コ ー プ ス・リ バ イ バ ー
n a m e
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「皆様のもとで沢山の事を学ばせて頂き、バレーだけでは無く様々な知識や大切な事を身につける事が出来ました。…っ…ひっく…今までお世話にな…っ…ありがとうございました…!」
「なまえちゃん、こちらこそ本当にありがとう~!これからも頑張ってね!」
「ありがとうね!またね!」
「また何時だって戻ってきて!それに遊びに来いよ!」
「なまえちゃんが居ないと寂しくなるなぁ」
「京谷も何か言えよー。なまえちゃんに随分、世話になったろ?」
「~~ごめんなさい…っ…!涙がとまらないっ…」
期間限定なる在籍であったクラブチームも本日最終日となり、お世話になった皆になまえは最後の挨拶をする。ぱちぱちぱち…と温かい拍手に包まれながら、綺麗な花束を頂きそして惜しまれて無事に終了するのだ。泣くなまえを見た例の告白してきた大学生の先輩から「ーーなまえちゃんといつかまた何処かで会えた時に、あの彼氏より俺の方が良かった、って思われる男になれる様に頑張るよ。なまえちゃん、世界の誰よりも愛されて幸せになってね」とハンカチを差し出され、なまえは、ぺこり、と軽く会釈しながらそのハンカチで涙に宛てたのだった。
◇◇◇
(3月✕日に烏野の一般公開でのバレー練習試合があってね、なまえちゃんは私の紹介枠で観戦出来るんだけど…もし良かったら来ない?因みに烏野の対戦相手は伊達工業で強豪なの。皆、気合い入ってる)
(絶対行きたいっ…!宜しくお願いします!潔子ちゃんありがとう!だいすき♡)
(わかった。任せて!なまえちゃん可愛い)
なまえにとってまさかのお誘いであった。烏野の清水と知り合いになったあの時、実は連絡先を交換していて、なまえはどうしても御近付きになりたく迷惑にならない頻度を考えて連絡を取っていた。なまえのみならず清水も思っていて、メッセージを交わし合う彼女らはスマホの前で表情をぽわわん、と緩ませていた。
「ーーおい、何スマホ見てニヤついてんだよ。まさか俺の前で他の男と連絡して堂々と浮気してねぇよな?」
はっ、と肩を跳ねさせ、浮気…?と思いながらも今、二口とカフェに居る事を思い出す。いけないいけない、1人で顔をにまにましてたら怪しいよね…!そういえば、清水からはお誘いのメッセージが届いたのに二口からは何も言われない事に気が付いてしまい、なまえは、しょぼん…と落ち込んだ垂れ耳うさぎ化する。
一般公開練習試合なんて中々無い貴重な機会な筈なのに、二口にとってはなまえに対して、来て欲しくない、誘う相手でも無い、等の関係なんだろうか…?目の前のカフェオレが入ったマグカップをキュッ…と両手で包み握った。
「堅ちゃん…私に何か隠してない?」
「ーー!?」
イキナリなんなんだよ、と言いたげな表情でなまえの顔を見ては、頭の中でぐるぐると探す。うーん…隠し事など、検索にヒットしません(※健全的には)普段会えない分、なまえに対して良くも悪くも接近戦の直球勝負してるつもり。マジで時間が勿体ねぇから。
「ねェよ(最近は専らなまえに似てる女優でヌいてばっかですけどー)」
「(…じーっ)」
「……(え…何?もしかして部屋来た時にDVDの場所バレた…?)」
じっ、と覗いてくるなまえの可愛い瞳に、ヤバい、と段々と焦ってきた二口は耐えられず視線を逸らせば、なまえは、ガーン…!と落ち込み「やっぱり試合来て欲しくないのかな…」とつい思い込みで関連付けて仕舞った。
「…あの…っ私、堅ちゃんが(バレー)してるところ見たいな…」
「ーーゲフッ!」
火照りながら焦る自分の喉の乾きを潤す為に別途置いてあった水を飲み込んだ瞬間、なまえから言葉を発せられたものだから、二口は完璧に勘違いして、その例のDVDを見ながら自慰する自身の姿をなまえが見たい、等と全く異なる認識をしてしまい、つい咳き込んだのだった。
「わっ…!大丈夫?」
「トンデモネェ女だなオマエは!」
◇◇◇
「~~なまえ…ッ!そんな可愛い格好して…っ烏野マネちゃんに会いに行くんだよね!?あのクソg…フタクチくんの応援なんか絶対「コラァ及川!なまえからさっさと離れろ!俺らだって時間ねェんだ行くぞ。なまえもそんな東京で売ってる綿飴みたいな格好しやがって変な虫に噛まれんなよ。とにかく気をつけろ!オマエはすぐ(くどくど)」「(東京で売ってる綿飴…)あの、2人とももう行かなきゃ部活遅れちゃうよ?」
そうだった!と岩泉がおよよ…と泣く及川を引き摺りながら部活へと向かっていけば、なまえは岩泉曰く綿飴、と言われた少しだけ春を先取りした可愛らしいふんわりコーデで送迎の車にぽてん、と乗り込む。
「両校への差し入れは、お嬢様名義で準備させて頂いております」
「あっ…ごめんなさい…!私じゃ無くてみょうじからで、って事に出来ますか…?」
「畏まりました。ではその様に準備して全て私共が滞りなくお運び致します。また何か御座いましたらお申し付けください」
「はい。ありがとうございます。宜しくお願いします」
じわりと涙を浮かべるが、ふるふる、と顔を振る。そんなものは何か理由だって制限だってあるんだ、それに絶対に自分が誘われるなんて自惚れてはいけないし、とても恥ずかしい事だよ!と自身を慰めつつ、烏野と伊達工業に準備した差し入れを車にどっさり乗せて学校へと向かう。結局、青根や二口からのお声掛けは無く、なまえは清水側の紹介で観戦する事になっているのだが、なまえも二口や青根に黙って今日を迎え、形としては別に駄目な事をしてる訳では無いのだが、何となくこんなコソコソして申し訳なかったかな…?と思うのもあり、最終的にはバレないようにこっそりと観ることにした。
ヴヴッーー…
(来月からなまえは青城マネだから自由は今日で終わりだよ。来月からは、ずっと俺の隣に居てね)
なまえの鞄の中でスマホの画面がメッセージアプリの通知を告げて、ぽわり、と光っていた。
◇◇◇
「なまえちゃん!こっち…!会いたかった…!」
「潔子ちゃん、久しぶり!今日はこんな貴重な機会を与えてくれて本当にありがとう…!」
清水となまえが2人で掌同士を合わせて、きゃっきゃっ♡と並べば、その場の雰囲気がきらきらきらっ…と綺麗な光と美しい桜が満ち溢れ、少し遠くから見ていた田中と西谷がハゥァッ!?と叫びながら、ピシッと横に並んで綺麗にスライディング正座した。
「スゲェ…!ふわふわしてる…あの人なんだか洋菓子みてぇだな!」
「~~さすが潔子さんのご友人…!ノヤっさん今日は頑張りましょう…!」
「ーーおっ、清水が言ってた子か(あらあらまぁまぁ、ちっちゃいな~)はじめまして。澤村大地です」
「いつも潔子ちゃんにお世話になっていますっ…みょうじなまえです。宜しくお願いします!」
澤村が自然に片手で握手を求めれば、なまえは両手できゅ、と包む様に握手し、ふわふわん、とするなまえの様な女の子が自身の周りに居ない澤村は、ついドキン、として身体を固まらせては、清水が「あ、なまえちゃんゴメンね。気にしないでね。そろそろ準備するから澤村はさっさと息を吹き返してね」と接し「ハイ…」とカチコチ動く澤村に対して、なまえは不思議そうな表情をしながらも二階の観客スペースに足を進めた。
「(あっ…滑津さん1人…!今だったら話しかけても大丈夫かな?)」
「ーー横断幕ねぇと試合にならねぇだろー!目立つとこに急いで掛けとこうぜ!」
「ちょっ…鎌先待て!そっち降りる人の方向だよっ!もし人来たらぶつかーー」
なまえは体育館に早めに到着した為に二階からみた景色では二口や青根の姿は無く、前回、失礼な対応をとってしまった滑津に謝りたい!とも思っていてならば今がチャンス…!と一階へと移動しようと階段から降り終わった後、ある人物と鉢合わせになり、急な人影に驚きの余りなまえの足が縺れ、訪れる痛みを堪える為にギュッーー!と目を瞑った。
「ーーきゃっ…!?」
「うわっ、ァブネ…!!」
なまえの身体が片腕でふわりと抱えられ、転ばないようにその逞しい腕の中に引き寄せ抱き締める。何となまえを支えた相手、鎌先の身体には今現在、自身にとっちゃ好みのタイプどストライクの女の子、そして甘くてめちゃくちゃ美味しそうな身体があって…鎌先のハートはズドギュウンーー!!と完璧にラブに射抜かれ、口では「スンマセンスンマセンスミマセン」とか謝るのだが、更にむぎゅう、となまえを抱き締めて離してくれなかった。
「え?あ、あのっ…助けて頂いてありがとうございました…も、大丈夫ですからっ…」
「イエイエ俺が全ていけませんでした全て悪かったですなので俺が責任取ります」
「はァ!?ちょっと何やってんだよ鎌先!やめっ、ヤメロ!あああ本当にすみませんすみませんすみません!~~笹谷どうにかしろ!」
「~~ぐっ、俺がこの金髪ゴリラどーにかできると思ってんの?茂庭、青根か二口呼べ!ーーっ、早く女の子離せ鎌先!」
「二口は却下!(なんか色々面倒くさそうだから)ああああ青根ェェェーー!!今スグ俺ンとこに来ォォォい!!」
青根や二口、と言うキーワードに対して、なまえはぴくん、としながら目の前に居る茂庭という人の会話から現状を徐々に把握していく。この方々は伊達工業の方々だ…!どうしよう…?然しながら、鎌先は手加減し且つ笹谷が応戦してるのもありなまえへの負担は少ないのだが、やっぱり小柄ななまえにとっては大男にギュゥッ、とされ続けていれば苦しい。助けてくれたので怪我なく終え恩人ではあるが早く離して欲しかった。何より伊達工業の方々と頭では理解していても、知らない男の人から抱き締められるのは凄く怖くて嫌だった。
「…助けて頂いた事は感謝します…ですが…今すぐ離して…!怖…いのっ…!」
「はっ!本当にスンマセン…!あの…俺ッ…怖がらせるつもりじゃなくて貴女にっ「ハイハイ先輩達、何してんスかー!?女構って無いでそろそろ準備してくださいよ。因みにコレは今スグ諦めてクダサイ」ーーは!?ちょっ…二口…!何でお前…!」
「そりゃー茂庭サンがあんなデケェ声出して青根呼べば只事じゃないでしょ?青根、悪いんだけど先輩達回収して。俺、なまえ連れてくから」
なまえがグッと力を込め首を振っていやいやしながら鎌先を引き剥がそうとして、鎌先はわたわたと慌てながら謝り気持ちを伝えようとなまえを離した瞬間、誰かがひょいっ、となまえを奪い取り自身の片腕で持ち上げ大切に抱っこすれば、なまえは、いつもの彼の香りに心からほっ…としてキュゥっ、と無意識に肩に抱き着いた。
「は?は?は?はァァっ…!まさかっ…!二口のトンデモナイモノの正体って…嘘だろ…俺の恋はもう失われ砕け散ったの…!?」
「ーーチッ」
気付けばなまえは、二口から抱えられながら2人きりになる体育館から近いある一角のスペースの場所に居て、顔も雰囲気も随分と御立腹且つ不機嫌な二口は、無言でなまえのお腹や胸を服の上からふにゅ、ふにゅ、ふにゅん、と鷲掴んで遠慮なく好き勝手に触る。
「…!?っ…ゃ…堅ちゃ…どこ触って…ひゃんっ…!」
「ふーん、鎌先さんの時とは随分反応違うじゃん。オカゲサマで頗る悪くなった機嫌がちょっと直ったわ。あーあ、クソ可愛い」
「~~そんなとこ触られてなんかないっ…!信じられないっ…」
「ーーまぁ、オマエには聞きたい事が幾つかあるんだけど先ずはその無自覚無意識に男寄せ付けんのマジでヤメロ。好い加減にしねぇとコッチにも考えがあるからな?」
「え…?」
「ーー烏野さっさと叩き折って戻ってくるから絶対に待ってろ。逃げんなよ」
「なまえちゃん、こちらこそ本当にありがとう~!これからも頑張ってね!」
「ありがとうね!またね!」
「また何時だって戻ってきて!それに遊びに来いよ!」
「なまえちゃんが居ないと寂しくなるなぁ」
「京谷も何か言えよー。なまえちゃんに随分、世話になったろ?」
「~~ごめんなさい…っ…!涙がとまらないっ…」
期間限定なる在籍であったクラブチームも本日最終日となり、お世話になった皆になまえは最後の挨拶をする。ぱちぱちぱち…と温かい拍手に包まれながら、綺麗な花束を頂きそして惜しまれて無事に終了するのだ。泣くなまえを見た例の告白してきた大学生の先輩から「ーーなまえちゃんといつかまた何処かで会えた時に、あの彼氏より俺の方が良かった、って思われる男になれる様に頑張るよ。なまえちゃん、世界の誰よりも愛されて幸せになってね」とハンカチを差し出され、なまえは、ぺこり、と軽く会釈しながらそのハンカチで涙に宛てたのだった。
◇◇◇
(3月✕日に烏野の一般公開でのバレー練習試合があってね、なまえちゃんは私の紹介枠で観戦出来るんだけど…もし良かったら来ない?因みに烏野の対戦相手は伊達工業で強豪なの。皆、気合い入ってる)
(絶対行きたいっ…!宜しくお願いします!潔子ちゃんありがとう!だいすき♡)
(わかった。任せて!なまえちゃん可愛い)
なまえにとってまさかのお誘いであった。烏野の清水と知り合いになったあの時、実は連絡先を交換していて、なまえはどうしても御近付きになりたく迷惑にならない頻度を考えて連絡を取っていた。なまえのみならず清水も思っていて、メッセージを交わし合う彼女らはスマホの前で表情をぽわわん、と緩ませていた。
「ーーおい、何スマホ見てニヤついてんだよ。まさか俺の前で他の男と連絡して堂々と浮気してねぇよな?」
はっ、と肩を跳ねさせ、浮気…?と思いながらも今、二口とカフェに居る事を思い出す。いけないいけない、1人で顔をにまにましてたら怪しいよね…!そういえば、清水からはお誘いのメッセージが届いたのに二口からは何も言われない事に気が付いてしまい、なまえは、しょぼん…と落ち込んだ垂れ耳うさぎ化する。
一般公開練習試合なんて中々無い貴重な機会な筈なのに、二口にとってはなまえに対して、来て欲しくない、誘う相手でも無い、等の関係なんだろうか…?目の前のカフェオレが入ったマグカップをキュッ…と両手で包み握った。
「堅ちゃん…私に何か隠してない?」
「ーー!?」
イキナリなんなんだよ、と言いたげな表情でなまえの顔を見ては、頭の中でぐるぐると探す。うーん…隠し事など、検索にヒットしません(※健全的には)普段会えない分、なまえに対して良くも悪くも接近戦の直球勝負してるつもり。マジで時間が勿体ねぇから。
「ねェよ(最近は専らなまえに似てる女優でヌいてばっかですけどー)」
「(…じーっ)」
「……(え…何?もしかして部屋来た時にDVDの場所バレた…?)」
じっ、と覗いてくるなまえの可愛い瞳に、ヤバい、と段々と焦ってきた二口は耐えられず視線を逸らせば、なまえは、ガーン…!と落ち込み「やっぱり試合来て欲しくないのかな…」とつい思い込みで関連付けて仕舞った。
「…あの…っ私、堅ちゃんが(バレー)してるところ見たいな…」
「ーーゲフッ!」
火照りながら焦る自分の喉の乾きを潤す為に別途置いてあった水を飲み込んだ瞬間、なまえから言葉を発せられたものだから、二口は完璧に勘違いして、その例のDVDを見ながら自慰する自身の姿をなまえが見たい、等と全く異なる認識をしてしまい、つい咳き込んだのだった。
「わっ…!大丈夫?」
「トンデモネェ女だなオマエは!」
◇◇◇
「~~なまえ…ッ!そんな可愛い格好して…っ烏野マネちゃんに会いに行くんだよね!?あのクソg…フタクチくんの応援なんか絶対「コラァ及川!なまえからさっさと離れろ!俺らだって時間ねェんだ行くぞ。なまえもそんな東京で売ってる綿飴みたいな格好しやがって変な虫に噛まれんなよ。とにかく気をつけろ!オマエはすぐ(くどくど)」「(東京で売ってる綿飴…)あの、2人とももう行かなきゃ部活遅れちゃうよ?」
そうだった!と岩泉がおよよ…と泣く及川を引き摺りながら部活へと向かっていけば、なまえは岩泉曰く綿飴、と言われた少しだけ春を先取りした可愛らしいふんわりコーデで送迎の車にぽてん、と乗り込む。
「両校への差し入れは、お嬢様名義で準備させて頂いております」
「あっ…ごめんなさい…!私じゃ無くてみょうじからで、って事に出来ますか…?」
「畏まりました。ではその様に準備して全て私共が滞りなくお運び致します。また何か御座いましたらお申し付けください」
「はい。ありがとうございます。宜しくお願いします」
じわりと涙を浮かべるが、ふるふる、と顔を振る。そんなものは何か理由だって制限だってあるんだ、それに絶対に自分が誘われるなんて自惚れてはいけないし、とても恥ずかしい事だよ!と自身を慰めつつ、烏野と伊達工業に準備した差し入れを車にどっさり乗せて学校へと向かう。結局、青根や二口からのお声掛けは無く、なまえは清水側の紹介で観戦する事になっているのだが、なまえも二口や青根に黙って今日を迎え、形としては別に駄目な事をしてる訳では無いのだが、何となくこんなコソコソして申し訳なかったかな…?と思うのもあり、最終的にはバレないようにこっそりと観ることにした。
ヴヴッーー…
(来月からなまえは青城マネだから自由は今日で終わりだよ。来月からは、ずっと俺の隣に居てね)
なまえの鞄の中でスマホの画面がメッセージアプリの通知を告げて、ぽわり、と光っていた。
◇◇◇
「なまえちゃん!こっち…!会いたかった…!」
「潔子ちゃん、久しぶり!今日はこんな貴重な機会を与えてくれて本当にありがとう…!」
清水となまえが2人で掌同士を合わせて、きゃっきゃっ♡と並べば、その場の雰囲気がきらきらきらっ…と綺麗な光と美しい桜が満ち溢れ、少し遠くから見ていた田中と西谷がハゥァッ!?と叫びながら、ピシッと横に並んで綺麗にスライディング正座した。
「スゲェ…!ふわふわしてる…あの人なんだか洋菓子みてぇだな!」
「~~さすが潔子さんのご友人…!ノヤっさん今日は頑張りましょう…!」
「ーーおっ、清水が言ってた子か(あらあらまぁまぁ、ちっちゃいな~)はじめまして。澤村大地です」
「いつも潔子ちゃんにお世話になっていますっ…みょうじなまえです。宜しくお願いします!」
澤村が自然に片手で握手を求めれば、なまえは両手できゅ、と包む様に握手し、ふわふわん、とするなまえの様な女の子が自身の周りに居ない澤村は、ついドキン、として身体を固まらせては、清水が「あ、なまえちゃんゴメンね。気にしないでね。そろそろ準備するから澤村はさっさと息を吹き返してね」と接し「ハイ…」とカチコチ動く澤村に対して、なまえは不思議そうな表情をしながらも二階の観客スペースに足を進めた。
「(あっ…滑津さん1人…!今だったら話しかけても大丈夫かな?)」
「ーー横断幕ねぇと試合にならねぇだろー!目立つとこに急いで掛けとこうぜ!」
「ちょっ…鎌先待て!そっち降りる人の方向だよっ!もし人来たらぶつかーー」
なまえは体育館に早めに到着した為に二階からみた景色では二口や青根の姿は無く、前回、失礼な対応をとってしまった滑津に謝りたい!とも思っていてならば今がチャンス…!と一階へと移動しようと階段から降り終わった後、ある人物と鉢合わせになり、急な人影に驚きの余りなまえの足が縺れ、訪れる痛みを堪える為にギュッーー!と目を瞑った。
「ーーきゃっ…!?」
「うわっ、ァブネ…!!」
なまえの身体が片腕でふわりと抱えられ、転ばないようにその逞しい腕の中に引き寄せ抱き締める。何となまえを支えた相手、鎌先の身体には今現在、自身にとっちゃ好みのタイプどストライクの女の子、そして甘くてめちゃくちゃ美味しそうな身体があって…鎌先のハートはズドギュウンーー!!と完璧にラブに射抜かれ、口では「スンマセンスンマセンスミマセン」とか謝るのだが、更にむぎゅう、となまえを抱き締めて離してくれなかった。
「え?あ、あのっ…助けて頂いてありがとうございました…も、大丈夫ですからっ…」
「イエイエ俺が全ていけませんでした全て悪かったですなので俺が責任取ります」
「はァ!?ちょっと何やってんだよ鎌先!やめっ、ヤメロ!あああ本当にすみませんすみませんすみません!~~笹谷どうにかしろ!」
「~~ぐっ、俺がこの金髪ゴリラどーにかできると思ってんの?茂庭、青根か二口呼べ!ーーっ、早く女の子離せ鎌先!」
「二口は却下!(なんか色々面倒くさそうだから)ああああ青根ェェェーー!!今スグ俺ンとこに来ォォォい!!」
青根や二口、と言うキーワードに対して、なまえはぴくん、としながら目の前に居る茂庭という人の会話から現状を徐々に把握していく。この方々は伊達工業の方々だ…!どうしよう…?然しながら、鎌先は手加減し且つ笹谷が応戦してるのもありなまえへの負担は少ないのだが、やっぱり小柄ななまえにとっては大男にギュゥッ、とされ続けていれば苦しい。助けてくれたので怪我なく終え恩人ではあるが早く離して欲しかった。何より伊達工業の方々と頭では理解していても、知らない男の人から抱き締められるのは凄く怖くて嫌だった。
「…助けて頂いた事は感謝します…ですが…今すぐ離して…!怖…いのっ…!」
「はっ!本当にスンマセン…!あの…俺ッ…怖がらせるつもりじゃなくて貴女にっ「ハイハイ先輩達、何してんスかー!?女構って無いでそろそろ準備してくださいよ。因みにコレは今スグ諦めてクダサイ」ーーは!?ちょっ…二口…!何でお前…!」
「そりゃー茂庭サンがあんなデケェ声出して青根呼べば只事じゃないでしょ?青根、悪いんだけど先輩達回収して。俺、なまえ連れてくから」
なまえがグッと力を込め首を振っていやいやしながら鎌先を引き剥がそうとして、鎌先はわたわたと慌てながら謝り気持ちを伝えようとなまえを離した瞬間、誰かがひょいっ、となまえを奪い取り自身の片腕で持ち上げ大切に抱っこすれば、なまえは、いつもの彼の香りに心からほっ…としてキュゥっ、と無意識に肩に抱き着いた。
「は?は?は?はァァっ…!まさかっ…!二口のトンデモナイモノの正体って…嘘だろ…俺の恋はもう失われ砕け散ったの…!?」
「ーーチッ」
気付けばなまえは、二口から抱えられながら2人きりになる体育館から近いある一角のスペースの場所に居て、顔も雰囲気も随分と御立腹且つ不機嫌な二口は、無言でなまえのお腹や胸を服の上からふにゅ、ふにゅ、ふにゅん、と鷲掴んで遠慮なく好き勝手に触る。
「…!?っ…ゃ…堅ちゃ…どこ触って…ひゃんっ…!」
「ふーん、鎌先さんの時とは随分反応違うじゃん。オカゲサマで頗る悪くなった機嫌がちょっと直ったわ。あーあ、クソ可愛い」
「~~そんなとこ触られてなんかないっ…!信じられないっ…」
「ーーまぁ、オマエには聞きたい事が幾つかあるんだけど先ずはその無自覚無意識に男寄せ付けんのマジでヤメロ。好い加減にしねぇとコッチにも考えがあるからな?」
「え…?」
「ーー烏野さっさと叩き折って戻ってくるから絶対に待ってろ。逃げんなよ」