ー友達編2ー
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キミの世界をもっと知りたい
【もし良かったら明日の試合是非見に来て欲しいぜよ。|ω・`)】
突如夜にそんなメールが仁王から送られてきた。急だな…と思ったが、明日は何も予定がないし、このあいだ助けられた恩もあるため、【分かった】っと返事をする。
すると、すぐに始まる時間と【嬉しいナリ!】という言葉が送られてきた。
私は携帯を枕元に投げて、ベッドの上で仰向けになってなんとなく天井を見つめた。
「…仁王のテニスかぁ。初めて見るな」
今まで何度も誘われてきたが、興味がないので断ってきた。そんな私が何で今更考えを改めたかと言うと、夏祭りで起きたあの事件が原因だ。
仁王に助けられたあの時ー…、胸が今までにないくらい熱くなった。
仁王を見た瞬間、恐怖に満ちていた心は妙な安心感に包まれたのだった。(人はこれを吊橋効果と呼ぶのかも知れないが…)
それからふとした瞬間にアイツのことを思い出すようになり、今まで感じたことがないような感情が心の奥から小さく湧き上がってくる。
この感情は一体何なのか…私は仁王に会って答えを確かめたかった。
ーーーー
ーーー
ー…
当日、指定された時間にテニスコートがある場所に訪れると、そこには眼鏡の彼がいた。
「おはようございます。如月さん」
「…おはよう。えっと…、」
「しっかりお会いするのは初めてですね。柳生比呂士と申します。いつも仁王君がお世話になっています」
「(この人が仁王の保護者か…)どうも。アイツから話はよく聞いてるよ。ところで仁王は?」
「仁王君なら今ウォーミングアップ中です。今日は大事な試合ですので、はりきっているのでしょう」
柳生君は「如月さんも見に来てくれたことですしね」と私を見て微笑む。…コイツらって仁王の思いを隠すことってしないよね。
「そんなに大事な試合なんだ」
「ええ。彼がレギュラーになれるかどうかが決まる大事な試合です」
「え。結構大事な試合じゃん。そんな真剣勝負を部外者が応援しに来ちゃって良かったの?てか、私以外誰もいないし…」
「そんな真剣勝負だからこそ如月さんに見て欲しかったのでしょう。貴女がいれば仁王君は決して負けませんから。ちなみに、時期部長の幸村君が貴女なら“大歓迎”と仰ってたので安心して下さい」
「えっ、幸村ってそんなに偉い立場だったの」
…偉そうなのは態度だけじゃなかったんだな。
「あ…っ、愛子ちゃん!!」
その時、コートに現れた仁王。私を見つけると笑顔を浮かべて駆け寄って来た。フェンス越しに仁王と対面する。
「見に来てくれて…ありがとうナリ!」
「柳生君から聞いた。…頑張んなよ。相手が誰か知らないけど、やるからにはけちょんけちょんにしてやんな!」
「おん!愛子ちゃんの為に頑張るぜよ!」
「いや、そこはレギュラーの為にしとけよ」
私は思わず呆れた視線を彼に向けた。
相手であろう同じ二年生(柳生君情報)の選手がコートに入ってきたので、「ほら、行った行った」と仁王を送り出す。
「分からないことがありましたら遠慮なく聞いてください」
私の横で一緒に観戦するらしい柳生君。テニスのルールは全く知らないので助かる。
相手のサーブから始まった瞬間、仁王の目つきと雰囲気が変わったのだ。
「……あんな真剣な仁王、初めて見た…」
思わずそう呟いてしまうくらい、普段ふにゃふにゃしている仁王からは想像もつかない姿だった。
相手を射抜かんばかりの鋭い眼差しに、必死にボールを追いかける姿、真剣にテニスに打ち込む姿勢に心打たれ、視線を逸らすことが出来ない。
これが噂の立海大テニス部、【仁王雅治】なのか。
…そりゃ、ファンも大勢いる訳だよ。わたしが見たって格好良いと思えてしまうんだから。
私は試合が終わるまで一言も発することなく、夢中でテニスコート上の仁王を眺めていた。
ーーーー…
相手も必死に食い付いていたが仁王の勝利で試合は終わった。
汗だくのまま口角を上げた仁王がこちらに向けて拳を突き出す姿が目に映ると、不覚にもドキッとしてしまった。
思わずチラッと柳生君の方を見てみる。…ちょうど視線が合ってしまった。
「如月さん、初めてご覧になった仁王君の姿はどうでしたか?」
「……何かを一生懸命頑張る人の姿は格好良いよ。誰であってもね」
「そうですか。あとで仁王君にも言ってあげて下さい。泣いて喜ぶかも知れませんよ」
「…有り得そうだから怖いな」
すると、仁王がやって来たことに気が付いた柳生君は「では」と言って微笑むと、彼に声を掛けることなく何処かへ行ってしまった。
「……ハァ、愛子ちゃん、見てたか…?俺、レギュラーになったぜよ」
「うん。おめでとう」
「…俺のテニス…どうじゃった?」
「正直テニスはよく分からなかったけど、アンタにもちゃんと格好良いとこがあるってことは分かったよ」
私はニッと笑い「ナイスファイト」と拳を突き出す。
すると、驚いた表情を浮かべた後に目を細めて笑った仁王はそっと私の拳に自身の拳をコツンと合わせた。目が合うとはにかむ仁王に私も小さく微笑んだのだった。
ーー…やっと答えが見つかったよ。
【もし良かったら明日の試合是非見に来て欲しいぜよ。|ω・`)】
突如夜にそんなメールが仁王から送られてきた。急だな…と思ったが、明日は何も予定がないし、このあいだ助けられた恩もあるため、【分かった】っと返事をする。
すると、すぐに始まる時間と【嬉しいナリ!】という言葉が送られてきた。
私は携帯を枕元に投げて、ベッドの上で仰向けになってなんとなく天井を見つめた。
「…仁王のテニスかぁ。初めて見るな」
今まで何度も誘われてきたが、興味がないので断ってきた。そんな私が何で今更考えを改めたかと言うと、夏祭りで起きたあの事件が原因だ。
仁王に助けられたあの時ー…、胸が今までにないくらい熱くなった。
仁王を見た瞬間、恐怖に満ちていた心は妙な安心感に包まれたのだった。(人はこれを吊橋効果と呼ぶのかも知れないが…)
それからふとした瞬間にアイツのことを思い出すようになり、今まで感じたことがないような感情が心の奥から小さく湧き上がってくる。
この感情は一体何なのか…私は仁王に会って答えを確かめたかった。
ーーーー
ーーー
ー…
当日、指定された時間にテニスコートがある場所に訪れると、そこには眼鏡の彼がいた。
「おはようございます。如月さん」
「…おはよう。えっと…、」
「しっかりお会いするのは初めてですね。柳生比呂士と申します。いつも仁王君がお世話になっています」
「(この人が仁王の保護者か…)どうも。アイツから話はよく聞いてるよ。ところで仁王は?」
「仁王君なら今ウォーミングアップ中です。今日は大事な試合ですので、はりきっているのでしょう」
柳生君は「如月さんも見に来てくれたことですしね」と私を見て微笑む。…コイツらって仁王の思いを隠すことってしないよね。
「そんなに大事な試合なんだ」
「ええ。彼がレギュラーになれるかどうかが決まる大事な試合です」
「え。結構大事な試合じゃん。そんな真剣勝負を部外者が応援しに来ちゃって良かったの?てか、私以外誰もいないし…」
「そんな真剣勝負だからこそ如月さんに見て欲しかったのでしょう。貴女がいれば仁王君は決して負けませんから。ちなみに、時期部長の幸村君が貴女なら“大歓迎”と仰ってたので安心して下さい」
「えっ、幸村ってそんなに偉い立場だったの」
…偉そうなのは態度だけじゃなかったんだな。
「あ…っ、愛子ちゃん!!」
その時、コートに現れた仁王。私を見つけると笑顔を浮かべて駆け寄って来た。フェンス越しに仁王と対面する。
「見に来てくれて…ありがとうナリ!」
「柳生君から聞いた。…頑張んなよ。相手が誰か知らないけど、やるからにはけちょんけちょんにしてやんな!」
「おん!愛子ちゃんの為に頑張るぜよ!」
「いや、そこはレギュラーの為にしとけよ」
私は思わず呆れた視線を彼に向けた。
相手であろう同じ二年生(柳生君情報)の選手がコートに入ってきたので、「ほら、行った行った」と仁王を送り出す。
「分からないことがありましたら遠慮なく聞いてください」
私の横で一緒に観戦するらしい柳生君。テニスのルールは全く知らないので助かる。
相手のサーブから始まった瞬間、仁王の目つきと雰囲気が変わったのだ。
「……あんな真剣な仁王、初めて見た…」
思わずそう呟いてしまうくらい、普段ふにゃふにゃしている仁王からは想像もつかない姿だった。
相手を射抜かんばかりの鋭い眼差しに、必死にボールを追いかける姿、真剣にテニスに打ち込む姿勢に心打たれ、視線を逸らすことが出来ない。
これが噂の立海大テニス部、【仁王雅治】なのか。
…そりゃ、ファンも大勢いる訳だよ。わたしが見たって格好良いと思えてしまうんだから。
私は試合が終わるまで一言も発することなく、夢中でテニスコート上の仁王を眺めていた。
ーーーー…
相手も必死に食い付いていたが仁王の勝利で試合は終わった。
汗だくのまま口角を上げた仁王がこちらに向けて拳を突き出す姿が目に映ると、不覚にもドキッとしてしまった。
思わずチラッと柳生君の方を見てみる。…ちょうど視線が合ってしまった。
「如月さん、初めてご覧になった仁王君の姿はどうでしたか?」
「……何かを一生懸命頑張る人の姿は格好良いよ。誰であってもね」
「そうですか。あとで仁王君にも言ってあげて下さい。泣いて喜ぶかも知れませんよ」
「…有り得そうだから怖いな」
すると、仁王がやって来たことに気が付いた柳生君は「では」と言って微笑むと、彼に声を掛けることなく何処かへ行ってしまった。
「……ハァ、愛子ちゃん、見てたか…?俺、レギュラーになったぜよ」
「うん。おめでとう」
「…俺のテニス…どうじゃった?」
「正直テニスはよく分からなかったけど、アンタにもちゃんと格好良いとこがあるってことは分かったよ」
私はニッと笑い「ナイスファイト」と拳を突き出す。
すると、驚いた表情を浮かべた後に目を細めて笑った仁王はそっと私の拳に自身の拳をコツンと合わせた。目が合うとはにかむ仁王に私も小さく微笑んだのだった。
ーー…やっと答えが見つかったよ。