良薬は、
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こくん。
触れた井宿の口から
水が私の口に入ってきて
苦い薬を喉の奥へと連れていった。
え、何、今の?
熱が高いのもあって
急なことに頭がついていかず、
私の思考は停止した。
「ななし?
そんなに苦かったのだ!?」
大丈夫なのだ!?
慌てた顔で井宿が私の両肩を掴む。
「え、と……苦かったけど
そんなに、苦くはなかった、かも」
潤された喉が掠れた声を少し和らげて
あなたへの言葉を届けた。
停止した思考が動き出して、
苦味を忘れそうになった出来事を
ようやく理解する。
顔から火が出そうだ。
恥ずかしくて俯いていると
あなたはまた私の頬に手を伸ばして
視線を合わせるよう顔を上げた。
「さっきより顔が赤いのだ!
熱が上がってしまったのだ!?」
心配そうに眉を下げる井宿。
なんでなのか、わからないのね?
「井宿のせい、だよ……?
井宿まで、風邪、ひかないでね」
「!!」
私の言葉で真っ赤になる井宿を見て
この人が愛しくて仕方がない、と思った。
「ななしが辛そうだったから
なんとかしてあげたくて、
そう思ったらあんなことしてたのだっ
申し訳ないのだっ」
井宿の方が熱あるんじゃないか?
と思うような顔で
必死に謝罪をしてくる。
なんて可愛い人なのだろう。
「苦くなかったの、井宿のおかげ、だから
謝らないで、ほしいな。」
「ななし……」
それだけ、想ってくれてるんだね。
私のこと、想ってくれてるんだね。
「井宿が、風邪、引いたら
私が看病、してあげるから、ね」
そう言って笑うと
お願いするのだ、と笑い返した。
良薬は口に苦しというけれど。
苦い薬でも井宿がいてくれれば
悪くないかもしれないな、なんて。
軫宿に言ったら怒られるかな?
あとがき→
触れた井宿の口から
水が私の口に入ってきて
苦い薬を喉の奥へと連れていった。
え、何、今の?
熱が高いのもあって
急なことに頭がついていかず、
私の思考は停止した。
「ななし?
そんなに苦かったのだ!?」
大丈夫なのだ!?
慌てた顔で井宿が私の両肩を掴む。
「え、と……苦かったけど
そんなに、苦くはなかった、かも」
潤された喉が掠れた声を少し和らげて
あなたへの言葉を届けた。
停止した思考が動き出して、
苦味を忘れそうになった出来事を
ようやく理解する。
顔から火が出そうだ。
恥ずかしくて俯いていると
あなたはまた私の頬に手を伸ばして
視線を合わせるよう顔を上げた。
「さっきより顔が赤いのだ!
熱が上がってしまったのだ!?」
心配そうに眉を下げる井宿。
なんでなのか、わからないのね?
「井宿のせい、だよ……?
井宿まで、風邪、ひかないでね」
「!!」
私の言葉で真っ赤になる井宿を見て
この人が愛しくて仕方がない、と思った。
「ななしが辛そうだったから
なんとかしてあげたくて、
そう思ったらあんなことしてたのだっ
申し訳ないのだっ」
井宿の方が熱あるんじゃないか?
と思うような顔で
必死に謝罪をしてくる。
なんて可愛い人なのだろう。
「苦くなかったの、井宿のおかげ、だから
謝らないで、ほしいな。」
「ななし……」
それだけ、想ってくれてるんだね。
私のこと、想ってくれてるんだね。
「井宿が、風邪、引いたら
私が看病、してあげるから、ね」
そう言って笑うと
お願いするのだ、と笑い返した。
良薬は口に苦しというけれど。
苦い薬でも井宿がいてくれれば
悪くないかもしれないな、なんて。
軫宿に言ったら怒られるかな?
あとがき→