ー友達編ー
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キミと水族館に行きました
秋晴れの土曜日。私は駅の改札の前でヤツを待っていた。…そう、仁王を。
なんで休みの日にまでアイツと会うことになったのかというとーー……それは一週間前の昼休み。
「愛子ちゃ…んっ!」
「何?」
「ああ、あのぉ!ら、来週の土曜って何か予定あるかのう…?」
「特にないけど」
「な、なら…!俺と……デ、デ、デデ………っ」
「デデ?」
「〜〜〜…………っ、水族館に、行かんか!!?」
「はあ……?」
水族館の無料チケットを持っているらしい仁王は何故か私を誘って来たのだった。
期待に満ち溢れた目をする彼に対して私は思わず眉を寄せる。(てか、こんなところで誘うなよ)
水族館はどちらかと言うと好きだが、仁王と行きたい理由もないし、「他の人でも誘ったら?」と断ると、涙目で「ゆ、幸村ー!!」と言いながら走り去っていった。
なんだ…?と思いながらも気にせず昼食を再開させると、アイツは暫くして幸村を連れて戻ってきた。
そして、「これ、俺があげたチケットなんだ。勿論仁王と一緒に行ってくれるよね?」と圧のこもった笑顔を向けてきたのだった。
再び断ろうとしたが、「行くだろ?」と幸村の笑顔の影が濃くなり、本能的に身の危険を感じてしまった私は無意識に頷いてしまったのである。(それにクラスの注目が痛くて、早く解放されたかったというのもある)
ーー…こうして、今日に至るってわけだが、待ち合わせの時間から15分過ぎても仁王は現れない。自分から誘っておいて…と苛々してきた。
帰ろうかな…と思ったその時、「愛子ちゃん!!」と奴の呼ぶ声が聞こえ、視線を向けると走ってこちらに向かってくる仁王を見つけた。
「…遅いんだけど」
「す、すまん…!」
「何してたの?」
「…服選びに時間がかかってしもうて…気付いたら家出る時間過ぎとったんじゃ…」
「お前は女子か」
しゅんと項垂れる仁王に思わずつっこんでしまった。
「結局…シンプルな格好になってしもうた…」
「ふーん」
仁王の格好をまじまじと見てみる。黒のシャツの中は少し濃いめのピンクのVネックシャツ、足元は細身のジーンズ。
確かにシンプルではあるがどれも仁王に似合っていて、お洒落に見える。(服自体もいいヤツなのだろう)
「別に悪くないけどね。てか、あまりにも変にお洒落過ぎても隣歩きたくないからそれでいいよ」
「…良かったナリ」
照れ臭そうに笑いながら「…愛子ちゃんの格好も可愛い」と、珍しくナチュラルに告げてくる仁王にどう反応していいか困った。とりあえず「あっそう」とだけ返しておいた。
「……それじゃ、行こうかのう」
「遅れて来たアンタが言うな」
仁王の頭をパシンと軽く叩き、私達は電車に乗ると湘南水族館を目指したのだった。
ーーーー…
「うわぁー…人多い」
土曜日とあって家族連れや友達同士、カップルなどでなかなか混雑していた。
「仁王、はぐれないでよね」
「愛、愛子ちゃん……手、手を繋げば…っ安心ぜよ!」
「は?子供じゃないんだからちゃんと着いて来なよ」
「……プ、プリ」
まあ、もし仁王がはぐれたら迷子の放送をかけてやろう。
「とりあえず順番に見てみようか」
「…あ!愛子ちゃん、ペンギンの餌やりがあるぜよ!」
「それはせっかくなら見たい!何時から?」
「14時からナリ。昼飯食べてから行こう!」
「おっけー」
そんかたわいもない会話をしながら水族館の中を見て回った。
様々な魚や海の生き物がおり、結構楽しい。仁王と一緒にいるのも何だかんだ言っても嫌ではないしね。気を遣わないでいいから楽だ。
癪だけど、帰りにチケットをくれた幸村にお土産でも買ってやるか。
秋晴れの土曜日。私は駅の改札の前でヤツを待っていた。…そう、仁王を。
なんで休みの日にまでアイツと会うことになったのかというとーー……それは一週間前の昼休み。
「愛子ちゃ…んっ!」
「何?」
「ああ、あのぉ!ら、来週の土曜って何か予定あるかのう…?」
「特にないけど」
「な、なら…!俺と……デ、デ、デデ………っ」
「デデ?」
「〜〜〜…………っ、水族館に、行かんか!!?」
「はあ……?」
水族館の無料チケットを持っているらしい仁王は何故か私を誘って来たのだった。
期待に満ち溢れた目をする彼に対して私は思わず眉を寄せる。(てか、こんなところで誘うなよ)
水族館はどちらかと言うと好きだが、仁王と行きたい理由もないし、「他の人でも誘ったら?」と断ると、涙目で「ゆ、幸村ー!!」と言いながら走り去っていった。
なんだ…?と思いながらも気にせず昼食を再開させると、アイツは暫くして幸村を連れて戻ってきた。
そして、「これ、俺があげたチケットなんだ。勿論仁王と一緒に行ってくれるよね?」と圧のこもった笑顔を向けてきたのだった。
再び断ろうとしたが、「行くだろ?」と幸村の笑顔の影が濃くなり、本能的に身の危険を感じてしまった私は無意識に頷いてしまったのである。(それにクラスの注目が痛くて、早く解放されたかったというのもある)
ーー…こうして、今日に至るってわけだが、待ち合わせの時間から15分過ぎても仁王は現れない。自分から誘っておいて…と苛々してきた。
帰ろうかな…と思ったその時、「愛子ちゃん!!」と奴の呼ぶ声が聞こえ、視線を向けると走ってこちらに向かってくる仁王を見つけた。
「…遅いんだけど」
「す、すまん…!」
「何してたの?」
「…服選びに時間がかかってしもうて…気付いたら家出る時間過ぎとったんじゃ…」
「お前は女子か」
しゅんと項垂れる仁王に思わずつっこんでしまった。
「結局…シンプルな格好になってしもうた…」
「ふーん」
仁王の格好をまじまじと見てみる。黒のシャツの中は少し濃いめのピンクのVネックシャツ、足元は細身のジーンズ。
確かにシンプルではあるがどれも仁王に似合っていて、お洒落に見える。(服自体もいいヤツなのだろう)
「別に悪くないけどね。てか、あまりにも変にお洒落過ぎても隣歩きたくないからそれでいいよ」
「…良かったナリ」
照れ臭そうに笑いながら「…愛子ちゃんの格好も可愛い」と、珍しくナチュラルに告げてくる仁王にどう反応していいか困った。とりあえず「あっそう」とだけ返しておいた。
「……それじゃ、行こうかのう」
「遅れて来たアンタが言うな」
仁王の頭をパシンと軽く叩き、私達は電車に乗ると湘南水族館を目指したのだった。
ーーーー…
「うわぁー…人多い」
土曜日とあって家族連れや友達同士、カップルなどでなかなか混雑していた。
「仁王、はぐれないでよね」
「愛、愛子ちゃん……手、手を繋げば…っ安心ぜよ!」
「は?子供じゃないんだからちゃんと着いて来なよ」
「……プ、プリ」
まあ、もし仁王がはぐれたら迷子の放送をかけてやろう。
「とりあえず順番に見てみようか」
「…あ!愛子ちゃん、ペンギンの餌やりがあるぜよ!」
「それはせっかくなら見たい!何時から?」
「14時からナリ。昼飯食べてから行こう!」
「おっけー」
そんかたわいもない会話をしながら水族館の中を見て回った。
様々な魚や海の生き物がおり、結構楽しい。仁王と一緒にいるのも何だかんだ言っても嫌ではないしね。気を遣わないでいいから楽だ。
癪だけど、帰りにチケットをくれた幸村にお土産でも買ってやるか。