ー友達編2ー
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キミとさようならをします
クラスのヤツに“如月が階段から落ちたらしい”と聞いた瞬間血の気が引いた。
保健室へと急ぎ、勢い良くドアを開けると中には何故かブンちゃんが立っておった。
「なんでお前さんが?ー…っ愛子ちゃんは!?」
「…なんか、保健の先公と一緒に念の為病院に行った。なかなか派手に階段から落ちたらしいな」
「…そ、…そうなんか」
「保健委員の用事でいたら急に如月が運ばれてきて驚いたぜ」
「大きなダンボールを持ってたせいじゃ…。あの時俺が無理にでも持って行ってやってればこんな事には…っ」
「前がよく見えなくて足を滑らせたんだな…」
「違うよ」
「「っ!?」」
突如聞こえた第三者の声に驚いた俺とブンちゃんがドアの方を振り向くと、そこには神妙な面持ちを浮かべる幸村が立っておった。
「…違うってどういうことじゃ…、」
俺が怪訝そうにそう尋ねると幸村はドアを閉めてから口を開いた。
「如月さんは…自分のせいで落ちたんじゃない。誰かに突き落とされたんだよ」
「なっーー…!?」
「おかしいと思って如月さんが落ちた瞬間を目撃した子に話を聞いてみたんだ。…そしたら、落ちていく彼女を見て笑ってる女子生徒が階段の上にいたらしい」
その言葉を聞いて俺は絶句する。
「えっ、それって…イジメじゃねーか!そのこと教師に言ったんだろぃ?」
「笑っていたってだけで証拠はないからね。言ったって無駄だよ。それにより一層、如月さんの状況が悪くなる可能性だってある」
「……幸村は何か知っとるんか?」
「直接は知らないよ。でも、気付いてはいた。…仁王も薄々気付いていたんだろ。如月さんへが受けていた嫌がらせに」
「……やっぱり、それは…」
「仁王のファンの仕業だろうね」
きっぱりと言い切る幸村の言葉に俺は打ちのめされる。少し前からそんな気はしとった…。
じゃが、愛子ちゃんは俺に何も相談してくれんから、それ以上追求出来んかった。そもそもまだ確信もなかったきに。
…というんは建前で、本当は頼りにしてもらえないのが悲しくて悔しくて愛子ちゃんから言ってくれるのを待っとった。
自分から問い詰めて“アンタのせいだよ”と言われるんが怖くて知らんぷりをしてたんじゃ。
その事を幸村は分かっているんじゃろう。
「…俺は自分のことばかりで…。変な意地張っとらんで、もっと早く対処しちょったら…っ。全部俺のせいじゃ…」
「如月さんが言わなかったのは仁王が頼りなかったとかじゃく、お前がそうやって傷つくと思って言わなかったんだと思うよ」
愛子ちゃんが優しい子だってことは俺が一番よく知っとる。…だから、彼女はこれからも一人で耐えようとするだろう。
「……俺、愛子ちゃんのこと…諦めるぜよ」
「はぁ!?何でそんなことになるんだよ!?」
「…俺が近くにいない方が愛子ちゃんにとっていい。彼女が望む平和な生活を送れる…」
「それなら、犯人見つけて“如月に手出すな”って言ってやったらいいだろぃ!」
「…また違うヤツが現れたら同じじゃ。俺が側を離れるんが一番の解決策ぜよ」
「お前がそこまで情けない奴だとは思わなかったぜ…っ!ただ守る自信がないだけだろぃ!?」
「…そうじゃよ。悪いか」
納得出来ない表情をして俺に食ってかかるブンちゃんを思わず睨みつける。
…彼女のヒーローになんかなれんちゅーことも俺自身が一番分かっとる。
それに俺が助けたことによって火に油を注ぐかたちとなるんはごめんじゃ。女子の嫉妬や思い上がりは何よりも怖い。
「男なら根性見せて好きなヤツくれぇ守ってみせろよ…!」
「ブン太。好きな人をどうやって守るかは人それぞれだよ。…仁王の気持ちも考えごらん。どんな思いでその一言を口に出したのか」
幸村の言葉にブンちゃんは黙り込んだ。
俺だって愛子ちゃんから離れとうない。胸が張り裂けそうな程嫌じゃ…。けど、優先すべきは自分の感情よりも彼女の身の安全。だからーー…。
「俺は今後愛子ちゃんとは関わらん」
幸村の「そう…」という言葉が、しんと静まった空間に響いたのだった。
クラスのヤツに“如月が階段から落ちたらしい”と聞いた瞬間血の気が引いた。
保健室へと急ぎ、勢い良くドアを開けると中には何故かブンちゃんが立っておった。
「なんでお前さんが?ー…っ愛子ちゃんは!?」
「…なんか、保健の先公と一緒に念の為病院に行った。なかなか派手に階段から落ちたらしいな」
「…そ、…そうなんか」
「保健委員の用事でいたら急に如月が運ばれてきて驚いたぜ」
「大きなダンボールを持ってたせいじゃ…。あの時俺が無理にでも持って行ってやってればこんな事には…っ」
「前がよく見えなくて足を滑らせたんだな…」
「違うよ」
「「っ!?」」
突如聞こえた第三者の声に驚いた俺とブンちゃんがドアの方を振り向くと、そこには神妙な面持ちを浮かべる幸村が立っておった。
「…違うってどういうことじゃ…、」
俺が怪訝そうにそう尋ねると幸村はドアを閉めてから口を開いた。
「如月さんは…自分のせいで落ちたんじゃない。誰かに突き落とされたんだよ」
「なっーー…!?」
「おかしいと思って如月さんが落ちた瞬間を目撃した子に話を聞いてみたんだ。…そしたら、落ちていく彼女を見て笑ってる女子生徒が階段の上にいたらしい」
その言葉を聞いて俺は絶句する。
「えっ、それって…イジメじゃねーか!そのこと教師に言ったんだろぃ?」
「笑っていたってだけで証拠はないからね。言ったって無駄だよ。それにより一層、如月さんの状況が悪くなる可能性だってある」
「……幸村は何か知っとるんか?」
「直接は知らないよ。でも、気付いてはいた。…仁王も薄々気付いていたんだろ。如月さんへが受けていた嫌がらせに」
「……やっぱり、それは…」
「仁王のファンの仕業だろうね」
きっぱりと言い切る幸村の言葉に俺は打ちのめされる。少し前からそんな気はしとった…。
じゃが、愛子ちゃんは俺に何も相談してくれんから、それ以上追求出来んかった。そもそもまだ確信もなかったきに。
…というんは建前で、本当は頼りにしてもらえないのが悲しくて悔しくて愛子ちゃんから言ってくれるのを待っとった。
自分から問い詰めて“アンタのせいだよ”と言われるんが怖くて知らんぷりをしてたんじゃ。
その事を幸村は分かっているんじゃろう。
「…俺は自分のことばかりで…。変な意地張っとらんで、もっと早く対処しちょったら…っ。全部俺のせいじゃ…」
「如月さんが言わなかったのは仁王が頼りなかったとかじゃく、お前がそうやって傷つくと思って言わなかったんだと思うよ」
愛子ちゃんが優しい子だってことは俺が一番よく知っとる。…だから、彼女はこれからも一人で耐えようとするだろう。
「……俺、愛子ちゃんのこと…諦めるぜよ」
「はぁ!?何でそんなことになるんだよ!?」
「…俺が近くにいない方が愛子ちゃんにとっていい。彼女が望む平和な生活を送れる…」
「それなら、犯人見つけて“如月に手出すな”って言ってやったらいいだろぃ!」
「…また違うヤツが現れたら同じじゃ。俺が側を離れるんが一番の解決策ぜよ」
「お前がそこまで情けない奴だとは思わなかったぜ…っ!ただ守る自信がないだけだろぃ!?」
「…そうじゃよ。悪いか」
納得出来ない表情をして俺に食ってかかるブンちゃんを思わず睨みつける。
…彼女のヒーローになんかなれんちゅーことも俺自身が一番分かっとる。
それに俺が助けたことによって火に油を注ぐかたちとなるんはごめんじゃ。女子の嫉妬や思い上がりは何よりも怖い。
「男なら根性見せて好きなヤツくれぇ守ってみせろよ…!」
「ブン太。好きな人をどうやって守るかは人それぞれだよ。…仁王の気持ちも考えごらん。どんな思いでその一言を口に出したのか」
幸村の言葉にブンちゃんは黙り込んだ。
俺だって愛子ちゃんから離れとうない。胸が張り裂けそうな程嫌じゃ…。けど、優先すべきは自分の感情よりも彼女の身の安全。だからーー…。
「俺は今後愛子ちゃんとは関わらん」
幸村の「そう…」という言葉が、しんと静まった空間に響いたのだった。