良薬は、
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「やはりまだ高いな……」
おでこに乗せられた手のひらは
大きくてあたたかい。
「いま薬を持ってきてやるから」
おでこから温度がなくなったと思うと
よしよしと頭を撫でられた。
「ごめんね……軫宿……」
部屋を出ていく大きな背中に
掠れた声で謝った。
「井宿も……ごめん」
寝台に横たわる私を
心配そうに見ているあなたにも
精一杯の声を出す。
「ななし、無理に喋らなくていいのだ。
それに、謝るのはオイラの方なのだ。」
申し訳なさそうに井宿は言った。
昨日は井宿と街へ出かけていた。
久々のデートを終えた帰り道
宮廷まであと少し、というところで
急な雨に打たれてしまった。
普段はその程度で風邪など引かないが
寝不足気味だったせいか
喉をやられて、熱が出ていた。
「オイラが付いていながら
君をこんな目に遭わせてしまって……
本当に情けないのだ」
とても辛そうな顔をした井宿が、
私の頬に手を添えて言う。
「そんなこと、ない……
風邪、引いたのは、私のせい、だから
そんな、顔、しないで?」
井宿の手を握り
途切れ途切れの言葉で伝えた。
あなたにそんな顔させてる
私の方が情けないよ。
あなたが辛い顔をしているのが辛い。
おでこに乗せられた手のひらは
大きくてあたたかい。
「いま薬を持ってきてやるから」
おでこから温度がなくなったと思うと
よしよしと頭を撫でられた。
「ごめんね……軫宿……」
部屋を出ていく大きな背中に
掠れた声で謝った。
「井宿も……ごめん」
寝台に横たわる私を
心配そうに見ているあなたにも
精一杯の声を出す。
「ななし、無理に喋らなくていいのだ。
それに、謝るのはオイラの方なのだ。」
申し訳なさそうに井宿は言った。
昨日は井宿と街へ出かけていた。
久々のデートを終えた帰り道
宮廷まであと少し、というところで
急な雨に打たれてしまった。
普段はその程度で風邪など引かないが
寝不足気味だったせいか
喉をやられて、熱が出ていた。
「オイラが付いていながら
君をこんな目に遭わせてしまって……
本当に情けないのだ」
とても辛そうな顔をした井宿が、
私の頬に手を添えて言う。
「そんなこと、ない……
風邪、引いたのは、私のせい、だから
そんな、顔、しないで?」
井宿の手を握り
途切れ途切れの言葉で伝えた。
あなたにそんな顔させてる
私の方が情けないよ。
あなたが辛い顔をしているのが辛い。