ー友達編ー
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
キミは忠犬ハチ公?
夏休みなんて結局あっという間に終わり、2学期が始まって早数週間。皆んなの話題はもっぱら海原祭のことばかり。
「愛子ちゃんのクラスは何するんじゃ?」
「なんかテキトーに休憩スペース。私達のクラス部活に入ってる人が多いからメインはそっちなんだよね」
「ウチは喫茶店をやるみたいじゃが、俺も基本はテニス部の方ナリ」
「私も調理部で忙しいだろうな〜。作るのは楽しいけど、文化祭なんて騒がしいだけであんまし気が乗らないわ」
「…も、もし…、お互いに時間が空いたら、い、一緒に見て…回らんか?」
「んー、気分が向いたらね」
「それでいい!それでも良いから……、約束じゃよ?」
「はいはーい」
仁王があまりにも嬉しそうにニコニコ笑うもんだから、コイツ一緒に回る友達いないのかな…。と内心で哀れむ。
別に断っても良かったが、日に日に増していくワンコ感に断りきれない私がいた。
なんだかんだ夏休み中よく連絡を取り合い(主に猫関連の話題だが)、毎日私のクラスに会いに来るもんだから流石の私も情が湧くという訳で…、不本意ながら仁王が側にいることが当たり前と化していた。
ーーなんだかんだでそんなに嫌ではないのだけど、まだそこまで素直に成りきれない。
「あ、そうそう。海原祭で出すお菓子の試作品また余ったからあげる」
昨日余った大量のクッキーが入ってた事を思い出した私は、カバンの中から取り出すと仁王に渡した。
この時期は調理部もほぼ毎日部活がある。海原祭に向けて販売菓子の試作をしたり、来週からは販売物の製作とかなり忙しいのだ。
「嬉しいぜよ!俺、愛子ちゃんが作ったクッキーが世界で一番好きじゃ…」
「いや、それは大袈裟過ぎでしょ。まあ、喜んでもらえて有難いけどね。あ、また丸井にも分けてあげて。アイツ“菓子くれぃ”って煩いから」
「………おん」
そう言うといつも嫌そうな顔をする仁王。「アイツは愛子ちゃんの菓子を食べすぎなんじゃ…。昨日だって…」とブツブツ丸井への文句を言っているが、結局仲が良い。
「文化祭丸井と回ればいいじゃん」と思わず言ってしまうと、「それだけはいやじゃ!!愛子ちゃんがいい!」と全力で拒否された丸井不憫。男子の友情もよく分からんな。
そうこうしているうちに間もなくチャイムが鳴る時間となった。
「それじゃあ、またのう愛子ちゃん」
「じゃーねー」
去っていく仁王の後ろ姿をボーッと見送る。最後にドアのところで振り返ったかと思うと、笑顔で手を振られたのであった。
「仁王君ってばすっかり愛子に懐いちゃったね」
「…なんか気付いたらそうなってたようだね」
「いいなあ。あんなに仁王君に笑顔を向けてもらえて〜」
「仁王君ってなんだか特定の人にしか懐かない猫みたいだよね。他の人には相変わらずクールだし」
クールというより人見知り+ヘタレでちゃんと話せないだけでしょ。アイツは。
「猫はもっと高貴な生き物よ。アレはどちらかというと犬でしょ」
「…あー、確かに愛子と一緒にいる時の仁王君は、飼い主に好かれたくて一生懸命尻尾を振るワンコかも」
「まさに忠犬っぽいよね」
そう言ってクスクス笑う友人達。ちなみに私のクラスの人達はだいぶあの感じの仁王の様子に慣れてきたようだ。(最初は皆んなギョッと驚愕していたけどね。まあ、そりゃあそうか)
「何にせよ厄介な奴に懐かれたもんよ」
私はやれやれと呟き、次の授業で使う教科書を探す。
友人達がそんな私を見て優しく微笑んでいたとはー…知らなかった。
夏休みなんて結局あっという間に終わり、2学期が始まって早数週間。皆んなの話題はもっぱら海原祭のことばかり。
「愛子ちゃんのクラスは何するんじゃ?」
「なんかテキトーに休憩スペース。私達のクラス部活に入ってる人が多いからメインはそっちなんだよね」
「ウチは喫茶店をやるみたいじゃが、俺も基本はテニス部の方ナリ」
「私も調理部で忙しいだろうな〜。作るのは楽しいけど、文化祭なんて騒がしいだけであんまし気が乗らないわ」
「…も、もし…、お互いに時間が空いたら、い、一緒に見て…回らんか?」
「んー、気分が向いたらね」
「それでいい!それでも良いから……、約束じゃよ?」
「はいはーい」
仁王があまりにも嬉しそうにニコニコ笑うもんだから、コイツ一緒に回る友達いないのかな…。と内心で哀れむ。
別に断っても良かったが、日に日に増していくワンコ感に断りきれない私がいた。
なんだかんだ夏休み中よく連絡を取り合い(主に猫関連の話題だが)、毎日私のクラスに会いに来るもんだから流石の私も情が湧くという訳で…、不本意ながら仁王が側にいることが当たり前と化していた。
ーーなんだかんだでそんなに嫌ではないのだけど、まだそこまで素直に成りきれない。
「あ、そうそう。海原祭で出すお菓子の試作品また余ったからあげる」
昨日余った大量のクッキーが入ってた事を思い出した私は、カバンの中から取り出すと仁王に渡した。
この時期は調理部もほぼ毎日部活がある。海原祭に向けて販売菓子の試作をしたり、来週からは販売物の製作とかなり忙しいのだ。
「嬉しいぜよ!俺、愛子ちゃんが作ったクッキーが世界で一番好きじゃ…」
「いや、それは大袈裟過ぎでしょ。まあ、喜んでもらえて有難いけどね。あ、また丸井にも分けてあげて。アイツ“菓子くれぃ”って煩いから」
「………おん」
そう言うといつも嫌そうな顔をする仁王。「アイツは愛子ちゃんの菓子を食べすぎなんじゃ…。昨日だって…」とブツブツ丸井への文句を言っているが、結局仲が良い。
「文化祭丸井と回ればいいじゃん」と思わず言ってしまうと、「それだけはいやじゃ!!愛子ちゃんがいい!」と全力で拒否された丸井不憫。男子の友情もよく分からんな。
そうこうしているうちに間もなくチャイムが鳴る時間となった。
「それじゃあ、またのう愛子ちゃん」
「じゃーねー」
去っていく仁王の後ろ姿をボーッと見送る。最後にドアのところで振り返ったかと思うと、笑顔で手を振られたのであった。
「仁王君ってばすっかり愛子に懐いちゃったね」
「…なんか気付いたらそうなってたようだね」
「いいなあ。あんなに仁王君に笑顔を向けてもらえて〜」
「仁王君ってなんだか特定の人にしか懐かない猫みたいだよね。他の人には相変わらずクールだし」
クールというより人見知り+ヘタレでちゃんと話せないだけでしょ。アイツは。
「猫はもっと高貴な生き物よ。アレはどちらかというと犬でしょ」
「…あー、確かに愛子と一緒にいる時の仁王君は、飼い主に好かれたくて一生懸命尻尾を振るワンコかも」
「まさに忠犬っぽいよね」
そう言ってクスクス笑う友人達。ちなみに私のクラスの人達はだいぶあの感じの仁王の様子に慣れてきたようだ。(最初は皆んなギョッと驚愕していたけどね。まあ、そりゃあそうか)
「何にせよ厄介な奴に懐かれたもんよ」
私はやれやれと呟き、次の授業で使う教科書を探す。
友人達がそんな私を見て優しく微笑んでいたとはー…知らなかった。