欲しいもの
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「井宿、欲しいものってある?」
そう問われたのは
幾日前のことだったか。
オイラの"欲しいもの"
それは―――
直ぐに思い付いたけれど、
口には出来なかった。
考えてみる、と答えを返して
その場は凌いだものの
思いつくものなど他にはなくて。
ただただ時間だけが過ぎた。
「ねぇ、井宿」
気を紛らすように釣りをしていると
珍しい訪問者が現れた。
「どうしたのだ?柳宿」
顔だけを柳宿に向け尋ねると
オイラの隣に腰を下ろしてこう口にした。
「……わかってるでしょ?
あのコのことよ」
柳宿のいうあのコとは、
いまオイラの頭を悩ませている
ななしのことだろう。
「返事してあげなさいよ。
誕生日、明日になっちゃったじゃない」
やはりそうだった。
明日はオイラの誕生日。
まだ欲しいものの答えを返していない。
「考えてはいるのだが……
これと言って思い付かないのだ」
そう言い終えて、釣竿に視線を戻した。
すると隣に座る彼から
盛大な溜め息が聞こえた。
「井宿、思ってることは言わないと
相手に伝わらないのよ?」
「え……?」
「欲しいもの、本当はあるでしょう?」
「なっ」
何故それを、と聞こうとしたが
柳宿の声に遮られた。
「あたしねぇ、
女の気持ちも男の気持ちも分かるのよ」
そう言って笑っている。
「だから、分かるの。それに……
好きなコともっと一緒に居たいって
女も男も関係なく思うものよ」
「柳宿……」
「ホラホラ、早く伝えてあげなさいな。
直接本人に聞くなんて失礼だったんだって
まだきっと部屋で落ち込んでるわよ」
「……ありがとうなのだ!」
柳宿に礼を言うと
釣竿の存在も忘れ、走り出していた。
ななし、
オイラが欲しいものは
君という存在だ。
ずっと側に居て欲しい。
そしてその全てを……
そんな想いを伝えたら
君はどう思うのだろうか?
→あとがき
そう問われたのは
幾日前のことだったか。
オイラの"欲しいもの"
それは―――
直ぐに思い付いたけれど、
口には出来なかった。
考えてみる、と答えを返して
その場は凌いだものの
思いつくものなど他にはなくて。
ただただ時間だけが過ぎた。
「ねぇ、井宿」
気を紛らすように釣りをしていると
珍しい訪問者が現れた。
「どうしたのだ?柳宿」
顔だけを柳宿に向け尋ねると
オイラの隣に腰を下ろしてこう口にした。
「……わかってるでしょ?
あのコのことよ」
柳宿のいうあのコとは、
いまオイラの頭を悩ませている
ななしのことだろう。
「返事してあげなさいよ。
誕生日、明日になっちゃったじゃない」
やはりそうだった。
明日はオイラの誕生日。
まだ欲しいものの答えを返していない。
「考えてはいるのだが……
これと言って思い付かないのだ」
そう言い終えて、釣竿に視線を戻した。
すると隣に座る彼から
盛大な溜め息が聞こえた。
「井宿、思ってることは言わないと
相手に伝わらないのよ?」
「え……?」
「欲しいもの、本当はあるでしょう?」
「なっ」
何故それを、と聞こうとしたが
柳宿の声に遮られた。
「あたしねぇ、
女の気持ちも男の気持ちも分かるのよ」
そう言って笑っている。
「だから、分かるの。それに……
好きなコともっと一緒に居たいって
女も男も関係なく思うものよ」
「柳宿……」
「ホラホラ、早く伝えてあげなさいな。
直接本人に聞くなんて失礼だったんだって
まだきっと部屋で落ち込んでるわよ」
「……ありがとうなのだ!」
柳宿に礼を言うと
釣竿の存在も忘れ、走り出していた。
ななし、
オイラが欲しいものは
君という存在だ。
ずっと側に居て欲しい。
そしてその全てを……
そんな想いを伝えたら
君はどう思うのだろうか?
→あとがき
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