ー友達編ー
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キミのことをみんなに知られました
なかなかキツい外周が終わり、今日の部活は終わりを告げた。
「ふぃ〜!めっちゃ疲れたぁ!」
「今日は午前練だけで良かったな」
部室に向かって歩きながらブンちゃんとジャッカルがわいわい話をする中、ぼんやりとする俺を心配した柳生が気遣わしげに口を開いた。
「仁王君、どうされたのですか?」
「おっ。なんだよ仁王。あれくらいでへばったのか?情けねぇのは性格だけにしとけよ!」
「お前だってヒィヒィ言ってただろ」
「うるせー!ジャッカル!」
「………愛子ちゃん」
「はぁ?」
「…愛子ちゃんがいた」
「に、仁王君。暑さのせいで幻覚をみたのでしょうか?」
「いや。仁王が本当に見た確率98%」
急に現れた柳が「先程、仁王にガン飛ばす女子生徒がいたな。あれはきっと如月だろう」と俺を見る。
その言葉に俺は頷いた。(俺が彼女を見間違えるはずなか!)
「仁王をガン飛ばす女子がいるとはな…」
「何?お前嫌われてんの?せっかく人が協力してやったのによ」
「き、嫌われてなんてなか!毎日メールのやりとりするくらい仲良しナリ!」
「そ、そうなんですか!?仁王君、貴方って人は…ようやく独り立ちが出来たのですね!」
「ほう」
俺の言葉を聞いて柳生は嬉しそうに涙ぐみ、柳はノートに何やら書き込む。
「へえ。お前にしてはやるじゃん」
「俺だってやる時はやるんじゃ!」
「まさか仁王に女子の友達がいるなんてな。お前確か女嫌いだったろ」
「ジャッカル…愛子ちゃんをそこらの女子と一緒にしなさんな」
「え!?な、なんか悪かったな…」
思わずギロリとジャッカルを睨みつけると奴は慌てて俺に謝った。
「なんか面白そうな話をしてるじゃないか。俺も混ぜてよ」
「っ、幸村!?」
背後から突如声をかけられ振り返ると、にっこり笑う幸村がそこにいた。
「で、一体なんの話?」
「幸村君!仁王の好きな女の話。本人は謎に否定すんけど」
「ブ、ブンちゃん!?」
「仁王、好きな女の子がいるのかい?」
「ピ、ピヨッ…」
「あ、これは図星だね。へぇ、まさかあんなに女子を毛嫌いしてた仁王に好きな子が出来るなんてね…。どんな女の子なのか気になるな」
にっこりと笑みを浮かべる神の子相手に彼女のことを隠し通せるはずもなく…。仕方なく愛子ちゃんのことを皆んなに話したのだった。
「如月さんか。なかなか興味深いね」
「なっ!?愛子ちゃんはダメじゃよ!?」
「大丈夫。仁王から奪い取るなんてそんなつまらないことしないから。ねえ、柳」
「これから面白いデータが沢山取れそうだ」
「てか、仁王!あそこのスイーツ食ったのかよ!?羨ましいすぎるぜぇ〜…。あそこ雑誌にもよく載ってるくれぇ有名なんだけど、あまりにも乙女チック過ぎて流石の俺も入れなかったっていうのに」
「ブン太は食いもんのことしか興味ないのかよ…」
「仁王君が無事恋心を自覚出来たようで良かったです。これで本当にお赤飯が炊けますね」
「お赤飯って…。お前は仁王の母ちゃんかよ…」
「ジャッカル煩いよ」
「えっ!!?」
皆んなが好き放題言う中、最近ようやく自覚したばかりの俺は恥ずかしさに耐えきれず、真っ赤になった顔を両手で隠したのだった。(馬鹿にしたように笑うブンちゃんの声が聞こえる)
おまんら、そんなに人の色恋が楽しいんか…。
「それでその如月さんを見たんだっけ?」
「プ、プリ…」
「でも今夏休みだろぃ?」
「本当にいたのならば部活とか何か用事があったのでは」
「……愛子ちゃんは調理部ナリ」
「調理部!?」
「おい、ブン太落ち着けって」
「調理部は割と不定期に活動しているようだ。今日は午後から部活なのかも知れないな」
「仁王何か聞いてないのかい?」
「…知らんぜよ。愛子ちゃんはあんまし自分のことは喋らんからのう…」
「全く駄目じゃないか。何の為にメールのやりとりしてるんだよ」
「……うっ!………ぐすん、やぎゅー!」
「に、仁王君…めげないで下さい!貴方が頑張ってもっと親密になれれば、きっと如月さんだって自分のことを気軽に話してくれるようになりますよ!」
「おん…」
柳生に慰められ、なんとか折れた心を持ち直す。帰ったらメールで愛子ちゃんに今日のことを聞いてみるかのう。
「それじゃあ、みんなで調理部を見に行こう」
しかし、サラリと告げられた幸村の言葉に俺は驚愕した。
「ダ、ダメぜよ!!」
「何でだよ」
「そ…そんなこと愛子ちゃんにバレたら嫌われる!」
「バレないようにすればいいだろ」
「なんか面白そ〜!俺も行くっ。勿論ジャッカルもな!」
「えー…。ったく…」
「俺も同行しよう」
「それならば私も…(仁王君の想い人を是非この目で見てみたい!)」
「柳生まで!?」
「よし、これで決まりだね。仁王はどうするの?」
輝かしいばかりの笑顔を浮かべる幸村に俺は項垂れるしかなかった…。
ーーーー…
校舎の一階にある調理室の窓の下にしゃがむようにしてこっそり中を覗き込む。
「やっぱり活動しているみたいだね」
「仁王。如月はいたか?」
「(いた…、)」
柳の言葉が耳に入らんほど今の俺の意識は愛子ちゃんにしか向けらていなかった。
白い三角巾にピンクと白のチェック柄のエプロンをつける愛子ちゃんから目が離せない。
……なんて可愛い姿じゃ。見に来て良かったぜよ。
「幸村君。確かあれだよ、如月は」
「へぇ。確かに噂通り綺麗な子ではあるね」
「でも性格はキツいらしぜぇ」
ブンちゃんの言葉に俺は思わず語気を荒げる。
「そんなことなかよ。ちょっと口が悪いだけで愛子ちゃんは優しい女の子じゃき」
「悪い悪い。そんな怒んなよ」
「仁王、声が大きい」
「大きくもなるぜよ!」
柳の言葉にも思わず言い返す。好きな子を悪く言われて黙ってるほど腰抜けじゃなか!
「あっ!!!アイスクリーム!!!」
「ちょっ、おい!ブン太!!」
すると、アイスクリームが見えたらしいブンちゃんが興奮して立ち上がった。涎を垂らしながら窓にへばりつく奴をジャッカルが必死に窓下まで押し込む。
な、なにやっとるんじゃこのデブン太は!?ジャッカルもペットの管理くらいしっかりしんしゃい!
愛子ちゃんにバレたらどうしてくれるんじゃ…!と思っていたその時、ガラリと窓が開いたのだった。
「……何してるんでしょうか?」
声低く目を細める彼女と目が合い、俺は泣きたくなった。
なかなかキツい外周が終わり、今日の部活は終わりを告げた。
「ふぃ〜!めっちゃ疲れたぁ!」
「今日は午前練だけで良かったな」
部室に向かって歩きながらブンちゃんとジャッカルがわいわい話をする中、ぼんやりとする俺を心配した柳生が気遣わしげに口を開いた。
「仁王君、どうされたのですか?」
「おっ。なんだよ仁王。あれくらいでへばったのか?情けねぇのは性格だけにしとけよ!」
「お前だってヒィヒィ言ってただろ」
「うるせー!ジャッカル!」
「………愛子ちゃん」
「はぁ?」
「…愛子ちゃんがいた」
「に、仁王君。暑さのせいで幻覚をみたのでしょうか?」
「いや。仁王が本当に見た確率98%」
急に現れた柳が「先程、仁王にガン飛ばす女子生徒がいたな。あれはきっと如月だろう」と俺を見る。
その言葉に俺は頷いた。(俺が彼女を見間違えるはずなか!)
「仁王をガン飛ばす女子がいるとはな…」
「何?お前嫌われてんの?せっかく人が協力してやったのによ」
「き、嫌われてなんてなか!毎日メールのやりとりするくらい仲良しナリ!」
「そ、そうなんですか!?仁王君、貴方って人は…ようやく独り立ちが出来たのですね!」
「ほう」
俺の言葉を聞いて柳生は嬉しそうに涙ぐみ、柳はノートに何やら書き込む。
「へえ。お前にしてはやるじゃん」
「俺だってやる時はやるんじゃ!」
「まさか仁王に女子の友達がいるなんてな。お前確か女嫌いだったろ」
「ジャッカル…愛子ちゃんをそこらの女子と一緒にしなさんな」
「え!?な、なんか悪かったな…」
思わずギロリとジャッカルを睨みつけると奴は慌てて俺に謝った。
「なんか面白そうな話をしてるじゃないか。俺も混ぜてよ」
「っ、幸村!?」
背後から突如声をかけられ振り返ると、にっこり笑う幸村がそこにいた。
「で、一体なんの話?」
「幸村君!仁王の好きな女の話。本人は謎に否定すんけど」
「ブ、ブンちゃん!?」
「仁王、好きな女の子がいるのかい?」
「ピ、ピヨッ…」
「あ、これは図星だね。へぇ、まさかあんなに女子を毛嫌いしてた仁王に好きな子が出来るなんてね…。どんな女の子なのか気になるな」
にっこりと笑みを浮かべる神の子相手に彼女のことを隠し通せるはずもなく…。仕方なく愛子ちゃんのことを皆んなに話したのだった。
「如月さんか。なかなか興味深いね」
「なっ!?愛子ちゃんはダメじゃよ!?」
「大丈夫。仁王から奪い取るなんてそんなつまらないことしないから。ねえ、柳」
「これから面白いデータが沢山取れそうだ」
「てか、仁王!あそこのスイーツ食ったのかよ!?羨ましいすぎるぜぇ〜…。あそこ雑誌にもよく載ってるくれぇ有名なんだけど、あまりにも乙女チック過ぎて流石の俺も入れなかったっていうのに」
「ブン太は食いもんのことしか興味ないのかよ…」
「仁王君が無事恋心を自覚出来たようで良かったです。これで本当にお赤飯が炊けますね」
「お赤飯って…。お前は仁王の母ちゃんかよ…」
「ジャッカル煩いよ」
「えっ!!?」
皆んなが好き放題言う中、最近ようやく自覚したばかりの俺は恥ずかしさに耐えきれず、真っ赤になった顔を両手で隠したのだった。(馬鹿にしたように笑うブンちゃんの声が聞こえる)
おまんら、そんなに人の色恋が楽しいんか…。
「それでその如月さんを見たんだっけ?」
「プ、プリ…」
「でも今夏休みだろぃ?」
「本当にいたのならば部活とか何か用事があったのでは」
「……愛子ちゃんは調理部ナリ」
「調理部!?」
「おい、ブン太落ち着けって」
「調理部は割と不定期に活動しているようだ。今日は午後から部活なのかも知れないな」
「仁王何か聞いてないのかい?」
「…知らんぜよ。愛子ちゃんはあんまし自分のことは喋らんからのう…」
「全く駄目じゃないか。何の為にメールのやりとりしてるんだよ」
「……うっ!………ぐすん、やぎゅー!」
「に、仁王君…めげないで下さい!貴方が頑張ってもっと親密になれれば、きっと如月さんだって自分のことを気軽に話してくれるようになりますよ!」
「おん…」
柳生に慰められ、なんとか折れた心を持ち直す。帰ったらメールで愛子ちゃんに今日のことを聞いてみるかのう。
「それじゃあ、みんなで調理部を見に行こう」
しかし、サラリと告げられた幸村の言葉に俺は驚愕した。
「ダ、ダメぜよ!!」
「何でだよ」
「そ…そんなこと愛子ちゃんにバレたら嫌われる!」
「バレないようにすればいいだろ」
「なんか面白そ〜!俺も行くっ。勿論ジャッカルもな!」
「えー…。ったく…」
「俺も同行しよう」
「それならば私も…(仁王君の想い人を是非この目で見てみたい!)」
「柳生まで!?」
「よし、これで決まりだね。仁王はどうするの?」
輝かしいばかりの笑顔を浮かべる幸村に俺は項垂れるしかなかった…。
ーーーー…
校舎の一階にある調理室の窓の下にしゃがむようにしてこっそり中を覗き込む。
「やっぱり活動しているみたいだね」
「仁王。如月はいたか?」
「(いた…、)」
柳の言葉が耳に入らんほど今の俺の意識は愛子ちゃんにしか向けらていなかった。
白い三角巾にピンクと白のチェック柄のエプロンをつける愛子ちゃんから目が離せない。
……なんて可愛い姿じゃ。見に来て良かったぜよ。
「幸村君。確かあれだよ、如月は」
「へぇ。確かに噂通り綺麗な子ではあるね」
「でも性格はキツいらしぜぇ」
ブンちゃんの言葉に俺は思わず語気を荒げる。
「そんなことなかよ。ちょっと口が悪いだけで愛子ちゃんは優しい女の子じゃき」
「悪い悪い。そんな怒んなよ」
「仁王、声が大きい」
「大きくもなるぜよ!」
柳の言葉にも思わず言い返す。好きな子を悪く言われて黙ってるほど腰抜けじゃなか!
「あっ!!!アイスクリーム!!!」
「ちょっ、おい!ブン太!!」
すると、アイスクリームが見えたらしいブンちゃんが興奮して立ち上がった。涎を垂らしながら窓にへばりつく奴をジャッカルが必死に窓下まで押し込む。
な、なにやっとるんじゃこのデブン太は!?ジャッカルもペットの管理くらいしっかりしんしゃい!
愛子ちゃんにバレたらどうしてくれるんじゃ…!と思っていたその時、ガラリと窓が開いたのだった。
「……何してるんでしょうか?」
声低く目を細める彼女と目が合い、俺は泣きたくなった。