ー友達編ー
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キミは友達のままでいて下さい
「屋上さむっー…」
「流石にもうそろそろキツイのう」
季節は冬になり、マフラーが有難い時期になった。相変わらず週に一回一緒にお弁当を食べる関係は続いている。
いつも通り屋上に来てみたはいいが、木枯らしがとてつもなく冷たい。仁王の言う通り、そろそろ屋上は限界かな。
「食堂は騒がしいから行きたくないしなー」
「俺んところのクラスはどうじゃ?」
「えー…」
「それか愛子ちゃんとこ」
「ええー…」
クラスだと私達の会話に聞き耳を立てる奴らばかりで落ち着かない。(私達が付き合っているんじゃないかとバカな噂があるのも知っている)
「…それじゃ、屋上前の階段はどうじゃ?」
「……ありがとう、仁王」
「おん」
私の思考を読み取り、他の案を出してくれた仁王に感謝する。
屋上のドアを閉め、その前の小さな踊り場に座ってご飯を広げた。かなり邪魔な場所に座り込んでいるが、この時期私達以外で屋上に来るバカはいないだろう。
すると、仁王がどこからか膝掛けを取り出して私に渡してきた。「愛子ちゃん、女の子は身体を冷やしたらいかんぜよ」って、お前は母親か。そして準備がいいな。
「「いただきまーす」」
そう言ってそれぞれのお弁当(と言っても仁王は菓子パンだけど)を食べ出す。
「ほら、このハンバーグ食べてごらん」
「いいんか?」
「アンタの為に作ったんだから」
仁王は何故か頬を染めながらハンバーグを口に入れた。もぐもぐと咀嚼し、ごっくんと飲み込むと「…うまい」と一言もらす。
「でしょー。これでも野菜たっぷりよ」
「野菜の味が全くせん」
「伊達に調理部のエースと呼ばれてませんから」
私のおかげで仁王は少しずつ野菜を克服してきたよだ。とりあえず食べてみようとする意欲が出てきた。
別に私は野菜主義者でも何でもないが、せっかくなら美味しいと思えるものが増えた方がいいでしょ。
「愛子ちゃんは本当料理に対する熱意が凄いのう」
「まあね。料理の研究は胸が躍るよ」
「…将来は良いお嫁さんになるんじゃなか…。って、まだ俺達は…!」
頬に両手を添えた仁王がまたしても良く分からんことをブツブツ呟いている。いつものことだからほっとくか。
「てか、もう間もなく冬休みだねー」
「また寂しくなるぜよ…」
「私は虎之助と一日中コタツに篭れるから楽しみだけどね」
「…愛子ちゃんは、ク…クリスマスはどうするんじゃ?」
「クリスマスイブとクリスマスは毎年家族で祝ってる」
「そ、そうか……。まあ、どうせ俺も部活じゃき…」
クリスマスイブもクリスマスも部活だなんて可哀想に。そりゃ、仁王もしゅんとするわ。テニス部の練習量と練習日数ってなかなか鬼畜だよね。
「冬休みも練習三昧なんでしょ?頑張ってねー」
同情はしても結局他人事だから応援の言葉も軽く投げかける。
仁王からテニス部の話を聞いていると、私は改めて部活日数の少ない文化部で良かったと思えた。【熱い青春】なんて言葉は私には全く似合わないでしょ。
「大晦日と元旦と二日は休みじゃ…。もし、良かったら…一緒に初詣に行かんか?」
「え?私と仁王が?初詣?」
「……おん」
思わず聞き返してしまった。不安げな表情を浮かべた仁王が瞳を揺らしながら私をジッと見てくる。
実は最近…私はこの表情に弱い。言葉を詰まらせていると「ダメかのう…?」と仁王の目が潤む。
その姿はまるで某CMのチワワのようで、今回は私が先に折れてしまった。
「まあ…初詣くらいなら」
「やったぁーー!!!」
ガッツポーズを決めて喜ぶ仁王が何だか可笑しくて私まで思わず笑ってしまった。
「アンタはそんなに私が好きか」
揶揄うようにふざけて言った言葉。「そ、そんなことなか!」みたいな台詞が返ってくるかと思っていた。
「うん。好きじゃよ」
「ーー…っ、」
優しく目を細める仁王に不意打ちを食らってしまった。
【友達】としてだと自分に言い聞かせても頬に熱がどんどん集まっていく。それを隠したくて手で頬を覆うようにして彼から顔を背けた。
そしてチラッと様子を伺うと、ヤツはキョトンとした顔で首を傾げている。
…うん。仁王の様子を見るからにしてあれはやはり友達として自然と出た言葉であって他意はない筈。(むしろそうであって欲しい)
…いや、そうに決まってる!だってコイツはヘタレだし!
そう勝手に結論付けるとホッと安心し、頬の熱も落ち着き平常心に戻れた。
「やっぱり学校近くの神社かのう?」
「(誰かに会うだろうかけど…クソ寒い中遠出なんてしたくないからな…)うん、そうだね」
「来年が楽しみになってきた…!」
「おいおい。年明けるまでまだまだ日にちはあるからね」
私はやはりこの関係が居心地が良い。
お願いだからーー…、このままで。
「屋上さむっー…」
「流石にもうそろそろキツイのう」
季節は冬になり、マフラーが有難い時期になった。相変わらず週に一回一緒にお弁当を食べる関係は続いている。
いつも通り屋上に来てみたはいいが、木枯らしがとてつもなく冷たい。仁王の言う通り、そろそろ屋上は限界かな。
「食堂は騒がしいから行きたくないしなー」
「俺んところのクラスはどうじゃ?」
「えー…」
「それか愛子ちゃんとこ」
「ええー…」
クラスだと私達の会話に聞き耳を立てる奴らばかりで落ち着かない。(私達が付き合っているんじゃないかとバカな噂があるのも知っている)
「…それじゃ、屋上前の階段はどうじゃ?」
「……ありがとう、仁王」
「おん」
私の思考を読み取り、他の案を出してくれた仁王に感謝する。
屋上のドアを閉め、その前の小さな踊り場に座ってご飯を広げた。かなり邪魔な場所に座り込んでいるが、この時期私達以外で屋上に来るバカはいないだろう。
すると、仁王がどこからか膝掛けを取り出して私に渡してきた。「愛子ちゃん、女の子は身体を冷やしたらいかんぜよ」って、お前は母親か。そして準備がいいな。
「「いただきまーす」」
そう言ってそれぞれのお弁当(と言っても仁王は菓子パンだけど)を食べ出す。
「ほら、このハンバーグ食べてごらん」
「いいんか?」
「アンタの為に作ったんだから」
仁王は何故か頬を染めながらハンバーグを口に入れた。もぐもぐと咀嚼し、ごっくんと飲み込むと「…うまい」と一言もらす。
「でしょー。これでも野菜たっぷりよ」
「野菜の味が全くせん」
「伊達に調理部のエースと呼ばれてませんから」
私のおかげで仁王は少しずつ野菜を克服してきたよだ。とりあえず食べてみようとする意欲が出てきた。
別に私は野菜主義者でも何でもないが、せっかくなら美味しいと思えるものが増えた方がいいでしょ。
「愛子ちゃんは本当料理に対する熱意が凄いのう」
「まあね。料理の研究は胸が躍るよ」
「…将来は良いお嫁さんになるんじゃなか…。って、まだ俺達は…!」
頬に両手を添えた仁王がまたしても良く分からんことをブツブツ呟いている。いつものことだからほっとくか。
「てか、もう間もなく冬休みだねー」
「また寂しくなるぜよ…」
「私は虎之助と一日中コタツに篭れるから楽しみだけどね」
「…愛子ちゃんは、ク…クリスマスはどうするんじゃ?」
「クリスマスイブとクリスマスは毎年家族で祝ってる」
「そ、そうか……。まあ、どうせ俺も部活じゃき…」
クリスマスイブもクリスマスも部活だなんて可哀想に。そりゃ、仁王もしゅんとするわ。テニス部の練習量と練習日数ってなかなか鬼畜だよね。
「冬休みも練習三昧なんでしょ?頑張ってねー」
同情はしても結局他人事だから応援の言葉も軽く投げかける。
仁王からテニス部の話を聞いていると、私は改めて部活日数の少ない文化部で良かったと思えた。【熱い青春】なんて言葉は私には全く似合わないでしょ。
「大晦日と元旦と二日は休みじゃ…。もし、良かったら…一緒に初詣に行かんか?」
「え?私と仁王が?初詣?」
「……おん」
思わず聞き返してしまった。不安げな表情を浮かべた仁王が瞳を揺らしながら私をジッと見てくる。
実は最近…私はこの表情に弱い。言葉を詰まらせていると「ダメかのう…?」と仁王の目が潤む。
その姿はまるで某CMのチワワのようで、今回は私が先に折れてしまった。
「まあ…初詣くらいなら」
「やったぁーー!!!」
ガッツポーズを決めて喜ぶ仁王が何だか可笑しくて私まで思わず笑ってしまった。
「アンタはそんなに私が好きか」
揶揄うようにふざけて言った言葉。「そ、そんなことなか!」みたいな台詞が返ってくるかと思っていた。
「うん。好きじゃよ」
「ーー…っ、」
優しく目を細める仁王に不意打ちを食らってしまった。
【友達】としてだと自分に言い聞かせても頬に熱がどんどん集まっていく。それを隠したくて手で頬を覆うようにして彼から顔を背けた。
そしてチラッと様子を伺うと、ヤツはキョトンとした顔で首を傾げている。
…うん。仁王の様子を見るからにしてあれはやはり友達として自然と出た言葉であって他意はない筈。(むしろそうであって欲しい)
…いや、そうに決まってる!だってコイツはヘタレだし!
そう勝手に結論付けるとホッと安心し、頬の熱も落ち着き平常心に戻れた。
「やっぱり学校近くの神社かのう?」
「(誰かに会うだろうかけど…クソ寒い中遠出なんてしたくないからな…)うん、そうだね」
「来年が楽しみになってきた…!」
「おいおい。年明けるまでまだまだ日にちはあるからね」
私はやはりこの関係が居心地が良い。
お願いだからーー…、このままで。