家族シリーズ その2
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「よぉ!ルフィ」
「ー…っ!!…サ、サボォオォオ!!?」
「「「っ!!?」」」
甲板にいたルフィ、麦わらの一味たちは突如上空から現れたサボに目を見開いて驚いた。
「元気にしてたか?」
「おう!…って!!どうやって現れたんだァ!?」
「ああ、ほら」
上空を指差すサボにつられるようにルフィも見上げてみると、そこには大きな鷹が飛んでいた。
「うおー!!デケェ鳥だな!!」
「エースやルビーも突拍子もなく現れたが…お前もか!」
「…敵襲かと思ってびっくりしたじゃない!」
「おい!こら!ナミさんを驚かせるんじゃねェ!」
「ん?悪りぃ。ルフィの姿を見つけたら居ても立っても居られなくなっちまってよ」
「どいつもこいつも似たもの同士ってワケだな」
「そういえばルビーさんも以前空から降ってきたんでしたっけ?私もその場にいればパンツを拝めたのに…」
「おい、そこの骨。ふざけたこと言ってっとあの世に送り返すぞ」
「サボ、ブルックは放っておきましょう。それよりルビーは一緒じゃないのかしら」
「勿論一緒だよ。まだ鷹の上だ」
「今日はスーパーに飛び降りてこねェんだな」
「ん?あの鷹…ここに着地したいから俺たちに“どけ”って言ってる!」
チョッパーが皆に後ろへと下がるよう指示すると巨大鷹はゆっくりと甲板に降り立った。
そしてバサッと巨大な翼を縮めるとその隙間からルビーがひょっこり顔を覗かせたのだった。
「ルフィ!みんな!久しぶり!!」
「ルビー!!」
ルフィは笑顔を浮かべるとぶんぶん両手を振る。
「ルフィに見せたいものがあって今日は来たんだ!」
「なんだ!!珍しい食いもんか!?」
「驚かせたいから目を瞑ってて!みんなもね!…あ、ゾロもだよ」
「っち…仕方ねェな」
ルビーの言葉に皆が目を瞑った。
「……よし、開けてもいいよ〜!」
「「「っ!!?」」」
「…あら!」
「やだぁ!!」
ルビーの合図に目を開いた麦わらの一味。
男達は瞠目し、ロビンとナミは顔を綻ばせた。
そんな中、唯一状況を把握出来ていないルフィは残念そうにルビーの腕の中の“者達”を覗き見た。
「……なんだ。食いもんじゃないのか。このちっこいヤツらは拾ったのか?」
「このお馬鹿!!猫じゃないんだから!!」
「ふふ…ルフィ。この子達は私とサボの子だよ」
「っ…えぇぇぇえええ!!?ルビー…っお前、母ちゃんになったのか!?!」
「そうゆうこと」
「んでおれは父ちゃんさ」
サボはルビーの肩を抱き寄せると、目を丸くして赤ん坊を凝視するルフィを見て楽しげに微笑んだ。
「ルビーと…サボの…」
言われてみれば…ルビーと全く同じ髪色をしており、サボにもどことなく似ているような気がする。
ようやく状況を飲み込む事の出来たルフィは両手を高く上げて叫んだのだった。
「よぉーし!!!お前らァ宴だ〜〜!!!」
「「「おお!!!」」」
ーー…
「可愛いーー!!!」
ルビーとロビンに抱かれた双子を交互に見てナミは頬を染める。
「ふふ。いつの間に産まれていたなんて」
「報告が遅くなってごめんね」
「いいのよ。貴女達が無事ならそれで」
「はぁ〜。ほっぺムニムニで本当癒されるわ〜」
「泣かないなんてお利口さんね」
「こういうのはうちで慣れてるからね」
ナミ、ロビン、ルビーの女衆はソファに座り赤ん坊達で盛り上がる中、男衆達はテールブルの方でどんちゃん騒ぎで盛り上がっていた。
「いやー、驚いた。まさかサボが子どもを産んでたなんてなァ!」
「いや。産んだのはおれじゃなくルビーだぞルフィ」
「ん?そうなのか?まあどっちでもいいけどよォ、どうやったら子どもって出来るんだ?」
「「「ぶっー…!!!」」」
ルフィの言葉に皆んなが酒を吹き出す。
「…ゴッホン、それはねルフィさん。男女の神聖な契り…」
「アンタは黙ってなさーーい!!」
「ぶべっ!!」
するとブルックに向けて大きな花瓶を投げつけたナミ。
「……おいルフィ。それだけは聞いちゃならねェ」
「なんでだよサンジ」
「そんなの決まってんだろ!?あの麗しのルビーさんとこのヤローが…あんなことや…こんなこと……っ、考えただけで……ッちっくしょーー!!羨ましことこの上ないぜェ!!!」
「なんだコイツ…大丈夫か?」
「見ての通り大丈夫じゃねェ。…おいクソコック少し黙れ。この船の恥を晒すんじゃねェよ」
「なんだとクソまりも!!」
「おいおいお前ら…赤ん坊がいる前なんだぞ!やめろよな!」
「そういえば…この子達に名前はあるのか?」
「勿論あるさ!女の子はマリン…男の子はエースだ!!」
「っ!!マリンと…エース…か。いい名前だな!!」
「そうだろ」
ルフィはおもむろにマリンとエースに近づくと二人の頭を優しく撫でた。
「ししし。お前らいっぱい飯食って大きくなんだぞ!」
「マリン、エース…良かったね。ルフィ叔父ちゃんによしよししてもらえて」
するとその時、マリンとエースが泣き出した。
「うえ!!ど、どうしたんだ!?」
「ふふ、大丈夫だよルフィ。ちょうどお腹が空いたみたい」
「そうか!ほれ、肉食うか?」
「ハハ!ルフィ、赤ん坊は肉は食べれねェよ」
「そ、そうなのか…?」
「さて、赤ちゃん達にもご飯をあげようかな」
そう言ってその場で胸元に手をかけたルビーを見てサボ、ウソップ、ナミ、フランキーは慌てて叫んだ。
「「「「ちょっと待てっーー!!!」」」」
「ん?どうかした?」
「どうかしたじゃねェーよ!!お前は何を考えてるんだ!!」
「え?マリンとエースにご飯を…」
「ロビンとナミだけならまだしも他にヤローが沢山いるんだぞ!馬鹿!」
物凄い剣幕で怒るサボを見て首を傾げるルビーにゾロは呆れたように溜息をついた。
「…この女に恥じらいや常識ってもんはないのか」
「そーゆうところは流石ルフィの姉ちゃんだ」
「アウ。親の顔が見てみたいぜェ」
「ルフィとルビーはあのドラゴンの子よ」
「…一体みんなは何を騒いでるんだ?乳をやるなんて哺乳類なら当たり前の光景だろ?」
「ナイスだチョッパー!さぁさぁ、ルビーさん!その素晴らしい光景を是非ここで…」
「てめぇー!!ブッ飛ばす!!」
「なんだァやるか!?お前はいつも拝めんだろ!!おれにもその幸せを少し寄越せ!!」
「ヨホホホホ〜!私もサンジさんの意見に一票」
「ルフィのクルーだからってなんでも許すわけにはいかねェ!ルフィ、悪りぃけどコイツらボコボコにしてもいいか?」
「おう、いいぞー」
「おいサボ。おれが加勢してやる」
「てめぇは引っ込んでろ!クソ野郎!」
「ゾ、ゾロまで…!!みんな落ち着いてくれ〜!!」
「お、お前達っ、やるならここを出ろよ!!おれを巻き込むな〜!!」
「オウ!なんだなんだァ?喧嘩ならおれも仲間に入れてくれェ!」
「うははは!なんか盛り上がってきたな!!」
「盛り上がらんでよろしい!!」
最後にルフィが楽しげに叫ぶと青筋を浮かべたナミの鉄拳が頭上に落とされたのだ。
そしてチョッパー以外の男達は皆頭にタンコブを作りナミの前で正座する。
「全く!!赤ちゃんがいるのに乱闘騒ぎなんて信じられないんだから!!」
「「「「……すいません」」」」」
「やっぱりルフィの船は楽しいね!」
「ふふ。ルビーも相変わらずね」
今日もサニー号は平和だ。
end