ー合宿編ー
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キミ達との縁はどうしても切れない
「やあ、如月」
「断る」
「まだ何も言ってないんだけど」
「…アンタがその笑顔を浮かべてる時は100%私にとって良くない話を持ち掛けるときなんだよ。ってことで、さようなら」
そう言って立ち去ろうとしたが、ガシッと腕を掴まれてしまった。
「ちょっ、離して…ッ!」
「蓮二みたいなこと言って。でも俺達のことよく分かってるじゃないか。それもそうか、だって俺たちは中等部からの仲、いわゆる腐れ縁、というか仲間と言っても過言じゃない。そんな俺からの頼み事を友達思いの優しーい如月が断るなんて…まさかないよね」
「…それをノンブレスで言えるのが凄いわ」
「ありがとう。で、もちろん俺の話を聞いてくれるよね?」
「丁重にお断り致します」
「仁王に“如月はよく俺のことを理解してくれているみたい…。どうしよう…そんな女子他にいないよ”って頬を染めながら言ってみようかな」
「マジで色んな意味でそれだけはやめて」
「フフ…引き受けてくれてありがとう」
幸村の笑みにそこらの女子達がうっとり頬を染める。見た目は爽やかでいて甘い笑顔だけど、言ってることは悪魔並み…いや、魔王様か。
だってそれ、もう私に拒否権ないじゃん!まあ、アイツの中では最初から決定事項だったんだろうけど…。
「はぁ…。それで?」
残念ながら私は幸村の横暴さに免疫がついてしまったらしい。諦めを含んだため息を吐き、頼み事とやらの内容を話すよう促す。
「ああ、実は夏休みにニ週間ほど合同合宿を行うんだ。そこにキミもついて来て欲しい」
「…はぁ。またマネージャー?」
「みたいな感じかな。でも主な仕事は調理、俺たちの料理人【コック】だよ」
「…どういうこと?」
「実は開催場所が跡部の別荘なんだけど、跡部がどうしても如月に庶民の味のするご飯を作って欲しいと頼んできてね。どうやら別荘にいるシェフの夏休みと被っちゃったみたい」
私の脳内にニヤリと笑う泣き黒子が浮かぶ。
「…ッ、アイツのせいか!!」
「俺たちも跡部んとこのシェフが作る食べ慣れない料理よりも、如月が作った料理の方がいいってことになってね。是非朝ごはんは和食で頼むよ」
「…ちくしょー。アルバイト代請求してやる!!」
「それは跡部によろしく」
ーーーー
ーーー
ー…
「…てなわけで、私も合同合宿に参加することになった」
「俺は嬉しいぜよ」
「…私は最悪だわ。せっかくの休みだってのに…」
「じゃが、今回はウチだけじゃのうて他校もいるっちゅうのが心配ナリ…」
「氷帝と…なんだっけ?」
「青学。正式名称青春学園」
「うわっ。恥ずかしい名前だな!」
「青学もなかなかなのクセモノ揃いじゃ。あんまし関わらん方がいい」
「立海とも氷帝とも深く関わりたくないけど。もちろんアンタだけは特別なんてこともないから」
「な、なんでじゃ!?せっかくニ週間もずっと一緒におれるんに!ちょっとくらいプライベートがあっても…」
「合宿でしょ。アンタはテニス、私は仕事をしに行くの。公私混同してたら周りから舐められるでしょーよ」
「愛子ちゃんは手厳しいのう…」
そんな会話をクラスでしていたら、早速赤也と丸井がやって来たのだった。
「愛子先輩〜!聞きましたよ!」
「合宿に俺らの専属飯番として来るんだろぃ?」
「アンタらってこういう時だけ嗅ぎつけるが早いよね…」
「さっき幸村部長からメールがきました!」
「んで、俺はコイツに聞いた」
「っち、私を逃がさないために赤也を使ってくるとは…」
「それで愛子先輩に相談なんスけど…、先輩の家が学校に一番近いんで、出来れば前日に俺達を泊めてくれませんか?」
「頼む!合宿の日って朝めちゃくちゃ早ぇんだよ」
「寝坊して遅れたら朝から真田副部長のビンタが飛んでくるんス!」
「ダメじゃ」「いいよ」
雅治と同時に発した言葉は対極だった。
「部屋は余ってるから別に構わないけど」
「愛子ちゃんダメじゃき!!狼の中に放り込まれたウサギちゃんになってしまうぜよ!!」
「コイツを襲うほど飢えちゃいねーよ」
「愛子先輩は第二の姉ちゃんみたいなもんだし」
「そうそう。アンタが心配するようなことなんて起こり得ないよ。まあ…もし仮に、間違いが起きそうになったら…遠慮なく握り潰してやるから大丈夫だよ」
目を細めて拳を力強く握りしめてみせると、赤也と丸井は内股気味となり顔を青ざめさせていた。だが雅治は納得していない様子だった。
「じゃが…」
「そんなに気になるならさ、雅治も泊まればいいじゃん」
「…えっ!?いいんか!?」
「てか、泊まったことないのかよ?」
「あるわけないじゃろ。俺達はまだ高校二年生じゃき」
「案外頭硬いんですねー。仁王先輩って」
「ただのヘタレだよ」
「だな」
「なっ…!」
「んじゃあ、合宿前日の夜8時に愛子先輩家に集合ってことで!決まり!」
「何アンタが仕切ってんのよ」
「いてっ」
私が赤也の頭を小突くと、それを見ていた雅治と丸井が馬鹿にしたように笑い、ムッとした赤也が「アンタ達…潰すよ」と喧嘩をふっかける。
…ぎゃいぎゃい騒がしい男共に先が思いやられる。これは合宿の前から騒がしいこと間違いないな。
「やあ、如月」
「断る」
「まだ何も言ってないんだけど」
「…アンタがその笑顔を浮かべてる時は100%私にとって良くない話を持ち掛けるときなんだよ。ってことで、さようなら」
そう言って立ち去ろうとしたが、ガシッと腕を掴まれてしまった。
「ちょっ、離して…ッ!」
「蓮二みたいなこと言って。でも俺達のことよく分かってるじゃないか。それもそうか、だって俺たちは中等部からの仲、いわゆる腐れ縁、というか仲間と言っても過言じゃない。そんな俺からの頼み事を友達思いの優しーい如月が断るなんて…まさかないよね」
「…それをノンブレスで言えるのが凄いわ」
「ありがとう。で、もちろん俺の話を聞いてくれるよね?」
「丁重にお断り致します」
「仁王に“如月はよく俺のことを理解してくれているみたい…。どうしよう…そんな女子他にいないよ”って頬を染めながら言ってみようかな」
「マジで色んな意味でそれだけはやめて」
「フフ…引き受けてくれてありがとう」
幸村の笑みにそこらの女子達がうっとり頬を染める。見た目は爽やかでいて甘い笑顔だけど、言ってることは悪魔並み…いや、魔王様か。
だってそれ、もう私に拒否権ないじゃん!まあ、アイツの中では最初から決定事項だったんだろうけど…。
「はぁ…。それで?」
残念ながら私は幸村の横暴さに免疫がついてしまったらしい。諦めを含んだため息を吐き、頼み事とやらの内容を話すよう促す。
「ああ、実は夏休みにニ週間ほど合同合宿を行うんだ。そこにキミもついて来て欲しい」
「…はぁ。またマネージャー?」
「みたいな感じかな。でも主な仕事は調理、俺たちの料理人【コック】だよ」
「…どういうこと?」
「実は開催場所が跡部の別荘なんだけど、跡部がどうしても如月に庶民の味のするご飯を作って欲しいと頼んできてね。どうやら別荘にいるシェフの夏休みと被っちゃったみたい」
私の脳内にニヤリと笑う泣き黒子が浮かぶ。
「…ッ、アイツのせいか!!」
「俺たちも跡部んとこのシェフが作る食べ慣れない料理よりも、如月が作った料理の方がいいってことになってね。是非朝ごはんは和食で頼むよ」
「…ちくしょー。アルバイト代請求してやる!!」
「それは跡部によろしく」
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「…てなわけで、私も合同合宿に参加することになった」
「俺は嬉しいぜよ」
「…私は最悪だわ。せっかくの休みだってのに…」
「じゃが、今回はウチだけじゃのうて他校もいるっちゅうのが心配ナリ…」
「氷帝と…なんだっけ?」
「青学。正式名称青春学園」
「うわっ。恥ずかしい名前だな!」
「青学もなかなかなのクセモノ揃いじゃ。あんまし関わらん方がいい」
「立海とも氷帝とも深く関わりたくないけど。もちろんアンタだけは特別なんてこともないから」
「な、なんでじゃ!?せっかくニ週間もずっと一緒におれるんに!ちょっとくらいプライベートがあっても…」
「合宿でしょ。アンタはテニス、私は仕事をしに行くの。公私混同してたら周りから舐められるでしょーよ」
「愛子ちゃんは手厳しいのう…」
そんな会話をクラスでしていたら、早速赤也と丸井がやって来たのだった。
「愛子先輩〜!聞きましたよ!」
「合宿に俺らの専属飯番として来るんだろぃ?」
「アンタらってこういう時だけ嗅ぎつけるが早いよね…」
「さっき幸村部長からメールがきました!」
「んで、俺はコイツに聞いた」
「っち、私を逃がさないために赤也を使ってくるとは…」
「それで愛子先輩に相談なんスけど…、先輩の家が学校に一番近いんで、出来れば前日に俺達を泊めてくれませんか?」
「頼む!合宿の日って朝めちゃくちゃ早ぇんだよ」
「寝坊して遅れたら朝から真田副部長のビンタが飛んでくるんス!」
「ダメじゃ」「いいよ」
雅治と同時に発した言葉は対極だった。
「部屋は余ってるから別に構わないけど」
「愛子ちゃんダメじゃき!!狼の中に放り込まれたウサギちゃんになってしまうぜよ!!」
「コイツを襲うほど飢えちゃいねーよ」
「愛子先輩は第二の姉ちゃんみたいなもんだし」
「そうそう。アンタが心配するようなことなんて起こり得ないよ。まあ…もし仮に、間違いが起きそうになったら…遠慮なく握り潰してやるから大丈夫だよ」
目を細めて拳を力強く握りしめてみせると、赤也と丸井は内股気味となり顔を青ざめさせていた。だが雅治は納得していない様子だった。
「じゃが…」
「そんなに気になるならさ、雅治も泊まればいいじゃん」
「…えっ!?いいんか!?」
「てか、泊まったことないのかよ?」
「あるわけないじゃろ。俺達はまだ高校二年生じゃき」
「案外頭硬いんですねー。仁王先輩って」
「ただのヘタレだよ」
「だな」
「なっ…!」
「んじゃあ、合宿前日の夜8時に愛子先輩家に集合ってことで!決まり!」
「何アンタが仕切ってんのよ」
「いてっ」
私が赤也の頭を小突くと、それを見ていた雅治と丸井が馬鹿にしたように笑い、ムッとした赤也が「アンタ達…潰すよ」と喧嘩をふっかける。
…ぎゃいぎゃい騒がしい男共に先が思いやられる。これは合宿の前から騒がしいこと間違いないな。