あとがき
スプリ―・ブルー
「永遠に僕のもの」という映画で、主人公が冒頭とラストに同じ曲で同じダンスをするのだけど、最初と最後では主人公は全く違う人物になっている。それがなんとなく、Knightsに戻ってきたレオとその前のレオと重なって、映画の余韻でノリで書いた話。レオのみた「センセーショナルな映画」も、「永遠に僕のもの」で考えてる。
当時「月に吠えらんねぇ」という詩が主役の漫画を読んでいた関係で、実験的に詩的表現を折り混ぜたせいで、群像劇的な構造になった。視点が激しく入れ替わるのは、本来は創作としてNGだけど、臨場感と疾走感を出すための実験だった。中盤にお互いが名前を呼ぶ場面で、ふたりの呼吸が混ざり合うイメージ。実験的すぎたかなぁとは思ってるけど、最近になって100ブクマ近くもらえてることに気づいて嬉しかった。
タイトルのスプリーは冒頭の「乱痴気騒ぎ」にかかっている。「〇〇ブルー」ってタイトルが、焦燥感とか青春を表すイメージがあって、憧れていた。(ベティー・ブルーとか)ブルーと合う名詞をめちゃくちゃ探した記憶がある。
この話のイメージソングはThe Fray / Over My Head (Cable Car)。5年くらい前のクラブシーンで流行った、チェインスモーカーズのCloserにサンプリングされてる曲なので聞き覚えのある方も多いかも。失恋ソングで話との親和性もあり、特に「自分たちの手で"それ"に火をつけるまで諦めない」という部分が二人の関係性にマッチしていてでグッときた。この曲でレオが一人踊っていると思うとめちゃくちゃエモい。
レオが作中でかけた曲を、映画の曲でもある「el extraño del pelo largo」にしたかったけど、時代背景などが不自然なので見送った。歌詞も「長い髪の変な王様がさまよう」というもので、レオと親和性があった。(下記2参照)
イメージソング
Over My Head (Cable Car) / The Fray
イメージソング2
el extraño del pelo largo / La joven guardia