ー合宿編ー
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キミ達と過ごした思い出がまた一つ
プライベートプールって言うからホテルとかにあるような小さなプールかと思いきや、流石は跡部様…。
波のプールやウォータースライダーまであるなんて凄すぎだろ。これは立派に営業出来る域だよ。
「愛子先輩、いきますよー!」
「如月、落としたら明日の夕飯ハンバーグな」
私は今波のプールの浅瀬でビーチボールをしている。メンバーは赤也に丸井、鳳君と宍戸、桃城や菊丸といった異色メンツだ。
「ハンバーグ、面倒なんだよ…っと!」
そう言いって赤也から放たれたビーチボールを鳳君に向けてレシーブする。
「わあ…、おっと!」
「ナイスだ、長太郎!」
しかし、水に落ちるギリギリのところで拾われてしまった。腕が長いって羨ましい。
「おらぁ!」
「宍戸さんなかなか良いスパイク打つッスね…!俺も負けてられねぇぜ!」
「ちょ、ちょっと!」
「どーん!」
桃城が放った渾身のアタックを私なんかが拾えるはずもなく顔面にくらう。そのまま背後の水面に倒れ込んでしまった。
「あ…、いっけねぇ…つい」
「よっし!桃城良くやった!」
「愛子ちゃん大丈夫かにゃ〜?」
「どーん、…じゃないわ!!アンタ自分のパワーを考えろ!!」
「す、すんません」
「罰として明日ハンバーグの種混ぜんの手伝いな。手塚君に言っておくから」
「えー、俺も手伝いたいッス!」
「幸村と真田から許可が出ると思ってんの」
そう言いながらびしょびしょになった髪を腕に付けていたゴムで束ねる。
「なんか楽しそうだね」
「罰という言葉が聞こえたが、ペナル茶でも用意しようか」
すると、しゅーくんと乾が現れた。
「ペナル茶…?」
「結構いけるよ。愛子ちゃんも飲んでみる?」
「ダ、ダメに決まってるだろう不二!仁王のヤツに怒られちゃうよ!」
「愛子先輩、乾先輩が作ったものは絶対に口にしたらいけないッスよ!」
「…なんか味の予想はついたから遠慮しておくよ」
「つまらないな」
以前柳に頼まれて作ったドリンクを思い出す。
確か「これは貞治という男のレシピを俺が立海仕様に改良したものだ」とか言ってたような…。
「それよりも愛子ちゃんは水も滴るいい女だね」
「褒めても何も出てこないよしゅーくん」
「それは残念だ。この前は失敗したけど、今回はキスの一つでも奪えると思ったのに」
「…もう。そうやって私をからかって…雅治に当て付けようとしてるでしょ」
「フフ。どうだろう」
「あ、愛子先輩!そろそろ波が出てくる時間ッス!もっと深いとこまで行きましょうよ!」
「あ…」
赤也にグイッと腕を引かれたが、背後から現れた人物に肩を抱かれたことで私の足はその場に留まった。
「赤也。愛子ちゃんは泳ぎが苦手なんじゃ」
「あ、そうだった…!スンマセン…」
「ほれ、浮き輪持ってきたぜよ」
「ありがとう。これで大丈夫だから行くよ赤也」
「ウッス!!」
再び赤也に手を取られて水の中を進む。チラッと振り向くと、笑顔のしゅーくんと無表情の雅治が相対していた。(一瞬だったが、なんか恐ろしいものを感じてしまった…)
雅治はすぐにしゅーくんに背を向け私達の方へやって来た。
そして一緒にプールの最前に行くと私の背後に立ち、浮き輪に掴まるように腕を回してきた。
「何が起きても俺が助けちゃるから安心しんしゃい」
「……アンタ、どうしたの?」
「不二に負けんように頑張ってるんじゃ」
妙にすました顔をする雅治を訝しげに思った私は耳元にかかっていた銀色の髪の毛をサッと退かす。すると赤く染まった耳が姿を表した。
「や、やめんしゃい!!」
「…ぷっ。格好つけてても中身はいつものアンタで安心したわ」
「…その安心をして欲しかったんじゃなか」
目線を逸らし小さく唇を尖らせる雅治が可愛くてついつい笑ってしまう。
「…ちょっとお二人さーん。イチャイチャしてるとこ悪いんスけど、まもなく波が来ますからね」
「わ、分かってるよ!」
てか、ちゃんと時間で波が発生する装置まであるなんてもはやアトラクションだな。
ーーこうして私達はなかなか勢いのあった波のプールを楽しんだり、ウォータースライダーもやってみたり跡部のプライベートプールを満喫したのだった。
そしていつのまにかセルフBBQが始まっていたようでお腹の空いてきた私達もその場へと向かった。
「お、あまんならもやっこきはのかよ!」
「その口いっぱいの肉を飲み込んでから話せば」
丸井の横にはすでに大量の皿が重ねられていた。
「まだ食材はいっぱいあるから大丈夫だぜ。次々と運ばれてくる」
「ありがとうジャッカル」
焼きたての肉が入った皿と箸をさりげなく渡してくれるなんて、なんて(心の)イケメンなんだ!
「ねえ。なんかあそこで大石…燃えてない?」
「ヤツは焼肉奉行らしいからのう」
「へえー」
なんか面倒くさそうだから私達はやけにはりきった大石から離れた所で肉を焼いて食べる。
流石、跡部が用意した肉だ。かなり美味しい…!
「他にも色々取ってくるナリ」
「サンキュー」
雅治が食材の置かれたテーブルの方へ歩いて行くと入れ替わるように跡部がやって来た。
「どうだ愛子。楽しんでるか?」
「お陰様でかなりね」
「お前もたまにはハメを外さねぇとな。今日は仕事のことは忘れて目一杯楽しめよ」
「お言葉に甘えてそうさせてもらうよ」
私が珍しく素直にそう言うとフッと笑った跡部に頭を撫でられた。
不意を突かれ驚く私をよそに跡部は樺地君を連れて行ってしまった。
…跡部もあんな顔出来るんだな。てか雅治に見られてなくて良かった。
「愛子ちゃーん!!やっと見つけたC〜!!」
「あれ、アンタ起きてたんだ」
「丸井くん達とスイカ割りしてっからおいでよ〜!」
芥川は人の返事を聞く前に腕を引っり走り出した。
…まったく、どいつもこいつも強引なヤツらばっかりだな!
「丸井くーん!愛子ちゃん連れてきたよ!」
「お、如月の馬鹿力の出番だ!シクヨロ!」
そう言って棒を渡してきた丸井の頭を殴ろうかと思ったが、手塚君もいらっしゃったからやめておいた。(普通に叱られそう)
芥川に手渡された白い布で目元を覆うと本当に何も見えなくなった。
「お、なんや。目隠しプレイでもするんか?」
すると腹立つ声が耳に入ってきたので、この素晴らしき聴覚を頼りに居場所を察知し、勢い良く棒を振り下ろす。
「あ、あぶなっ!!どんだけ勘が鋭いねん!?」
「如月、棒は人に向けて振るものではない。スイカは反対方向だ」
「ちょっと手が滑っちゃった」
手塚君に叱られてしまったけど私は悪くない。変態忍足が余計なこと言うのがいけないんだ。
「その調子でスイカも頼んだぜ〜!」
丸井の言葉に気を取り直して今度こそスイカを目指す。
「愛子ちゃんもっと右!そう、そこ!」
「如月!スイカをくそ侑士だと思ってそこで思いっきり振ってミソ」
「がっくん、酷いわ」
棒の先端に何か硬いものが当たっている。ふぅと息を吸って棒を頭上高く上げ、風を切るように勢い良く振り下ろしたのだった。
すると手応えとともにバキッと良い音が鳴った。
「マジマジすっげー!!」
「本当に割りやがった…!!」
目隠しを外すと目の前には真っ二つに割れたスイカがあった。
あまりにも綺麗に割れすぎて結局包丁で切り分けることとなり、その間に気付けば皆んなが集まっていた。
ーー騒ぎを聞きつけ私を探しにやって来た雅治と並んでスイカを食べる。
「合宿にプールにBBQでスイカ…っていっぺんに夏を満喫したな」
「どうじゃ?たまにはこんな夏も悪くないか?」
「…まあね」
今まで夏はどちらかと言うと嫌いだった。昔は一人で夏を越し、たいした思い出もなかった。
でも雅治と出会ってから私の周りは年中賑やかになり毎年沢山の忘れられない思い出が心の中のアルバムにどんどん溜まっていく。
ー…それはいつまでも色褪せることはないのだろう。
プライベートプールって言うからホテルとかにあるような小さなプールかと思いきや、流石は跡部様…。
波のプールやウォータースライダーまであるなんて凄すぎだろ。これは立派に営業出来る域だよ。
「愛子先輩、いきますよー!」
「如月、落としたら明日の夕飯ハンバーグな」
私は今波のプールの浅瀬でビーチボールをしている。メンバーは赤也に丸井、鳳君と宍戸、桃城や菊丸といった異色メンツだ。
「ハンバーグ、面倒なんだよ…っと!」
そう言いって赤也から放たれたビーチボールを鳳君に向けてレシーブする。
「わあ…、おっと!」
「ナイスだ、長太郎!」
しかし、水に落ちるギリギリのところで拾われてしまった。腕が長いって羨ましい。
「おらぁ!」
「宍戸さんなかなか良いスパイク打つッスね…!俺も負けてられねぇぜ!」
「ちょ、ちょっと!」
「どーん!」
桃城が放った渾身のアタックを私なんかが拾えるはずもなく顔面にくらう。そのまま背後の水面に倒れ込んでしまった。
「あ…、いっけねぇ…つい」
「よっし!桃城良くやった!」
「愛子ちゃん大丈夫かにゃ〜?」
「どーん、…じゃないわ!!アンタ自分のパワーを考えろ!!」
「す、すんません」
「罰として明日ハンバーグの種混ぜんの手伝いな。手塚君に言っておくから」
「えー、俺も手伝いたいッス!」
「幸村と真田から許可が出ると思ってんの」
そう言いながらびしょびしょになった髪を腕に付けていたゴムで束ねる。
「なんか楽しそうだね」
「罰という言葉が聞こえたが、ペナル茶でも用意しようか」
すると、しゅーくんと乾が現れた。
「ペナル茶…?」
「結構いけるよ。愛子ちゃんも飲んでみる?」
「ダ、ダメに決まってるだろう不二!仁王のヤツに怒られちゃうよ!」
「愛子先輩、乾先輩が作ったものは絶対に口にしたらいけないッスよ!」
「…なんか味の予想はついたから遠慮しておくよ」
「つまらないな」
以前柳に頼まれて作ったドリンクを思い出す。
確か「これは貞治という男のレシピを俺が立海仕様に改良したものだ」とか言ってたような…。
「それよりも愛子ちゃんは水も滴るいい女だね」
「褒めても何も出てこないよしゅーくん」
「それは残念だ。この前は失敗したけど、今回はキスの一つでも奪えると思ったのに」
「…もう。そうやって私をからかって…雅治に当て付けようとしてるでしょ」
「フフ。どうだろう」
「あ、愛子先輩!そろそろ波が出てくる時間ッス!もっと深いとこまで行きましょうよ!」
「あ…」
赤也にグイッと腕を引かれたが、背後から現れた人物に肩を抱かれたことで私の足はその場に留まった。
「赤也。愛子ちゃんは泳ぎが苦手なんじゃ」
「あ、そうだった…!スンマセン…」
「ほれ、浮き輪持ってきたぜよ」
「ありがとう。これで大丈夫だから行くよ赤也」
「ウッス!!」
再び赤也に手を取られて水の中を進む。チラッと振り向くと、笑顔のしゅーくんと無表情の雅治が相対していた。(一瞬だったが、なんか恐ろしいものを感じてしまった…)
雅治はすぐにしゅーくんに背を向け私達の方へやって来た。
そして一緒にプールの最前に行くと私の背後に立ち、浮き輪に掴まるように腕を回してきた。
「何が起きても俺が助けちゃるから安心しんしゃい」
「……アンタ、どうしたの?」
「不二に負けんように頑張ってるんじゃ」
妙にすました顔をする雅治を訝しげに思った私は耳元にかかっていた銀色の髪の毛をサッと退かす。すると赤く染まった耳が姿を表した。
「や、やめんしゃい!!」
「…ぷっ。格好つけてても中身はいつものアンタで安心したわ」
「…その安心をして欲しかったんじゃなか」
目線を逸らし小さく唇を尖らせる雅治が可愛くてついつい笑ってしまう。
「…ちょっとお二人さーん。イチャイチャしてるとこ悪いんスけど、まもなく波が来ますからね」
「わ、分かってるよ!」
てか、ちゃんと時間で波が発生する装置まであるなんてもはやアトラクションだな。
ーーこうして私達はなかなか勢いのあった波のプールを楽しんだり、ウォータースライダーもやってみたり跡部のプライベートプールを満喫したのだった。
そしていつのまにかセルフBBQが始まっていたようでお腹の空いてきた私達もその場へと向かった。
「お、あまんならもやっこきはのかよ!」
「その口いっぱいの肉を飲み込んでから話せば」
丸井の横にはすでに大量の皿が重ねられていた。
「まだ食材はいっぱいあるから大丈夫だぜ。次々と運ばれてくる」
「ありがとうジャッカル」
焼きたての肉が入った皿と箸をさりげなく渡してくれるなんて、なんて(心の)イケメンなんだ!
「ねえ。なんかあそこで大石…燃えてない?」
「ヤツは焼肉奉行らしいからのう」
「へえー」
なんか面倒くさそうだから私達はやけにはりきった大石から離れた所で肉を焼いて食べる。
流石、跡部が用意した肉だ。かなり美味しい…!
「他にも色々取ってくるナリ」
「サンキュー」
雅治が食材の置かれたテーブルの方へ歩いて行くと入れ替わるように跡部がやって来た。
「どうだ愛子。楽しんでるか?」
「お陰様でかなりね」
「お前もたまにはハメを外さねぇとな。今日は仕事のことは忘れて目一杯楽しめよ」
「お言葉に甘えてそうさせてもらうよ」
私が珍しく素直にそう言うとフッと笑った跡部に頭を撫でられた。
不意を突かれ驚く私をよそに跡部は樺地君を連れて行ってしまった。
…跡部もあんな顔出来るんだな。てか雅治に見られてなくて良かった。
「愛子ちゃーん!!やっと見つけたC〜!!」
「あれ、アンタ起きてたんだ」
「丸井くん達とスイカ割りしてっからおいでよ〜!」
芥川は人の返事を聞く前に腕を引っり走り出した。
…まったく、どいつもこいつも強引なヤツらばっかりだな!
「丸井くーん!愛子ちゃん連れてきたよ!」
「お、如月の馬鹿力の出番だ!シクヨロ!」
そう言って棒を渡してきた丸井の頭を殴ろうかと思ったが、手塚君もいらっしゃったからやめておいた。(普通に叱られそう)
芥川に手渡された白い布で目元を覆うと本当に何も見えなくなった。
「お、なんや。目隠しプレイでもするんか?」
すると腹立つ声が耳に入ってきたので、この素晴らしき聴覚を頼りに居場所を察知し、勢い良く棒を振り下ろす。
「あ、あぶなっ!!どんだけ勘が鋭いねん!?」
「如月、棒は人に向けて振るものではない。スイカは反対方向だ」
「ちょっと手が滑っちゃった」
手塚君に叱られてしまったけど私は悪くない。変態忍足が余計なこと言うのがいけないんだ。
「その調子でスイカも頼んだぜ〜!」
丸井の言葉に気を取り直して今度こそスイカを目指す。
「愛子ちゃんもっと右!そう、そこ!」
「如月!スイカをくそ侑士だと思ってそこで思いっきり振ってミソ」
「がっくん、酷いわ」
棒の先端に何か硬いものが当たっている。ふぅと息を吸って棒を頭上高く上げ、風を切るように勢い良く振り下ろしたのだった。
すると手応えとともにバキッと良い音が鳴った。
「マジマジすっげー!!」
「本当に割りやがった…!!」
目隠しを外すと目の前には真っ二つに割れたスイカがあった。
あまりにも綺麗に割れすぎて結局包丁で切り分けることとなり、その間に気付けば皆んなが集まっていた。
ーー騒ぎを聞きつけ私を探しにやって来た雅治と並んでスイカを食べる。
「合宿にプールにBBQでスイカ…っていっぺんに夏を満喫したな」
「どうじゃ?たまにはこんな夏も悪くないか?」
「…まあね」
今まで夏はどちらかと言うと嫌いだった。昔は一人で夏を越し、たいした思い出もなかった。
でも雅治と出会ってから私の周りは年中賑やかになり毎年沢山の忘れられない思い出が心の中のアルバムにどんどん溜まっていく。
ー…それはいつまでも色褪せることはないのだろう。