コ ー プ ス・リ バ イ バ ー
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「あのね、伊達工の試合ずっと見てたよ!ブロックは圧巻の景色で…「ーーなまえ」っ…(一歩下がる)」
「ーーなんだよそのブスな顔と不自然な距離感は…」
「(じーっ)」
「…あー、ナルホドね。遠回しに期待してるってワケね?流石にこんな場所で出来るわけ無いだろ。意外と欲しがりなんだなーなまえちゃんは」
「ーー!違います…っ、だって堅ちゃんがっ…」
「2人きりになりゃ満足する程してやるから今は純粋に慰めてよ。これでも結構、落ち込んでてさ…」
年が明けて春高バレーが始まり、宮城県で四強と云われる内1つの伊達工業は残念ながら全国を逃す。今後はまた新たなチームを組んで次のインハイに向けて調整する方向であり、二口や青根も正式にコートに入る、と云う事らしい。4月から3年にあがる者達は残念ながら不作と言われている伊達工ではあるが、それでも横断幕に恥じない様に更に練習を強化するだろう。
「今後は俺も試合に出る。なまえもぽやぽやしてないで青城が伊達工に負けるとこちゃんと見とけよ。んで、あの腹立つセッターの華やかな顔を思いきり歪ませてやる」
「ん、んんん?徹くん…?」
「ーーチッ。あのムカつくサーブ打ち返してブロックしてアッチ無茶苦茶に引っ掻き回して心折りにいくんだよ」
「こほん!そこはともかく…高いトスが上がった時の堅ちゃんのネット際の攻撃がたくさん決まるとこ見たいなあ」
「~~グッ…お前、俺が苦手なトコ分かって敢えて言ってんだろ」
ハイハイ手厳しいなー、と苦笑いする二口を慰める為にいつもの彼との距離まで縮めてすぐ傍による。春高、お疲れ様、と優しく頬を撫でるなまえの柔らかく心地よい手に自身の手を重ね握り、二口は僅かな時間だけ目を瞑り強く浸るのだった。いつか、いつか必ず全国へ行きたいーー
「ーーそろそろ青城と白鳥沢の試合も始まる。…幼なじみも出るんだろ?」
「うん…!あのね、あそこにいる…」
「(2年の及川さんと岩泉さんだろ。知ってるよ)」
ーーー
ーー
ー
「ーーすまん…及川、来年から頼むぞ…」
勝てない、何度やっても勝てない、悔しい、悔しいーー!白鳥沢の壁は物凄く高く、そして牛島とネットを挟んで向かい合えば見えない足枷手枷の重圧により思う様に動かなくなる。及川は、悔しくて泣く3年生の背を超えて"強者であれ"の横断幕を強く睨み付けた。白鳥の華麗な羽を捥いで平伏し王者になる為には自身らが一体どうしたら良いのか、どれ程の光合成力と新緑、城内強化ーー時には伐採し諸刃の剣なる判断をもしなくては成らない意を決する決断力も生じてくるだろう。
◇◇◇
「いつか必ず負かしてやるからなクソクソクソ」
「何回言ってんだよ汚ぇな」
「いや、岩泉も普段言ってるよね…?」
「マジで及川やめろ、なまえちゃんの前だぞ…なまえちゃんも今日来てくれてありがとうね。今回こそはなまえちゃんに全国プレゼントしたかったんだけど…」
「ううん?皆凄くかっこよかったよ」
試合終了し春高を終えて皆と居る時は不思議と自然と涙は出なかった。死ぬ程悔しい気持ちはあったけどまだ歩いて帰れる。兎に角、また明日からまた只管練習するしかない。もう其れしか道が無いのだから。
冷たい外の気温と青葉城西の爽やかな色合いのジャージは相余り青春を彩る。
ーー花巻と松川と別れて3人で歩いている最中、周りには他人の気配は無く無言で歩く為、道には足音だけ響くと云う何とまぁ珍しい光景になった。いやいや困るよ誰か早く喋ってよ…そうじゃないと俺の視界が思いっきり滲むじゃんか、何だかおかしくなるじゃんか、と及川はピタリ、と足を止め、その様子に気が付いたなまえと岩泉も同時に足を止め及川に振り返り、直ぐになまえが及川へと近寄るのだった。
「…徹くん…」
及川を見上げれば、ぽたっ、となまえの頬に一粒、また一粒と温かい水滴が落ち瞬時にその小さな身体を掻き抱かれる。なまえはぽんぽん、と優しく及川の背中を摩った後、震える身体をむぎゅ、と抱き締めてゆっくりと落ち着かせた後、無言でなまえと顔を合わせてくる及川の望む様に、額と額をコツン、と合わせた。今までの何人もの彼女としてきたキスなんかよりも、なまえとする額合わせの方が、及川にとって自身の源になるのだ。
「はじめちゃんも、おいで」
自然となまえの小さな身体に引き寄せられる岩泉もぎゅっ、となまえを抱き締める。小さく震える彼が落ち着いた後に、岩泉の両頬を包み込む様に優しく手を添えて、ぽたぽたぽた…っと溢れる涙を小さな指で優しく拭った。及川同様に額をこつん、としようとすればハッとした表情になり、顔を真っ赤にさせながら片手で両頬をブニッ、と掴まれ拒否されるが、なまえの顬にぽふっ、と唇を落とされるのだ。
確かに言葉の数は少なかったが、それでも心と心で繋がってるモノがあるとするならば、今の3人は十分な其の証明になっていると言える。
「うわっ!?及川てめぇ鼻水がなまえの髪の毛にっ…汚ぇなクソ!」
「いいんだよ!なまえの髪の毛は俺のなんだからっ」
「ふざけんなよヴォケ!なまえほら早く拭け!」
まだまだ寒い時期、なまえを真ん中にして最後には両側に阿吽から挟まれムギュっ、と頬同士をくっつけさせる。なまえの髪の毛にべったりと涙が着くのだがなまえは気にしない。明日からは立ち位置がガラリと変わる2人がまた明日から頑張ってくれたら、バレーボールを純粋に楽しんでくれたら、もう何も言う事なんか無いのだから。
◇◇◇
「…えっと…その…」
「なまえは俺の泣きべそ見ちゃったでしょ」
「…で、でも…」
「ーー駄目。今日は絶対に家に帰さないから」
夕食、課題、お風呂、明日の支度、寝る前の支度を全て終わらせ及川の部屋で寛ぐなまえは、及川の腕の中に確りと捕まり布団の中に引き込まれる。幼い頃は一緒に寝たりしてたけど、及川に彼女が出来てからは一緒のお布団に入って寝るなんて事は無くなったのだが、今夜はまた急に一緒に寝る事になってしまった。及川の大きな腕で、きゅっ、と抱き締められて優しく髪の毛を撫でられれば、なまえも直ぐにトロトロン…としてきて、もう本当にこのまま眠ってしまいそうだった。ごめんなさいおば様、さっき帰るって言ったけどやっぱり今日は泊まりでお世話になります。
「ねぇ、なまえ」
「…んぅ…?」
「ーー伊達工業のフタクチくんの事、好き?」
「……堅ちゃ…?」
何もなまえが下の名前で親しげに呼ぶのは奴だけじゃない。只、無意識に蕩けきった表情で奴の名前を呼ぶのが気に食わなかった。他の男の名前を呼ぶ時とは全く異なる反応にズキン、と胸が痛む。バレーボールでもそうなら恋敵もそうなのか…自身には常に前からも後ろからも天才やダークホースが立ち向かってくるーーそれならば全員倒すまで。さて、言葉では決して伝えては成らない制約や現状の中で、どうやってなまえに対して堪えられない愛の分を伝えようか。辛く然して随分と身勝手な試練ではあるのは重々承知。
「なまえ…フタクチくんはクソ生意気でチャラそうだからなまえには相応しくないよ。こんな清楚可憐で繊細なお花を、彼が生涯大切に丁寧に愛でる事なんか出来るはずがない」
「…んんん…?えっと…よく分からないけど…あの…徹くんと堅ちゃんは知り合いだったの…?そして仲悪いの…?」
「ーー寧ろ、思考も嗜好も志向も似てるんだよ」
「…?…っ、擽ったいよ…!」
「なまえの事、誰よりも大切に愛でて味方で居て常に傍に居るのは誰かな?」
「……ん、ひゃっ…!?徹く…待って…!だめ…」
及川は小さな身体を抱き締めながら何度も愛おしい名前を呼びなまえの頬に唇を落とす。最初は、ちゅっ、ちゅ、と頬や髪、耳、鼻などを軽く啄む行為だった筈が、及川も段々と歯止めが利き難くなって只、只管夢中になり、なまえの柔らかな小さな頬っぺたを甘噛みしたり首筋に舌を這わせてみたり、既にこの行為は範疇を超えているので流石のなまえも及川から離れようとぐっ…と身体を離そうとするのだが、彼女が及川の力に適うはずが無く簡単に腕を掴まれては、細い首筋に唇を落とされてぢゅぅぅ、と幾つもの花弁の痕を残される。なまえの新雪の肌にぽわり、と幾つも咲いた花弁は首元に広がり更に艶めかしく魅えた。
「~~やだっ…徹くん…お願い…っ…」
甘い声でいやいやと泣くなまえを無視し、なまえの可愛い部屋着を胸上までグイッと捲り上げて先ずは薄いお腹をスリッ…と撫でた。視界いっぱいに下着に包まれた豊満で透明感溢れる胸と何とも細く薄いお腹が顕になって、且つすべすべで最上級に心地良い肌触りと共に、及川の下半身は一気にズクズクン、と強く反応して仕舞う。
「ねぇっ…聞いて…んぁっ…!」
なまえの片方の胸をそっと下着越しに包み込めば、可愛い真っ白なお肉の部分は及川の手から溢れる様に形を変えて豊満さを改めて主張し、トンデモナイモノの持ち主のなまえは、ぴくぴく、と小さく跳ねる。あぁ、ヤバいーー今までで見てきたモノでこれ以上にない程に可愛い。想像以上に柔らかい。めちゃくちゃ甘くて美味しそう。背中から全身に掛けて電気が走る様にゾクゾクして堪らないーー…!本気で止めるなら此処で自制しなければ理性を失う事になるーーあぁ、でも、ダークホースなるフタクチくんに大切にしてきたなまえを此の儘、横から掻っ攫われて奪われるくらいならいっその事、今俺がーー
「~~ひっ、も…徹く…嫌いっ、嫌いっ…」
「!?ちょっ…待って…!それ絶対言っちゃ駄目な言葉!なまえに言われたら及川さん死んじゃう…!」
「だったら今すぐやめて!~~徹くんもっ…落ち込んでて胸を貸してほしいならそう言って!勝手に舐めたり触ったりしないでっ…!」
背後から思い切り鈍器で頭をガツンと殴られた様な衝撃が及川を襲い、及川は一瞬にして我に返りなまえから手を離して謝り続ける。ぐすっ、と涙をいっぱい溜めた飴玉の様な瞳に睨まれて、及川はバチン、と自身の両頬を自身で思い切り挟み叩いた。
「ーーごめん。なまえ…俺、ちょっと余裕無かった…」
「ーー知らない間に堅ちゃんとも何かあったの?…ぐすっ…今日の徹くんはっ…人恋しくて甘えたかったのは私だって分かってるからっ…!それならちゃんと言ってください…」
「ん、ン?」
「~~だって…はじめちゃんの胸に抱きついて甘えたら拳骨されて叱られちゃうから私なんだよね?」
「…あ、ハイ、ソウデスネ」
なまえの名推理を聞いて完璧に素面に戻り、ええ…と頭を抱える及川だったが、まぁ、ならばこの際、なまえの優しさにめちゃくちゃ甘えて豊満な胸に埋まって寝よう、と決意した。要するに触ったり舐めたりしなきゃイインダモンネ?あー…相変わらず俺って性格が悪い。ウン、自分でもちゃんと解ってる。
「ーー確認するけど、今日だけはなまえの胸をお借りして良いのかな?」
「うんっ…抱っこするだけだよ…?舐めないでね…?」
「(約束する)むちゃくちゃ舐めたい」
「…え?」
「(むちゃくちゃ舐めたい)約束する」
「…うん、じゃぁ…徹くん、おいで?一緒に寝よ?」
及川は、なまえの豊満な胸に、ぽふん、と遠慮無く顔を寄せて添い寝する。はぁ…どうしようむちゃくちゃ柔らかい…此処は天国だろうか?あーチ✕✕挟みてぇ…じゃなかった駄目駄目今の頬叩きじゃ足りなかったかな?
「ふふっ、徹くんの髪の毛擽ったい…手の感触が癖になりそう…」
なまえが優しく及川の頭に手を回し、むきゅっ、とくっついて優しく撫でるのも及川にとっては、ふわふわと最上級に心地好くーー気持ちも身体もすっかり落ち着いて然して本日の試合の疲れもあったのだろう、なまえより先に眠りに着いたのだった。
「ーーなんだよそのブスな顔と不自然な距離感は…」
「(じーっ)」
「…あー、ナルホドね。遠回しに期待してるってワケね?流石にこんな場所で出来るわけ無いだろ。意外と欲しがりなんだなーなまえちゃんは」
「ーー!違います…っ、だって堅ちゃんがっ…」
「2人きりになりゃ満足する程してやるから今は純粋に慰めてよ。これでも結構、落ち込んでてさ…」
年が明けて春高バレーが始まり、宮城県で四強と云われる内1つの伊達工業は残念ながら全国を逃す。今後はまた新たなチームを組んで次のインハイに向けて調整する方向であり、二口や青根も正式にコートに入る、と云う事らしい。4月から3年にあがる者達は残念ながら不作と言われている伊達工ではあるが、それでも横断幕に恥じない様に更に練習を強化するだろう。
「今後は俺も試合に出る。なまえもぽやぽやしてないで青城が伊達工に負けるとこちゃんと見とけよ。んで、あの腹立つセッターの華やかな顔を思いきり歪ませてやる」
「ん、んんん?徹くん…?」
「ーーチッ。あのムカつくサーブ打ち返してブロックしてアッチ無茶苦茶に引っ掻き回して心折りにいくんだよ」
「こほん!そこはともかく…高いトスが上がった時の堅ちゃんのネット際の攻撃がたくさん決まるとこ見たいなあ」
「~~グッ…お前、俺が苦手なトコ分かって敢えて言ってんだろ」
ハイハイ手厳しいなー、と苦笑いする二口を慰める為にいつもの彼との距離まで縮めてすぐ傍による。春高、お疲れ様、と優しく頬を撫でるなまえの柔らかく心地よい手に自身の手を重ね握り、二口は僅かな時間だけ目を瞑り強く浸るのだった。いつか、いつか必ず全国へ行きたいーー
「ーーそろそろ青城と白鳥沢の試合も始まる。…幼なじみも出るんだろ?」
「うん…!あのね、あそこにいる…」
「(2年の及川さんと岩泉さんだろ。知ってるよ)」
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「ーーすまん…及川、来年から頼むぞ…」
勝てない、何度やっても勝てない、悔しい、悔しいーー!白鳥沢の壁は物凄く高く、そして牛島とネットを挟んで向かい合えば見えない足枷手枷の重圧により思う様に動かなくなる。及川は、悔しくて泣く3年生の背を超えて"強者であれ"の横断幕を強く睨み付けた。白鳥の華麗な羽を捥いで平伏し王者になる為には自身らが一体どうしたら良いのか、どれ程の光合成力と新緑、城内強化ーー時には伐採し諸刃の剣なる判断をもしなくては成らない意を決する決断力も生じてくるだろう。
◇◇◇
「いつか必ず負かしてやるからなクソクソクソ」
「何回言ってんだよ汚ぇな」
「いや、岩泉も普段言ってるよね…?」
「マジで及川やめろ、なまえちゃんの前だぞ…なまえちゃんも今日来てくれてありがとうね。今回こそはなまえちゃんに全国プレゼントしたかったんだけど…」
「ううん?皆凄くかっこよかったよ」
試合終了し春高を終えて皆と居る時は不思議と自然と涙は出なかった。死ぬ程悔しい気持ちはあったけどまだ歩いて帰れる。兎に角、また明日からまた只管練習するしかない。もう其れしか道が無いのだから。
冷たい外の気温と青葉城西の爽やかな色合いのジャージは相余り青春を彩る。
ーー花巻と松川と別れて3人で歩いている最中、周りには他人の気配は無く無言で歩く為、道には足音だけ響くと云う何とまぁ珍しい光景になった。いやいや困るよ誰か早く喋ってよ…そうじゃないと俺の視界が思いっきり滲むじゃんか、何だかおかしくなるじゃんか、と及川はピタリ、と足を止め、その様子に気が付いたなまえと岩泉も同時に足を止め及川に振り返り、直ぐになまえが及川へと近寄るのだった。
「…徹くん…」
及川を見上げれば、ぽたっ、となまえの頬に一粒、また一粒と温かい水滴が落ち瞬時にその小さな身体を掻き抱かれる。なまえはぽんぽん、と優しく及川の背中を摩った後、震える身体をむぎゅ、と抱き締めてゆっくりと落ち着かせた後、無言でなまえと顔を合わせてくる及川の望む様に、額と額をコツン、と合わせた。今までの何人もの彼女としてきたキスなんかよりも、なまえとする額合わせの方が、及川にとって自身の源になるのだ。
「はじめちゃんも、おいで」
自然となまえの小さな身体に引き寄せられる岩泉もぎゅっ、となまえを抱き締める。小さく震える彼が落ち着いた後に、岩泉の両頬を包み込む様に優しく手を添えて、ぽたぽたぽた…っと溢れる涙を小さな指で優しく拭った。及川同様に額をこつん、としようとすればハッとした表情になり、顔を真っ赤にさせながら片手で両頬をブニッ、と掴まれ拒否されるが、なまえの顬にぽふっ、と唇を落とされるのだ。
確かに言葉の数は少なかったが、それでも心と心で繋がってるモノがあるとするならば、今の3人は十分な其の証明になっていると言える。
「うわっ!?及川てめぇ鼻水がなまえの髪の毛にっ…汚ぇなクソ!」
「いいんだよ!なまえの髪の毛は俺のなんだからっ」
「ふざけんなよヴォケ!なまえほら早く拭け!」
まだまだ寒い時期、なまえを真ん中にして最後には両側に阿吽から挟まれムギュっ、と頬同士をくっつけさせる。なまえの髪の毛にべったりと涙が着くのだがなまえは気にしない。明日からは立ち位置がガラリと変わる2人がまた明日から頑張ってくれたら、バレーボールを純粋に楽しんでくれたら、もう何も言う事なんか無いのだから。
◇◇◇
「…えっと…その…」
「なまえは俺の泣きべそ見ちゃったでしょ」
「…で、でも…」
「ーー駄目。今日は絶対に家に帰さないから」
夕食、課題、お風呂、明日の支度、寝る前の支度を全て終わらせ及川の部屋で寛ぐなまえは、及川の腕の中に確りと捕まり布団の中に引き込まれる。幼い頃は一緒に寝たりしてたけど、及川に彼女が出来てからは一緒のお布団に入って寝るなんて事は無くなったのだが、今夜はまた急に一緒に寝る事になってしまった。及川の大きな腕で、きゅっ、と抱き締められて優しく髪の毛を撫でられれば、なまえも直ぐにトロトロン…としてきて、もう本当にこのまま眠ってしまいそうだった。ごめんなさいおば様、さっき帰るって言ったけどやっぱり今日は泊まりでお世話になります。
「ねぇ、なまえ」
「…んぅ…?」
「ーー伊達工業のフタクチくんの事、好き?」
「……堅ちゃ…?」
何もなまえが下の名前で親しげに呼ぶのは奴だけじゃない。只、無意識に蕩けきった表情で奴の名前を呼ぶのが気に食わなかった。他の男の名前を呼ぶ時とは全く異なる反応にズキン、と胸が痛む。バレーボールでもそうなら恋敵もそうなのか…自身には常に前からも後ろからも天才やダークホースが立ち向かってくるーーそれならば全員倒すまで。さて、言葉では決して伝えては成らない制約や現状の中で、どうやってなまえに対して堪えられない愛の分を伝えようか。辛く然して随分と身勝手な試練ではあるのは重々承知。
「なまえ…フタクチくんはクソ生意気でチャラそうだからなまえには相応しくないよ。こんな清楚可憐で繊細なお花を、彼が生涯大切に丁寧に愛でる事なんか出来るはずがない」
「…んんん…?えっと…よく分からないけど…あの…徹くんと堅ちゃんは知り合いだったの…?そして仲悪いの…?」
「ーー寧ろ、思考も嗜好も志向も似てるんだよ」
「…?…っ、擽ったいよ…!」
「なまえの事、誰よりも大切に愛でて味方で居て常に傍に居るのは誰かな?」
「……ん、ひゃっ…!?徹く…待って…!だめ…」
及川は小さな身体を抱き締めながら何度も愛おしい名前を呼びなまえの頬に唇を落とす。最初は、ちゅっ、ちゅ、と頬や髪、耳、鼻などを軽く啄む行為だった筈が、及川も段々と歯止めが利き難くなって只、只管夢中になり、なまえの柔らかな小さな頬っぺたを甘噛みしたり首筋に舌を這わせてみたり、既にこの行為は範疇を超えているので流石のなまえも及川から離れようとぐっ…と身体を離そうとするのだが、彼女が及川の力に適うはずが無く簡単に腕を掴まれては、細い首筋に唇を落とされてぢゅぅぅ、と幾つもの花弁の痕を残される。なまえの新雪の肌にぽわり、と幾つも咲いた花弁は首元に広がり更に艶めかしく魅えた。
「~~やだっ…徹くん…お願い…っ…」
甘い声でいやいやと泣くなまえを無視し、なまえの可愛い部屋着を胸上までグイッと捲り上げて先ずは薄いお腹をスリッ…と撫でた。視界いっぱいに下着に包まれた豊満で透明感溢れる胸と何とも細く薄いお腹が顕になって、且つすべすべで最上級に心地良い肌触りと共に、及川の下半身は一気にズクズクン、と強く反応して仕舞う。
「ねぇっ…聞いて…んぁっ…!」
なまえの片方の胸をそっと下着越しに包み込めば、可愛い真っ白なお肉の部分は及川の手から溢れる様に形を変えて豊満さを改めて主張し、トンデモナイモノの持ち主のなまえは、ぴくぴく、と小さく跳ねる。あぁ、ヤバいーー今までで見てきたモノでこれ以上にない程に可愛い。想像以上に柔らかい。めちゃくちゃ甘くて美味しそう。背中から全身に掛けて電気が走る様にゾクゾクして堪らないーー…!本気で止めるなら此処で自制しなければ理性を失う事になるーーあぁ、でも、ダークホースなるフタクチくんに大切にしてきたなまえを此の儘、横から掻っ攫われて奪われるくらいならいっその事、今俺がーー
「~~ひっ、も…徹く…嫌いっ、嫌いっ…」
「!?ちょっ…待って…!それ絶対言っちゃ駄目な言葉!なまえに言われたら及川さん死んじゃう…!」
「だったら今すぐやめて!~~徹くんもっ…落ち込んでて胸を貸してほしいならそう言って!勝手に舐めたり触ったりしないでっ…!」
背後から思い切り鈍器で頭をガツンと殴られた様な衝撃が及川を襲い、及川は一瞬にして我に返りなまえから手を離して謝り続ける。ぐすっ、と涙をいっぱい溜めた飴玉の様な瞳に睨まれて、及川はバチン、と自身の両頬を自身で思い切り挟み叩いた。
「ーーごめん。なまえ…俺、ちょっと余裕無かった…」
「ーー知らない間に堅ちゃんとも何かあったの?…ぐすっ…今日の徹くんはっ…人恋しくて甘えたかったのは私だって分かってるからっ…!それならちゃんと言ってください…」
「ん、ン?」
「~~だって…はじめちゃんの胸に抱きついて甘えたら拳骨されて叱られちゃうから私なんだよね?」
「…あ、ハイ、ソウデスネ」
なまえの名推理を聞いて完璧に素面に戻り、ええ…と頭を抱える及川だったが、まぁ、ならばこの際、なまえの優しさにめちゃくちゃ甘えて豊満な胸に埋まって寝よう、と決意した。要するに触ったり舐めたりしなきゃイインダモンネ?あー…相変わらず俺って性格が悪い。ウン、自分でもちゃんと解ってる。
「ーー確認するけど、今日だけはなまえの胸をお借りして良いのかな?」
「うんっ…抱っこするだけだよ…?舐めないでね…?」
「(約束する)むちゃくちゃ舐めたい」
「…え?」
「(むちゃくちゃ舐めたい)約束する」
「…うん、じゃぁ…徹くん、おいで?一緒に寝よ?」
及川は、なまえの豊満な胸に、ぽふん、と遠慮無く顔を寄せて添い寝する。はぁ…どうしようむちゃくちゃ柔らかい…此処は天国だろうか?あーチ✕✕挟みてぇ…じゃなかった駄目駄目今の頬叩きじゃ足りなかったかな?
「ふふっ、徹くんの髪の毛擽ったい…手の感触が癖になりそう…」
なまえが優しく及川の頭に手を回し、むきゅっ、とくっついて優しく撫でるのも及川にとっては、ふわふわと最上級に心地好くーー気持ちも身体もすっかり落ち着いて然して本日の試合の疲れもあったのだろう、なまえより先に眠りに着いたのだった。