ちまちま歩いている後ろ姿がかわいい。
走って息を切らしている様がかわいい。
集中し始めると口が開く癖がかわいい。
ぼくの用意したごはんを口いっぱい頬張っているのがかわいい。
あぁ、かわいい、かわいい。
情けない声を出しながらぼくの上で果てる君の全てがかわいい。

「かわいい」
「ぼ、僕、かわいかったですか？」
「うん、かわいかったよ」
「あなたも、かわいかったです」

目を合わせ、微笑む僕ら、夜は更け、朝の陽ざしを、分け合いながら。