コ ー プ ス・リ バ イ バ ー
n a m e
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「わ…っ!すっご!めっちゃ美味しそう!何か感動しちゃう…」
「感謝しながら味わって食えよ」
「(コノヒトそんな言葉知ってたの)」
断言する。最近、兄は変わった。流石に妹だからといって何処がどの様に誰のおかげで、なんて全て詳しくなんて知らないけど、良い意味で雰囲気や表情が変わった事は分かる。
「もしかして、お兄ちゃんの彼女が作ってくれたの…?しかも私の分も!?」
「……ホントは俺が全部一人で食いたかったンですけどー」
「お願い!私も食べるっ…!お兄ちゃんと私の大好物だし何より見た目も綺麗だからお弁当にも持っていきたい…!そんで、友達に私が作ったの♡なんてお弁当自慢したい!」
「あのな…そんなすぐバレる嘘ついてどーすんだよ。それに、相手から妹さんと一緒に食べてねって言われちまってる以上お前にもやるよ。約束だしな」
「(ヒョエーあの性格難ありの兄が本気ですか)えへ♡嬉しいな~!早速食べようよー!…今次いでに言っちゃうとさ、お兄ちゃんの付き合う彼女って綺麗な人ばっかりだけど、私にとっては怪訝な顔されたり挨拶しても対応が何となく冷たかったりで怖い人ばっかりだったから…私の事までも考えてくれる人なんて凄く嬉しいな」
「(俺ってそんな女と付き合ってたんだっけ?マジ?趣味悪)ウチは両親が忙しい、って話題になってさ。気遣ってくれたんだよ」
妹の私から見ても兄は非常にモテて彼女が居ない時なんか無かった。うちの場合、両親は仕事が忙しく帰宅は遅いか出張か、みたいな感じで兄妹である程度、出来る範囲内では家事分担して居た(それでも料理は苦手なので母)それで居て我が家の敷地はまぁ広い方なのもあって、兄は彼女を頻繁に部屋に連れて来ていた。ーーそんな兄が一変したのは大体、今から一年程前だったと思う。私も生活する我が家に怖い女性達が家に全く来なくなった事から始まって、雰囲気も表情も柔らかくなったのを見れば、きっと兄をここまで変えさせた人物が存在する、って事は察しては居たけど、今回、こんな素敵な沢山の手作りの料理を態々拵えて準備してくれるなんて…もうこの女性しか有り得ない、と思った。
何故私が女性かと思っているのかと云うと、兄は私が先程の問の中で彼女?と聞いた際には肯定も否定もしなかったけど、話の流れからして女性である事は間違いなさそうである。というか、あんなに女好きだし…そんな残念な兄を一変させた女性は一体、どんな人なんだろう?とても興味があり、それで居て何時かは必ず御礼を伝えたい…!
「いただきます!~~んぅーおいひい…頬っぺた落ちてしまう…!ねぇねぇ彼女泊まりに来ないの?そっか。お兄ちゃん明日からのGWは部活合宿だったっけ?あーあ、私も会ってみたいな~」
「…わかってねぇな。嫁入り前の大切な女を簡単にホイホイ泊まらせるなんて出来ねぇだろ?時期や準備、何しろタイミングつーもんがあるんだよ。どっかの腹立つ余裕無しうへぺろ優男じゃあるまいし…!あー、飯がめちゃくちゃ美味くて泣ける…俺の胃袋をも簡単に掴みやがってあんにゃろうっ…敵わねぇ…!」
「あんた中身だけ誰かと入れ替わったとか無い?」
「バーカ」
◇◇◇
GWに突入、青葉城西も合宿が開始して(岩泉の烏野に対する意気込みも未だに続いており)練習に練習を重ね確実に技術を磨いていく。なまえは忙しいマネージャー業の他にも炊事や洗濯等の家事もあるので主導しながら1年生と力を合わせて精一杯尽くし熟すのだ。食事は出来るだけ皆の希望を通せる様にしつつ栄養バランスや彩り、ボリュームを考えては頑張って作った。
「ふふっ、徹くんの頬っぺたにお米ついてるよ」
「ン。恥ずかしがらずにいつもの様に舐めて取って」
「~~っ、私そんな事してないっ…!」
何だかんだで及川の頬のお米を指で摘んでぱくり、と食べたり、なまえの名前を呼ぶだけで岩泉の望んでいる事が自然と理解出来て速やかに対応するなまえは、まさに2人の完璧なる奥様だった。目の前で繰り広げられる関わり合いが羨ましい3年生は「及川、岩泉ーーあんまり調子に乗ってんなら部室に隠してあるオマエらの中々エグいエロ本、お宅の可愛い御自慢の若奥様に全て暴露するからな。そうなりゃ阿吽の洗脳から解放され目が醒めて貴様らとはさっさとオサラバじゃ」なんて脅しが掛かればヒュンと顔色が変わりタラリ…と冷や汗が流れるのだ。ーーまぁ、そんなこんなで兎に角、なまえは、皆が食事を美味しく頬張る皆の顔を見る事が何より嬉しかった。
「ねぇねぇ!可愛いマネージャーちゃ「先輩、ウチのに何か?何かあるなら俺に直接言ってください」(クソっ…岩泉…!)チッ」
「…なんだか、はじめちゃんの奥さんになった気分…!」
「ーー他の奴にそういう事言うなよ」
「そうだよね…!私にそんな事言われたら驚いちゃうし嫌な気持ちになっちゃうよね。はじめちゃんもごめんなさい…!」
「そう思うなら俺だけにしとけよ。お前の距離感はもう諦めた」
特に気になって居た大学生との練習時間も身長のある金田一や気合いはある矢巾、三年が特に目を光らせ威圧していた為、性的なる嫌悪感等は確実に減っては居るが、やはり小さな隙を付きなまえに接触を試みる人物は存在する。然しながら過去を振り返り、二度と皆に迷惑を掛ける訳には行かないと心に決めているなまえであるのでその際は、以前と比べて多少なりとも少しずつ立ち回り方は上手くなってきたのだが…
「みょうじさんは彼氏居るの?居ないなら俺と付き合わない?」
「いえ、ごめんなさい」
「即答!?ザンネン。あーーーデモサ、もし合宿中に溜まったらオレが相手するから呼んでよ!ね?」
「っ、失礼します…!」
それでも怖いという思いは拭えず全くもって慣れない。この様な遣り取りは相手の様に大学生になれば少なからず異性感では当たり前だ、と云う認識を持たなくては成らないのだろうか?なまえだってもう高校三年生であり周囲の女の子達は知らず知らずのうちにどんどんと階段を登っていくのだ。その中で未だに処女でありその様な話題や行為や知識に対して乏しいなまえであって、反面、今迄、自身の信頼する周囲の異性の人物からの心温かく接してくれていた事実を改めて認識し、深く感謝をするのだ。何より、そういう行為は心の奥から大切だと想い焦がれる人としたいな…そんなの今時、恥ずかしいのかな?
「ーー見つけたっ…!なまえさんッ、ひとりぼっちにさせてスンマセンでした…!誰かに変な事言われたりされたりしてまーー…ッ、おい国見!いきなり肩を掴むなんて失礼だろ!早く手離せよ!」
「この時間帯は1人になるなよ!何かあるなら誰か一緒に連れていけば良いだろ?」
「ごめん…!でも、皆は練習あるから私に時間を割くなんてなんだか申し訳無くて…」
「寧ろ、なまえさんに何かあった方が色々と大変だし迷惑を被るんだけど。ちゃんと考えてよね」
「英くん、ごめんなさい…」
なまえに対する国見の失礼すぎる対応に流石に慌てた金田一は、これ以上はもう見てられないし一緒に居させては駄目だ…!となまえの身体をヒョイッ、と軽く抱き上げ横抱きにして、国見から離れ急いで体育館に戻る。そんな国見は国見で、或る意味色々と不安定な彼女の存在、そして及川は勿論であるが、もはや今は既に青城のアキレス腱である彼女の事が酷く心配で堪らないのだ。
「勇くん…っあの…何で英くん置いて行っちゃうの?」
「アレは幾ら何でも少し頭冷やすべきです。ーースンマセン…あんな言い方しててもなまえさんの事すげー心配してて…それは解ってやってください…」
シュン、と表情を暗くする金田一に横抱きにされているなまえは、優しい2人の事を想い気持ちは確りと伝わる中ジィン…と胸が熱くなり、なまえの頭を金田一の胸にこてん、と擦り寄せ目を瞑り「いつも、ありがとう…」と感謝の気持ちを素直に述べるのだ。今迄、感情的であった金田一は、なまえの甘い香りと温もり、女性特有の柔らかみをキッカケにやっと今の現状を把握をすれば、ぼふぼふぼふっ!と顔を真っ赤にさせて、はわわわ、と慌てるが、それでも大切に愛でるお姫様をきゅっ、と確り抱えては「…もー、なまえさんは身体が小さくて華奢で軽すぎます。もっと飯食ってクダサイ!心配になります」なんて呟くのだ。
ーーー
ーー
ー
(今日もお疲れ様!この間の御食事は、お口に合いましたか?)
(ゴチソウサマ。ムカつくけど美味すぎて見事に胃袋掴まれた。もうなまえちゃんには逆らえませーん。あーあ、どうしてくれんの?)
(では、茂庭さんや鎌先さん、笹谷さんの言う事はきちんと守って怪我しない様に合宿頑張ってね。困らせちゃだめだよ?)
(はー?お前は母親か!しかも鎌先さんの言う事なんか聞いた日にゃ筋トレとプロテインばっかり飲まされてゴリラ化するわ。あとお前を寄越せ!とか言われそうだから却下)
「(堅ちゃん…大丈夫かな?でも高伸くんも一緒だから大丈夫だよね…!)」
現在は、青葉城西の部員達のお風呂の時間であり自身の番を待ち待機するなまえは、スキマ時間を利用して複数人とメッセージアプリをしていた。
例えば、二口と同じ伊達工の青根には(堅ちゃんの事を宜しくお願いします)烏野の清水には(今日の食事メニューは一静くんの大好きなチーズインハンバーグにしました。1年分こねこねして手が筋肉痛です)同じクラスの潮神には(御守りは順調だよ)など。
二口も二年にあがり今はもう立派な伊達工レギュラーである。尚且つ新しい一年生が入ってきて後輩が出来て、彼曰く、その中で真面目過ぎるケド大型犬みたいなおもしれー奴が居るんだよ、まぁ…俺と一緒になって滑津からシバキ倒されっけど、なんてキラキラとした表情で楽しそうに言っていた事をふと思い出せば、なまえは無意識にぼやっ…として仕舞う。
(滑津さんは一人の女性としてもバレー部のマネージャーとしても凄く魅力的だよね。特にいつも傍に居る堅ちゃ)までの文字をモヤモヤとする意識する無の中で、トン、と指でスマホに打ち込んでいく。
「なまえ、お待たせ~。俺ら風呂終わったよって事で一緒に行こっか!」
呼びに来た及川からコンコンと部屋をノックされて、なまえの身体が、ぴくっと跳ね上がり指がつい送信に触れてタップして仕舞うが、なまえはその事に全く気付かず「はいっ」と返事をし急いでスマホを閉まい、着替えと入浴セットの準備をするのだ。
「徹くん…怖い…っ…!夜は私1人じゃ入れな…っ」
就寝時間が近付く頃合、そしてホテルでは無く学校で利用する合宿所の為、風呂場に続く廊下は薄暗く窓には灯りを求める虫がくっついていた。そう、なまえは生粋のお嬢様であり普段は体験する事の無い状況がズラリと揃っている。ーー確かに色々と覚悟してマネージャーになったが、やはりオバケや虫は大の苦手であり直ることは無い。
「ウン。それじゃ一緒に入る?なーんて…「あああのね…っ徹くんは目を瞑って脱衣場に居て扉の前に居てくれる?ごめんなさ…嫌な事言っちゃってるのは解ってるんだけど…っ」ハイ?」
「…ぐすっ…その変わりに私も言う事聞くからぁ…お願い…徹くん…!」
「ゔぐゥッっーー!!」
なまえの顔は、子供の様にひぐひぐ滲ませながら及川のお腹に手を回して思い切り抱き着く。いやいやいやちょっと待ってマジなの?ねぇ、本気なの?ーー俺が言うのも何だけど、この子、この間の出来事(※手芸部の教室)をすっかり忘れちゃって無い?でもさぁ、自分の愛しい女の子からこんな可愛い顔でお願いされて、然も言う事聞くなんて言われたらさー…何よりも俺得じゃん?な訳で☆「ーー待ってるから行っておいで」と静かに頷き椅子に座り目を瞑る。はい、精神統一は得意ですから(うへぺろ)
「(見るな見たい見たい見るな見たい)」
目を瞑ってからすぐ耳と気配だけで無意識になまえを探る。ーー故に探ったこの時点で俺の負けである。先ず脱衣の際に肌と服が擦れる音が耳の中で響いて興奮した。次にカラッ、と開く浴室の扉の音とパシャパシャ、と室内で反響するお湯のーー待て待てストップ!精神統一!脱衣の椅子に座る体勢で居る為、開く膝に肘をのせ手を額にのせて顔を俯く。クソ…ッこれは想像以上にクるなぁ…!なまえってば…こんな純粋な俺をこうして弄んで絶対に許さないからね…!何がなんでも俺の言う事を無理やり聞かせるからな…!
「ーー徹くんっ…ごめんなさい…!お待たせしました。今から急いで着替えるからっ…!」
「~~!?(ヒュッ)」
僅かにも、もわっ、とお風呂の湯気を感知はなまえがお風呂から上がった決定打でもあり、ギュッと拳を握り締める及川のすぐ目の前で濡れた身体を急いで拭き着替える。視界の暗闇が神経を尖らせ相余り、鼓膜に纏わりつく音の感覚に強く襲われ、人間と云う生き物はこの様な状況に於いて想像力が鮮明に発揮される様で…。及川の妄想の中のなまえは性的に逸脱している顕な姿により放送禁止である。
「徹くんはいつも優しいね…だいすき」
優しいわけねぇだろ。オマエ、今、俺の妄想の中でぐちゃぐちゃにされて泣かされてっから、なんて心の奥底で吐き出しては、はァっ、はぁっ、と短くなる息遣いの中で、どうしても我慢出来ない及川は、つい薄ら目を開き揺らめく視界で彼女を捕まえて仕舞えば、彼女は背を向けブラはしていて、然しながら、小さくきゅっ、と上向きである形の良い、ふるん、とした透明感溢れる新雪に仄かに薄ピンク色が混ざる様な可愛らしいお尻を及川側に突き出して、ショーツを…の場面を目の当たりにし急いで目をギュッ、と瞑る。駄目だ、鎮まれ、鎮まれ…!脳内で無理矢理されて泣きながら艶めかしく蕩けるなまえの上から、数式と英文、複雑な化学式にあれやこれや脳内全域に張り巡らせ解き明かした答えは、細い腰掴んで小さな尻叩きながらホンモノにブチ込みてぇなァ…!!だった。ハッ、精神統一はとっくに斃ったよ
「感謝しながら味わって食えよ」
「(コノヒトそんな言葉知ってたの)」
断言する。最近、兄は変わった。流石に妹だからといって何処がどの様に誰のおかげで、なんて全て詳しくなんて知らないけど、良い意味で雰囲気や表情が変わった事は分かる。
「もしかして、お兄ちゃんの彼女が作ってくれたの…?しかも私の分も!?」
「……ホントは俺が全部一人で食いたかったンですけどー」
「お願い!私も食べるっ…!お兄ちゃんと私の大好物だし何より見た目も綺麗だからお弁当にも持っていきたい…!そんで、友達に私が作ったの♡なんてお弁当自慢したい!」
「あのな…そんなすぐバレる嘘ついてどーすんだよ。それに、相手から妹さんと一緒に食べてねって言われちまってる以上お前にもやるよ。約束だしな」
「(ヒョエーあの性格難ありの兄が本気ですか)えへ♡嬉しいな~!早速食べようよー!…今次いでに言っちゃうとさ、お兄ちゃんの付き合う彼女って綺麗な人ばっかりだけど、私にとっては怪訝な顔されたり挨拶しても対応が何となく冷たかったりで怖い人ばっかりだったから…私の事までも考えてくれる人なんて凄く嬉しいな」
「(俺ってそんな女と付き合ってたんだっけ?マジ?趣味悪)ウチは両親が忙しい、って話題になってさ。気遣ってくれたんだよ」
妹の私から見ても兄は非常にモテて彼女が居ない時なんか無かった。うちの場合、両親は仕事が忙しく帰宅は遅いか出張か、みたいな感じで兄妹である程度、出来る範囲内では家事分担して居た(それでも料理は苦手なので母)それで居て我が家の敷地はまぁ広い方なのもあって、兄は彼女を頻繁に部屋に連れて来ていた。ーーそんな兄が一変したのは大体、今から一年程前だったと思う。私も生活する我が家に怖い女性達が家に全く来なくなった事から始まって、雰囲気も表情も柔らかくなったのを見れば、きっと兄をここまで変えさせた人物が存在する、って事は察しては居たけど、今回、こんな素敵な沢山の手作りの料理を態々拵えて準備してくれるなんて…もうこの女性しか有り得ない、と思った。
何故私が女性かと思っているのかと云うと、兄は私が先程の問の中で彼女?と聞いた際には肯定も否定もしなかったけど、話の流れからして女性である事は間違いなさそうである。というか、あんなに女好きだし…そんな残念な兄を一変させた女性は一体、どんな人なんだろう?とても興味があり、それで居て何時かは必ず御礼を伝えたい…!
「いただきます!~~んぅーおいひい…頬っぺた落ちてしまう…!ねぇねぇ彼女泊まりに来ないの?そっか。お兄ちゃん明日からのGWは部活合宿だったっけ?あーあ、私も会ってみたいな~」
「…わかってねぇな。嫁入り前の大切な女を簡単にホイホイ泊まらせるなんて出来ねぇだろ?時期や準備、何しろタイミングつーもんがあるんだよ。どっかの腹立つ余裕無しうへぺろ優男じゃあるまいし…!あー、飯がめちゃくちゃ美味くて泣ける…俺の胃袋をも簡単に掴みやがってあんにゃろうっ…敵わねぇ…!」
「あんた中身だけ誰かと入れ替わったとか無い?」
「バーカ」
◇◇◇
GWに突入、青葉城西も合宿が開始して(岩泉の烏野に対する意気込みも未だに続いており)練習に練習を重ね確実に技術を磨いていく。なまえは忙しいマネージャー業の他にも炊事や洗濯等の家事もあるので主導しながら1年生と力を合わせて精一杯尽くし熟すのだ。食事は出来るだけ皆の希望を通せる様にしつつ栄養バランスや彩り、ボリュームを考えては頑張って作った。
「ふふっ、徹くんの頬っぺたにお米ついてるよ」
「ン。恥ずかしがらずにいつもの様に舐めて取って」
「~~っ、私そんな事してないっ…!」
何だかんだで及川の頬のお米を指で摘んでぱくり、と食べたり、なまえの名前を呼ぶだけで岩泉の望んでいる事が自然と理解出来て速やかに対応するなまえは、まさに2人の完璧なる奥様だった。目の前で繰り広げられる関わり合いが羨ましい3年生は「及川、岩泉ーーあんまり調子に乗ってんなら部室に隠してあるオマエらの中々エグいエロ本、お宅の可愛い御自慢の若奥様に全て暴露するからな。そうなりゃ阿吽の洗脳から解放され目が醒めて貴様らとはさっさとオサラバじゃ」なんて脅しが掛かればヒュンと顔色が変わりタラリ…と冷や汗が流れるのだ。ーーまぁ、そんなこんなで兎に角、なまえは、皆が食事を美味しく頬張る皆の顔を見る事が何より嬉しかった。
「ねぇねぇ!可愛いマネージャーちゃ「先輩、ウチのに何か?何かあるなら俺に直接言ってください」(クソっ…岩泉…!)チッ」
「…なんだか、はじめちゃんの奥さんになった気分…!」
「ーー他の奴にそういう事言うなよ」
「そうだよね…!私にそんな事言われたら驚いちゃうし嫌な気持ちになっちゃうよね。はじめちゃんもごめんなさい…!」
「そう思うなら俺だけにしとけよ。お前の距離感はもう諦めた」
特に気になって居た大学生との練習時間も身長のある金田一や気合いはある矢巾、三年が特に目を光らせ威圧していた為、性的なる嫌悪感等は確実に減っては居るが、やはり小さな隙を付きなまえに接触を試みる人物は存在する。然しながら過去を振り返り、二度と皆に迷惑を掛ける訳には行かないと心に決めているなまえであるのでその際は、以前と比べて多少なりとも少しずつ立ち回り方は上手くなってきたのだが…
「みょうじさんは彼氏居るの?居ないなら俺と付き合わない?」
「いえ、ごめんなさい」
「即答!?ザンネン。あーーーデモサ、もし合宿中に溜まったらオレが相手するから呼んでよ!ね?」
「っ、失礼します…!」
それでも怖いという思いは拭えず全くもって慣れない。この様な遣り取りは相手の様に大学生になれば少なからず異性感では当たり前だ、と云う認識を持たなくては成らないのだろうか?なまえだってもう高校三年生であり周囲の女の子達は知らず知らずのうちにどんどんと階段を登っていくのだ。その中で未だに処女でありその様な話題や行為や知識に対して乏しいなまえであって、反面、今迄、自身の信頼する周囲の異性の人物からの心温かく接してくれていた事実を改めて認識し、深く感謝をするのだ。何より、そういう行為は心の奥から大切だと想い焦がれる人としたいな…そんなの今時、恥ずかしいのかな?
「ーー見つけたっ…!なまえさんッ、ひとりぼっちにさせてスンマセンでした…!誰かに変な事言われたりされたりしてまーー…ッ、おい国見!いきなり肩を掴むなんて失礼だろ!早く手離せよ!」
「この時間帯は1人になるなよ!何かあるなら誰か一緒に連れていけば良いだろ?」
「ごめん…!でも、皆は練習あるから私に時間を割くなんてなんだか申し訳無くて…」
「寧ろ、なまえさんに何かあった方が色々と大変だし迷惑を被るんだけど。ちゃんと考えてよね」
「英くん、ごめんなさい…」
なまえに対する国見の失礼すぎる対応に流石に慌てた金田一は、これ以上はもう見てられないし一緒に居させては駄目だ…!となまえの身体をヒョイッ、と軽く抱き上げ横抱きにして、国見から離れ急いで体育館に戻る。そんな国見は国見で、或る意味色々と不安定な彼女の存在、そして及川は勿論であるが、もはや今は既に青城のアキレス腱である彼女の事が酷く心配で堪らないのだ。
「勇くん…っあの…何で英くん置いて行っちゃうの?」
「アレは幾ら何でも少し頭冷やすべきです。ーースンマセン…あんな言い方しててもなまえさんの事すげー心配してて…それは解ってやってください…」
シュン、と表情を暗くする金田一に横抱きにされているなまえは、優しい2人の事を想い気持ちは確りと伝わる中ジィン…と胸が熱くなり、なまえの頭を金田一の胸にこてん、と擦り寄せ目を瞑り「いつも、ありがとう…」と感謝の気持ちを素直に述べるのだ。今迄、感情的であった金田一は、なまえの甘い香りと温もり、女性特有の柔らかみをキッカケにやっと今の現状を把握をすれば、ぼふぼふぼふっ!と顔を真っ赤にさせて、はわわわ、と慌てるが、それでも大切に愛でるお姫様をきゅっ、と確り抱えては「…もー、なまえさんは身体が小さくて華奢で軽すぎます。もっと飯食ってクダサイ!心配になります」なんて呟くのだ。
ーーー
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(今日もお疲れ様!この間の御食事は、お口に合いましたか?)
(ゴチソウサマ。ムカつくけど美味すぎて見事に胃袋掴まれた。もうなまえちゃんには逆らえませーん。あーあ、どうしてくれんの?)
(では、茂庭さんや鎌先さん、笹谷さんの言う事はきちんと守って怪我しない様に合宿頑張ってね。困らせちゃだめだよ?)
(はー?お前は母親か!しかも鎌先さんの言う事なんか聞いた日にゃ筋トレとプロテインばっかり飲まされてゴリラ化するわ。あとお前を寄越せ!とか言われそうだから却下)
「(堅ちゃん…大丈夫かな?でも高伸くんも一緒だから大丈夫だよね…!)」
現在は、青葉城西の部員達のお風呂の時間であり自身の番を待ち待機するなまえは、スキマ時間を利用して複数人とメッセージアプリをしていた。
例えば、二口と同じ伊達工の青根には(堅ちゃんの事を宜しくお願いします)烏野の清水には(今日の食事メニューは一静くんの大好きなチーズインハンバーグにしました。1年分こねこねして手が筋肉痛です)同じクラスの潮神には(御守りは順調だよ)など。
二口も二年にあがり今はもう立派な伊達工レギュラーである。尚且つ新しい一年生が入ってきて後輩が出来て、彼曰く、その中で真面目過ぎるケド大型犬みたいなおもしれー奴が居るんだよ、まぁ…俺と一緒になって滑津からシバキ倒されっけど、なんてキラキラとした表情で楽しそうに言っていた事をふと思い出せば、なまえは無意識にぼやっ…として仕舞う。
(滑津さんは一人の女性としてもバレー部のマネージャーとしても凄く魅力的だよね。特にいつも傍に居る堅ちゃ)までの文字をモヤモヤとする意識する無の中で、トン、と指でスマホに打ち込んでいく。
「なまえ、お待たせ~。俺ら風呂終わったよって事で一緒に行こっか!」
呼びに来た及川からコンコンと部屋をノックされて、なまえの身体が、ぴくっと跳ね上がり指がつい送信に触れてタップして仕舞うが、なまえはその事に全く気付かず「はいっ」と返事をし急いでスマホを閉まい、着替えと入浴セットの準備をするのだ。
「徹くん…怖い…っ…!夜は私1人じゃ入れな…っ」
就寝時間が近付く頃合、そしてホテルでは無く学校で利用する合宿所の為、風呂場に続く廊下は薄暗く窓には灯りを求める虫がくっついていた。そう、なまえは生粋のお嬢様であり普段は体験する事の無い状況がズラリと揃っている。ーー確かに色々と覚悟してマネージャーになったが、やはりオバケや虫は大の苦手であり直ることは無い。
「ウン。それじゃ一緒に入る?なーんて…「あああのね…っ徹くんは目を瞑って脱衣場に居て扉の前に居てくれる?ごめんなさ…嫌な事言っちゃってるのは解ってるんだけど…っ」ハイ?」
「…ぐすっ…その変わりに私も言う事聞くからぁ…お願い…徹くん…!」
「ゔぐゥッっーー!!」
なまえの顔は、子供の様にひぐひぐ滲ませながら及川のお腹に手を回して思い切り抱き着く。いやいやいやちょっと待ってマジなの?ねぇ、本気なの?ーー俺が言うのも何だけど、この子、この間の出来事(※手芸部の教室)をすっかり忘れちゃって無い?でもさぁ、自分の愛しい女の子からこんな可愛い顔でお願いされて、然も言う事聞くなんて言われたらさー…何よりも俺得じゃん?な訳で☆「ーー待ってるから行っておいで」と静かに頷き椅子に座り目を瞑る。はい、精神統一は得意ですから(うへぺろ)
「(見るな見たい見たい見るな見たい)」
目を瞑ってからすぐ耳と気配だけで無意識になまえを探る。ーー故に探ったこの時点で俺の負けである。先ず脱衣の際に肌と服が擦れる音が耳の中で響いて興奮した。次にカラッ、と開く浴室の扉の音とパシャパシャ、と室内で反響するお湯のーー待て待てストップ!精神統一!脱衣の椅子に座る体勢で居る為、開く膝に肘をのせ手を額にのせて顔を俯く。クソ…ッこれは想像以上にクるなぁ…!なまえってば…こんな純粋な俺をこうして弄んで絶対に許さないからね…!何がなんでも俺の言う事を無理やり聞かせるからな…!
「ーー徹くんっ…ごめんなさい…!お待たせしました。今から急いで着替えるからっ…!」
「~~!?(ヒュッ)」
僅かにも、もわっ、とお風呂の湯気を感知はなまえがお風呂から上がった決定打でもあり、ギュッと拳を握り締める及川のすぐ目の前で濡れた身体を急いで拭き着替える。視界の暗闇が神経を尖らせ相余り、鼓膜に纏わりつく音の感覚に強く襲われ、人間と云う生き物はこの様な状況に於いて想像力が鮮明に発揮される様で…。及川の妄想の中のなまえは性的に逸脱している顕な姿により放送禁止である。
「徹くんはいつも優しいね…だいすき」
優しいわけねぇだろ。オマエ、今、俺の妄想の中でぐちゃぐちゃにされて泣かされてっから、なんて心の奥底で吐き出しては、はァっ、はぁっ、と短くなる息遣いの中で、どうしても我慢出来ない及川は、つい薄ら目を開き揺らめく視界で彼女を捕まえて仕舞えば、彼女は背を向けブラはしていて、然しながら、小さくきゅっ、と上向きである形の良い、ふるん、とした透明感溢れる新雪に仄かに薄ピンク色が混ざる様な可愛らしいお尻を及川側に突き出して、ショーツを…の場面を目の当たりにし急いで目をギュッ、と瞑る。駄目だ、鎮まれ、鎮まれ…!脳内で無理矢理されて泣きながら艶めかしく蕩けるなまえの上から、数式と英文、複雑な化学式にあれやこれや脳内全域に張り巡らせ解き明かした答えは、細い腰掴んで小さな尻叩きながらホンモノにブチ込みてぇなァ…!!だった。ハッ、精神統一はとっくに斃ったよ