コ ー プ ス・リ バ イ バ ー
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「みょうじ、サンキュー!俺も手伝おうか?」
「温田くん、ありがとう。あと少しだから大丈夫だよ?よいしょっ…!」
「ーーわっ!?怖い怖い!~~あのさ、重たい物は俺達に言ってよ!みょうじは身体が小さいし怪我したら…っ」
「?大丈夫だよ。ふふっ、ありがとうね」
重たい荷物を少しずつ片付けているなまえの姿を見て温田はヒヤヒヤし自然と身体が動いて結局は手伝いに入り、最後の荷物を共に掛け声を合わせて一緒に片付け終える。ーー断じて狙っていた訳では無いし致し方無い事として許して欲しいのだが、あのなまえと身体の距離感が今まで共に過ごしてきた中で一番身近に感じて、生温かく柔らかい感触を味わって(むきゅっ、と身体がくっついてる…!?)なまえ特有の甘い香りをすぅ、と間近で吸い込んで仕舞って、ドキドキドキドキと鼓動を鳴らす。
ーーまさか、みょうじを間近で見て触れる事が出来るなんて…!其れと同時に、青葉城西男子バレー部が誇るあの2人組が異常に愛でる理由を改めて痛い程に理解した。いや…もうね…そうだよね。言葉にして言ってしまったら其れこそ今後の安否が非常に不安なので決して口に出しては言わないが、俺も奴らと同様にみょうじと(腹立つ程羨ましい)ナチュラルに行う甘いスキンシップ、特にその中でも彼女の身体に鼻を押し当てて直接肺に香りを吸い込んだりしたいなぁ…なんて思うんだ。そう、何時も思うんだ…要するに俺なんかは指を咥えて見てるわけであって…分かりますかこのめちゃくちゃ切ない気持ち。あーあ、アイツらがマジで羨ましい…なんてなまえを眺めながら考えて居れば、なまえは不思議そうな表情で温田の顔を見上げるのだ。
「あの…どうかした?」
なまえが下から顔を覗き込みながら自身の耳に髪の毛を掛ける仕草をすれば、温田はハッ、とし顔を真っ赤にさせてブルブルブル、と顔を横に振る。その際に、ふとなまえの首元が視界に入り何故か何枚かの絆創膏がぺたぺた貼ってあるのに気が付き、不安と心配が混じり合い気持ちを切り替えて問う。こんな細く真っ白な首がとても痛々しい…可哀想に。
「ーーなぁ、首元どうした?怪我したの?」
「……ぁっ…!あのね…これは…っ」
今までなまえは、自身の髪の毛とジャージで目立たないように必死で隠して居たのもあったのだろう。然しながら今は其の事をすっかり忘れて荷物を片付ける際にはジャージを脱ぎ、終えて一息ついた際に髪の毛を耳に掛けたり退かした行動をしてしまった。そして今にある。言い訳も中々見つからず温田の問いかけに真面に答える事が出来なかった。
「~~ッ、みょうじ…っ?」
ぽぽぽっ、とみるみるうちに顔が真っ赤になるなまえを見て温田もつられて頬を染めた。目の前の彼女を例えるなら、ふるふる…と小さく震える可愛い垂れ耳子うさぎにズキューン!と心臓を射抜かれて、つい無性に彼女に触れたくなり抗えず触れようとすれば、勿論、お決まりのこの人からの邪魔がすかさず入って、可愛い子うさぎをいとも簡単にヒョイッと片手で担いで攫われて仕舞う。温田は心底、あぁ、残念…と落ち込んだ。触りたかった…
「きゃっ…!~~徹くんっ!?」
「温田っち、ゴメンね?あんまりなまえをいじめないであげてね」
「へ?いや俺はみょうじの首元の怪我を本当に心配してーー」
「いいんだよ。ーーコレはね、全部、俺の所為だから」
察してネ、と言わんばかりに急にガラリと雰囲気を変える及川にゴクリ、と小さく喉を鳴らした温田は、カァァッ、と顔を染めながら言葉の意味を察し「わかった!お大事に…!」とズザザッ、とその場を離れて行ってしまう。あー何だよソレ!めちゃくちゃ羨ましい…ッ!
「~~もうっ…何でそんな恥ずかしい事言うの…?」
「ーームカつくくらい鈍いなまえには丁度良いでしょ?」
「!?ひどいっ…!もう降ろしてっ…」
「ヤダ。因みになまえがもじもじ動けは動くほど可愛い胸が俺の身体にむにむに当たるからね?昨日も思ったけど随分おがったねーすっごく可愛いよ」
「~~もぅっ…信じられない…っ!徹くんのえっち…!」
「今更?」
簡単に担がれている為、身体を捩りながら降りようとするなまえだが、及川の力に適うわけ無く好き勝手にされては其の儘、体育館に連行される。サラリと発言された意味と子供みたいな恥ずかしい体制に、なまえは及川の肩にぎゅっと抱き着くしか無くて、結局は及川に主導権を握られて最後までされるがままであった。
「ーーわぁ、みょうじ先輩いいなぁ…及川先輩に抱っこされてる…!羨ましい…!」
「みょうじ先輩だから仕方ないよー。他の女子だったら嫌だけどさー、もう彼処の関係には割り込めないよねー…でも私も己を磨いて頑張ればいつか抱っこされる日がくるかな!?」
「ウンウン…!頑張ろう!目指せみょうじ先輩!」
「くぅっ…目標はめちゃくちゃ高いなー」
「(……ッ、あのブス女…!マジで調子ノってんじゃねェよ…!)」
体育館の二階では通常通り及川ファンが見学していて彼女達もバッチリと今の情景を目にしており、大半は自分達も自身をピカピカに磨いて何時かはなまえの様になれるように!と目標を掲げていた。然しながらギャラリーの奥の隅の方では、心底悔しそうな表情をしてギリッ…と歯を噛み締めている女生徒、及川の例の元彼女がこっそりとその場に居たのだった。
◇◇◇
「ーーみょうじさん、ちょっと良い?」
女子更衣室にノックも無しでガチャリ!と急に強めにドアを急に開けられて、着替え中であり下着姿であったなまえはゾッ…と顔色を変える。
普段より遅くなり人気も余り無くなって来た時間帯、男子バレー部の手伝いを終えたので女子更衣室で着替えて帰ろうとした矢先、例の元彼女から話し掛けられたなまえは、つい肩をビクッ、と強ばって仕舞うのだ。
強気な綺麗め美人でモデルの様に身長が高い彼女は、なまえとの身長差もあり目の前に威圧的に立たれれば怖い。然して何故、彼女に対してなまえが身体を怖ばせて居るのかと云えば、過去の嫌な思いが思い出されるから。ーー実は、夏休みに入る前の時期、何故だか彼女と擦れ違う度に何度もぶつかられたり足で転ばされて居て、最初は気の所為かな?と思って居たのだが流石に何度もやられれば嫌でも気付いて仕舞うのだ。ある決定打としては、なまえが転べば絶対に振り向きざまにクスクス笑っていてーーその時の表情がなまえの脳裏からずっと離れなかった。
「あーソッカ、ゴメンネー?みょうじさんって体育の時も着替える時に全部衣類脱いで一旦下着姿になるよねー?あざとーい♡」
「…あっ、あの…どうしたの…?…今着替えてて…待、っ…きゃっ!?」
「ねー何これ?首にこんなヤラシイ痕つけて徹に近付いてんの?ウケるー」
「…ゃ、ぁっ…怖い…!」
「ーーチッ、一々ウザイんだよブス!」
「ーー!?」
勢い良く手を捕まれて、ベリっ、ベリッ!と無理矢理首元の絆創膏を全て剥がされては花弁を顕にされた後、怒りの形相にある元彼女から床に突き飛ばされてはその際に椅子の角になまえの太腿が少し引っかかり、ズキリとした痛みと傷ついた透明感ある新雪の肌から赤い血がたらり…と流れた。
「…痛っ…!」
「あらーゴメンネ♡せっかく綺麗に治ってたのにまた傷になっちゃったね!まぁ、またあざとい絆創膏つけて登校して来たら?」
「…どうして…っ、こんな酷い事…」
「ーーウッザ!お前みたいなの腹立つんだよ!二度と徹に色目使って近づくな!」
元彼女はなまえの髪の毛を掴んで無理矢理ブラを剥ぎ取り、更衣室の窓から勢い良く投げ捨てては急いで部屋を出て行った。この様な初めての急な暴力なる出来事と強い混乱の最中、なまえはその場で泣く事しか出来なかったのだ。
彼女の逆鱗に触れた理由が及川なのは理解出来るが、だからといって余りにも理不尽である。
ーーー
ーー
ー
「ーーなまえが電話に出ない…おかしいな…」
「はァ?こんな薄暗いのに1人で先帰ったのかよ……ッ~~わぶっ!?」
なまえと共に帰ろうと電話する及川、そして待っていた岩泉の顔の上に、ぺしょ、とした感触とふわりと甘い香りのした布が落ちてきては、何なんだ!と急なる出来事に次の瞬間、驚愕する。
「ーーは?うわっ…!ふざけんなよ女子の下着じゃねェか如何なってんだよ…!」
「ワーオ、ヨカッタネ岩ちゃん☆」
「テメェ…!ーーッ待て、これは良くねぇだろ…」
真っ赤に成りながら慌てふためき苛立つ岩泉に、及川はダブピで話し掛けるもんだから、腹立つ顔する及川の頬をギュム、と片手で掴みながらもいやに見覚えのある可愛い下着をチラリ、と見ては、その豊満なサイズに岩泉はピン、と来て瞬時に頭がズキリ、と痛くなる。其の反応は無論及川も同様であり額に手をやり眉間に皺を寄せ必死に考えた。ーー間違い無い、この下着はなまえのだ。岩泉も及川も(声には出さないが)見覚えのあるとっても可愛い淡い色の下着。ーー其れはさて置き、いやいや意味わからねェ、なんで空から…空!?バッ、と2人同時に上を見上げれば女子更衣室の位置の真下に自身らが佇んで居る。そして直ぐに周りを見渡せばーー…何とまぁ丁度良く姿を見せた及川の元彼女のゾッとするニヤケ顔。コレは確実に黒だ、とある直感がピシッと走りーー今まで培った予測能力を侮られては困る。
「ーー及川、俺の言った事忘れてねェよな?」
「ーーモチロン。先ずはカノジョの首根っこ捕まえてからでも良い?返答次第でジャッジメントかな…!」
「…テメェ勘違いすんなよ?この俺が審判を下すンだよ馬鹿野郎…ッ」
「温田くん、ありがとう。あと少しだから大丈夫だよ?よいしょっ…!」
「ーーわっ!?怖い怖い!~~あのさ、重たい物は俺達に言ってよ!みょうじは身体が小さいし怪我したら…っ」
「?大丈夫だよ。ふふっ、ありがとうね」
重たい荷物を少しずつ片付けているなまえの姿を見て温田はヒヤヒヤし自然と身体が動いて結局は手伝いに入り、最後の荷物を共に掛け声を合わせて一緒に片付け終える。ーー断じて狙っていた訳では無いし致し方無い事として許して欲しいのだが、あのなまえと身体の距離感が今まで共に過ごしてきた中で一番身近に感じて、生温かく柔らかい感触を味わって(むきゅっ、と身体がくっついてる…!?)なまえ特有の甘い香りをすぅ、と間近で吸い込んで仕舞って、ドキドキドキドキと鼓動を鳴らす。
ーーまさか、みょうじを間近で見て触れる事が出来るなんて…!其れと同時に、青葉城西男子バレー部が誇るあの2人組が異常に愛でる理由を改めて痛い程に理解した。いや…もうね…そうだよね。言葉にして言ってしまったら其れこそ今後の安否が非常に不安なので決して口に出しては言わないが、俺も奴らと同様にみょうじと(腹立つ程羨ましい)ナチュラルに行う甘いスキンシップ、特にその中でも彼女の身体に鼻を押し当てて直接肺に香りを吸い込んだりしたいなぁ…なんて思うんだ。そう、何時も思うんだ…要するに俺なんかは指を咥えて見てるわけであって…分かりますかこのめちゃくちゃ切ない気持ち。あーあ、アイツらがマジで羨ましい…なんてなまえを眺めながら考えて居れば、なまえは不思議そうな表情で温田の顔を見上げるのだ。
「あの…どうかした?」
なまえが下から顔を覗き込みながら自身の耳に髪の毛を掛ける仕草をすれば、温田はハッ、とし顔を真っ赤にさせてブルブルブル、と顔を横に振る。その際に、ふとなまえの首元が視界に入り何故か何枚かの絆創膏がぺたぺた貼ってあるのに気が付き、不安と心配が混じり合い気持ちを切り替えて問う。こんな細く真っ白な首がとても痛々しい…可哀想に。
「ーーなぁ、首元どうした?怪我したの?」
「……ぁっ…!あのね…これは…っ」
今までなまえは、自身の髪の毛とジャージで目立たないように必死で隠して居たのもあったのだろう。然しながら今は其の事をすっかり忘れて荷物を片付ける際にはジャージを脱ぎ、終えて一息ついた際に髪の毛を耳に掛けたり退かした行動をしてしまった。そして今にある。言い訳も中々見つからず温田の問いかけに真面に答える事が出来なかった。
「~~ッ、みょうじ…っ?」
ぽぽぽっ、とみるみるうちに顔が真っ赤になるなまえを見て温田もつられて頬を染めた。目の前の彼女を例えるなら、ふるふる…と小さく震える可愛い垂れ耳子うさぎにズキューン!と心臓を射抜かれて、つい無性に彼女に触れたくなり抗えず触れようとすれば、勿論、お決まりのこの人からの邪魔がすかさず入って、可愛い子うさぎをいとも簡単にヒョイッと片手で担いで攫われて仕舞う。温田は心底、あぁ、残念…と落ち込んだ。触りたかった…
「きゃっ…!~~徹くんっ!?」
「温田っち、ゴメンね?あんまりなまえをいじめないであげてね」
「へ?いや俺はみょうじの首元の怪我を本当に心配してーー」
「いいんだよ。ーーコレはね、全部、俺の所為だから」
察してネ、と言わんばかりに急にガラリと雰囲気を変える及川にゴクリ、と小さく喉を鳴らした温田は、カァァッ、と顔を染めながら言葉の意味を察し「わかった!お大事に…!」とズザザッ、とその場を離れて行ってしまう。あー何だよソレ!めちゃくちゃ羨ましい…ッ!
「~~もうっ…何でそんな恥ずかしい事言うの…?」
「ーームカつくくらい鈍いなまえには丁度良いでしょ?」
「!?ひどいっ…!もう降ろしてっ…」
「ヤダ。因みになまえがもじもじ動けは動くほど可愛い胸が俺の身体にむにむに当たるからね?昨日も思ったけど随分おがったねーすっごく可愛いよ」
「~~もぅっ…信じられない…っ!徹くんのえっち…!」
「今更?」
簡単に担がれている為、身体を捩りながら降りようとするなまえだが、及川の力に適うわけ無く好き勝手にされては其の儘、体育館に連行される。サラリと発言された意味と子供みたいな恥ずかしい体制に、なまえは及川の肩にぎゅっと抱き着くしか無くて、結局は及川に主導権を握られて最後までされるがままであった。
「ーーわぁ、みょうじ先輩いいなぁ…及川先輩に抱っこされてる…!羨ましい…!」
「みょうじ先輩だから仕方ないよー。他の女子だったら嫌だけどさー、もう彼処の関係には割り込めないよねー…でも私も己を磨いて頑張ればいつか抱っこされる日がくるかな!?」
「ウンウン…!頑張ろう!目指せみょうじ先輩!」
「くぅっ…目標はめちゃくちゃ高いなー」
「(……ッ、あのブス女…!マジで調子ノってんじゃねェよ…!)」
体育館の二階では通常通り及川ファンが見学していて彼女達もバッチリと今の情景を目にしており、大半は自分達も自身をピカピカに磨いて何時かはなまえの様になれるように!と目標を掲げていた。然しながらギャラリーの奥の隅の方では、心底悔しそうな表情をしてギリッ…と歯を噛み締めている女生徒、及川の例の元彼女がこっそりとその場に居たのだった。
◇◇◇
「ーーみょうじさん、ちょっと良い?」
女子更衣室にノックも無しでガチャリ!と急に強めにドアを急に開けられて、着替え中であり下着姿であったなまえはゾッ…と顔色を変える。
普段より遅くなり人気も余り無くなって来た時間帯、男子バレー部の手伝いを終えたので女子更衣室で着替えて帰ろうとした矢先、例の元彼女から話し掛けられたなまえは、つい肩をビクッ、と強ばって仕舞うのだ。
強気な綺麗め美人でモデルの様に身長が高い彼女は、なまえとの身長差もあり目の前に威圧的に立たれれば怖い。然して何故、彼女に対してなまえが身体を怖ばせて居るのかと云えば、過去の嫌な思いが思い出されるから。ーー実は、夏休みに入る前の時期、何故だか彼女と擦れ違う度に何度もぶつかられたり足で転ばされて居て、最初は気の所為かな?と思って居たのだが流石に何度もやられれば嫌でも気付いて仕舞うのだ。ある決定打としては、なまえが転べば絶対に振り向きざまにクスクス笑っていてーーその時の表情がなまえの脳裏からずっと離れなかった。
「あーソッカ、ゴメンネー?みょうじさんって体育の時も着替える時に全部衣類脱いで一旦下着姿になるよねー?あざとーい♡」
「…あっ、あの…どうしたの…?…今着替えてて…待、っ…きゃっ!?」
「ねー何これ?首にこんなヤラシイ痕つけて徹に近付いてんの?ウケるー」
「…ゃ、ぁっ…怖い…!」
「ーーチッ、一々ウザイんだよブス!」
「ーー!?」
勢い良く手を捕まれて、ベリっ、ベリッ!と無理矢理首元の絆創膏を全て剥がされては花弁を顕にされた後、怒りの形相にある元彼女から床に突き飛ばされてはその際に椅子の角になまえの太腿が少し引っかかり、ズキリとした痛みと傷ついた透明感ある新雪の肌から赤い血がたらり…と流れた。
「…痛っ…!」
「あらーゴメンネ♡せっかく綺麗に治ってたのにまた傷になっちゃったね!まぁ、またあざとい絆創膏つけて登校して来たら?」
「…どうして…っ、こんな酷い事…」
「ーーウッザ!お前みたいなの腹立つんだよ!二度と徹に色目使って近づくな!」
元彼女はなまえの髪の毛を掴んで無理矢理ブラを剥ぎ取り、更衣室の窓から勢い良く投げ捨てては急いで部屋を出て行った。この様な初めての急な暴力なる出来事と強い混乱の最中、なまえはその場で泣く事しか出来なかったのだ。
彼女の逆鱗に触れた理由が及川なのは理解出来るが、だからといって余りにも理不尽である。
ーーー
ーー
ー
「ーーなまえが電話に出ない…おかしいな…」
「はァ?こんな薄暗いのに1人で先帰ったのかよ……ッ~~わぶっ!?」
なまえと共に帰ろうと電話する及川、そして待っていた岩泉の顔の上に、ぺしょ、とした感触とふわりと甘い香りのした布が落ちてきては、何なんだ!と急なる出来事に次の瞬間、驚愕する。
「ーーは?うわっ…!ふざけんなよ女子の下着じゃねェか如何なってんだよ…!」
「ワーオ、ヨカッタネ岩ちゃん☆」
「テメェ…!ーーッ待て、これは良くねぇだろ…」
真っ赤に成りながら慌てふためき苛立つ岩泉に、及川はダブピで話し掛けるもんだから、腹立つ顔する及川の頬をギュム、と片手で掴みながらもいやに見覚えのある可愛い下着をチラリ、と見ては、その豊満なサイズに岩泉はピン、と来て瞬時に頭がズキリ、と痛くなる。其の反応は無論及川も同様であり額に手をやり眉間に皺を寄せ必死に考えた。ーー間違い無い、この下着はなまえのだ。岩泉も及川も(声には出さないが)見覚えのあるとっても可愛い淡い色の下着。ーー其れはさて置き、いやいや意味わからねェ、なんで空から…空!?バッ、と2人同時に上を見上げれば女子更衣室の位置の真下に自身らが佇んで居る。そして直ぐに周りを見渡せばーー…何とまぁ丁度良く姿を見せた及川の元彼女のゾッとするニヤケ顔。コレは確実に黒だ、とある直感がピシッと走りーー今まで培った予測能力を侮られては困る。
「ーー及川、俺の言った事忘れてねェよな?」
「ーーモチロン。先ずはカノジョの首根っこ捕まえてからでも良い?返答次第でジャッジメントかな…!」
「…テメェ勘違いすんなよ?この俺が審判を下すンだよ馬鹿野郎…ッ」