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日向(チビちゃん)の叫び曰く、どうやら彼女の名前は「なまえちゃん」と云うらしいーー
名前を叫ぶ性質の中に醸し出されて居り尚且つ日向の夕焼けの色は、彼がバレーボールと向き合う際と似た如く、空から降った雨水の葉を伝ったその一雫がキラキラ…と我々の生命の源に孵る情景に似て非なるものだった。
(こりゃたまげた。バレーボール以外でも突き動かされるモンがあったのね)
なまえとの本日の約束の時間を把握しており、休憩時間開始と同時に彼女を探しに足を走らせ暫くした日向は、頃合良く至近距離であったなまえと黒尾の姿を視界に映せば、つい二人が戯れ合う様に見えた雰囲気に、瞬時にカァッと頭に血が昇った感覚に襲われては、身勝手ながらも早急になまえの華奢な身体をグッと引き寄せ、黒尾の視界から彼女を外させ自身の背中に隠すのだ。ーー無論、だからと言って黒尾に対し敵意を向ける対応な訳でも無いが、日向の瞳の中の隠し切れない覚悟の夕焼けの陽に、黒尾は「おや」と口角を上げる。森から迷い込んできた子うさぎちゃんは烏の10匹目が血眼になる女の子、って立ち位置で確定かな?まァ、そのウエイトがどれくらいなモンかは知らないし烏の鋭い嘴で突かれるんは(ゴミ捨て場や縄張り争いは別として)無駄に避けたいのもあって別に詳しくも知ろうとは思わないが、この烏を虜にしちゃう子うさぎちゃんなんて傍から見りゃ飽きないんだろうな、ってトコであり、控えめにおちょくって見物するくらいは構わないだろうよ。
「ーー自己紹介が遅れたね。音駒高校の黒尾鉄朗デス。どーぞ以後お見知りおきを。…ね?なまえチャン」
◇◇◇
「翔陽ー!あの洋菓子みたいな女の子に絶対に御礼言っといてくれなー!今、影山に話しかけてもアイツ差し入れに必死になって食ってて俺の言葉聞いてねぇんだもん。ははっ!チ●ール舐めてる猫状態~」
「あ、はい!分かりました!(なまえさんの差し入れだもんな…)」
「で、何で翔陽は差し入れ取りに行って食わねぇの?」
「あ…実は、なまえさんに頼んで俺専用の弁当作って貰えて…」
「!?スゲーなやったじゃん!良かったなー!」
「ああああっあのっ西谷先輩!影山に「お前なんかが生意気だヴォケ!」って言われて弁当奪われたら嫌なんで絶対に内緒ですからね!?」
「おう、任せろ!」
ーーー
ーー
ー
「さてと、キミだけ豪勢且つ模範解答なお弁当ですね。俺にもその手作り唐揚げ1個クダサイよ」
「ーーむぐっ!?~~ごめんなさい。弁当は一口たりともあげられません」
改めて黒尾となまえが自己紹介しつつ、今回彼女が訪れた経緯を理解した黒尾は、なまえが弁当以外に差し入れてくれた軽食や飲料類、その他諸々を体育館内に全てを運び出し丁寧に御礼を伝えては別れた。そして休憩時間となった現在、練習していた烏野全員、訪れていた音駒全員は有難く食事を喜んで頬張る中、黒尾は食事を乗せた紙皿を持ちながら、頬を染めながら弁当をゆっくりと味わう日向の隣に腰掛けては問い掛ける。
「アララ、残念。ーーなぁ、なまえちゃんはチビちゃんの彼女?」
日向は黒尾の問いかけに、ごくん、と喉を鳴らし卵焼きを飲み込んでは真っ赤に成りながら黒尾と顔を見合わせ、それでもなまえの名誉の為に「おおお、おれなんかがチガイマス…!」と早急に否定するのだが、日向がぼふんぼふんと体全体から湯気を上げながら自身となまえとの関係を説明すれば説明する程、自身の堪えられない恋心がぶわァっとみるみる溢れ出ては、ニヤニヤ…と黒尾の口角が更に上がるのだ。
「ーーなまえさんは天使みたいな女性で…!…おれの初恋からの生涯に翔る女性です。」
「言うねー。でもさぁ、生涯だと決断するにはまだ幼過ぎない?」
「はは、よく言われます。ーーでも、愛する気持ちを伝えたい女性は、この弁当を作ってくれた女性だけなんだと一口一口噛み締め味わいながら強く痛感するんです。ーーそれに誰に何て思われたって良い。…この気持ちに嘘はつきたくないから。清楚可憐である彼女を辛さや悲しみから護る為なら、そして傍に居られるなら、おれは彼女にとっての最強の囮だって構わない」
「…覚悟だね。なまえちゃんは確かにあんなに可愛くて、そりゃぁチビちゃんがそんなに必死になるくらいに良い子だったとしても、俺には到底真似は出来ないわ」
「ーー黒尾さん。なまえさんに恋をして愛するって、そういう事なんです」
「(おっと、くわばらくわばら)」
烏は夕焼けになり、唯、鳴きながら山に帰って寝るわけじゃない。深夜に駈けるにつれて、黒ガラスは活きの良い死肉を喰い漁るか、白ガラスならば漆黒の化身を剥ぎ解き天界へと一度遣いに戻るのだから。日向のふとした真剣な雰囲気と覚悟と決意を含んだ夕焼け色に、ゾッと鳥肌がたつのはきっと自分だけじゃ無いのだろう。そんな日向をそこまで突き動かすなまえちゃんのこれからにも興味が生じるのは嘘では無かった。
「(漫画風に言えば、おもしれぇオンナ、って事?)」
まぁ、確かに初見でのあの遣り取りは新鮮であり此方としても頬が緩みましたけど。ーーさてと、ならばこれから如何すれば青葉城西の彼女をもっと知り得る事が出来るのか、さっき会った際に自然に連絡先を聞いておけば良かった、なんて事までも考えて仕舞う黒尾ではあったのだ。
名前を叫ぶ性質の中に醸し出されて居り尚且つ日向の夕焼けの色は、彼がバレーボールと向き合う際と似た如く、空から降った雨水の葉を伝ったその一雫がキラキラ…と我々の生命の源に孵る情景に似て非なるものだった。
(こりゃたまげた。バレーボール以外でも突き動かされるモンがあったのね)
なまえとの本日の約束の時間を把握しており、休憩時間開始と同時に彼女を探しに足を走らせ暫くした日向は、頃合良く至近距離であったなまえと黒尾の姿を視界に映せば、つい二人が戯れ合う様に見えた雰囲気に、瞬時にカァッと頭に血が昇った感覚に襲われては、身勝手ながらも早急になまえの華奢な身体をグッと引き寄せ、黒尾の視界から彼女を外させ自身の背中に隠すのだ。ーー無論、だからと言って黒尾に対し敵意を向ける対応な訳でも無いが、日向の瞳の中の隠し切れない覚悟の夕焼けの陽に、黒尾は「おや」と口角を上げる。森から迷い込んできた子うさぎちゃんは烏の10匹目が血眼になる女の子、って立ち位置で確定かな?まァ、そのウエイトがどれくらいなモンかは知らないし烏の鋭い嘴で突かれるんは(ゴミ捨て場や縄張り争いは別として)無駄に避けたいのもあって別に詳しくも知ろうとは思わないが、この烏を虜にしちゃう子うさぎちゃんなんて傍から見りゃ飽きないんだろうな、ってトコであり、控えめにおちょくって見物するくらいは構わないだろうよ。
「ーー自己紹介が遅れたね。音駒高校の黒尾鉄朗デス。どーぞ以後お見知りおきを。…ね?なまえチャン」
◇◇◇
「翔陽ー!あの洋菓子みたいな女の子に絶対に御礼言っといてくれなー!今、影山に話しかけてもアイツ差し入れに必死になって食ってて俺の言葉聞いてねぇんだもん。ははっ!チ●ール舐めてる猫状態~」
「あ、はい!分かりました!(なまえさんの差し入れだもんな…)」
「で、何で翔陽は差し入れ取りに行って食わねぇの?」
「あ…実は、なまえさんに頼んで俺専用の弁当作って貰えて…」
「!?スゲーなやったじゃん!良かったなー!」
「ああああっあのっ西谷先輩!影山に「お前なんかが生意気だヴォケ!」って言われて弁当奪われたら嫌なんで絶対に内緒ですからね!?」
「おう、任せろ!」
ーーー
ーー
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「さてと、キミだけ豪勢且つ模範解答なお弁当ですね。俺にもその手作り唐揚げ1個クダサイよ」
「ーーむぐっ!?~~ごめんなさい。弁当は一口たりともあげられません」
改めて黒尾となまえが自己紹介しつつ、今回彼女が訪れた経緯を理解した黒尾は、なまえが弁当以外に差し入れてくれた軽食や飲料類、その他諸々を体育館内に全てを運び出し丁寧に御礼を伝えては別れた。そして休憩時間となった現在、練習していた烏野全員、訪れていた音駒全員は有難く食事を喜んで頬張る中、黒尾は食事を乗せた紙皿を持ちながら、頬を染めながら弁当をゆっくりと味わう日向の隣に腰掛けては問い掛ける。
「アララ、残念。ーーなぁ、なまえちゃんはチビちゃんの彼女?」
日向は黒尾の問いかけに、ごくん、と喉を鳴らし卵焼きを飲み込んでは真っ赤に成りながら黒尾と顔を見合わせ、それでもなまえの名誉の為に「おおお、おれなんかがチガイマス…!」と早急に否定するのだが、日向がぼふんぼふんと体全体から湯気を上げながら自身となまえとの関係を説明すれば説明する程、自身の堪えられない恋心がぶわァっとみるみる溢れ出ては、ニヤニヤ…と黒尾の口角が更に上がるのだ。
「ーーなまえさんは天使みたいな女性で…!…おれの初恋からの生涯に翔る女性です。」
「言うねー。でもさぁ、生涯だと決断するにはまだ幼過ぎない?」
「はは、よく言われます。ーーでも、愛する気持ちを伝えたい女性は、この弁当を作ってくれた女性だけなんだと一口一口噛み締め味わいながら強く痛感するんです。ーーそれに誰に何て思われたって良い。…この気持ちに嘘はつきたくないから。清楚可憐である彼女を辛さや悲しみから護る為なら、そして傍に居られるなら、おれは彼女にとっての最強の囮だって構わない」
「…覚悟だね。なまえちゃんは確かにあんなに可愛くて、そりゃぁチビちゃんがそんなに必死になるくらいに良い子だったとしても、俺には到底真似は出来ないわ」
「ーー黒尾さん。なまえさんに恋をして愛するって、そういう事なんです」
「(おっと、くわばらくわばら)」
烏は夕焼けになり、唯、鳴きながら山に帰って寝るわけじゃない。深夜に駈けるにつれて、黒ガラスは活きの良い死肉を喰い漁るか、白ガラスならば漆黒の化身を剥ぎ解き天界へと一度遣いに戻るのだから。日向のふとした真剣な雰囲気と覚悟と決意を含んだ夕焼け色に、ゾッと鳥肌がたつのはきっと自分だけじゃ無いのだろう。そんな日向をそこまで突き動かすなまえちゃんのこれからにも興味が生じるのは嘘では無かった。
「(漫画風に言えば、おもしれぇオンナ、って事?)」
まぁ、確かに初見でのあの遣り取りは新鮮であり此方としても頬が緩みましたけど。ーーさてと、ならばこれから如何すれば青葉城西の彼女をもっと知り得る事が出来るのか、さっき会った際に自然に連絡先を聞いておけば良かった、なんて事までも考えて仕舞う黒尾ではあったのだ。