ー合宿編ー
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キミ達とまた会いましょう
二週間と長かった合宿がようやく終わりを告げた。
「せっかく出会えたのに…もうさようならか…」
「仕方ないでしょ」
「リョーマはクール過ぎ!私はまだ猫話しし足りない!もっと交流を深めたかった!」
「如月、そろそろ出発の時間なのだが…」
朝食後一番早く帰り支度を終えたのは青学だった。
「あーん、もう出発出来るのかよ」
「跡部、如月、世話になった。幸村や真田にもよろしく伝えておいてくれ」
「なかなか良い合宿だったぜ」
「了解。またね手塚君」
「ああ。また会おう」
「如月さんの美味しい食事のお陰で毎日頑張れたよ。大変だったろうにありがとう」
「それは良かった」
「愛子ちゃん!色々楽しかったにゃー!まったねー!」
「今度東京に来た時は皆んなで遊びましょう!」
「気分が向いたらね」
「…そこは社交辞令でもいいから、うんって言って下さいよ〜」
「最後まで如月は面白いな。また新たなデータを取れるのを楽しみにしているよ」
「…そのデータは何に使うんだよ」
「それは企業秘密だ」
最後に一言交わすと手塚君、大石に続いて菊丸や桃城乾がバスに乗り込んで行く。
「話す機会が全然なかったけど、東京に来た際は是非河村寿司に来てよ。ご馳走するからさ」
「その時は僕がタカさん家まで案内するよ」
「それはいい話だね。是非ご馳走して下さい」
「ハハ!待ってるよ」
「もしかしたらチョロ毛のおまけがついてくるかも知れないけどね」
「それはボクの方も否めないなぁ…。愛子ちゃんと会うのを内緒にしたら、英二や桃がうるさそうだ」
私としゅーくんはクスリと笑い合うと握手を交わした。
「キミにまた会えて良かったよ。またね」
「うん。また」
私が手を振ると河村君としゅーくんもバスに乗り込んだ。そして二人に続くように海堂君が私の前を通り過ぎようとしたので、つい引き留めてしまった。
「あ、海堂君」
「…な、なんスか?」
「今度リョーマと猫カフェに行こうと思うんだけど、もし興味があれば一緒にどう?」
実はリョーマから海堂君も隠れ猫好きだというタレコミをもらっていた。
猫好き仲間は増やしておくに越したことはない。
「……フシュー。か、考えておく」
「是非前向きに検討してみてね!」
海堂君は小さく会釈すると今度こそバスに乗り込み、残るはリョーマだけとなる。
「ってことで、また連絡するね」
「ウッス」
その時玄関から出てきた立海や氷帝に気付いたリョーマがニヤリと笑った。
「ねえ、愛子さん」
「なに?」
「See you。I enjoyed spending time with you」
少し背伸びをして私の頬に軽く口付けてきたリョーマに私は思わず目を丸くしてしまった。
「仁王さんに怒られないよーにね」
「アンタがそれを言うか…」
勘弁してくれよ…といった視線をリョーマに送るが、彼はニヒルな笑みを浮かべると「がんばって」と他人事のような言葉を残しバスに乗り込んだのであった。
ドアが閉まり走り出したバスに手を振っていると、ダッシュで駆け寄ってきた雅治が目の前に滑り込み、ジャージの袖で頬をゴシゴシ拭いてきた。
「ちょ、痛いんだけど」
「…あとで消毒せんと」
「挨拶のキスくらいで大袈裟でしょ。海外では当たり前なんだから。よく尚人もするし」
「な、なんじゃって!!」
「ほな、俺も海外流に挨拶せんとな」
「侑士キモイからやめとけよ」
「その眼鏡と一緒にアンタの大事なとこも握り潰すよ」
「…じょ、冗談やって」
「お前が言うとシャレにならねぇんだよ」
顔を青ざめさせそそくさと樺地の後ろに隠れた忍足を向日が鼻で笑う。
「侑士が迷惑かけたな!」
「こんなヤツとダブルスのパートナーなんて大変だろうけど、これからもファイト」
「サンキュー。んじゃ、またな!」
「全く…愛子ちゃんもがっくんも酷いわ。ツンもええけど最後くらいデレがあってもええんとちゃう」
「永遠にデレなんてやって来ないから」
私がしっしっと手で追い払うような仕草をすると、忍足の背後にぬっと現れた鳳君が「忍足さん邪魔です」と本当にヤツを押し退けたのだった。
すると忍足は何故か怯えたような表情を見せ静かになった。(…なんか既視感があるのは気のせいか?)
「愛子さん… 初日は本当にすみませんでした。短い期間でしたが先輩とお話が出来て楽しかったです!」
「鳳君は真面目だな。もう初日のことなんて忘れちゃったよ。」
「世話になったな」
「いや、こちらこそ。宍戸みたいな常識人がいてくれて助かったよ」
「愛子ちゃんまた会おうね〜!丸井くんも!」
「如月先輩お疲れ様でした。跡部さんの我が儘に付き合わされて大変でしたね」
「日吉君…キミはなんて良い子なの。もっと早くに話したかったよ!」
実は二日前に偶然日吉君と話せる機会があり、互いに部長への不満を語る内に仲が深まったのだった。(連絡先を交換したからまた後日愚痴る会を開催する予定!)
「…お身体には…お気をつけて下さい…」
「樺地君もね」
ウッスと頷いた樺地君もバスに乗り込むと、俺の番がやって来たと言わんばかりにニヤリと笑った跡部が無駄に距離近く歩み寄ってきた。
「じゃあな、愛子。次は俺様の家に招待してやるよ。勿論お前一人をな」
「謹んでお断りさせていただきます」
「俺達の仲だろ。遠慮なんてすんなよ」
「樺地君、もう跡部のこと連れてって」
「ウッス」
「なっ!樺地ー…!?」
跡部が連行されると氷帝のバスが閉まり、私も立海のバスに乗り込む。
そして同時にバスが出発し、暫く互いに窓越しに手を振り合うが、すぐに別々の道へと別れて行った。
ーー普段は騒がしい筈のバス内だが、今は別れの余韻に浸るかのように静かだった。
「…ふぅ。最後まで賑やかだったな」
「どいつもコイツも個性が強すぎじゃからのう」
「それアンタが言っちゃう?…まあ、確かに変な連中ばかりだったけどさ」
「そんな連中をも手駒にするなんて流石は愛子ちゃんぜよ。…と言いたいところじゃが、出来ればあまり仲良くなり過ぎないで欲しい…」
雅治はごにょごにょそう言うと、恥ずかしそうにそっぽを向いてしまった。
「…まったく。嫉妬深い彼氏を持つと大変だな」
「うっ…。い、嫌か…?」
「別に。アンタのそういうところ…案外好きだよ」
そう答えると雅治は真っ赤な顔で振り向き、信じられない物を見るかのように私を凝視してきた。
「…ちょっと眠くなってきたから寝る」
思わず慣れないことを言ってしまい、小っ恥ずかしくなった私が寝たフリをすると、「…お、おやすみんしゃい」と雅治に耳元で囁かれた。
その声と鼻口から香った安心する匂いに心が安らぎ本当に睡魔に襲われ、気付けば眠りについていた。
二週間と長かった合宿がようやく終わりを告げた。
「せっかく出会えたのに…もうさようならか…」
「仕方ないでしょ」
「リョーマはクール過ぎ!私はまだ猫話しし足りない!もっと交流を深めたかった!」
「如月、そろそろ出発の時間なのだが…」
朝食後一番早く帰り支度を終えたのは青学だった。
「あーん、もう出発出来るのかよ」
「跡部、如月、世話になった。幸村や真田にもよろしく伝えておいてくれ」
「なかなか良い合宿だったぜ」
「了解。またね手塚君」
「ああ。また会おう」
「如月さんの美味しい食事のお陰で毎日頑張れたよ。大変だったろうにありがとう」
「それは良かった」
「愛子ちゃん!色々楽しかったにゃー!まったねー!」
「今度東京に来た時は皆んなで遊びましょう!」
「気分が向いたらね」
「…そこは社交辞令でもいいから、うんって言って下さいよ〜」
「最後まで如月は面白いな。また新たなデータを取れるのを楽しみにしているよ」
「…そのデータは何に使うんだよ」
「それは企業秘密だ」
最後に一言交わすと手塚君、大石に続いて菊丸や桃城乾がバスに乗り込んで行く。
「話す機会が全然なかったけど、東京に来た際は是非河村寿司に来てよ。ご馳走するからさ」
「その時は僕がタカさん家まで案内するよ」
「それはいい話だね。是非ご馳走して下さい」
「ハハ!待ってるよ」
「もしかしたらチョロ毛のおまけがついてくるかも知れないけどね」
「それはボクの方も否めないなぁ…。愛子ちゃんと会うのを内緒にしたら、英二や桃がうるさそうだ」
私としゅーくんはクスリと笑い合うと握手を交わした。
「キミにまた会えて良かったよ。またね」
「うん。また」
私が手を振ると河村君としゅーくんもバスに乗り込んだ。そして二人に続くように海堂君が私の前を通り過ぎようとしたので、つい引き留めてしまった。
「あ、海堂君」
「…な、なんスか?」
「今度リョーマと猫カフェに行こうと思うんだけど、もし興味があれば一緒にどう?」
実はリョーマから海堂君も隠れ猫好きだというタレコミをもらっていた。
猫好き仲間は増やしておくに越したことはない。
「……フシュー。か、考えておく」
「是非前向きに検討してみてね!」
海堂君は小さく会釈すると今度こそバスに乗り込み、残るはリョーマだけとなる。
「ってことで、また連絡するね」
「ウッス」
その時玄関から出てきた立海や氷帝に気付いたリョーマがニヤリと笑った。
「ねえ、愛子さん」
「なに?」
「See you。I enjoyed spending time with you」
少し背伸びをして私の頬に軽く口付けてきたリョーマに私は思わず目を丸くしてしまった。
「仁王さんに怒られないよーにね」
「アンタがそれを言うか…」
勘弁してくれよ…といった視線をリョーマに送るが、彼はニヒルな笑みを浮かべると「がんばって」と他人事のような言葉を残しバスに乗り込んだのであった。
ドアが閉まり走り出したバスに手を振っていると、ダッシュで駆け寄ってきた雅治が目の前に滑り込み、ジャージの袖で頬をゴシゴシ拭いてきた。
「ちょ、痛いんだけど」
「…あとで消毒せんと」
「挨拶のキスくらいで大袈裟でしょ。海外では当たり前なんだから。よく尚人もするし」
「な、なんじゃって!!」
「ほな、俺も海外流に挨拶せんとな」
「侑士キモイからやめとけよ」
「その眼鏡と一緒にアンタの大事なとこも握り潰すよ」
「…じょ、冗談やって」
「お前が言うとシャレにならねぇんだよ」
顔を青ざめさせそそくさと樺地の後ろに隠れた忍足を向日が鼻で笑う。
「侑士が迷惑かけたな!」
「こんなヤツとダブルスのパートナーなんて大変だろうけど、これからもファイト」
「サンキュー。んじゃ、またな!」
「全く…愛子ちゃんもがっくんも酷いわ。ツンもええけど最後くらいデレがあってもええんとちゃう」
「永遠にデレなんてやって来ないから」
私がしっしっと手で追い払うような仕草をすると、忍足の背後にぬっと現れた鳳君が「忍足さん邪魔です」と本当にヤツを押し退けたのだった。
すると忍足は何故か怯えたような表情を見せ静かになった。(…なんか既視感があるのは気のせいか?)
「愛子さん… 初日は本当にすみませんでした。短い期間でしたが先輩とお話が出来て楽しかったです!」
「鳳君は真面目だな。もう初日のことなんて忘れちゃったよ。」
「世話になったな」
「いや、こちらこそ。宍戸みたいな常識人がいてくれて助かったよ」
「愛子ちゃんまた会おうね〜!丸井くんも!」
「如月先輩お疲れ様でした。跡部さんの我が儘に付き合わされて大変でしたね」
「日吉君…キミはなんて良い子なの。もっと早くに話したかったよ!」
実は二日前に偶然日吉君と話せる機会があり、互いに部長への不満を語る内に仲が深まったのだった。(連絡先を交換したからまた後日愚痴る会を開催する予定!)
「…お身体には…お気をつけて下さい…」
「樺地君もね」
ウッスと頷いた樺地君もバスに乗り込むと、俺の番がやって来たと言わんばかりにニヤリと笑った跡部が無駄に距離近く歩み寄ってきた。
「じゃあな、愛子。次は俺様の家に招待してやるよ。勿論お前一人をな」
「謹んでお断りさせていただきます」
「俺達の仲だろ。遠慮なんてすんなよ」
「樺地君、もう跡部のこと連れてって」
「ウッス」
「なっ!樺地ー…!?」
跡部が連行されると氷帝のバスが閉まり、私も立海のバスに乗り込む。
そして同時にバスが出発し、暫く互いに窓越しに手を振り合うが、すぐに別々の道へと別れて行った。
ーー普段は騒がしい筈のバス内だが、今は別れの余韻に浸るかのように静かだった。
「…ふぅ。最後まで賑やかだったな」
「どいつもコイツも個性が強すぎじゃからのう」
「それアンタが言っちゃう?…まあ、確かに変な連中ばかりだったけどさ」
「そんな連中をも手駒にするなんて流石は愛子ちゃんぜよ。…と言いたいところじゃが、出来ればあまり仲良くなり過ぎないで欲しい…」
雅治はごにょごにょそう言うと、恥ずかしそうにそっぽを向いてしまった。
「…まったく。嫉妬深い彼氏を持つと大変だな」
「うっ…。い、嫌か…?」
「別に。アンタのそういうところ…案外好きだよ」
そう答えると雅治は真っ赤な顔で振り向き、信じられない物を見るかのように私を凝視してきた。
「…ちょっと眠くなってきたから寝る」
思わず慣れないことを言ってしまい、小っ恥ずかしくなった私が寝たフリをすると、「…お、おやすみんしゃい」と雅治に耳元で囁かれた。
その声と鼻口から香った安心する匂いに心が安らぎ本当に睡魔に襲われ、気付けば眠りについていた。