ねがいごと
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「願い続ければ、いつか叶う」
そんな言葉を聞いたのは
誰かの書いた物語の中だったか
誰かが作った歌だったか。
残念ながら記憶にはないけれど
信じ、願い続ければ
叶わないことなどないと言っていた。
そこに努力や人の助けだとか、
行動が伴わないといけないことでも
全て想いから始まるのだろう。
オイラはそんな解釈をしたのだ。
「あ、芳准!見て見て」
君と肩を並べ
手を繋いで歩くショッピングモール。
繋いでいるのと反対の手で、
君は前方を指差して言う。
その先には背の高い笹に、
吊るされた色とりどりの細長い紙。
室内に設けられたそれは
空調による風で静かになびいていた。
「短冊……ああ、そろそろ七夕か」
今は7月上旬。
数日後に七夕が控えていた。
とは言っても
家で笹を飾ることもしないし
短冊を書くこともない。
天気を気にすることも、
織姫と彦星が無事に会えるかなんてことも
気がつけば考えなくなった。
一体いつからだろう。
そんなオイラの思考を読んでか、
ななしは口を開く。
「確か去年は雨だったよね。
今年はちゃんと晴れて、
織姫と彦星が会えるといいね」
オイラを見て笑う君。
ああ、こういうところだ。
君の好きなところ。
笑顔そのものも、
純粋なモノの考え方も、
オイラの欠けている部分を
補ってくれるところも。
自分が自然体で居られる、
そんな君の隣。
日常のふとした瞬間
強くそう感じることがある。
そんなことを考えていたら……
何やらななしの様子がおかしい。
「どうしたのだ?」
と尋ねてみても。
「へっ……」
別に何でもないよ、と言うものの
そわそわしているように見える。
……あ、そうか。
「短冊、書くのだ?」
「え、いいの?」
オイラの言葉に
ななしの表情が明るくなる。
君が嬉しそうにしていると
オイラも嬉しいのだ。
「じゃあ、一緒に書こ」
ニコニコと笑う君に手を引かれて
短冊やペンが用意された台へと向かう。
書きたければ誰でも書けるらしい。
周りを見ると、カップルや学生など
数組が楽しそうにペンを走らせていた。
「はい、これ芳准の分」
そう言って渡された短冊は水色、
ななしが手にしているのはピンク。
恋人といえば、といった色。
それだけでも君は
とても嬉しそうにするんだ。
「ななしは何を書くか
もう決まっているのだ?」
「え。まぁ、うん」
「まぁオイラも決まってるのだ」
「ほんと?じゃ、書こ!」
その言葉を合図に
二人で願い事を書き始めた。
そんな言葉を聞いたのは
誰かの書いた物語の中だったか
誰かが作った歌だったか。
残念ながら記憶にはないけれど
信じ、願い続ければ
叶わないことなどないと言っていた。
そこに努力や人の助けだとか、
行動が伴わないといけないことでも
全て想いから始まるのだろう。
オイラはそんな解釈をしたのだ。
「あ、芳准!見て見て」
君と肩を並べ
手を繋いで歩くショッピングモール。
繋いでいるのと反対の手で、
君は前方を指差して言う。
その先には背の高い笹に、
吊るされた色とりどりの細長い紙。
室内に設けられたそれは
空調による風で静かになびいていた。
「短冊……ああ、そろそろ七夕か」
今は7月上旬。
数日後に七夕が控えていた。
とは言っても
家で笹を飾ることもしないし
短冊を書くこともない。
天気を気にすることも、
織姫と彦星が無事に会えるかなんてことも
気がつけば考えなくなった。
一体いつからだろう。
そんなオイラの思考を読んでか、
ななしは口を開く。
「確か去年は雨だったよね。
今年はちゃんと晴れて、
織姫と彦星が会えるといいね」
オイラを見て笑う君。
ああ、こういうところだ。
君の好きなところ。
笑顔そのものも、
純粋なモノの考え方も、
オイラの欠けている部分を
補ってくれるところも。
自分が自然体で居られる、
そんな君の隣。
日常のふとした瞬間
強くそう感じることがある。
そんなことを考えていたら……
何やらななしの様子がおかしい。
「どうしたのだ?」
と尋ねてみても。
「へっ……」
別に何でもないよ、と言うものの
そわそわしているように見える。
……あ、そうか。
「短冊、書くのだ?」
「え、いいの?」
オイラの言葉に
ななしの表情が明るくなる。
君が嬉しそうにしていると
オイラも嬉しいのだ。
「じゃあ、一緒に書こ」
ニコニコと笑う君に手を引かれて
短冊やペンが用意された台へと向かう。
書きたければ誰でも書けるらしい。
周りを見ると、カップルや学生など
数組が楽しそうにペンを走らせていた。
「はい、これ芳准の分」
そう言って渡された短冊は水色、
ななしが手にしているのはピンク。
恋人といえば、といった色。
それだけでも君は
とても嬉しそうにするんだ。
「ななしは何を書くか
もう決まっているのだ?」
「え。まぁ、うん」
「まぁオイラも決まってるのだ」
「ほんと?じゃ、書こ!」
その言葉を合図に
二人で願い事を書き始めた。
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