新年早々風邪を引く。
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新しい年を迎え
街はピンと張ったような空気。
静かでどこか少し寂しくて……
でもとても清々しい、
そんな年始の空気が好き。
新たな気持ちで物事を始められる
そんな気がするんだ。
けれど。
年末の疲れが出たのか
年始早々に熱を出してしまったから。
新たな気持ちで……なんて
もはや考えている場合ではない。
「まだ苦しいのだ?」
額に貼られた熱冷ましのシートに
そっと乗せられた手のひら。
その重みでシートの冷気が伝わり
気持ちがいい。
「うん……でもだいぶ楽になったよ。
芳准のおかげ。ありがとう」
身体は怠いし、頭も痛い。
この感じだと熱はまだあるだろう。
それでもだいぶ楽になったのは
間違いなく芳准のおかげ。
看病してくれているのは勿論、
側に居てくれるだけでも安心するんだ。
「芳准、移っちゃうから、もう……」
「大丈夫なのだ。
オイラ、身体だけは丈夫だから」
気にしないで、眠れるなら眠るのだ。
そう頭を撫でられると心地よくて
私はゆっくり瞼を閉じた。
「まったく、無理するからなのだ」
眠りについた彼女の頭を撫でながら
ぽつりと呟く。
いつだって君はそう。
他の人に頼ればいいことも、
うまく甘えられなくて
全部一人で抱え込もうとして。
結果的にこうやって皺寄せがくる。
「もっと力を抜いてもいいのに。
本当に、頑張りすぎなのだ」
感染防止のマスクをずらし、
君の頬に口づけた。
「まぁ……そんなななしだから、
オイラは好きなんだけど」
マスクを定位置に戻して
ベットの横に置いた椅子に腰掛ける。
無防備な寝顔。
スッピンが嫌だとかなんとか言ってたけど
オイラからすれば何も変わらない。
ずっとこの寝顔を見ていたいくらい
素顔の君が大好きなのだ。
けど。
襲いたくなっ……じゃなかった、
風邪をもらっても困るから
洗い物でもしてくることにしよう。
「早く元気になって、
早く抱き締めさせてほしいのだ」
そう言って頭を撫でれば
嬉しそうに笑う君。
「ななし、起きてるのだ?」
問いかけてみても
返ってくるのは規則的な寝息。
夢でも見ているのだろうか。
もしオイラが君を笑顔にしているのなら
これ以上嬉しいことはないけれど。
早く元気になってもらって
この手で君を思いきり抱き締めたい。
それがやっぱり一番嬉しいのだ。
離れがたい気持ちを抑えて、
彼女の寝室を出た。
さて、早く君が良くなるよう
オイラに出来ることを全部しよう。
元気になったら、
礼は君からのキスがいいかな。
恥ずかしいなんて拒否権はないのだ。
今から楽しみにしておこう。
→あとがき
街はピンと張ったような空気。
静かでどこか少し寂しくて……
でもとても清々しい、
そんな年始の空気が好き。
新たな気持ちで物事を始められる
そんな気がするんだ。
けれど。
年末の疲れが出たのか
年始早々に熱を出してしまったから。
新たな気持ちで……なんて
もはや考えている場合ではない。
「まだ苦しいのだ?」
額に貼られた熱冷ましのシートに
そっと乗せられた手のひら。
その重みでシートの冷気が伝わり
気持ちがいい。
「うん……でもだいぶ楽になったよ。
芳准のおかげ。ありがとう」
身体は怠いし、頭も痛い。
この感じだと熱はまだあるだろう。
それでもだいぶ楽になったのは
間違いなく芳准のおかげ。
看病してくれているのは勿論、
側に居てくれるだけでも安心するんだ。
「芳准、移っちゃうから、もう……」
「大丈夫なのだ。
オイラ、身体だけは丈夫だから」
気にしないで、眠れるなら眠るのだ。
そう頭を撫でられると心地よくて
私はゆっくり瞼を閉じた。
「まったく、無理するからなのだ」
眠りについた彼女の頭を撫でながら
ぽつりと呟く。
いつだって君はそう。
他の人に頼ればいいことも、
うまく甘えられなくて
全部一人で抱え込もうとして。
結果的にこうやって皺寄せがくる。
「もっと力を抜いてもいいのに。
本当に、頑張りすぎなのだ」
感染防止のマスクをずらし、
君の頬に口づけた。
「まぁ……そんなななしだから、
オイラは好きなんだけど」
マスクを定位置に戻して
ベットの横に置いた椅子に腰掛ける。
無防備な寝顔。
スッピンが嫌だとかなんとか言ってたけど
オイラからすれば何も変わらない。
ずっとこの寝顔を見ていたいくらい
素顔の君が大好きなのだ。
けど。
襲いたくなっ……じゃなかった、
風邪をもらっても困るから
洗い物でもしてくることにしよう。
「早く元気になって、
早く抱き締めさせてほしいのだ」
そう言って頭を撫でれば
嬉しそうに笑う君。
「ななし、起きてるのだ?」
問いかけてみても
返ってくるのは規則的な寝息。
夢でも見ているのだろうか。
もしオイラが君を笑顔にしているのなら
これ以上嬉しいことはないけれど。
早く元気になってもらって
この手で君を思いきり抱き締めたい。
それがやっぱり一番嬉しいのだ。
離れがたい気持ちを抑えて、
彼女の寝室を出た。
さて、早く君が良くなるよう
オイラに出来ることを全部しよう。
元気になったら、
礼は君からのキスがいいかな。
恥ずかしいなんて拒否権はないのだ。
今から楽しみにしておこう。
→あとがき
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