猫の手も借りたい
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完全に無意識だった。
それはつまり
嘘偽りない己の本心、なのだ。
どう誤魔化そうか、
いや、こんな機会もうないかもしれない。
何より真っ直ぐな君の視線に
嘘など吐けるか…?
ひとつ、大きく深呼吸して
言葉を絞り出す。
「オイラは、」
その後の言葉が
なかなか口から出てこない。
そのとき
ニャー、とオイラを見上げ
たまが鳴いた。
「頑張れ」と言われている気がした。
「オイラは、たまが羨ましかった。
最近よく一緒にいるだろう?」
そう言葉を紡げば君は軽く頷いた。
「ななしが嬉しそうにしているのを
羨ましく思って見ていたのだ」
はぁ、と息を吐き
君を真っ直ぐ見つめる。
「……君のことがすきだ。
だからたまに嫉妬していたのだ。
猫相手に、可笑しいけれど」
自嘲気味に笑った。
「ほんとに?」
君は潤んだ瞳でオイラを見ている。
「本当なのだ。
ななしが、すきだ」
そう告げると
ななしの頬を涙が伝う。
「ご、ごめんなのだ。
君を泣かせるつもりなど……!」
「違……違うの。
これは嬉し泣きだよ、井宿」
涙を拭いながら君は続ける。
「私も、すき。
井宿のことが、すきなの」
心臓が大きく跳ねた。
君もオイラを想ってくれているのだ?
本当に?
そんなことを考えながら
気付けば君の頬に手を伸ばしていた。
「泣くほど、なのだ?」
零れる涙を拭ってやれば。
「そうだよ。
泣いちゃうくらいすき」
そう笑う君をずっと見ていたいのに
堪らずこの腕の中に収めた。
「オイラも泣きそうなのだ。
それくらい、嬉しい」
君の香りが鼻を擽る。
君の体温が、とても心地よい。
ぎゅ、と抱き返してくる細い腕が
愛しくて仕方がない。
「井宿、ありがとう」
「こちらこそ、なのだ」
二人が微笑み合う姿を、
たまは静かに見守っていた。
→おまけ
それはつまり
嘘偽りない己の本心、なのだ。
どう誤魔化そうか、
いや、こんな機会もうないかもしれない。
何より真っ直ぐな君の視線に
嘘など吐けるか…?
ひとつ、大きく深呼吸して
言葉を絞り出す。
「オイラは、」
その後の言葉が
なかなか口から出てこない。
そのとき
ニャー、とオイラを見上げ
たまが鳴いた。
「頑張れ」と言われている気がした。
「オイラは、たまが羨ましかった。
最近よく一緒にいるだろう?」
そう言葉を紡げば君は軽く頷いた。
「ななしが嬉しそうにしているのを
羨ましく思って見ていたのだ」
はぁ、と息を吐き
君を真っ直ぐ見つめる。
「……君のことがすきだ。
だからたまに嫉妬していたのだ。
猫相手に、可笑しいけれど」
自嘲気味に笑った。
「ほんとに?」
君は潤んだ瞳でオイラを見ている。
「本当なのだ。
ななしが、すきだ」
そう告げると
ななしの頬を涙が伝う。
「ご、ごめんなのだ。
君を泣かせるつもりなど……!」
「違……違うの。
これは嬉し泣きだよ、井宿」
涙を拭いながら君は続ける。
「私も、すき。
井宿のことが、すきなの」
心臓が大きく跳ねた。
君もオイラを想ってくれているのだ?
本当に?
そんなことを考えながら
気付けば君の頬に手を伸ばしていた。
「泣くほど、なのだ?」
零れる涙を拭ってやれば。
「そうだよ。
泣いちゃうくらいすき」
そう笑う君をずっと見ていたいのに
堪らずこの腕の中に収めた。
「オイラも泣きそうなのだ。
それくらい、嬉しい」
君の香りが鼻を擽る。
君の体温が、とても心地よい。
ぎゅ、と抱き返してくる細い腕が
愛しくて仕方がない。
「井宿、ありがとう」
「こちらこそ、なのだ」
二人が微笑み合う姿を、
たまは静かに見守っていた。
→おまけ