ー友達編ー
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キミへの想いに名前をつけるなら
愛子ちゃんをデートに誘うことが出来た俺は約束の日までるんるんじゃった。
柳生と柳に協力してもらい女子受けの良いファッション、プランも考えた。
ブンちゃんにも報告したら、「デートなんて完全に好きだろぃ」と言われたが、そ、そんなんじゃなか!…多分。
…そう。恋をしたことがない俺は色恋のことはよく分からん。そんな訳で、お姉が持ってる恋愛漫画をちょっと読んでみたりもした。
ーーそうして、ようやく楽しみにしていた当日を迎えた。
待ち合わせの時間より20分も早く駅前の広場に着いてしまい、脳内で今日の流れを確認しながら心躍らせて待っていると、突然知らぬ女性に話しかけられた。
グイグイと迫ってくる化粧の濃い女性の勢いに負けてしまった俺は、「え、や…」しか言えんかった。
そんな時、またしても俺のピンチに忽然と現れた愛子ちゃん。少女漫画のワンシーンと重なり思わず胸が高なった。
そして、俺の腕を引いて颯爽と走る後ろ姿はまるでヒーローのようじゃった。
ーーー…
何とか女性を上手く撒けると立ち止まり、走ったことにより息切れをする愛子ちゃんの隣で俺の心臓もバクバクしていた。(勿論このくらいの走りで疲れる程柔じゃなか)
ようやく胸の高鳴りが治ったかと思えば、今度は人混みにもたつく俺の手を握ってリードしてくれた愛子ちゃんに再び心臓が騒ぎ出した。頬がカァーッと熱くなり、恥ずかしすぎて俯くことしか出来ない。
こんなにドキドキしてこそばい気持ちになるんは初めてぜよ。
でも嫌な感じじゃなく、むしろ幸せな気持ちの方が勝る。
この気持ちの正体はーー…とペットショップの中でそんなことばかり考えてしまっていた。
気付けば、愛子ちゃんが選んでくれた猫専用玩具をいくつか購入しとった。
せ、せっかくの買い物デートじゃったのにぼんやりしとった!!俺の阿呆!!今なら真田の鉄拳を喜んでくらうのに…。(シャキッとせんか!と真田の一喝が必要ナリ)
「なんか心ここに在らずだったけど大丈夫?」
「す、すまん…」
「いや。気にしてないけど、お腹空いたのかなーって思って」
「っ!!せ、せっかくなら一緒に…ラ、ランチでも…っ!(言えた!!)」
「本当!?実は行きたいお店があって……いい?」
「へ?」
予想外の展開に思わずまの抜けた声が漏れた。
せっかくデートにはここだ!っていうお洒落なカフェを調べたんに…と思いながらも、彼女にそんなことを言えるはずもなく、愛子ちゃんに連れられてある店の前まで来た。
「…ここ」
「ちょっとメルヘンなお店なんだけど、ここのデザートがめちゃくちゃ美味しいの!」
ピンクやら目がチカチカしそうな色合いが多い店は愛子ちゃんのイメージとはかけ離れており凄く意外じゃった。
「…それでね、ここカップル限定メニューっていうのがあって、それがどうしても食べたいの!他に頼める男友達っていなくて!」
愛子ちゃんはお願いと言うように両手を合わせた。
カップルという言葉につい頬が赤くなる。じゃが、それを俺に頼んでくれたんがとても嬉しい。
「いいぜよ」
「ホント!?いや〜、この装いとスイーツメインのお店だから流石に嫌がられるかと思った。聞いといてなんだけど、仁王無理してない?」
「してなか。……実は俺もスイーツは大好物ナリ」
「そうなんだ!確かに私が上げたクッキーやマフィンも食べてたもんね」
「美味しかったぜよ」
「そりゃあ良かった。んじゃ、さっそく入ろうか」
混んできたら嫌だしと促されて店に入ると中も可愛らしかった。
そして、メニューを開くとこれまた可愛らしい。可愛いもんが嫌いではない俺は妙にわくわくしてきた。
「俺はこの【森のクマさんこんには。一緒にワルツでもどうですか?】プレートがいいのう」
「お、お目が高い。個人的にそれ一番美味しいヤツだよ」
「愛子ちゃんは?」
「私は【不思議な国へようこそ。猫とアリスの迷いの森】プレートにする」
「それも美味しそうじゃな」
「でしょ。すいませーん!」
店員さんが来てメニューを言う愛子ちゃんが最後に「食後にこの【カップル限定:秘密の花園パフェ】をお願いします」と言うと、チラリと俺を見た店員さん。
ドキッとしたが、ちゃんとカップルに見えたのか「はい。承りました〜」と厨房の方へ消えていった。
「良かったー。まあ、疑われるようなことなんてないけどさ」
「…ドキドキしたナリ」
「見た目はちょっと引くくらいメルヘンだけど、料理の味はピカイチだから。とくにスイーツ」
「愛子ちゃんがスイーツが好きじゃったとは…」
「意外?」
「いや、女の子はみんな甘いもんが好きじゃき。でも、愛子ちゃんはどちらかと言うと辛いもんが好きそうじゃなって…」
「コラ。それは私が女の子っぽくないってことか」
「ち、違うナリ!そういうつもりじゃ…!」
「まあ、でもよく言われるよ。“愛子が調理部なんて意外!”とかね」
「え、愛子ちゃんって調理部じゃったんか?」
「そうですよー。作るのも食べるのも好きなんだ。ちなみにスイーツ作りは得意分野だよ」
「…もしかしてあのクッキーもマフィンも愛子ちゃんの手作り?」
「イエス」
「売りもんかと思うくらい凄く美味しかったナリ!」
「あら。仁王さんったら褒め上手だこと」
「ま、また……いつか、食べたい…ぜよ」
「いいよ。よく友達に作ってあげてるから」
また愛子ちゃんとの接点が出来、夏休み明けの学校がより楽しみとなった。
すると、再び店員がやってきて二人同時に頼んだもんが運ばれてきた。
腹ごしらえをしながらも途切れることのない会話。和やかな雰囲気に居心地の良さを感じる。
女の子とおってこんな風に楽しいと思えたんは愛子ちゃんが初めてぜよ。
そして、食後お待ちかねのデザートが運ばれてくると目をキラキラさせる愛子ちゃん。
初めて見た女の子らしい可愛い表情に胸がキュンっとする。
「ほら、仁王も一緒に食べよう」
「え、いいんか…?」
「当たり前じゃん。流石にこの量は一人じゃ食べれないし。太っちゃうよ」
確かに通常のパフェよりも大きい器に盛られている。うちの丸井デブン太なら喜んでぺろりと食べてしまうじゃろうが…。とつい余計なことが頭に浮かび、首を横に振る。(今は愛子ちゃんのことだけ考えたい!)
「いらないの?」
「いる!」
「じゃあ、どうぞ」
スプーンを渡され二人で一つのパフェを食う。…本当にカップルのようで恥ずかしいが、美味しくてスプーンが止まらない。
「…仁王ってばクリームついてるよ」
「え?どこじゃ!?」
「ここだよ」
そう言って愛子ちゃんは手に取ったナプキンで俺の頬を拭いてくれた。
「恥ずかしいヤツ」
ふふっと目を細めて微笑む愛子ちゃんに胸を撃ち抜かれてしまった。俺の心は笑顔のパンチで一発KO(ノックアウト)。
これは、まさにお姉が持ってた少女漫画のヒロインと同じ…。俗に言う“恋に落ちる”とはこういうことなんじゃろか。
今までや今日のことを振り返ってみると、“好き”という二文字が胸にストンと落ちてきた。
俺は出会ったあの日から愛子ちゃんを好きになっとったようじゃ。
そう理解した途端恥ずかしさで頬が赤くなったが、逃げ出したいとは思わなかった。
それよりももっと一緒にいたいと思えるなんて…自分でもビックリじゃ。
ーー中学一年の夏、俺の初恋相手は愛子ちゃんに決まった。
愛子ちゃんをデートに誘うことが出来た俺は約束の日までるんるんじゃった。
柳生と柳に協力してもらい女子受けの良いファッション、プランも考えた。
ブンちゃんにも報告したら、「デートなんて完全に好きだろぃ」と言われたが、そ、そんなんじゃなか!…多分。
…そう。恋をしたことがない俺は色恋のことはよく分からん。そんな訳で、お姉が持ってる恋愛漫画をちょっと読んでみたりもした。
ーーそうして、ようやく楽しみにしていた当日を迎えた。
待ち合わせの時間より20分も早く駅前の広場に着いてしまい、脳内で今日の流れを確認しながら心躍らせて待っていると、突然知らぬ女性に話しかけられた。
グイグイと迫ってくる化粧の濃い女性の勢いに負けてしまった俺は、「え、や…」しか言えんかった。
そんな時、またしても俺のピンチに忽然と現れた愛子ちゃん。少女漫画のワンシーンと重なり思わず胸が高なった。
そして、俺の腕を引いて颯爽と走る後ろ姿はまるでヒーローのようじゃった。
ーーー…
何とか女性を上手く撒けると立ち止まり、走ったことにより息切れをする愛子ちゃんの隣で俺の心臓もバクバクしていた。(勿論このくらいの走りで疲れる程柔じゃなか)
ようやく胸の高鳴りが治ったかと思えば、今度は人混みにもたつく俺の手を握ってリードしてくれた愛子ちゃんに再び心臓が騒ぎ出した。頬がカァーッと熱くなり、恥ずかしすぎて俯くことしか出来ない。
こんなにドキドキしてこそばい気持ちになるんは初めてぜよ。
でも嫌な感じじゃなく、むしろ幸せな気持ちの方が勝る。
この気持ちの正体はーー…とペットショップの中でそんなことばかり考えてしまっていた。
気付けば、愛子ちゃんが選んでくれた猫専用玩具をいくつか購入しとった。
せ、せっかくの買い物デートじゃったのにぼんやりしとった!!俺の阿呆!!今なら真田の鉄拳を喜んでくらうのに…。(シャキッとせんか!と真田の一喝が必要ナリ)
「なんか心ここに在らずだったけど大丈夫?」
「す、すまん…」
「いや。気にしてないけど、お腹空いたのかなーって思って」
「っ!!せ、せっかくなら一緒に…ラ、ランチでも…っ!(言えた!!)」
「本当!?実は行きたいお店があって……いい?」
「へ?」
予想外の展開に思わずまの抜けた声が漏れた。
せっかくデートにはここだ!っていうお洒落なカフェを調べたんに…と思いながらも、彼女にそんなことを言えるはずもなく、愛子ちゃんに連れられてある店の前まで来た。
「…ここ」
「ちょっとメルヘンなお店なんだけど、ここのデザートがめちゃくちゃ美味しいの!」
ピンクやら目がチカチカしそうな色合いが多い店は愛子ちゃんのイメージとはかけ離れており凄く意外じゃった。
「…それでね、ここカップル限定メニューっていうのがあって、それがどうしても食べたいの!他に頼める男友達っていなくて!」
愛子ちゃんはお願いと言うように両手を合わせた。
カップルという言葉につい頬が赤くなる。じゃが、それを俺に頼んでくれたんがとても嬉しい。
「いいぜよ」
「ホント!?いや〜、この装いとスイーツメインのお店だから流石に嫌がられるかと思った。聞いといてなんだけど、仁王無理してない?」
「してなか。……実は俺もスイーツは大好物ナリ」
「そうなんだ!確かに私が上げたクッキーやマフィンも食べてたもんね」
「美味しかったぜよ」
「そりゃあ良かった。んじゃ、さっそく入ろうか」
混んできたら嫌だしと促されて店に入ると中も可愛らしかった。
そして、メニューを開くとこれまた可愛らしい。可愛いもんが嫌いではない俺は妙にわくわくしてきた。
「俺はこの【森のクマさんこんには。一緒にワルツでもどうですか?】プレートがいいのう」
「お、お目が高い。個人的にそれ一番美味しいヤツだよ」
「愛子ちゃんは?」
「私は【不思議な国へようこそ。猫とアリスの迷いの森】プレートにする」
「それも美味しそうじゃな」
「でしょ。すいませーん!」
店員さんが来てメニューを言う愛子ちゃんが最後に「食後にこの【カップル限定:秘密の花園パフェ】をお願いします」と言うと、チラリと俺を見た店員さん。
ドキッとしたが、ちゃんとカップルに見えたのか「はい。承りました〜」と厨房の方へ消えていった。
「良かったー。まあ、疑われるようなことなんてないけどさ」
「…ドキドキしたナリ」
「見た目はちょっと引くくらいメルヘンだけど、料理の味はピカイチだから。とくにスイーツ」
「愛子ちゃんがスイーツが好きじゃったとは…」
「意外?」
「いや、女の子はみんな甘いもんが好きじゃき。でも、愛子ちゃんはどちらかと言うと辛いもんが好きそうじゃなって…」
「コラ。それは私が女の子っぽくないってことか」
「ち、違うナリ!そういうつもりじゃ…!」
「まあ、でもよく言われるよ。“愛子が調理部なんて意外!”とかね」
「え、愛子ちゃんって調理部じゃったんか?」
「そうですよー。作るのも食べるのも好きなんだ。ちなみにスイーツ作りは得意分野だよ」
「…もしかしてあのクッキーもマフィンも愛子ちゃんの手作り?」
「イエス」
「売りもんかと思うくらい凄く美味しかったナリ!」
「あら。仁王さんったら褒め上手だこと」
「ま、また……いつか、食べたい…ぜよ」
「いいよ。よく友達に作ってあげてるから」
また愛子ちゃんとの接点が出来、夏休み明けの学校がより楽しみとなった。
すると、再び店員がやってきて二人同時に頼んだもんが運ばれてきた。
腹ごしらえをしながらも途切れることのない会話。和やかな雰囲気に居心地の良さを感じる。
女の子とおってこんな風に楽しいと思えたんは愛子ちゃんが初めてぜよ。
そして、食後お待ちかねのデザートが運ばれてくると目をキラキラさせる愛子ちゃん。
初めて見た女の子らしい可愛い表情に胸がキュンっとする。
「ほら、仁王も一緒に食べよう」
「え、いいんか…?」
「当たり前じゃん。流石にこの量は一人じゃ食べれないし。太っちゃうよ」
確かに通常のパフェよりも大きい器に盛られている。うちの丸井デブン太なら喜んでぺろりと食べてしまうじゃろうが…。とつい余計なことが頭に浮かび、首を横に振る。(今は愛子ちゃんのことだけ考えたい!)
「いらないの?」
「いる!」
「じゃあ、どうぞ」
スプーンを渡され二人で一つのパフェを食う。…本当にカップルのようで恥ずかしいが、美味しくてスプーンが止まらない。
「…仁王ってばクリームついてるよ」
「え?どこじゃ!?」
「ここだよ」
そう言って愛子ちゃんは手に取ったナプキンで俺の頬を拭いてくれた。
「恥ずかしいヤツ」
ふふっと目を細めて微笑む愛子ちゃんに胸を撃ち抜かれてしまった。俺の心は笑顔のパンチで一発KO(ノックアウト)。
これは、まさにお姉が持ってた少女漫画のヒロインと同じ…。俗に言う“恋に落ちる”とはこういうことなんじゃろか。
今までや今日のことを振り返ってみると、“好き”という二文字が胸にストンと落ちてきた。
俺は出会ったあの日から愛子ちゃんを好きになっとったようじゃ。
そう理解した途端恥ずかしさで頬が赤くなったが、逃げ出したいとは思わなかった。
それよりももっと一緒にいたいと思えるなんて…自分でもビックリじゃ。
ーー中学一年の夏、俺の初恋相手は愛子ちゃんに決まった。