ー友達編ー
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キミとの関係が少し変わってきました
「あ、愛子ちゃん…!」
「やっほ〜」
教室移動中に仁王を見つけると奴も私に気付いたようで、パァ〜っと顔を輝かせて手をぶんぶん振ってきた。それに私も軽く手をヒラつかせて応える。
ーー気付くと季節は夏。制服はブレザーから半袖シャツとなり、スカートも夏用へと変わった。
そして、私と仁王の間にも変化があった。呼び方が【如月さん】から【愛子ちゃん】となったのだ。
相変わらず仁王呼びのままの私に、まーくんって呼んで欲しいナリ…とポッと頬を染めて頼んできた万年お花畑の頭を無言で叩いたのは記憶に新しい。
それと、屋上だけの秘密の交友関係だったが、気付けば廊下でもどこでも会話をするようになっていた。
最初は仁王のファンクラブに目をつけられるのが面倒でこそこそ隠れていたが、徐々になんで私が遠慮しなくちゃいけないわけ?可笑しくない?ファンクラブなんて怖くもなんともないわ!と変なプライドが勝り、周りの目を気にするのをやめたのだ。
この男にとってそれはだいぶ嬉しかったようで、仁王も普通に…というよりかなり遠慮なく話しかけてくるようになり、ヘタレの割に意外と神経図太いじゃないかと少し驚いた。(この間なんかわざわざクラスの遠い私に教科書を借りに来たしね)
一応「ヘタレなのバレるよ。周りに引かれるかもよ」と言ったが、「いいんじゃ。もう怖くないナリ。だって俺には愛子ちゃんがいるからのう!」だって。
……不覚にも可愛いヤツ、と思ってしまったのは誰にも内緒だ。
…でも確かに仁王の性格を隠すんじゃなくむしろ曝け出せば、かなりファンいなくなるじゃ…?
そしたら私も仁王も平穏な生活が出来、運良けりゃあありのままの仁王を受け入れてくれる彼女だって出来るかも知れないしね!
私だっていつまでもコイツの世話は仕切れないし。
ーーそんなことを考えていると、いつの間にか仁王が目の前まで来ていた。
「次、数学か?」
「そう。今すぐこの教科書を破り捨てたい」
「そ、そんなことしたらいかんぜよ?」
「しないわ。冗談に決まってるでしょ」
「…愛子ちゃんならやりかねん」
「おい」
「くっくっく、冗談ぜよ」
「コイツ…。言うようになったじゃん」
私もニヤリと笑って腹いせも兼ねて仁王の肩にパンチを送ると、「い、痛いナリ」と涙目で見られた。
フン、私より優勢に立とうとするからだ。バーカ。
…でも、ちょっと強く殴りすぎたかなと僅かに罪悪感を感じたので、ポケットから飴を取り出して仁王に差し出す。
「ごめんごめん。これで許して?」
すると、ニコニコ笑って飴を受け取った仁王。
なんて単純なヤツなんだろうと、足取り軽く去っていった仁王の後ろ姿に笑みを浮かべる。
仁王がいなくなると私をずっと羨ましそうに見ていた友人達がようやく口を開いた。
「愛子いいなー…。仁王君とあんなに喋れて」
「話しかけたらいいじゃん。アイツ結構普通だよ(ある意味普通じゃないけど)」
「だって私達のことなんて一切目もくれないだもん。ねー?」
「愛子しか眼中に入ってませんって感じ」
「でも、仁王君があんな感じだったのは意外だな〜。あれはあれで凄く可愛いけど!」
「分かる!あの子犬みたいな笑顔!ギャップ萌えってヤツ?」
「だけど、ちょっと残念。仁王君はもっとクールで妖艶なイメージだったからさぁ…」
「確かにね。あの噂にも騙されたね」
「何言ってんの。勝手なイメージを作り上げてたのはアンタ達なんだから。それで勝手に幻滅するなんて仁王にとってはいい迷惑。流石に可哀想でしょ」
「そ、そうだよね」
「ごめん…」
「私に謝ることでもないよ。ただこれからはちゃんと本来のアイツを見てあげてよ」
仁王が仁王らしくいられるように周りがもっと柔軟に彼を受け止めてくれるようになるといい。
なーんて、柄にもなくそう思ってしまった私はだいぶアイツに絆されてしまったようだ。
「あ、愛子ちゃん…!」
「やっほ〜」
教室移動中に仁王を見つけると奴も私に気付いたようで、パァ〜っと顔を輝かせて手をぶんぶん振ってきた。それに私も軽く手をヒラつかせて応える。
ーー気付くと季節は夏。制服はブレザーから半袖シャツとなり、スカートも夏用へと変わった。
そして、私と仁王の間にも変化があった。呼び方が【如月さん】から【愛子ちゃん】となったのだ。
相変わらず仁王呼びのままの私に、まーくんって呼んで欲しいナリ…とポッと頬を染めて頼んできた万年お花畑の頭を無言で叩いたのは記憶に新しい。
それと、屋上だけの秘密の交友関係だったが、気付けば廊下でもどこでも会話をするようになっていた。
最初は仁王のファンクラブに目をつけられるのが面倒でこそこそ隠れていたが、徐々になんで私が遠慮しなくちゃいけないわけ?可笑しくない?ファンクラブなんて怖くもなんともないわ!と変なプライドが勝り、周りの目を気にするのをやめたのだ。
この男にとってそれはだいぶ嬉しかったようで、仁王も普通に…というよりかなり遠慮なく話しかけてくるようになり、ヘタレの割に意外と神経図太いじゃないかと少し驚いた。(この間なんかわざわざクラスの遠い私に教科書を借りに来たしね)
一応「ヘタレなのバレるよ。周りに引かれるかもよ」と言ったが、「いいんじゃ。もう怖くないナリ。だって俺には愛子ちゃんがいるからのう!」だって。
……不覚にも可愛いヤツ、と思ってしまったのは誰にも内緒だ。
…でも確かに仁王の性格を隠すんじゃなくむしろ曝け出せば、かなりファンいなくなるじゃ…?
そしたら私も仁王も平穏な生活が出来、運良けりゃあありのままの仁王を受け入れてくれる彼女だって出来るかも知れないしね!
私だっていつまでもコイツの世話は仕切れないし。
ーーそんなことを考えていると、いつの間にか仁王が目の前まで来ていた。
「次、数学か?」
「そう。今すぐこの教科書を破り捨てたい」
「そ、そんなことしたらいかんぜよ?」
「しないわ。冗談に決まってるでしょ」
「…愛子ちゃんならやりかねん」
「おい」
「くっくっく、冗談ぜよ」
「コイツ…。言うようになったじゃん」
私もニヤリと笑って腹いせも兼ねて仁王の肩にパンチを送ると、「い、痛いナリ」と涙目で見られた。
フン、私より優勢に立とうとするからだ。バーカ。
…でも、ちょっと強く殴りすぎたかなと僅かに罪悪感を感じたので、ポケットから飴を取り出して仁王に差し出す。
「ごめんごめん。これで許して?」
すると、ニコニコ笑って飴を受け取った仁王。
なんて単純なヤツなんだろうと、足取り軽く去っていった仁王の後ろ姿に笑みを浮かべる。
仁王がいなくなると私をずっと羨ましそうに見ていた友人達がようやく口を開いた。
「愛子いいなー…。仁王君とあんなに喋れて」
「話しかけたらいいじゃん。アイツ結構普通だよ(ある意味普通じゃないけど)」
「だって私達のことなんて一切目もくれないだもん。ねー?」
「愛子しか眼中に入ってませんって感じ」
「でも、仁王君があんな感じだったのは意外だな〜。あれはあれで凄く可愛いけど!」
「分かる!あの子犬みたいな笑顔!ギャップ萌えってヤツ?」
「だけど、ちょっと残念。仁王君はもっとクールで妖艶なイメージだったからさぁ…」
「確かにね。あの噂にも騙されたね」
「何言ってんの。勝手なイメージを作り上げてたのはアンタ達なんだから。それで勝手に幻滅するなんて仁王にとってはいい迷惑。流石に可哀想でしょ」
「そ、そうだよね」
「ごめん…」
「私に謝ることでもないよ。ただこれからはちゃんと本来のアイツを見てあげてよ」
仁王が仁王らしくいられるように周りがもっと柔軟に彼を受け止めてくれるようになるといい。
なーんて、柄にもなくそう思ってしまった私はだいぶアイツに絆されてしまったようだ。