幸せを感じる瞬間
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幸せとはこういうことを言うのだと
改めて思うことが増えた。
それはいつも隣にいてくれる
君のおかげ、なのだ。
もう23時を過ぎたというのに
彼女はこたつで蜜柑を食べていた。
普段なら絶対に、
太るし胃がもたれる!なんて言って
物を口にしない時間だ。
それが普段通りにいかないのは
今日が12月31日だからなのだろう。
「この時間に物を食べているのは
とても珍しいのだ」
そう言ってななしの向かいに座り
こたつに足を入れる。
「うん……手持ちぶさたってやつかな」
苦笑いして、
またひとつ蜜柑を口に含んだ。
「そんな君にお茶でも」
揃いで買った色違いのカップの
ピンク色の方を差し出す。
「わ!ありがとう」
テレビに夢中だったのか
オイラが台所で茶を淹れていることに
気付いていなかったようで、
少し驚きながらカップを受け取った。
「こたつに蜜柑にお茶、そして芳准。
まさにここは天国ですね」
えへへ、と笑って茶を啜る君。
「オイラも同じことを考えてたのだ。
これを幸せと言うのだろうね」
そしてオイラも茶を啜った。
「~~~~~っ!!」
彼女の顔が急に赤くなったものだから、
どうしたのか問いかけてみれば。
「何いまの笑顔!かっこよすぎでしょ!
ねぇ、芳准。も、もう一回!!」
なんて携帯を構えてくるから
なんだかこちらが恥ずかしくなった。
けど。
「ここは天国と言ったななしも
かなり可愛かったのだが……
もう一度笑って見せてくれるのだ?」
負けじとオイラも携帯を構えた。
オイラの言葉に照れてしまったのか
彼女は固まってしまった。
赤く染まっていた頬は
更に赤みを帯びた気がする。
「はは、照れてる君も可愛いな」
パシャリ。カメラのシャッターを切る。
「うぇっ、いま撮ったの!?
ちょっと消してよー」
こたつから出てこちらに来たななしが
オイラの携帯を取ろうとする。
近づいた身体から
ふわり、石鹸の香りがして。
ああ、オイラと同じ香りがする、
なんて思った瞬間に
つい抱き締めてしまった。
「ちょ、芳准っ……」
いきなりずるい、と睨むように言うけど
ただの上目づかいでしかなくて。
なんというか、君の方がずるいと思う。
「はは、」
「え、何……?」
「やっぱり、すごく幸せだなと思って。
君がいてくれるだけで」
そう言って額に口付けを落とす。
「うん……私もすごく幸せだよ。
あなたが、いてくれるから」
口付けの返事のように
ななしは抱きついてきた。
こんな日常が、大切で
オイラにとっての幸せなのだ。
君にとってもそうであってほしい、
その思いは通じていて。
それがまた幸せだと思った。
「ななし、来年も、再来年も、
ずっとずっとよろしくお願いしますなのだ」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
そう笑う君を
もっと抱き締めていたかったけれど。
「隙あり!」
と携帯を奪われてしまい
叶わなかった。
新しい年を迎えたら
また強く君を抱き締めよう。
この幸せを噛みしめるように。
→あとがき
改めて思うことが増えた。
それはいつも隣にいてくれる
君のおかげ、なのだ。
もう23時を過ぎたというのに
彼女はこたつで蜜柑を食べていた。
普段なら絶対に、
太るし胃がもたれる!なんて言って
物を口にしない時間だ。
それが普段通りにいかないのは
今日が12月31日だからなのだろう。
「この時間に物を食べているのは
とても珍しいのだ」
そう言ってななしの向かいに座り
こたつに足を入れる。
「うん……手持ちぶさたってやつかな」
苦笑いして、
またひとつ蜜柑を口に含んだ。
「そんな君にお茶でも」
揃いで買った色違いのカップの
ピンク色の方を差し出す。
「わ!ありがとう」
テレビに夢中だったのか
オイラが台所で茶を淹れていることに
気付いていなかったようで、
少し驚きながらカップを受け取った。
「こたつに蜜柑にお茶、そして芳准。
まさにここは天国ですね」
えへへ、と笑って茶を啜る君。
「オイラも同じことを考えてたのだ。
これを幸せと言うのだろうね」
そしてオイラも茶を啜った。
「~~~~~っ!!」
彼女の顔が急に赤くなったものだから、
どうしたのか問いかけてみれば。
「何いまの笑顔!かっこよすぎでしょ!
ねぇ、芳准。も、もう一回!!」
なんて携帯を構えてくるから
なんだかこちらが恥ずかしくなった。
けど。
「ここは天国と言ったななしも
かなり可愛かったのだが……
もう一度笑って見せてくれるのだ?」
負けじとオイラも携帯を構えた。
オイラの言葉に照れてしまったのか
彼女は固まってしまった。
赤く染まっていた頬は
更に赤みを帯びた気がする。
「はは、照れてる君も可愛いな」
パシャリ。カメラのシャッターを切る。
「うぇっ、いま撮ったの!?
ちょっと消してよー」
こたつから出てこちらに来たななしが
オイラの携帯を取ろうとする。
近づいた身体から
ふわり、石鹸の香りがして。
ああ、オイラと同じ香りがする、
なんて思った瞬間に
つい抱き締めてしまった。
「ちょ、芳准っ……」
いきなりずるい、と睨むように言うけど
ただの上目づかいでしかなくて。
なんというか、君の方がずるいと思う。
「はは、」
「え、何……?」
「やっぱり、すごく幸せだなと思って。
君がいてくれるだけで」
そう言って額に口付けを落とす。
「うん……私もすごく幸せだよ。
あなたが、いてくれるから」
口付けの返事のように
ななしは抱きついてきた。
こんな日常が、大切で
オイラにとっての幸せなのだ。
君にとってもそうであってほしい、
その思いは通じていて。
それがまた幸せだと思った。
「ななし、来年も、再来年も、
ずっとずっとよろしくお願いしますなのだ」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
そう笑う君を
もっと抱き締めていたかったけれど。
「隙あり!」
と携帯を奪われてしまい
叶わなかった。
新しい年を迎えたら
また強く君を抱き締めよう。
この幸せを噛みしめるように。
→あとがき
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