おめかしは誰の為に?
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「はい!出来たわよ。
ふふ、やっぱり似合うわね」
鏡越しに目が合った彼女は
頬を真っ赤に染め、
恥ずかしそうに俯いた。
その仕草も可愛いと思ってしまうのは
惚れた弱みってやつなのかしら?
あたしの腕がいいのもあるけど、
元がいいのがやっぱり一番の理由ね。
あんた今、とても綺麗よ。
……だけど
他の人のものになるのよね。
あたしの手でより綺麗になったのに、
すごく悔しいけど。
「ぬ、柳宿」
「ほら、行ってきなさい」
背中をぽんと押し
あたしはななしを送り出した。
「しあわせになるのよ……
星宿様と――」
その言葉は静かな部屋に消え
誰の耳にも届くことはなかった。
「ななし、好きな人がいるの!?」
「ちょ、声が大きいって」
美朱とななしが話すところに
たまたま通りかかってしまったのは、
昼食を終えた後のこと。
美朱の部屋の前で
そんな話が耳に入ってしまったから
気になって仕方がなかった。
「もしかして、七星士の中にいる?」
美朱が問う。
「……」
黙りこんでしまったななし。
つまり、図星ってこと?
「え、誰誰!?」
美朱の声量が上がり
ななしの声が聞こえない。
答えが気になるあまり
扉にもたれ掛かってしまった。
ら、
ばたん!と勢いよく扉が開いてしまい
あたしは床へと倒れこんだ。
「「柳宿!?」」
目を丸くした二人が
立ち上がってあたしを見ている。
「……オホホホホ」
「ねぇ、柳宿」
笑って誤魔化そうとしたあたしに
美朱が声を掛ける。
「ななしの好きな人って
誰だと思う?」
「ちょっと、美朱!」
一人慌てているななし。
そんな姿も可愛らしいわ……
じゃなくて。
あたしだって知りたいわよ、
ななしの想い人。
「えー、誰かしらぁー?」
パタパタと服を叩きながら起き上がり
ななしと美朱の元へ近付く。
黙りこむななし。
何かしら。
……そんなに言いにくいの?
「もしかして、
たまちゃんじゃないわよね?」
「「えっ」」
あたしの言葉に
二人揃って同じ反応をした。
「だって……言いにくそうにしてるから」
美朱の前だと言いにくいのかと。
そう続けて言えば。
「ち、違うよ!鬼宿じゃないから!」
ななしは美朱に向かって
必死に否定を繰り返した。
「わかった!わかったから落ち着いて」
美朱に両肩を掴まれ
ななしは椅子に座らされた。
「よかった、わかってもらえて」
安堵の表情を浮かべるななし。
ああ、やっぱり可愛い。
「でもさ」
美朱が話し始める。
「言いにくいっていうのが本当だったら――
もしかして、好きなのって星宿?」
……え?星宿様?
「な、なんで星宿様なのよ!」
あたしは思わず
美朱にずい、と詰め寄った。
だって相手が星宿様なんて
敵いっこない――
「えと、柳宿も星宿が好きでしょ?
だから言いにくいのかなって」
あたしの勢いに押された美朱が
目を逸らしながら言う。
あ、そういうこと。
だから言いにくいわけね。納得したわ。
じゃあななしは
本当に星宿様のことが……
「あの、柳宿。美朱」
「ななし!」
申し訳なさそうにあたし達を呼ぶ、
ななしの両手を握った。
「ぬりこっ……!?」
「わかったわ。
あんたと星宿様の為に、あんたのこと
綺麗にしてあげる」
赤く染まったななしの顔。
……星宿様の為だとそんな表情をするのね。
あたしはななしを自室へ連れ
より彼女の魅力が増す化粧を施した。
流石にあたしの服は大きすぎたから
似合いそうな髪飾りでその髪を纏め上げた。
そして笑顔で、
彼女の背中を見送ったの――
ふふ、やっぱり似合うわね」
鏡越しに目が合った彼女は
頬を真っ赤に染め、
恥ずかしそうに俯いた。
その仕草も可愛いと思ってしまうのは
惚れた弱みってやつなのかしら?
あたしの腕がいいのもあるけど、
元がいいのがやっぱり一番の理由ね。
あんた今、とても綺麗よ。
……だけど
他の人のものになるのよね。
あたしの手でより綺麗になったのに、
すごく悔しいけど。
「ぬ、柳宿」
「ほら、行ってきなさい」
背中をぽんと押し
あたしはななしを送り出した。
「しあわせになるのよ……
星宿様と――」
その言葉は静かな部屋に消え
誰の耳にも届くことはなかった。
「ななし、好きな人がいるの!?」
「ちょ、声が大きいって」
美朱とななしが話すところに
たまたま通りかかってしまったのは、
昼食を終えた後のこと。
美朱の部屋の前で
そんな話が耳に入ってしまったから
気になって仕方がなかった。
「もしかして、七星士の中にいる?」
美朱が問う。
「……」
黙りこんでしまったななし。
つまり、図星ってこと?
「え、誰誰!?」
美朱の声量が上がり
ななしの声が聞こえない。
答えが気になるあまり
扉にもたれ掛かってしまった。
ら、
ばたん!と勢いよく扉が開いてしまい
あたしは床へと倒れこんだ。
「「柳宿!?」」
目を丸くした二人が
立ち上がってあたしを見ている。
「……オホホホホ」
「ねぇ、柳宿」
笑って誤魔化そうとしたあたしに
美朱が声を掛ける。
「ななしの好きな人って
誰だと思う?」
「ちょっと、美朱!」
一人慌てているななし。
そんな姿も可愛らしいわ……
じゃなくて。
あたしだって知りたいわよ、
ななしの想い人。
「えー、誰かしらぁー?」
パタパタと服を叩きながら起き上がり
ななしと美朱の元へ近付く。
黙りこむななし。
何かしら。
……そんなに言いにくいの?
「もしかして、
たまちゃんじゃないわよね?」
「「えっ」」
あたしの言葉に
二人揃って同じ反応をした。
「だって……言いにくそうにしてるから」
美朱の前だと言いにくいのかと。
そう続けて言えば。
「ち、違うよ!鬼宿じゃないから!」
ななしは美朱に向かって
必死に否定を繰り返した。
「わかった!わかったから落ち着いて」
美朱に両肩を掴まれ
ななしは椅子に座らされた。
「よかった、わかってもらえて」
安堵の表情を浮かべるななし。
ああ、やっぱり可愛い。
「でもさ」
美朱が話し始める。
「言いにくいっていうのが本当だったら――
もしかして、好きなのって星宿?」
……え?星宿様?
「な、なんで星宿様なのよ!」
あたしは思わず
美朱にずい、と詰め寄った。
だって相手が星宿様なんて
敵いっこない――
「えと、柳宿も星宿が好きでしょ?
だから言いにくいのかなって」
あたしの勢いに押された美朱が
目を逸らしながら言う。
あ、そういうこと。
だから言いにくいわけね。納得したわ。
じゃあななしは
本当に星宿様のことが……
「あの、柳宿。美朱」
「ななし!」
申し訳なさそうにあたし達を呼ぶ、
ななしの両手を握った。
「ぬりこっ……!?」
「わかったわ。
あんたと星宿様の為に、あんたのこと
綺麗にしてあげる」
赤く染まったななしの顔。
……星宿様の為だとそんな表情をするのね。
あたしはななしを自室へ連れ
より彼女の魅力が増す化粧を施した。
流石にあたしの服は大きすぎたから
似合いそうな髪飾りでその髪を纏め上げた。
そして笑顔で、
彼女の背中を見送ったの――
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