことを言うなんて、
と自惚れてしまいそうだ。
「そしたらやっぱり
ここを開けてもらわないといけないのだ」
コツン、と扉を叩いた。
「側に居たい人のところへ行け、
と言ったのは君なのだ。
オイラが側に居たいと思うのは
ななしちゃん、君なのだ」
「へっ?」
少し間抜けな声が聞こえて、
口元が緩みそうになる。
自惚れるな、そう思っても
心拍数は増していく。
「とりあえず開けてくれるのだ?」
顔を見て話がしたい。
術を使うことも出来なくはないが
それはしたくなかった。
そして今なら、開けてくれる気がした。
しんとした時間が流れた。
オイラには言いたくないのかもしれない。
しつこいと思われるかもしれない。
そう頭を過っても
ここを離れることは出来なかった。
「悲しいことがあったのだ?
それともどこか痛いのだ?
……誰かに何かされたのだ?」
涙の理由を尋ねてみる。
あの場所で何かが起きたのか、
美朱ちゃんの部屋の前だからといって
彼女が何かしただなんて
思ってもいないのだけれど。
そこまで聞けば
優しい君は、何か返してくれるだろうと。
オイラは狡いな。
「井宿……ありがとう。
でも、私は大丈夫だから」
きっと最大限の明るい声なのだろう。
いつものような、君の声。
「側に居たい人のところへ行って?」
続けられた言葉に
少しだけ期待してしまう。
「ななしちゃん」
それはつまり、
側に居たいのは自分じゃないのだから
そう思う人のところへ行けと。
わざわざそんなことを言うなんて、
と自惚れてしまいそうだ。
「そしたらやっぱり
ここを開けてもらわないといけないのだ」
コツン、と扉を叩いた。
「側に居たい人のところへ行け、
と言ったのは君なのだ。
オイラが側に居たいと思うのは
ななしちゃん、君なのだ」
「へっ?」
少し間抜けな声が聞こえて、
口元が緩みそうになる。
自惚れるな、そう思っても
心拍数は増していく。
「とりあえず開けてくれるのだ?」
顔を見て話がしたい。
術を使うことも出来なくはないが
それはしたくなかった。
そして今なら、開けてくれる気がした。