おめかしは誰の為に?
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「……ふ、情けない顔」
鏡に映る自分の姿を見て
思わず声が漏れた。
本当にあたしは
笑顔で見送れたのかしら。
星宿様となら絶対幸せになれる。
だから、あたしはそれを
ちゃんと応援してあげなくちゃ……
コンコン、
扉を叩く音がした。
「……どちら様?」
「……私。ななし」
聞き終わると同時に
あたしは慌てて扉を開いた。
そこには俯くななしの姿。
どうして――?
「どうしたのよ、星宿様のとこ……」
「柳宿。あのね……
私が好きなのは、星宿じゃないよ」
ぎゅっと両手を握り締め
呟くななし。
「え?」
星宿様じゃない……?
じゃあ一体誰だって言うの?
そんな疑問や、良かったなんて気持ちが
頭の中をぐるぐると巡っていた。
「ごめんね。違うって、言えなくて」
あたしを真っ直ぐ見て言う。
「柳宿が私を綺麗にしてくれるから
嬉しくて言い出せなくなっちゃって……」
「そんなの、何時だってやってあげるわよ」
だからそんな顔しないで頂戴。
見てられなくて、
この腕に閉じ込めたくなっちゃう。
「本当に嬉しかったの、すごく。
柳宿が私を見てくれて、触れてくれて」
「ななし、何言って……」
だってそれってなんだか――
「私、私ね、柳宿のことが「ダメっ!」
思わず大きな声を出して
ななしの言葉を止めてしまった。
「あ……ごめん」
謝罪の言葉を口にするななしは
今にも泣き出しそうな顔をしている。
「迷惑、だよね。
柳宿は星宿のことが好きなんだし、
それでも応援してくれたのに」
そう言って後退りする彼女の腕を引き
思いきり抱き締めた。
「違う、違うのよ」
「ぬ、りこ……?」
「星宿様のことは好きよ。
でもそれは仲間としてとか人としてなの。
そういう気持ちだってわかったのよ」
「……」
ななしはあたしの腕の中で
身動きもしなかった。
「嫌な思いさせてごめん……
でも、あたしに言わせて欲しかったの」
抱き締めていた腕を緩め身体を離し
ななしと向き合う。
彼女の瞳からは
今にも涙が溢れそうだ。
「あたし、あんたが好きよ」
「ほんと……?」
「ええ。本当よ。
あんたを泣かせたくなかったのに……ごめん」
そう言って再び
ななしを抱き締めた。
「これは嬉し泣きだから、いいの」
そうして背中に回される腕。
ぎゅっと抱き着いてきたななしに
思わず口元が緩む。
「お化粧、落ちちゃうわね」
そう言って笑えば。
「何時だってやってくれるんでしょ?」
あたしの顔を見上げて笑う。
まぁ確かにさっきはそう言ったけど。
「他の人に見せたくないから
あたしの前だけじゃないとダメよ」
わざと耳元で囁いたら
頬紅なんて無意味な程赤く染まった顔が
またあたしの口元を緩ませる。
綺麗になるのはあたしの前だけ。
あたしの前だけでいいの。
あんたのことを
更にこれだけ可愛くできるのは
あたしだけなんだから。
→あとがき
鏡に映る自分の姿を見て
思わず声が漏れた。
本当にあたしは
笑顔で見送れたのかしら。
星宿様となら絶対幸せになれる。
だから、あたしはそれを
ちゃんと応援してあげなくちゃ……
コンコン、
扉を叩く音がした。
「……どちら様?」
「……私。ななし」
聞き終わると同時に
あたしは慌てて扉を開いた。
そこには俯くななしの姿。
どうして――?
「どうしたのよ、星宿様のとこ……」
「柳宿。あのね……
私が好きなのは、星宿じゃないよ」
ぎゅっと両手を握り締め
呟くななし。
「え?」
星宿様じゃない……?
じゃあ一体誰だって言うの?
そんな疑問や、良かったなんて気持ちが
頭の中をぐるぐると巡っていた。
「ごめんね。違うって、言えなくて」
あたしを真っ直ぐ見て言う。
「柳宿が私を綺麗にしてくれるから
嬉しくて言い出せなくなっちゃって……」
「そんなの、何時だってやってあげるわよ」
だからそんな顔しないで頂戴。
見てられなくて、
この腕に閉じ込めたくなっちゃう。
「本当に嬉しかったの、すごく。
柳宿が私を見てくれて、触れてくれて」
「ななし、何言って……」
だってそれってなんだか――
「私、私ね、柳宿のことが「ダメっ!」
思わず大きな声を出して
ななしの言葉を止めてしまった。
「あ……ごめん」
謝罪の言葉を口にするななしは
今にも泣き出しそうな顔をしている。
「迷惑、だよね。
柳宿は星宿のことが好きなんだし、
それでも応援してくれたのに」
そう言って後退りする彼女の腕を引き
思いきり抱き締めた。
「違う、違うのよ」
「ぬ、りこ……?」
「星宿様のことは好きよ。
でもそれは仲間としてとか人としてなの。
そういう気持ちだってわかったのよ」
「……」
ななしはあたしの腕の中で
身動きもしなかった。
「嫌な思いさせてごめん……
でも、あたしに言わせて欲しかったの」
抱き締めていた腕を緩め身体を離し
ななしと向き合う。
彼女の瞳からは
今にも涙が溢れそうだ。
「あたし、あんたが好きよ」
「ほんと……?」
「ええ。本当よ。
あんたを泣かせたくなかったのに……ごめん」
そう言って再び
ななしを抱き締めた。
「これは嬉し泣きだから、いいの」
そうして背中に回される腕。
ぎゅっと抱き着いてきたななしに
思わず口元が緩む。
「お化粧、落ちちゃうわね」
そう言って笑えば。
「何時だってやってくれるんでしょ?」
あたしの顔を見上げて笑う。
まぁ確かにさっきはそう言ったけど。
「他の人に見せたくないから
あたしの前だけじゃないとダメよ」
わざと耳元で囁いたら
頬紅なんて無意味な程赤く染まった顔が
またあたしの口元を緩ませる。
綺麗になるのはあたしの前だけ。
あたしの前だけでいいの。
あんたのことを
更にこれだけ可愛くできるのは
あたしだけなんだから。
→あとがき